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バーナンキ議長の「市場機能論」がマジなら…
 バーナンキFRB議長の「質的緩和」は「市場機能の回復」を狙ったものだが、私自身はこの市場機能論は一応は表立っての理由であり、議長の本音はリスク資産の購入を強めながら量(B/S)の増大を図っていきたいのではないか、と見ている。質的緩和(劣化)を通じて量を増大させると、日銀のやった質を劣化させない量的緩和よりも効果は高いと考えられるためだ。まあ、私はそう思ったわけだ。
 ただ、どうもそうじゃなくてバーナンキ議長は「質的緩和」にマジなんじゃないかという見方もある。量は増えるが、これはリスク資産の購入の付随的なもので、量の増大には意味を見出していない、というわけである。以下、連銀ウォッチのTim Duyのエントリーより。
 「I believe this is one reason the Fed has shied away from the term "quantitative easing." Note Bernanke & Co. always place the expansion of the balance sheet in terms of the improving the functioning of private capital markets. See Federal Reserve Chairman Ben Bernanke's speech last Friday」
 この文章の前のところから訳すと、「(FRBの国債購入(例の30兆円)は財政マネタイズとみられているのだが)私はFRBにその意図があるとは見てない。FRBは“量的緩和”から距離を置いているし、バーナンキ議長&その同僚らは常にB/Sの拡張を民間クレジットマーケットの機能改善のためとしているからだ。実際にバーナンキ議長は以下のように述べている」
 で、議長はどう言っているのか。
 「These purchases are intended to improve conditions in private credit markets. In particular, they are helping to reduce the interest rates that the GSEs require on the mortgages that they purchase or securitize, thereby lowering the rate at which lenders, including community banks, can fund new mortgages」
 この部分、簡単に訳すと、「(国債やMBSなどの)買い取りは民間クレジット市場の状況改善を狙ったものだ。これらの買い取りは住宅ローン金利の低下をサポートし、金利を低下させることで新たな住宅資金を提供できる」といった内容。
 では、バーナンキ議長が「市場機能論」にこだわるのはなぜか。Tim Duyはこちらのエントリーで「For Bernanke and Geithner, there are no bad assets. Only misunderstood assets」と指摘している(このエントリー、なかなか良いのでお勧めします)。バーナンキ議長やガイトナー長官にとっては不良債権なるものは存在せず、単に市場がミスプライスしているだけ、と解釈しているのではないか、というわけだ。従って、市場がまともに機能するようになれば不動産価格は元に戻って問題は解決する、それで一生賢明に「市場機能の改善」を唱えて質的緩和に励んでいる、との見立てだ。もちろんTimはそれじゃあダメで、市場機能が戻っても家計部門の資金需要が活発化することはないと見ており、結果的にバーナンキ議長はマクロ経済に働きかける「量的緩和」をやるだろうと予想する(この見方に私も賛同する)。
 ちなみこのエントリーはクルーグマン教授もこちらで引用して、ガイトナー長官を批判している。ただし、同教授はFRBの国債買い入れは「量的緩和」だと評価しているようだ。
 私も、そして知り合いの日銀マンらも国債買い入れは量的緩和だと見ているのだが、もしバーナンキ議長がTim Duyが言うように市場機能論にマジであるとすると、これはかなり市場との対話が難しくなるだろうと思う。市場が国債買い入れなどリフレ政策と認識して反応する一方で、FRBが市場機能を前面に押し出していくと、長期金利の上昇というリフレ政策に対する正しい反応はFRBには困ったことになる(金利低下を狙っているので)。また、市場機能論に立脚した質的緩和は場合によっては市場が正常化すれば自動的に緩和が修正されていく、という印象も与えるので、市場は引き締めと受け止める可能性もある。市場期待の安定化が難しい側面をはらむ。
 市場機能論で国債を買うというロジックは、私個人としてはイールドカーブをフラット化させてマクロ経済をサポートする、という説明の方が分かりやすいのではないかと思う。この時に日銀が導入した「時間軸政策」も取り入れるとフラット化させたい意図が鮮明に伝わるのではないか。
by bank.of.japan | 2009-03-28 18:28 | FRB&others | Comments(13)
EIUの世界が危険化するリポート=日本は安全です
 「Finantial Ninja」でEIU (Economist Intelligence Unit)の世界が危険化する可能性を分析したリポートを見つけた。 詳細を知りたい方は当該エントリーからリポートをダウンロードできるのでご覧あれ。簡単にまとめると以下の通り。

