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展望リポート中間評価と景気判断、格下げ空振り=ゼロ金利解除の議事録(裏側の解除劇)
 日銀金融政策決定会合が24、25日に開催された。同会合では、展望リポートの中間評価が行われ、景気シナリオは堅持された。成長率は今年度が上方修正され、CPIは来年度が上方の修正となった。政策運営上のインプリケーションはなく、現在の包括緩和が継続される見通しだ。
 前回のメルマガでも解説したが、日銀支店長会議で示された近い将来の踊り場脱却の見通しは、白川方明総裁が改めて会見で確認した。リスクバランスは上下ほぼ拮抗し、全般的にやや明るめの印象を受けたかもしれないが、気持ちとしてはなおダウンサイドをケアしているように思われる。以下、詳しくはメルマガにて。

 日本国債が格下げされた。メルマガ読者には驚くべきニュースではなく、債券市場がなぜ反応しないかもお分かりの方が大半であろう。ただ、専門外の読者もいらっしゃると思うので、改めて債券が反応しないからくりをざっと解説してみたい。マスコミが大騒ぎしただけで、マーケットは無反応という見事な空振りになったのはなぜか。個人的には、一般紙が一面トップに持ってきたのが一番の驚きであった。単純に驚いただけだったのか、それとも何か含むところがあったのか。やや気になるところである。

 今回のメルマガの目玉は、2000年8月のゼロ金利解除を含む日銀金融政策決定会合議事録である。既に事実の大半は議事要旨で公表されており、驚くべき新事実の判明はなかったのだが、読みながら当時のことがリアルに蘇ってきた。誰が何を言い、誰がどう動いたか。私の取材も含めてすべてを再構築するのは難しいため、オムニバス風に以下のような形でまとめたい(予定)。
・解除に至る全体的な流れ&そごう問題の裏側
・山口泰副総裁の「潮は満ちつつある」の真相
・なぜ間違えたのか(組織編、人事編)
・いかに笛を吹いたか
・そしてトラウマ(禁句のダム論)
 かなり長くなるので、今回は仕事論のオマケは割愛させていただきます。議事録解説はやや踏み込んで書こうかなと思っている。読者に多いと思われる日銀関係の特に若手の方々の参考になれば幸いである。
by bank.of.japan | 2011-01-30 00:14 | 日銀 | Comments(0)
日銀支店長会議と景況感、金投資の意味=日銀にとってのベースマネー
 日銀の支店長会議があった。各地域の→は下向きが多かったが、支店長らは会見では先行きに楽観的な見方を示した。支店長は会見ではそれほど先行きには踏み込まないのだが、敢えて言及したのは、→だけだと景況感が悪化した印象を与えるからだと思われる。ただ、先行き楽観とは言っても、展望リポートで示したシナリオに概ね沿っている、という程度で、特に景気見通しが上方修正されたわけではない。以下、メルマガにて。

 もう一つは、金投資の意味について。投資判断としては、実需とヘッジがあるが、昨今の金投資は通貨不安とセットで語られるので、ヘッジの側面が大きいのだろう。問題は、「通貨不安」で金を買う意味である。短期的な不安心理で金が買われる、だから金を買う、というあくまでも目先筋なのか。それとも、本気で通貨不安を信じているのか。そうなら、財政破たんするかしかないか、にベットするのと同じとなる。
 考えるべきは、通貨不安が実現(or財政破たんor銀行券暴落)した場合、単に金を買っておいて良かった、では済まないことだ。食糧危機を煽るな、と言うが、通貨不安も同様であり、金買いブームは通貨不安を煽り、危機が自己実現するリスクがある。管理通貨制度は物としての裏付けがないので…。

 解説は、ベースマネー関連。そもそも日銀にとってベースマネーはどう位置づけられるのか。金融統計の一つであり、当然ながら日々モニターしているが、実務的には二つに分解される。銀行券と準備預金だが、前者は達観するとまあ受動的なので、人々のニーズに委ねる形だ。重要なのは、後者であり、これは金融調節を行うためのインフラである。
 銀行券がなくなると、金融政策が運営できなくなるイメージもあるのだが、実はそうではない、といったことを解説してみたい。
by bank.of.japan | 2011-01-23 18:21 | マーケット | Comments(2)
外貨準備の仕組みとユーロの支援=コモフレーション下の金融政策・再考
 政府はユーロ諸国が共同発行する債券を購入する方針を示した。外貨準備の活用として、たまには気の利いたことをする、と言ってもいいだろう。外貨準備、即ち外為特会の資産は、基本的には為替安定の結果として発生したものである。日本の場合、恒常的な円高圧力を軽減する介入(ドル買い・円売り)を繰り返し、資産として外貨が積み上がり、反対側の負債としてFBが存在する。
 見た目は、借金して外貨を買っている格好だが、もとより運用を目的としたものではなく、あくまでも「為替安定」の結果でしかない。もとより、逆介入の可能性もあるので、資産は流動性の高いもの(現金や短期国債)であるべきだが、逆介入の可能性はあるとは言っても、根強いデフレ(=通貨高)に苦しむのが現状であり、円安の阻止の介入の可能性は極めて小さい。
 と言うことは、現在の資産は今のまま存在し続ける可能性が高いわけで、全部とは言わないまでも、ある程度は有効活用した方が合理的だ。その一つとして、今回のユーロ支援が位置づけられるのだが、いずれせよ、支援することはユーロ安定に貢献し、間接的であるが、円高抑止には役立つと言える。ユーロが根本的に大丈夫か、という疑問は残るのだが、それを別にすれば目先の相場安定としては良い判断であったと言える。
 メルマガでは、外為特会の仕組みを踏まえ、このユーロ支援を考察したい。

