本日の日経金融(日銀、手探りの内部改革)は…
問題の本質が分かっていない。
全般は「企画局」偏重の弊害論で、情報経路の変化を示す図表付き。
・まず、図表がおかしい。そもそも新日銀法の施行によって政策委員会方式が確立した時点で、企画局(当時企画室)は地盤沈下し、特に調査統計局の地位が向上した。従って、図表は6年前に起きたことを示している。
・前提として押さえるべきは、意思決定構造が速水体制から福井体制になって変わったこと。速水氏は信念の人として立派であったが、政策ロジックが弱く、事実上、山口副総裁以下の企画ラインが政策の主導権を発揮。ただし、量的緩和の導入に際しては、一部企画幹部が総裁をかつぎ、ロジック重視の山口派をねじ伏せるなど、変則的な企画主導となった。
・福井体制下はこれが一変。総裁トップダウンの政策運営となった。企画局は基本的には抵抗姿勢を押し切られる形となり、記事文中にある“「総裁-企画局」の政策方針”という表現は、「企画局が総裁に渋々従っている政策方針」が正しい。
・審議委員が企画局に不満めいた発言をみせているが、これは政策的には総裁の意向を受けて動かざるを得ない企画局への不満だと推測される。つまり、総裁への不満を企画にぶつけている側面があるように思える。
・マーケット情勢や経済実体について、企画ではなく、現局に聞くのはどうか。これは審議委員としてむしろ当たり前だろう。企画は各局から情報を吸い上げるが、これだけに満足する審議委員がおかしい。
・また、ある委員は「現場に近い担当者を呼んだ方が実態をつかめる」と言っているが、今の日銀の問題は現場に聞いても実態が掴みにくい、ということだ。なぜなら、圧倒的量的緩和でインタバンクは死んでおり、掴むべき実態がない。また、情報収集において、両ウイングとも全般にアナリスト的ないしリサーチ的なアプローチを取る傾向が強く、個別情報の収集力が弱体化している。昨年のVARショック時には、現場からの情報では何が起きているのかつかめないため、企画関係者が自ら情報収集に動いた形跡すらある。
・展望リポートの「余裕を持って」の下りは企画局の勇み足か。それはあり得ない。政策委の意向を無視し、企画局が勝手に意味不明の表現を挿入するのは想像を絶する。これは政策委または政策委の誰かから「時間的観念を示さずに解除がすぐではないことを表現しろ」などいった指示を受けて、企画局が考え出した表現ではないのか。従って、表現方法がいまいち、という点では企画局にバツが付くが、根本的には指示が愚かであったと見なすべき。
・企画への配属を断わった調統の若手は何を意味するのか。一般的に企画局は腐っても鯛であり、現にエリートが多い。現実には行けと言われれば喜ぶ人間が多いはずだ。研究・分析が大好き、いずれは外に出てもいい、という人間は興味を示さないかもしれないし、こんな滅茶苦茶な政策の企画などやりたくないという骨のある奴も居るかもしれないが、いずれも稀な例であろう。