メーンシナリオ(確率60%) 各国当局の経済対策で景気は安定化する(ただし低成長)。
メーンリスクシナリオ(確率30%) 景気対策失敗。長引く不況。保護主義の台頭。グローバリズムの反転。
サブリスクシナリオ(確率10%) ドル崩壊。アンカーとなる価値の喪失。世情混乱、暴力的デモの横行。つまり暗黒の世界である。

 リポートは確率10%の危険シナリオの分析に軸足を置いたもの。地域別危険マップがあるので、これは視覚的に分かりやすい。結論から言えば、このシナリオでも日本は「安全」であります。165カ国の危険ランキング(1位が一番危険・ご存知のジンバブエ)で150位で、ドイツと同程度。一番安全なのはノルウェー(北欧圏はこんな感じ)。あとカナダとかニュージーランド、オーストラリアとか日本よりも安全。日本の「安全」に安心できない人はオセアニア英語圏に移住しましょう。またはカナダへ。
 近場で危ないのは中国。軍隊出動の騒乱が起きるけれども共産党政権はなんとか生き延びるのではないか、とEIUは見ているようだ。先進国では英米はやや危険度増す感じである。英国のある世論調査では、回答者の40%弱は軍隊出動の騒乱があり得る、と懸念しているようだ。

確率10%の危険シナリオは、しばらく前に紹介したファーガソン教授の予測をブレークダウンした格好となる。この予測が実現した場合、日本の経済情勢がどうなるかだが、恐らくは世界貿易の縮小で不況が強まるとは思うが、安全国であることが評価されて“質への逃避”としてマネーが入ってくる可能性がある。このマネーがどの程度のプラスをもたらすか、どうプラスに生かすか、が政策課題になるのでありましょう。あと、食糧・資源確保が課題です。カナダ、オーストラリアなど資源国との一段と親密な関係が必要でしょう。

