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欧州問題の本質、有事とオペの関係=日銀支店長の話
 アイルランドの国債利回りが上昇するなど、欧州が再びきな臭くなってきた。この手の騒ぎは今後も続くだろうが、一気にユーロが分解する、といったことにはならないと思われる。なぜなら、ユーロ全体の危機に発展する荒療治独仏など主要国は回避するはずで、そのためには財政資金の投入はためらわないからだ。
 バブルが崩壊すると、いろいろと危機的なことが起きる。日本でも何度も危機が起きた。理想論としては、どんなに衝撃があっても抜本的な処理を断行すべきだが、それはあくまでもきれいごとに過ぎない。抜本処理の結果、経済が崩壊するリスクに直面するのは本末転倒であろう。当局はモラルハザードを招いても、ないし時間稼ぎでしかないにせよ、目の前の火を消そうとするものだ。
 セーフティネットがない中で、債務超過の銀行を破綻処理すれば、金融システムは決壊し、経済は奈落の底に落ちる。そういうことが起きては困るので、わが国は時間稼ぎと批判されたが、財政の逐次投入を行ってきた。ユーロも同様であり、目先投機筋の翻弄されながらも、時間稼ぎかもしれないが、目の前の火を消していくはずだ。ユーロが分解する覚悟で、どこかの国を処理する、ということは考えにくい。仮にそうなったなら、ハンドリングを間違えた、と受け止められる。
 では、その間、痛み耐えながらユーロにとどまる欧州周辺国にとっての通貨統合は何を意味するのか。マーケットで起きる危機のメカニズムはいろいろな分析があるが、メルマガでは痛み耐える通貨統合の意味を考えてみたい。民族問題が絡む面もあるので、ブログでは書きにくかったことを解説する予定。

 ポイント解説は、有事とオペの関係である。北朝鮮の砲撃事件があったとき、オペはどうすべきか。過去、イラク戦争で日銀は即日で大量の資金を供給したことがある。もとより、インタバンクが不安定化すればオペは必要だが、そうでない場合は? たかがオペだが、されどオペ。使い方次第では有効な場合もある。

 オマケは、仕事論は一回お休みで、別な話題を。数日帰省していたが、そのときに聞いた話を幾つか。ある日銀支店長の有用な「番付」や市町村合併、地域ベンチャーの話など。
by bank.of.japan | 2010-11-28 17:47 | ユーロ | Comments(0)
金利はなぜ必要もないのに乱高下するのか=日銀マンのブルーマンデー
 このところ長期金利が日米で乱高下した。デフレ的状況では、金利は低下or低位安定するのがファンダメンタルズ的には正しいのだが、時々ショック症状でも起こしたように上下動する。日本の長期金利はバブル崩壊以降、総じて低下傾向をたどったが、運用部ショック、Varショックと突如金利が上がることがあった。これは日本特有の現象かと思ったものだが、米国でも似たようなことが起きた。FRBが大量に買う、と言っているのに、である。
 基本的には、バブルが崩壊すると、企業・家計の資金需要は落ちて金融機関は国債買うしかなく、どんどん食えばいい。でも、時々食い過ぎ感に陥り、誰かがゲロすると、瞬く間に連鎖する。なぜ、そういう食中毒みたいな症状が起きるのかは、幾つかある。時価会計、決算、行動の画一性などが作用しており、メルマガではその解説を行ってみたい。
 もう一つは、中央銀行が中長期金利への介入を行う場合の乱高下を回避するための処方箋である。需給に手を突っ込めば、金利は下がるのだが、上記のように債券を買う金融機関の群れは集団中毒症状を起こしてしまう。政策効果の浸透上は困ったものであり、吐き止めの処方を考えみたい。

 ポイント解説は、ブログでは書きにくいネタを今回は取り上げたい。「日銀マンのブルーマンデー」について。月曜日は一般的に憂鬱だが、日銀諸氏にはまた別なブルー要因が生じているようでもある。人によってはブルーでは全然ないのだが、まあ、大半の人にはブルーな現象であろう。私は、程度問題かもしれないが、ブルーとは感じないかもしれない(笑)。
by bank.of.japan | 2010-11-21 15:14 | マーケット | Comments(0)
メモ=QE2の正体、QE2に懐疑的な学者、米連銀法の逆改正論
備忘録的なメモを幾つか

