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参加者のみなさん、渋澤会長、伊井社長、多謝です=勉強会の一人反省会
 コモンズ投信の勉強会終了。かなりヘビーな質問が多く、まともに答えているのかやや不安に見舞われてしまったのですが、多くの方にご参加頂き、ありがとうございました。同業の方々、金融関係の方々、当局方面の方に混じって見知った方々もおられ、気圧され気味の2時間でありました。帰社途中、振り返って舌足らずだった点や、説明し忘れたこどなどを今後の教訓とすべく、一人反省会的に幾つかメモしておきます。
・中央銀行B/Sがオペで伸縮する際の民間銀行B/Sの変化について質問頂きましたが、資金供給増加で準備預金が増大する場合は、端的に言うと、民間銀行B/S上では資産側では「(日銀当座)預金」が増大することになります。この点、もう少し説明すべきでした。すいません。
・非伝統的金融政策の出口はともかく、「(各国の)入口はどこだったのか」という論点は不意を突かれました。もっぱら出口のことを考えておりましたので、これは興味深い論点でありました。
・量的緩和下の時間軸効果や(FRBの)国債買い入れが狙う効果、それと質的緩和(クレジットイージング)効果なども解説すべきでありました。
・「政府紙幣」論も触れた方が良かったかもしれません。
・日銀=金融政策という印象が強いものの、実際に関与する人数は超少ない、という説明を忘れました。
・東短リサーチの加藤さん、資料提供大変ありがとうございました。
・日銀の政策運営について個人的な予想を色々と述べましたが、結果的には外れるかもしれません。
・現在、各国が手がける非伝統的手段はマニアックなもので、一般受けはなかなかしにくいというコミュニケーションポリシーも一つのテーマとして盛り込む必要性があると思いました。
・白川総裁の人物像について幾つかのエビソードを披露するのを忘れました。
・他にご注文などあればご指摘ください。

改めてコモンズ投信の方々、ご参加頂いた方々には感謝いたします。
by bank.of.japan | 2009-07-30 23:18 | その他 | Comments(6)
スウェーデンのマイナス金利考察=現時点では?
 しばらく前に日経ヴェリタスにスウェーデンのマイナス金利が取り上げられ、「ホゥ」と思った。超過準備のマイナス金利だったので、直感的にポートフォリオリバランス効果を狙った措置かなとの感想を持ったが、なかなか時間がなくてじっくりチェックする暇がなかった。マクロ的に大きな意味を持つ措置ならいつも見ている欧米ブログで大騒ぎになるので、反応待ちを決め込んだのであります。で、そういうこともなく、やっと調べてみたのだが、結論から言えば現時点では政策的にはさほどの意味がないような印象を持った。
 まずマクロ的な効果を狙っているなら、スウェーデン中銀もその旨を表明するはずで、それらしき文言を探したのだが、なかなかない。で、何とか見つけ出したのは以下の説明であった。
「On 1 July 2009, the Riksbank decided to cut the repo rate to 0.25 per cent and to retain the corridor of plus/minus 0.50 per cent. This entailed a deposit rate of minus 0.25 per cent. As the Riksbank carries out fine-tuning operations every day, only small sums remain to be transferred to the deposit facility when the payment system closes for the day. The negative deposit rate gives the banks an incentive to participate in the fine-tuning process or to lend money to each other if any of them have a deficit at the end of the day」
 簡単な訳→わが中銀は政策金利の誘導水準を0.25%に引き下げたが、政策金利の変動幅(コリドー)は誘導水準上下0.5%を維持する。これによって(民間銀行の)中銀預金の金利はマイナス0.25%になる。我が中銀は毎日金利微調整のオペを行っており、決済締めるときにはほんのちょっと預金が残る。この預金のマイナス金利は銀行がオペに参加したり、銀行のどこかが資金不足になったときに別な銀行が融通するインセンティブを与えるものだ。
 これ、ポートフォリオリバランス効果とか言うもんじゃなくて、かなりインターバンクの技術的な話になっている。おかしい、どういうことだ、としばらく悩んだ。利下げしてコリドー幅をそのまま機械的にずらしたら、預金金利がたまたまマイナスになっただけ、としか読めない。これに調節上の技術的な解説が加わった格好だ。
 中銀預金はある意味超過準備のようなもので、この規模が大きいほどリバランス効果はでかくなると考えられる。「ほんのちょっと預金が残る」とあったので、実際はどんなものかと探ってみた。バランスシート統計を見つけて、最近の残高を見たら、これがなんと超少ない。
(1クローネは12円ぐらいですか?)
7月7日  4300万クローネ
7月15日 3800万クローネ
7月23日 4400万クローネ
 ちなみにスウェーデン中銀のB/S規模は7000億クローネ前後なので、この超過準備の規模はゴミである。ということは、現時点ではマクロ的にはほとんど意味のないマイナス金利のように思える。これからスウェーデン中銀がどういう緩和策やるのか分からないが、プラス金利を維持する限りはこの超過準備はほとんど増えないような気がする。なぜなら、市場金利がプラスである限りでは銀行は余った金については市場に放出する方を選択するからだ。超過準備発のポートフォリオリバランス効果を高めるには、まずはゼロ金利にしてバンバン金を出してみることではないか、と思った。
 まあ、本当にすごいマイナス金利なら日経新聞もヴェリタスではなく本紙でドカンと書いたでしょうから。でも、ヴェリタスが書かなかったら気がつかなかったかもしれず、スウェーデン中銀情勢を調べるよいきっかけにはなりました。ありがとうございます。
 