 私個人がどうなるかはまったく予測は不能。職がない状態であったなら、田舎に帰ります。やっぱり最後に重要なのは体力ですね。
by bank.of.japan | 2009-03-25 21:19 | 経済 | Comments(15)
飛ばし的な自己落札的行為が可能ではないかと思ったが…
 表題は、ガイトナー財務長官の新たな不良債権対策を報道ベースで見た感想である。不良債権問題を一発で解決するのは方法論としては簡単であり、「不良債権の簿価買い取り」をやればいいだけだ(確か日本でも一度浮上したことがある)。ただ、これはロスの全額を血税で埋めることになり、納税者が納得しない。強行すれば、超厳しい経営責任の追及(刑務所にぶち込む、私財没収とか)が必要となり、政治的には難しい。というわけで、解決は簡単だけれども実現しない手段である。
 で、今回の米政府の案は「市場原理」を応用した不良債権処理である。問題は、市場原理を信じてよいのかどうかである。不良化した債権の適正価格を市場原理で発見できるのか。また、そもそも市場原理が公正かつ透明に働くのか。不良債権を売りたい金融機関(売り手)と不良債権を買いたいファンド(買い手)。前者はなるべく高く売りたい、後者はなるべく低く買いたい。現状はオファーとビッドがかけ離れた状態で歩み寄らない。そこで政府が体を張って歩み寄りを促したわけである。一番きれいなのは三方一両損で、それぞれが相応の負担で入札が成立することだ。
 政策スキームを見るとき、抜け穴を探る哀しい習性が身についた私がぱっと思いついたのは、売り手の自己落札的な行為である。一番汚い(or露骨な)方法は、売り手の金融機関がファンドを設立してそこに有利な価格で不良債権を落札させること。この方法を使えば、政府にロスを飛ばせるので自力で処理するよりも楽である。そこまで露骨な手段が取れないなら、協力してくれるファンドを見つけて水面下でキックバックを約束して高めの落札をさせること。まあ、入札の談合であります。
 こうしたモラルハザードを遮断する仕組みが盛り込まれているのか、細かく見ていないのでよく分からないのだが、どうなんでしょう。でも、モラルハザードがあったとしても落札されていけば見た目は不良債権は消えていくので、早期に問題を解決したい米政府としてはむしろモラルハザードは黙認するんだろうか。だとすると、問題の先送りになる。
 まあ、モラルハザードのリスクを内包しようがしまいが、どんな案でもとにかく市場が好感して楽観ムードが広がり、勢いが付いてそのまま気が付いたら景気よくなっちゃいました、となればメデタシ、メデタシである。墜落死したネコが地面に当たって跳ね返る途中で息を吹き返す奇跡を願うようなものかもしれないが…。景気悪化ムードで窒息感が強まりつつある中、何でもいいから一息ついてみたい気分であります。ガイトナー、さすがだ! 素晴らしい案だ! と連呼すべきでありましたかね(苦笑)。

ps もちろんモラルハザード的な行為が後から発覚して、また庶民が怒ってしまうとこのプランはスタックして、不良債権処理は滞ることになる。クルーグマン教授の焦燥感(or諦観)が深まろう。
by bank.of.japan | 2009-03-24 20:57 | FRB&others | Comments(15)
米国版rinbanの変遷=おまけ・クルーグマン教授の失望&替え歌
 先般、米FRBが3000億ドルの米国債買い入れを発表した。もともとFRBは「クーポンパス」(国債買い入れ=日銀のrinban)という手段を持っているが、一昨年来の金融危機でオペ体系が滅茶苦茶になる中でクーポンパスはどうなったかよくわからなくなった。今回の買い入れを考えるに当たり、これまでの経緯を超ざっくりまとめみた。記憶頼りなので、間違いあればご指摘を。
・危機前 普通にクーポンパスをやっていた。位置付けは日銀と同様(銀行券に合わせた長めの資金供給)
・危機発生からリーマンショックまで
 流動性危機が勃発して潤沢な資金供給を開始。ところがFRBは日銀売手のような機動的吸収手段がないので、資産から国債を外すと同時に民間債務を受け入れて流動性を供給。国債は売り切りを伴いながら残高が縮小(この局面でクーポンパスは休止)。この間、FRBのB/S規模はほぼ一定。
・リーマン後と今
 上記の構図が続く中、MBS買い切りとか発表。B/Sは急膨張。そして国債買い入れを発表する。従来のクーポンパスと異なるのは、国債の買い入れ規模と期間(3000億ドルを半年で買う)が明示されたこと。ということは、従来の長めの供給というものではない。では、その目的は何か。
 FOMCは「to help improve conditions in private credit markets」と位置付けている。直訳すると、民間クレジットマーケットの状況改善のため、である。このまま素直に受け止めて、改善メカニズムを考えると、国債を買う→金利が下がる、というルートであろうか。これと重なる面はあるが、民間が買うであろう国債をFRBが買い、買うものが乏しくなった民間は別なものを買わざるを得ない(ポートフォリオリバランス)というルートが考えられる。日銀のやった量的緩和と似たような効果を狙っているように見える。
 まあ、みなさんもそうかもしれないが、財政のマネタイゼーションなのではないかと思う。ヘリコプターマネーですね。興味深いのは、そう言わずに国債買い入れをも民間クレジット改善のため、と位置付けていること(「質的緩和」の一環)。財政マネタイズと位置付けた場合、それがドル安を誘発することを恐れているのだろうか。FRBの対応については、為替相場が一番素直に反応したように思われる。じゃぶじゃぶ→ドル安。教科書的には、財政マネタイズ→リフレ政策で有効→長期金利は上昇、となるのだが、とりあえずは金利は低下。リフレ政策の効果を消化する前に需給ひっ迫が響いた格好である。