QEII and the Yield Curve
 米FRBの国債買い入れは量的緩和(QEⅡ)と称されるが、実際はイールドカーブのフラット化を促すものだ。これを表題のようにEconomist's Viewのマーク・トーマ教授が解説している。国債買い入れは「ドルを刷っている」とか言われるが、「刷る」のは別に金をくれてやっているわけではなく、国債を現金に換えて、金融機関にリザーブとして持たせているに過ぎない。
 このわずかに金利が付いたリザーブを金融機関が貸出や外貨投資に回せば、マネーストックは増えて、ドル安になるのだが、実体経済の資金需要が乏しい中、結果的には金融システムの内側がじゃぶじゃぶになるだけだ。外貨に回すのはリスクキャピタルを食うことにもなり、米銀も慎重だろう。
 問題は、QE2がカーブのフラット化を促すものだとしても、米債券投資家を意のままに動かせるわけでもなく、現実には買い過ぎの反動から投げ売りが出て、長期金利がむしろ上がっていること。中央銀行が債券市場に介入して実体経済に緩和効果を波及させるのは容易ではないことを示唆している。

多くの経済学者はQE2の効果に懐疑的
 ウォールストリートジャーナルのコラムである。壮々たる学者が居並ぶが、中でもスタンフォード大学のロバート・ホール教授のコメントはツボである。
 「バーナンキ議長は実質、神にインフレ上昇を祈っているようなものだ。だが、それは無理だろう」

・米連銀法の逆改正案
 日本では、日銀法を改正して雇用最大化も目的にせよ、との議論があるが、米国は逆の提案が出ている。先の中間選挙で勢力を増した共和党のペンス議員が「FRBは雇用を目的から外せ」と主張している。同議員は大統領選の有力候補で、既にFRBのQE2に反対する見解を表明している。政治に翻弄されるFRB。バーナンキ議長も大変である。
by bank.of.japan | 2010-11-16 20:53 | マーケット | Comments(0)
包括緩和と時間差オペと市場機能=金本位制の蓋然性
 金融政策で大決断をすると、世の中の関心はその「決断」に向かってしまい、オペがどうなっているのか注目されないもの。「実質ゼロ金利」というフレーズが踊って、政策金利が日々どう動いているかはあまり顧みられないわけだ。まあ、「0.1%も0.08%も0.01%もマクロ経済的にはゼロみたいなものだろ」と達観していれば微細な金利水準などどうでもいいのだが、一応、日々見ている私には、包括緩和の浸透が遅いね、と映った。
 いろいろと技術的な事情があり、その一つは「市場機能論」だったり、基金によるオペを待って「別腹」を空けておこう、といった思惑もあったように思うのだけれども、大決断に沿ったオペが実現するまで時間差がある、というのは少し危なかっかしい面がある。来週のメルマガでは、やや専門的ながら、市場機能論へのこだわりが金融緩和のスタンスを躓かせるリスクがあることを取り上げたい。クルーグマン教授のマネをするならwonkish!であります。
 解説編は、世銀のゼーリック総裁がいきなり言及した金本位制の蓋然性について。結論的には、同総裁の発言は「何をバカなことを言うのだ」というものだが、それはともかくどういう状況になれば金本位制が必要かを考察してみたい。もちろん、その前提には現在の管理通貨制度の在り方も押さえる必要があろう。
 白川総裁は管理通貨制度を「人智によって通貨のコントロールを図るという仕組み」と表現したので、人智論的にやってみようかな、と思っている。かなり過激になるかもしれない。

追伸 なぜかオマケの方が面白い?と言われる「私の履歴書(仕事論)」は「イミグレーションの影=二度と米国の土は踏めない?」であります。米国で、おいおいマジかよ、という状況に直面してしまいました。後日談もあり。
by bank.of.japan | 2010-11-12 22:19 | 日銀 | Comments(0)
FRBはお札を刷っているのか=それはどんなオペレーションなの?
 FRBが国債買い入れを決めた。これに絡んで、巷間言われるのは、「お札を刷って金がジャブジャブになり、ドル安になる」ということ。この「お札を刷る」とはどういうことだろうか。中央銀行が金融政策を実行する場合、それはすべてオペレーションに落とし込まれる。金利政策だろうか量的緩和だろうが信用緩和だろうか、それらはすべてオペレーションを通じて行われるわけだ。
 では、「お札を刷る」というのは、どういうオペレーションなのか。「日銀が金刷ればいい」とか言われるが、どういうオペレーションをやったらよいのか。この辺を次回のメルマガで取り上げたい。
 このほか「副作用論という記者会見の罠」、「日銀文学の形骸化」など取り上げる予定であります。
by bank.of.japan | 2010-11-06 23:12 | FRB&others | Comments(0)


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