by bank.of.japan | 2009-07-29 21:20 | ユーロ | Comments(2)
SDRは機軸通貨としては不完全=IMFを「世界の中央銀行」にする必要
 ドルに替わる機軸通貨として注目されるSDRだが、本当にそうなのか。この点について、野村総研の井上哲也主席研究員が論点をまとめているので簡単に紹介したい。結論から言えば、現状のSDRは機軸通貨としては不完全で、基軸通貨とするにはIMFを「世界の中央銀行」にする必要がある。議論は「第2次大戦直後のケインズの主張にまで戻ることになる」(井上氏)わけだ。
ポイントは以下の通り。
①ドル相場に左右されない運用通貨としてSDRに期待しても、それ自体は主要通貨の合成で、だったら運用通貨を分散すればよいだけ。「SDRのウエイトは公表されている上に、SDRの構成国の資産(国債等)は総じて高い流動性を持つので、SDRと同じ通貨構成のポートフォリオを運営することは難しくない」わけだ。
②米国の金融政策に左右されない外貨資産としてSDRを保有するのも、上記と同様のことが当てはまる。「SDRのように固定ウエイトで外貨準備を運用した場合、景気循環を通してみれば、最大限望みうることはパッシブに価値を維持することである。このこと自体の意義は小さくないが、景気循環の伝播を見ながらダイナミックに通貨構成を変えれば、より良いパフォーマンスを追及しうる」わけだ。
③先進各国はそれぞれの中央銀行が優れた決済システムを持っている。SDRを決済通貨とするには新たなシステム構築が必要。また「先進諸国の場合、こうした(決済)インフラは厳しい規制の下に置かれているので、これらを国際的な資金決済にも活用することは、決済の安全性や安定性の面で大きな意味を持つ」と考えられる。
④ドルはFRBが柔軟に供給することが可能。今回の危機においても、スワップを通じて各国にドルを供給することができた。SDRはそれが可能なのか。IMFは出資金の範囲でしかSDRを出せない。「資金は公的資金であるだけに、各国政府は事前に政府予算として議会の承認を得ている。従って、金融危機に対応するためにIMFが既存の枠を超えてSDRを供給しようとしても、円滑に実現する保証はない」のである。
 冒頭述べたように、SDRをドル級の機軸通貨とするにはIMFを世界の中央銀行としないといけない。これは超ハードルが高い問題である(というか空想?)。井上氏も言うように「(むしろ)別の国の通貨が国際通貨の地位を得る方が蓋然性の高いシナリオかもしれない」のだ。
 まあ、SDRは超マイナーな分散通貨でしかないのでしょう。当分の間は。ケインズが世界通貨を創出しておればまた別だったのでしょうが。
by bank.of.japan | 2009-07-29 00:25 | マーケット | Comments(3)
シュワルツ女史のバーナンキ議長続投反対論は意外=その論拠も意外
 「フリードマン・シュワルツ」と言えば、大恐慌における中央銀行のマネー供給を重視した二人であり、バーナンキFRB議長はこれにほぼ沿った政策運営をしていると思っていたのだが、肝心のシュワルツ女史が議長続投に反対して驚いた。さらに驚いたのは反対の論拠であって、金融政策運営に不満があって反対しているのかと思いきや、プルーデンス政策への不満であった。これまた意外である。経済学界的にはシュワルツ女史がバーナンキ議長の続投に反対する論拠があるのか、どなたか詳しい方いればご教示を。
 シュワルツ女史のバーナンキ批判を知ったのは、Economics, Technology & Mediaさんのツィッターにて。シュワルツ女史、米ニューヨークタイムズ紙で、「Man Without a Plan」という論説を書き、バーナンキ議長を批判しているのである。「計画のない男」とはまさにバーナンキ議長であり、つまるところ金融危機対応に一貫性がなく、マーケットの安定化がうまくいかなった、というわけだ。この論説、calculatedriskEconomist's Viewでも話題になっていて、孫引きだがシュワルツ女史は以下のように続投に反対している。