おまけ クルーグマン教授は引き続き金融政策への言及はなく、改めて金融システム対策への失望を表明(Despair over financial policy)している。これはガイトナー長官が近く公表する対策が国有化による抜本処理ではなく相変わらずゾンビ銀行を生かしたままの措置になるため。「日本よりうまくやりたいが、そうできる自信がない」というモードが続いている。
 金融危機に正面から立ち向かえ、としぶとく主張するクルーグマン教授であるが、案の定というか「あなたに財務長官になって欲しい」という替え歌がCalculatedRiskに登場していた。"Hey Paul Krugman"というタイトルなのだが、これ、なかなか良いです。ご視聴を。
by bank.of.japan | 2009-03-22 17:35 | FRB&others | Comments(14)
日銀のゲリラー性rinban増額=「ストッパ」的なものの考察
 しかし、マスコミのrinban人気は凄いですね。総裁会見は次から次に質問が続き、政策変更よりも注目度が高かったですよ。これを政策にしたら、マスコミはゼィゼィ、ハァハァ、目の色も変わるんじゃないかと思った(苦笑)。まあ、冗談です。それにしても、白川総裁はパーフェクトなテクニカル答弁でした。この手の調節テック系の話になると、白川総裁はサイボーグのようになりますね。まあ、rinban狂想曲は10年ぐらい前からそうなので、今後もそうなんでしょう。マーケットは先物がびくっと動いた程度でしょうか。クールな反応でしたね。
 食事中の方には申し訳ないが、とりあえずの解説。rinbanの位置付けは何度も取り上げたので、繰り返しません。既にご案内のように日銀国債ポートは比較的デュレーションが短くて、ゲリラー状態にあるんだが、今年に入って始めたゾーンニングでもあんまりゲリラー状態に変化がなかった。ゾーンニング、つまりゴミ銘柄の分別で恐れていたのは、燃えにくいゴミ(長いのや変な物など消化しにくいやつ)を枠一杯食わされて便秘化することだったが、これまでのところそうでもない。じゃあrinban目一杯食ってみっかと4000億円増やした。ゲリラー症状のままの増額です。とりあえず。目一杯食うのは打ち止め感を出したかったんじゃないですかね。
 これまで食う量、出る量ほぼ拮抗だったが、これからは徐々に「食う」のが上回ってゴミ銘柄の詰まった国債ポートが銀行券残高の上限に向かっていくことになる。その間、食った物の消化期間が長くなるのか、短くなるのかはよく分からない。消化の早い短い物を食わされる量が減り、長いもの、変な物の比率が高いと、「ストッパ」みたいな効果がちょびっとずつ働く。ゲリラー症状がわずかに改善していくわけだ。まあ、どうなろうがどっちでも良い。そもそも保有国債の乗り換えルールを変えてゲリラーになったのは日銀自身ですから…。
 これから先は妄想。ゲリラー日銀にとっての究極の「ストッパ」を考えてみた。これは国債引き受けしかない。長いものを生で食う。理論上、30兆円食えばゲリラーはほぼ解消である。ただ、問題は吐き戻しのリスクがあること。吐く必要はないんじゃないかとテクニカルには考えているんだが、まあ私は当事者じゃないので、日銀が吐き気を覚えるかもしれないでしょ。で、本当に吐かれたら困るので、これはMOFがゲロ袋を用意した方がいいかもしれない。日銀保有国債の途中償還に備えた準備金とか。銀行券76兆円が恒久的だとすると、まず30兆円引き受け、その後償還きた国債を新発に乗り換えていくと、rinban消えます。メデタシ、メデタシだ。そうなると、調節はとても楽になるよね。
 そうか、金融市場局がオペの究極の円滑化のために技術的国債引き受けを提案すればいいんじゃないか。執行部提案で十分にいけるんじゃないだろうか。今度聞いてみよう。