 解説は、コモフレーション(orアグフレーション)の様相が強まりつつあり世界経済において、金融政策はどうあるべきかのまとめである。前回も触れたテーマだが、ここではもう少し詳しく金融政策の波及メカニズムを整理してみたいと思う。基本的に先進国が金融を引き締め方向に舵を切ることはない、と個人的には思っている。もとより、これは条件次第であり、人々のインフレ期待が変化するかどうかにかかっているだろう。

 今年は、とりあえずは景気回復が先行しており、資源価格が上昇基調を維持するなら、マーケットでは米国の引き締め観測が台頭しやすい。「偽りの夜明け」が本物感をかもし出す場面もあるかもしれないが、どこかでピークアウトする可能性が高いように思う。

 おまけは金融というか企業社会のカーストについて。どう処するかは、それぞれが職業人生に何を見出すか、であろうか。
by bank.of.japan | 2011-01-16 17:08 | ユーロ | Comments(0)
再び「偽りの夜明け」相場&コモフレーションの読み方など
 今度のメルマガ。まずは「偽りの夜明け」相場について。
 ここもとの株高基調もあって、年初から景気回復への期待感が強い。米雇用統計をめぐっては、その前の労働調査がかなり良い内容であったことから、回復騒ぎが盛り上がり、内外で長期金利が再び上昇基調となった。雇用統計は期待したほど強い内容ではなく、マーケットは冷静にはなったが、回復期待がなお強く、今後も回復をはやす相場は何度か訪れるだろう。
 ただし、バブルが崩壊した後の経済は、そう簡単には健全成長には戻らないものである。回復とは言っても、実感の乏しいもので、偽りの夜明けが繰り返される公算が大きい。という相場観を解説してみたい。

 一方、先進経済はパッとしない中で、原油や金など商品は高い状態が続いている。商品が高いというそれ自体はインフレ的で、先進国の緩和が影響を与えているという見方も強い。いわゆる金融緩和が生み出した余剰マネーの商品高というやつだが、このロジックを重視するのは危険な面がある。
 なぜなら、緩和が実体経済を素通りして商品にダイレクトに響いているなら、金融緩和が経済にスタグフレーション的な影響をもたらしていることになる。緩和を止めなくてはならない。実際は、商品上昇は需給要因とみるべきであろう。その上で日本を含めた先進国の影響を考慮する必要があるわけだ。

 ポイント解説はベースマネー定義のオマケ編である。
 付利した準備預金をベースマネーとして定義するのは難しいと解説したが、関連して日銀の売手はどうなのか、という問題がある。調節上は単なる吸収手段だが、日銀が発行する負債としては、銀行券と売手は同じである。かつて売手の積極活用を決めた際、日銀内では第二銀行券問題としてちょっとした論争になったという。その変の事情と売手の使われ方も含めて考察を行ってみたい。かなりオタッキーな話題であります。

 
by bank.of.japan | 2011-01-08 21:50 | マーケット | Comments(0)
謹賀新年&お知らせ=ベースマネーの定義、市場機能物語(続編)
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。ブログを始めて何年目か特に調べてはおりませんが、今後ともご愛顧のほどを。早速ながらお知らせをまず。
・メルマガが銀行振り込み対応となりました。こちらをご参照ください。
・メルマガは年末年始は休刊してもよいのですが、続行します。その代わりというわけではないですが、帰省した際に場合によっては休刊させていただくことがあるかもしれません。ご了承を。なお、帰省は、正月・お盆は基本的には避けております。

 以下、次号の内容。
・お勧めの講演テキストの紹介
・札割れオペと債券買い 年末の供給オペは盛大な札割れとなり、それもあって債券買いが強まった。一時はタイトであった金融調節だが、年末に向けては供給は厚めとなり、結果的にはキャッシュつぶしの債券買いにつながったようだ。足元の調節は、スタンスがどう振れようが、マクロ的にはどうでもよいことだが、マーケット的にはこの振れは、時に意味もなくボラを高める可能性がある。市場機能的には振れる意味は分かるが、まあそこはTPOが必要ではないか、ということを改めて。
・ベースマネーの定義 下のエントリーに頂いたコメントにも関係するが、経済学的な定義はともかく、実践的な世界においては、ベースマネー(のうちの準備預金)は特性が異なる。ベースマネーが積み上がるとき、緩和的な場合と吸収的な場合がある。従って、表面上のベースマネー変化とは別に、手法に着目する必要がある。FRBの場合は、単純にベースマネー変化だけ追うと猛烈な緩和だが、手法に着目すると中立的にもなる。鍵は準備率や付利にあるわけだ。

解説は、市場機能物語の続き。市場機能論は、狭い意味では私も同調できるところはあるが、こだわるかどうかはやっぱりTPOが重要であり、金融政策運営上の優先順位としては劣後すべきものだと思う。だが、日銀はときどきTPOを忘れたかのようなことがあり、それはなぜか、を心理的に考えてみたい。ある種のコンプレックスが潜んでいるような気がする。

おまけ 「私の履歴書」の関連として、頂いた質問を紹介する形で職業選択をどう考えるか、がテーマです。
by bank.of.japan | 2011-01-02 14:09 | マーケット | Comments(2)


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