「As Federal Reserve chairman, Ben Bernanke has committed serious sins of commission and omission — and for those many sins, he does not deserve reappointment」
 現状、NYT紙のページが読めないので、ちょっと前にざっと読んだ感想だが、個人的にはシュワルツ女史の批判は議長にはやや酷ではないか、と思った。振り返ってみれば、いかようにでも批判できるものであり、確かに救済には一貫性がなかったが、これはかなり政治的要因にも振り回された面があり、そもそもポールソン長官のリーマン法的破たんの容認が一番まずいわけで、バーナンキFRBは事後処理に奔走を余儀なくされたのが実情であろうと思う。
 そもそもシュワルツ女史は、学派的に詳しいことは知らないのだが、専門は金融政策?であり、その専門的知見においてバーナンキ議長を批判するのは分かるのだが、議長は基本的にはフリードマン・シュワルツ路線に沿った対応をしているのであり、なんだかこじつけの批判を展開しているように見えた。未曾有の危機対応がうまくできるかどうかはまあ結果論であって、これは誰がやっても難しい。リーマンショック後のFRB、あれだけやれるとはある意味天晴れではないか、とも思うのだが…。
 ちなみに、Economist's View(マーク・トーマ教授)はバーナンキ擁護、calculatedrisk氏はやや擁護には距離を置き、トーマ教授のエントリー内容に引っかけて「もっと対話のうまい医者がいればその方がいい」というスタンスで、イエレンSF連銀総裁にどうもご執心のようだ。
 私は、FRB理事時代のバーナンキ議長は好かないが、最近はかなり好感を抱いているので続投支持派である。対話なんて何とでもなるものであろう。議長、市民との対話にも乗り出している。これは異例の対応である。本当に傲慢な学者ならこんなことはしない。シュワルツ女史、バーナンキ議長に代わる有能な人材はいくらでもいる、とか書いていたが、もし間違って議長を交替させたら、オバマ政権の経済運営はまずいのではないか。サマーズはなあ、ちょっと嫌だよなあ。
by bank.of.japan | 2009-07-27 21:37 | FRB&others | Comments(11)
山河氏の「大機小機」はマクロプルーデンス論として必読=中銀が監督機能を担う問題点
 23日付の日経新聞「大機小機」で山河氏がマクロプルーデンス論のあり方として非常に参考になる論点を提示していた。山河さん、なかなか鋭いご指摘で、感銘を受けた次第です。さて、山河氏の主張だが、これは中央銀行に金融監督の権限を委ねる場合の問題点を整理したものだ。
 現在、米政府は金融監督体制を見直しており、大手金融機関の監督をFRBに委ねることを想定している。このアイデア、中央銀行が最後の貸し手機能(LLR)を果たし、個別の資金繰りもモニタリングしていることを考えると、金融システムにおいて大きな存在である大手金融機関の監督を担うのは合理的にも思える。
 ただ、監督機能を担うことは、金融システム安定の責任をフルに背負うことを意味する。ところが、この責任を果たすことが金融政策運営の目的と齟齬をきたすことがあるわけだ。山河氏が指摘したのはまさにこの点である。例えば、インフレが高進している局面で大手金融機関が破たんしたらどうなるのか。金融システムが不安定化すると、結果的にマクロ経済は打撃を受けてインフレは沈静化するとも考えられるが、実際にそうなるかはよく分からない。
 中央銀行はいずれにせよインフレ高進に対応して利上げして良いのか、金融システム安定化のために利下げすべきか迷うはずだ。場合によっては利下げしたものの、結果的にインフレ率を加速させてしまうかもしれない。一方で、インフレ対応の利上げに踏み切ったものの、結果的に金融システムを一段と不安定化させてしまい、マクロ経済に打撃を与えることも考えられる。
 また、中央銀行は一般的に資産の健全性を重視する存在であり、金融システム安定化のために無担保・無制限の融資が必要な局面でありながらも、これを渋る可能性もある。一方で、無担保・無制限の融資を過剰にやってしまって通貨価値が激しく劣化する事態も考えられる。
 山河氏は結論として、この問題は中央銀行の独立性に大きな影響を与える、との認識を示しているのだが、これはその通りである。