念のため 私は幸いにしてストッパ系の薬を愛用する体質ではありません。適当に検索して見つけたのだが、これ、有名なんですか?
by bank.of.japan | 2009-03-18 20:12 | 日銀 | Comments(14)
日銀劣後ローンをめぐる雑感=ポンポコリン
 まあ、本件は先の銀行保有株買い取りの再開と絡めてある種の傾向と対策めいたものがあるのだが、これはもっぱらナカの人向けのものであります。じゃあ、どうしましょうか、ということになるのだが、この点については「…みたいな。さん」のこの「タッタタラリラ」のエントリーがある意味でいい感じで表しているんじゃないかと思った。ある種のポンポコリンかもしれない。
 だって変ですからね、二日にわたる決定会合のど真ん中に通常会合を入れ込むというのは。スケジューリングについては日銀マンというのは詰めまくる人種なので、最初から日程関係でバカっぽいことはしない。ということは意図せざるポンポコリンがあったことを強く示唆する。
 マーケットの反応としては、「おたくなばくちうちさん」の「えげつないなあ」が見事にツボの一つを打ち抜いておりました。この感想に禿同なのは実はナカの人だったりする。ばくちうちさんの感想がマーケットの大勢として広がれば、いろいろなことが洗練されていくことになると思う。大変に勇気付けられるエントリーでありました。この場を借りて御礼申し上げます。
 で、一連の流れで個人的に非常に注目しているのは、なんと言っても日経新聞に登場していた「複数の幹部」でありましょう。日本語というのは便利なもので、「幹部」という表記は単数か複数かを区別しない。この「複数」は職業的には非常に意味深であるなあ、とナカのことを案じながら思った。目先の個人的な取材上の関心事項であります。
 ちなみに「劣後ローン」は43条でしょう。38条だと要請を受ける必要がありますから。この条項についてはこちらを参照のこと。超法規領域へのポンポコリンがちょっと広がりつつある感じでしょうか。軽いですけど、今のところ。劣後ローンの効果はまあTier2ですからね…。

そういえば、総裁は「バブル崩壊後の対処で新たなバブルを招いた問題意識がある。何事も行き過ぎてはいけない」と言っていた。総裁、CPバブッちゃいましたよ(苦笑)。バブリー状況については、ばくちうちさんも取り上げていたドラめもんさんが詳しい(17日分とか)。
by bank.of.japan | 2009-03-17 22:33 | 日銀 | Comments(6)
米各都市、テント村が増殖?
 「Financial Ninja」にテント村の増殖を伝えるニュース(you tube)がアップされていた。放映された場所は、カリフォルニア州サクラメントのテント村。各都市に出現しているらしいのだが、どうなんでしょう。こんなに早く事態が悪化するとは大恐慌の時でもなかった、とFinancial Ninja氏。数字の急落が風景の変化として表れ始めたのだろうか。社会情勢の悪化はまずい。
 とりあえずはご参考まで。
by bank.of.japan | 2009-03-16 23:01 | 経済 | Comments(2)
Smith & Wessonの売上急増=不安になる動きです(追記あり)
 昨日、うちのニュース(実務系)を見ていたら表題企業の決算が好調という記事があった。上場していることも知らなかったのだが、Nasdaq: SWHCですね。で、銃器メーカーの売上急増はやや不安だなと思って四半期決算の内容をざっとチェックした。場所はこちら