<まとめ>
さまざまな俗人的不満が組織論にすりかわったような印象

なお、日銀組織論は今後もちょこちょこ取り上げたい。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-12-03 12:15 | Comments(2)
財務省のスワップ取引、どーする日銀?
ついに来年度下期からスワップ取引が始まる。私は当初、かなり酷評したたため、怒りを買ってしまいました(笑)。それでもめげずに本業でもネタにし続けております。
問題は、誰が取引事務を執行するのか。財務省自前、または日銀の可能性も高い。
日銀関係各局の表面的な反応。「分からない」、「知らない」、「さあー」。
本音は「こんなバカなこと、やりたくない」に集約される。
依頼がきたとき、突っぱねられるか。
頑張れ、日銀。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-12-02 17:32 | Comments(2)
日銀の微妙な対話姿勢の変化を歓迎したい件
 この姿勢変化は非常に微妙なものであり、私の勘違いかもしれないが、日銀関係者の付き合い方が柔らかくなった感触がある。具体的なシチュエーションとして何がどうなったのかを書くのは難しいが、一般的な言い方をすると、まあ人付き合いが多少良くなった、ということだ。職務規定の運用を柔軟化させる組織的な決定を行ったのかどうかは分からないが、かつてのような極端に厳格な運用は後退した印象を受ける。というか、やっと普通になってきた、ということなのだが。
 規定運用を過度に厳しくすると、学生時代の同期や古い友人らと飲み会をやろうと思っても、その中に取引先が一人でも居ると、参加できないという漫画みたいなことになり、それに近い例を実際聞いたこともある。もちろん、職務規定の運用は部局によって濃淡はあり、個人によっても温度差はあるかもしれないが、全般的な柔軟化は最近の日銀にしては珍しく評価したい出来事だと思っている。
 政策判断は確かに重要だが、付き合いを普通に持っていくという判断の方がはるかに価値があると思う。その効果はすぐには表れないかもしれないが、中長期的には市場との対話に生かされるのではないかと期待している。特にプルーデンス系の「俺が教えてやる」、「お勉強しました」路線は見ていられないものがあり、早い正常化が望まれる。
 滅多に誉めないので、照れるものがあるなあ、この文章は。私の勘違いなら笑い飛ばしてください。
 
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-12-01 12:45 | Comments(4)
「量」から「質」の介入に転換とは
日経5面の囲み記事
要は、前財務官の介入が異常であり、
普通の介入姿勢に戻っただけではないのか。
歴代財務官の系譜は二派あるとみられ、
現在はまとな(と私は思う)方になったと見ている。
ただ、介入の多寡は米国およびマーケット次第。
悲しいかな、財務官の資質の違いは介入の受動的側面を考えると
誤差の範囲内かもしれない。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-12-01 11:39 | Comments(0)
ムーディーズの格付けで
メガバンクはJGBを上回った。
そこで金融機関の方々にお願い、

金融庁検査や日銀考査がやってきたら
「格下から検査・考査される理由はない」
「むしろ債権者としてわれわれが審査するのが筋だ」
「格上げするまできていただく必要はない」
と言って欲しい

資金ディーラーの方々へ
日銀の売手が入ったら
「ラインフルで~す♪」
と言って欲しい

気分爽快となるはず、無理だろうが。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-30 11:04 | Comments(2)
欧州便り
知り合いのディーラー(石川さん)の欧州便り

デンマークの生活より
 いつもデンマークの悪いところばかり言っていますが、どうもこれはデンマークというより欧州の問題かな、という気がしてきました。
 木曜日に息子2人が通う学校の教科担任との個人面談があるというので、予約を取っておりました。当然、仕事がある日なので夕方6時以降を希望しました。しかし、
『数学 16:30-16:40, 社会 16:40-16:50, 英語 16:50-19:00』
と書いてあり、最後の所が書き間違いで、結局外人の先生に夕方の遅い時間をお願いしても無理なのだろうと解釈しました。
 そして、学校へ行って見ると最初の先生がいません。いつもの欧州だな、と思っていると、通りかかった先生が、
「あ、これは僕の字だ。あ、18と書くところを16と書いちゃった」
ザーけんじゃねー。という気力も起きませんが、しかし、あの“自分が専門としないことは、とにかく物事を適当にやってしまう姿勢”には、驚きを越えて興味を覚えます。2時間後にもう一度学校に行きました。
 何が原因でそうなるのか。私はやはり学校教育が問題で、一定レベルの読み書きの能力をつけるなど、日本などアジアで重要視されることが、欧州では軽視されているのだな、と感じます。あるいは、後進国であったアジアは社会の発展のために識字率を上げるなどの努力をしなければならなかったので今だにそのくせが抜けず、欧州は先進国であったために、その余裕を楽しんでいる、という解釈も可能かもしれません。
 いずれは亀がウサギを追い越す時がくるでしょう
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-29 11:35 | 欧州便り | Comments(0)
本日の日経=薄型テレビの…
販売促進のような印象を受けるなあ。
ファミレスの一人当たり単価の下落の方が、消費動向の面ではポイントになりそうな気がする。ちなみに私の家族は生もの系がきらいなので、外食費は平均以下で済むという幸運に恵まれている(笑)。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-29 11:08 | Comments(2)
「国債時価逃れローン」を妄想(笑わないで…)
銀行は国債運用期間を伸ばしたくない(主として時価会計だから)
銀行は貸出を伸ばしたい