 補足として。海外では盛んにマクロプルーデンスの在り方が議論されているが、これは従来の対応が不十分であったことに対する反省によるもの。一方、日本は既に金融危機を経験しており、マクロプルーデンスは一歩進んだ状態にあると考えられる。ある意味、海外はやっとマクロプルーデンスの重要性に目覚めた段階で、日本に追いつく段階にあるわけだ。従って、海外のマクロプルーデンス論がどういう形になるにせよ、日本は日本のやり方を追求すべきで、必ずしも海外論調に左右される必要はない。心配なのは、民主党が政権を取った場合である。それなりにうまくいっているマクロプルーデンスであるにも関わらず、脱官僚のノリで従来のやり方を台無しにして、海外論調に盲従するリスクがあることだ。民主党の先生、この問題、よく考えた方がよいと思う。
by bank.of.japan | 2009-07-24 23:19 | 大機小機 | Comments(11)
日銀総裁は気軽に「白川さん」と呼んではいけない偉い人になったのだろうか、と思った件
 「思った件」シリーズではないが、日銀の知り合いと話していたら、総裁がダラス連銀のアドバイザーになった、と聞いた。既に報道済みだったのだが、あいにく私は知らなくて、慌てて確認に走った。で、ダラス連銀のここに名前が出ていた。しげしげとメンバーを眺めたのだが、重鎮たちばかりであった。
 アドバイザリーボードの座長はJohn B. Taylor、メンバーにはMartin Feldstein、Glenn Hubbard、Otmar Issing、Kenneth Rogoffなど有名人ばかり。この人たちに並んでMasaaki Shirakawaとあり、日銀総裁、すっかり国際金融の著名人となってしまった感である。白川さんは審議役時代の印象が強くて、そのノリで「白川さん」とか声をかけてしまいそうなのだが(苦笑)、ちょっと声かけにくい感じがしてしまった。
 メンバーを見ていたら、興味深い面子がいた。William White、それとResearch AssociatesのClaudio Borioである。前者はご存じBISビューのビル・ホワイト氏、後者はBISでホワイト氏の後任となったクラウディオ・ボリオ氏である。BISビューのオリジナルのアイデアはボリオ氏によるもの、とされている。白川さん、こんなところでBISビュー仲間を連んでいるのですね。面白い。
 それからResearch AssociatesにはChikako Baba さんという日本人の学者もいた。日本人の活躍はよろこばしい限りである。頑張って欲しい。