売上高 8320万ドル 前年同期比25.9%増加(訂正・同月→同期)
ライフル・拳銃、いずれも売上が急増しているが、特に後者の伸びが顕著。両方とも警察・軍など官公需が強いようで、これ自体は他の銃器メーカーとの競争に勝った成果なのだろうが、やはり気になったのは一般消費者の需要が強いこと。
 CEOのMichael F. Goldenは「we experienced significant increases in the consumer demand for these products」と指摘しており、社会情勢への不安がこういう会社の業績に反映されるのかな、と思った。この手の会社の業績は、米国動向(もっぱら社会面)を見るうえで一つのポイントかもしれない。

金(gold)価格と銃器メーカーの業績、不安指数みたいなものだろうか。

もっとも、銃器メーカー全体は景気悪化に連動し、その中でSmith & Wessonだけが好調ということであるのなら、同社の好調は異常値として無視できるのだが…。どうなんでしょう。

追記 検索したらこんな記事を見つけた。オクラホマ州タルサの局地的現象かもしれないが、弾薬やホルスターなど銃器関連の売上が急増しているようだ。「過去三ヶ月に去年売ったよりも多い弾薬が売れた」と店主が言っている。
by bank.of.japan | 2009-03-14 13:01 | 経済 | Comments(27)
民主・大久保先生、ミシュキンネタの使い方が逆です
 国会ネタ続きます。本日は、参院予算委での民主党・大久保勉議員と麻生総理のやり取りが面白かった。大久保先生、ミシュキンネタのあの使い方は逆ではないかと思いました。麻生総理の切り返しが一本取った、という感じでありました。まず、やり取りは以下の感じ。

大久保議員 FRB元理事のミシュキン氏がバブル崩壊後の日本の財政政策は小出しで「大ばか者だ」と言っている。自民党のやった政策が批判されたわけだが、どういうことか。
麻生総理 先生、(流暢な発音で)Financial TimesのMartin Wolfのコラムを読まれましたか? むしろ日本はよくやったという評価だったんじゃないですかね。

 このやり取り、麻生総理が鮮やかに一本取った、という印象でありました。総理がこの後、「ノーベル経済学賞を取ったクルーグマン教授は、当の米国がミシュキンさんが大バカと言った日本みたいになるのを憂いているんじゃないですかねぇ」と続けたら、先生は瞬殺となるところでありました。トドメ刺されなくて良かったです。
 ちなみにクルーグマン教授はこのエントリーでMartin Wolfの例のコラムを引っ張り、リチャード・クー氏の失われた日本の10年に関する分析を高く評価している。で、Wolf氏はコラムで、「われわれは日本ほどうまく対処できるのか」と心配しているわけです。
 ミシュキン氏の日本批判については、まあ一般的な反応は「お前が言うな」ではなかろうか。でありますので、政権与党の批判にこのネタを使うのであれば、「FRBの元理事が日本を大バカと言っているが、総理、むしろ当の米国が超大バカになりかねない事態だ。総理はオバマ政権に対して『小出しでやるな、一気に処理しろ、銀行国有化も躊躇するな』と強硬に要求すべきじゃないのか。わが国は昔、米国にガンガン言われたではないか。そのときの悔しさは総理も忘れていないはずだ。首脳会談では当然、渇を入れたのでしょうね」といった攻め方が良かったのではないかと思う。で、この追及の中でクルーグマンやWolfのネタを応用すれば良いと思いました。相手に使わしてはいけないです。
 日本をコケにするミシュキン、日本化を憂うクルーグマンや日本を羨むWolf。一般国民から見たら後者の方が好印象ですので、後者をうまく取り込み、その上でミシュキンネタをテコにして政権与党の対米関係の手ぬるさを糾す、という攻撃方法がナイスです。
 引き続き応援しております。頑張ってください。
by bank.of.japan | 2009-03-12 19:05 | マーケット | Comments(20)
お待たせ、共産党・大門先生の詳報=市場経済、最後の守護神?
 ちょっと見出し変えました。
 参院財政金融委(4日分)の会議録がアップされました。市場経済の最後の守護神?となった感のある共産党・大門先生の堂々の主張は以下の通り。つまんだ形で紹介します。