そこで私が会社(SPC)を作る
会社は借り入れし、超長期国債を買う
例・1億円借入、1億円の超長期国債運用
借り入れ金利(固定)=超長期利回りからちょびっとマイナス
買った国債は担保として差し入れ
借り入れの元本返済は超長期満期時に一括

銀行のメリット
・融資が伸びる
・中小企業向け融資である
・しかも正常先(国債担保付き)である
私のメリット
・ちょっぴり利鞘があれば満足
財務省のメリット
・国債がさばける
日銀のメリット
・輪番増額しないで済む

応用編 「国債付き住宅ローン(注1)」、「円投外債時価逃れローン」

問題点⇒思いつきなので計算が合わないかも
      計算が合っても審査が通らない
      そもそもバカらしいアイデアだ etc

妄想に過ぎないようであれば、その点をご指摘頂くと幸い
でも、最近聞いたSPC向け融資って似たようなアイデアだと思うがなあ
借金して都心のマンション投資した方がましですか

注1、このアイデアはある銀行の方に以前お話し、商品企画に回った感触があるが、多分、ボツられたかもしれない。まあ、当然か。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-26 13:15 | Comments(2)
銀行貸出約定平均金利が△だらけだ
発表は24日。中間決算ラッシュに紛れて注意していなかったが、新規はまだしも、ストックベースは全項目が△(マイナス)記号付き。決算短信より、金利の△ラッシュが銀行収益の実情を如実に物語っているように思うが。債券ポートへの運用圧力がいずれ強まるようなことになりそうな感じだ。
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-25 23:18 | Comments(0)
師匠に説教された件
について書きたい。
昔の知り合い(市場関係者)が集まった飲み会に行った。駆け出しのころ、世話になった方々で、まあ師匠のような存在だ。その中で大師匠である偉い人が私のエントリーを見て、一つの忠告をしてくれた。悲観的な見方がはらむ危険性についてだ。酔っていたので良く覚えていないが、骨子は以下の通り。
・悲観的な見方は若手ディーラーにも共通する特徴。数年前にデビューした彼らは好況を知らないから、これは致し方ない面がある。もっとも、生活がリスク回避的になるためか、ポジションの取り方もマーケットニュートラルになりやすい。例えば、部長が「大きくポジションを取れ」と言うと、部下は「そんな大きなポジション、部長取ってください」となるらしい。
・こうした手法が多くなると、相場はレンジになりやすく、ボラティリティは下がり、オプションを売る動きが強まる。相場はさらにこう着し、レンジを前提としたエキゾ系オプションが流行る。そして、もちあい均衡が崩れると、どうしていいか分からなくなる。株価などその典型ではないのか。
・相場はいいとして、土地の話。悲観的になるのは分かるが、REITに組み込まれる物件は(持ち込む側に)キャピタルゲインが発生し、リタイヤ世代の余暇資金が不動産に流れているのも事実。都心部・都心近郊の銀行保有不動産は開発案件として高値で売れているようだ。不動産が実需で盛り上がるかどうかは合理的に考えるより、むしろマインド次第ではないか。日本人ほどマインドに振れる民族はないし、土地は上がり出すと勢いがつく可能性はある。
・私もこの世界では不況世代。教訓は、悲観論が思い込みとならず、なるべくフラットに物事を見るように務めるべし。
・なお、若手ディーラーを擁護するなら、リスク管理の厳格化や会計基準の強化など制度的な変化があったことも影響しているかもしれない。
・追加。私は悲観論者だが、家計ポジションは大きな負債と価値不透明な不動産を抱えて無謀。地価が上がると、職業的読みは外れるが、家計ポジションは改善する。せこい?、すいません。意図的でなく、たまたまそうなだけで…。
・骨子がずれていたら、大師匠から改めてコメントが入る予定。ですよね?
[PR]
# by bank.of.japan | 2004-11-25 01:44 | Comments(10)


無料アクセス解析