下のエントリーに関して基軸通貨ドルを代替するSDRがやっぱりうまく代替しないのではないか、という分析を野村総研の井上研究員が書いており、追って紹介します。

大雪山遭難の件ではリスク管理のあり方でいろいろ思うところがあるのだが、漂流する身体。 さんのこのエントリーは大変参考になった。興味ある方はご参照を。
by bank.of.japan | 2009-07-22 21:49 | 日銀 | Comments(13)
民主党政権が外貨準備を振り回すと世界経済の超巨大黒鳥になるのではないか、と思った件
 恐らく民主党政権になるのだろう。で、新政権になって多少政策運営で混乱しようが、日本人が自分で選んだ政権なのだから、自己責任原則である。これは仕方がない。去年は日銀総裁人事が野党の突発性何でも反対症候群に見舞われ、たまげた結果になってしまったが、これもまあドメスティックな問題であって、外界から見ればなんだかよく分からんことやっているね、という見せ物を提供したようなもの。だが、世界が笑っては見ておられないことが一つだけある。我が国の「外貨準備」である。
 政権がどうあれ、この扱いは要注意である。介入のやり方にはいろいろ異論はあるかもしれないが、基本は通貨安定の結果として積み上がったシロモノであり、決して運用の発想を持ち込むものではない。いくら外貨準備の規模が膨大であろうが、運用資産ではないので「リスク」というものはない。強いて言えば、将来のもしかしたら起こり得るかもしれない通貨防衛に際し、戦略備蓄的な介入用外貨原資として十分かどうか、という点だけで、現状はとっくに銀行券残高を大幅に突破してカレンシーボードかと思わせる状況で、しかもいつでもドル化OKというぐらいの感じなので、バッファーとしては超十分なのでしょう。
 私は、基本はノンポリで、自民も民主も大した違いはないように見えて、強いて言えば民主の方が左方向に間延びして、ややとらえどころがない感じがある。まあ、日本人はそうドラスティックに変わるものではないので、民主党政権になってもあまり変化はない、と思う。政権を「変えたい」からというムードが政権を変えるのでしょう、多分。問題は、国内にもたらされる混乱はどうでもいいのだが、世界に混乱が生じてはいけない、という点で「外貨準備」である。
 世界はリーマン破綻のショックからようやく立ち直ろうとしている段階であり、ここで基軸通貨ドルが揺らぐ事態は大変まずいのである。全身打撲を負った世界が何とか蘇生しようかとする中で、「ドル下落のリスクが心配だ」と政権与党が言ってしまっては本当にまずいのである。野党が言う分にはいいが、政権与党ですから。これは世界金融市場にしゃれにならない衝撃を与えてしまう。
 対米与信という点では中国がスーパーメーンバンクだが、あの国は打算があり、しかも共産党独裁であって米国を揺さぶるにしても、一つの意志の下でゲームをやっているように思う。一方、民主党の外貨準備にまつわる発言は無邪気感があり、しかも党内意志が本当に統一されているのかどうか読めないところがある。日銀総裁人事とかそうだった。このノリで、外貨準備を無邪気に振り回されたら、世界経済のスーパーブラックスワンとなって再び全身打撲を負うかもしれない。そうなったらもう立ち直れないよ。
 ということで、どうか外貨準備だけは静かにしておいてください。まあ、選挙まで間があり、「政権変えたいムード」は飽きられるかもしれませんが…。
by bank.of.japan | 2009-07-21 20:51 | マーケット | Comments(19)
「出口政策」とか言われるが実態は二段階で考えた方がいい
 「出口政策」とかよく言われるが、これは使う人によって微妙に定義が違うように思う。または定義を漠然したまま使っている、というのが実情かも知れない。一般的にイメージされる出口政策は、CP・社債買い入れ&特別オペなど異例の企業金融支援措置を止めて低金利政策を少し修正する(引き上げる)ことまでを含めたプロセスではないかと思う。量的緩和解除のプロセス(出口政策)も金利をプラスにして終わったのと同じである。
 では、今の金融政策に照らすとどうなるのか。日銀は賢明なことに自ら出口政策を定義することはしていない。出口に向けて一歩踏み出す必要がないから定義しない、ということだろう。これは市場期待を安定化させる上ではプラスである。では、企業金融の厳しさが払拭されて異例措置の修正という一歩を踏み出す際には出口政策をどうすればよいのか。ポイントは以下であろう。
①0.10%という政策金利自体も異例の措置である。
②であるならば、異例でない金利水準(0.25%?)を目標にした「出口政策」のプロセスを示す必要がある。
③0.10%は異例措置ではない。
④であるならば、出口政策は利上げを目標とせず、単に企業金融支援の異例措置を止めるだけ。
⑤この場合、利上げするかどうかは需給ギャップなどマクロ判断に委ねられる(別な出口政策)。
 現状、企業金融の厳しさが払拭されても、需給ギャップは解消されない状態が続く公算が大きい。従って、企業金融支援措置を止める場合は、止めることが出口であり、次の出口である利上げとは切り離されている、という二段階の出口政策を示すことが必要ではないか、と思った。まあ、今のところ、こんな感じで個人的には出口を整理しております。