○大門実紀史君 (略)株を公的資金で支えるとかこういうことは、本当に気を付けないとちょっと飛びはねた議論がすぐ出るんですけれども、よくよく考えなきゃならないんじゃないかなと思っております。
 小手先でいろいろやっても、結局元に戻ってしまうと。それは、やっぱり株というのは実体経済の反映、鏡でございますから、何かやらなきゃといって焦っちゃって、もう一喜一憂して、今日下がった、何かやらなきゃと、もう右往左往してしまうのは気持ちとしては分からなくありませんが、政治こそどんと構えて、本来の対策を打たないといつまでたっても逆に政治が翻弄されるということにもなりかねないんじゃないかなというふうに思っています。

○大門実紀史君 私、もうこの場では余り細かい議論入りたくないんですけれども、ちょっとそもそも論としてお聞きしたいんですけど、公的セクターが株式市場、CPでも社債でもいいんですけれども、そこに介入するということそのものが、市場経済の中においてはそのものが自己矛盾を起こすわけですよね。
 もう今日の日経新聞一面読んでいても、何を愚かなことを言っているのかなと思ったんですけどね。まあさっきもありましたけど、何か社債、CP、借換えでいくと二十兆円ぐらいの穴埋めをしなきゃいけないと、だから政府が今言っている規模だと金額が少ないと、こんなことを言っているわけですね。
 じゃ、まあ何でもいいんです、株でもCPでも社債でもいいんですけれども、仮に十兆円つぎ込んで効果なかった、二十兆円つぎ込んだら効果が出た、支えられた、引き上げられたと。この瞬間に市場経済のメカニズムといいますか、機能を公的セクターが崩しちゃったわけですよね。ということですね。仮にしばらく行ってまた下がったときにどう思うかというと、また公的セクターがやってくれるだろうと。こんなことを思うのは市場経済とは言えないわけですよね。だから、この間、アメリカも対策打って、織り込み済みで株が一時上がってまた下がると、こんなことばっかり繰り返しているわけですよ。日本だってそうなわけですよね。
 今、大臣が言われたように、いざというときのために用意しておくんだと、これではマーケットが納得しないと日経新聞は言っているわけですね。実際に幾ら入れたかだと。こんなことにどんどん巻き込まれていったら市場経済じゃなくなるし、資本主義じゃなくなってしまうと。まあ私が言うのも変ですけど、何かおかしな話になってくるんじゃないかなと思うわけでございますよね。
 だから、もうそのそもそもの、この日経新聞も言っているんですよ。こういう言い方はよくあるんですよね、市場の機能を壊さない程度に、機能を壊さない程度に介入すべきだと。こういう議論があるんですけど、効果が出たときは機能を壊しちゃっているわけですよね、市場の機能を、メカニズムを。これは非常に大事な議論を私していると思うんですけれども。これが基本にあるから、私は慌ててばたばたと手を打つようなことをしないで、もっと実体経済そのものをどうしたら、人々が、上がっていくなと、良くなっていくなと思うような対策を重視すべきだというふうに思うわけでございます。

※太字は私によるもの。日経新聞さん、日本銀行さん、耳の痛い指摘です。私も反省。ちなみにドラめもんさんがすでにご指摘のようにここんところCPはミニバブルが発生して、短期国債より利回りが低い官民逆転状態になってしまいました。大門先生のおっしゃるように効果があり過ぎて市場機能叩き壊し状態であります。政投銀なんて公庫のCP調達コストとか考えたら逆ザヤで買ってるんじゃないですか?
by bank.of.japan | 2009-03-12 00:12 | マーケット | Comments(14)


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