追記 勉強会の方はお陰様で満席となり、申し込みは締め切りとなりました。みなさん、ありがとうございます。正直なところ、満席はないのではないか、と思っており、驚いております。ご参加できない方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて何らかの形で機会を設けたいと考えております。
by bank.of.japan | 2009-07-16 22:26 | 日銀 | Comments(4)
決定会合・会見など雑感を幾つか
・決定会合は現状維持&企業金融支援の継続
 特別オペでは段階縮小の仕組みを入れたり、CP・社債買い入れの停止とかのアイデアはあったようだが、何も手を入れずに単純延長したのは、これはこれで良かったのではないでしょうか。先行きどうなるか分からず、ここは安全運転が無難。ナイスな判断であったと思う。日銀、「余裕を持って」と言いながらあっという間に量的緩和は解除しちゃったが、今は余裕あるじゃないですか。この調子、この調子。

・総裁会見
 なんと30分程度で終わった。こんなにうれしいことはない。最短記録ではないかと思った。次も最短目指そう、みんな。内容については特記事項はないです。

・日銀調査論文の紹介
 切り込み隊長が取り上げていたので思い出したのが、「国際金融ネットワークからみた世界的な金融危機」。場所はこちら。ツィッターでも簡単に触れたが、これは久々のヒットではないかと思った。国際的な金融取引のつながりは漠然とは頭の中でイメージはできるものの、所詮は漠たるもので、モヤモヤの域を出ない。この論文は、国際決済銀行の「国際資金取引統計」をベースに国際的な金融取引のつながり具合いを分析したもので、特につながりを視覚化させたチャートは感心した。この手のつながりは、BIS統計が手がかりになるとは思ったものの、数字だけで見ても私の頭のレベルでは何のイメージも湧かない。グッドジョブでしたね、I君。次はFSRでよろしく。

・夕刊「十字路」 ため息。ショック療法or宗教?
 
・下のエントリーで紹介した勉強会、よろしくです。
by bank.of.japan | 2009-07-15 21:45 | 日銀 | Comments(0)
勉強会のお知らせ
 コモンズ投信の渋澤会長、伊井社長のご厚意により、勉強会で説明する機会を設けて頂きました。7月30日(木) 19:00 ~ 21:00、場所は東京21cクラブ(新丸ビル10階)です。申し込みはこちらまでお願いします。金融調節の実務的な側面にご関心ある方はご参加ください。
主な説明内容は以下を予定しています。
・資金需給の変化(財政要因と銀行券要因)
・資金変動におけるオペの役割
・B/S上における短期オペと長期オペ(国債買い入れ)の関係
・国債買い入れ増額と金融調節の効率性
・銀行券ルールの解説
・出口政策の日米比較
・金融政策の波及ルートについて
 普段は、前置きなしの雑談めいたやりとりが多く、セミナー形式できっちりと話すことには慣れておりませんので、むしろ途中でいろいろと質問を頂いた方がやりやすいです。なるべく平易な解説に努めたいとは思いますが、やっぱり専門的になるかもしれません。ご容赦お願いします。

資料としては日銀調査論文「主要国の中央銀行における金融調節の枠組み」が参考になります。
by bank.of.japan | 2009-07-14 21:47 | ブログ紹介・お知らせなど | Comments(8)


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