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白川体制で初の「展望リポート」は…=願望抜け出し現実へ
 まあ予想通りで、景気判断の下方修正、利上げ路線の修正が行われた。この結果、金融政策運営は「経済・物価の見通しとその蓋然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に金融政策運営を行っていく方針である」と改められた(すでに数ヶ月前からこういう言い方になっており、展望リポートできちんと明記された)。
 「上下両方向のリスク」、これは「第二の柱」では「海外経済や国際金融資本市場を巡る不確実性、エネルギー・原材料価格高の影響など景気の下振れリスクに最も注意する必要がある」と強調されており、つまり「機動的な政策運営」は利下げの可能性も視野に入っているのだろうと思われる。
 展望リポートは「願望」から脱却し、やっと現実的になった。このほか、気がついたところなどは以下の通り。
・「第一の柱」は、「政策金利に関しては市場金利に織り込まれている金利観を参考にしつつ点検する」もので、最近の金利急騰で「利上げを織り込んだものじゃないのか」との見方を招きかねないのだが、この点については「経済の減速や下振れリスクの高まりを背景に、金融市場における先行きの利上げ見通しは後退し、対応する期間の金利は低下している」と記された。まあ、現状維持を前提とした経済見通しというわけである。
・やっぱり文章はちょっと長くなった。景気動向&金融政策がこれまでとガラッと変るほどの局面なので説明することが増えたのだろうが、白川氏が戻ったことも多少は影響したのではないかと思う。人によっては冗長と感じるかもしれないが、丁寧に説明するのが白川総裁のキャラであるので…。
・「リスクバランスチャート」が加わった。これは新たな取り組みでありますね。私はあってもなくてもいいとは思うのだが、みなさんはどうでしょうか。
・09年度の見通しがちょっと楽観的だが、これはまあどうなるか分らない話なので、この蓋然性を真剣に論じても発展的ではない。そもそも見通し期間の延長を決めたのは05年4月で、これは福井総裁のやや強引な指導力による面もあった。審議委員らも困ったのである。ちなみにこの延長案には3人が反対した。
須田委員 「相対的に確度の低い2006年度の見通し計数を公表することは…、(略)金融政策運営の透明性の向上につながるかどうかは判断が難しい」
中原(真)委員 「GDPや消費者物価指数について、統計作成上の技術的問題や将来における改訂等に伴う不透明要因が多いことなどを踏まえると、現時点において対象期間を延長し、計数を公表することは適当ではない」
水野委員 「展望レポートにおいて複数年度の見通しを公表しても、金融政策の透明性の向上には実質的にはつながらないこと、(2)今後も税制見直しの議論が継続すると見込まれる中で、マクロ経済政策が一定であることを前提に見通しを公表しても、金融市場にはあまり参考にならない」
 ということで、とりあえずは足元のダウンサイドリスクに最大限の注意を払いながら、機動的な政策運営に努める、これが白川体制の政策運営のすべてでありましょう。金先、買い戻しですね(笑)。

人の切れ目が政策の切れ目でありますね、やはり…。
by bank.of.japan | 2008-04-30 21:19 | 日銀 | Comments(6)
最近、気がついたこと、知ったこと、驚いたこと=私事で恐縮ですが…
 先週末、債券相場(&ユーロ円金利先物)が急落し、それについて書こうと思ったが、会食があったりして時間が取れず、まごまごするうちに時機を逸してしまいました。詳しくは、ドラめもんさんCapriのゆる~い日記さんをご参照ください。ということで、本日は私事にまつわることも含めて最近気がついたこと、知ったこと、驚いたことなどを披露したい。

①気がついたこと(竹箸の色)
 大分前の森林に関係したエントリーのコメント欄で、飛車さんから割り箸が「竹箸」にシフトしていることを指摘され、そして竹箸に関しては防カビ剤問題があることも合わせて教えてもらったのだが、その竹箸、色が変っていたのに気がついた。これまではまさに(木の)割箸と見まごう色だったが、近くのコンビニでもらう竹箸は「茶色」になっておりました。
 最初はおしゃれ風の演出で着色したのかと思ったが、袋には「薬品を使用せずに160度の温度で殺菌しております。そのため、色が付いており、少し匂いがしますが、安心してご使用ください」と書いてあった。防カビ剤問題に配慮した結果、色が変ったのですね。私自身はあまり細かいことは気にず、もとから安心して使っていたのだが(苦笑)、さらなる工夫に感謝しつつ、茶色への変化を「なるほど」と思って新竹箸を愛用しております。

②知ったこと(モスキート音)
 紺ガエルとの生活さんのところで、「モスキート音」なるものを知った。若者にしか聞こえない音、つまり年寄りには聞こえない音があり、海外ではコンビニにたむろする若者を撃退するために利用されているらしい。にわかには信じがたい話だったが、同エントリーのコメント欄を経由して見つけたサイトで試したら、ガーン、若者には聞こえる音が私には聞こえなかった…。14khzまでしか聞こえない。ちょっと衝撃であった。みなさん、ちゃんと聞こえるのですか。老齢によって高い周波数の音はどんどん聞こえなくなるのですね…。トホホ。

③驚いたこと(ある会合にて)
 ある会合で、ある「日銀幹部」に会った。久しぶりであった。最初は離れたところにいたので、挨拶のつもりで軽く会釈した。ちょっと無視された感じで、「アレッ」と思った。「ご無沙汰だったから忘れられたかなあ」、「嫌われたかなあ」と不安になった。
 その後、近くで話す機会ができた。ちゃんと挨拶しようと思って話かけた。ところが…、話が全然かみ合わない。「今、……の方にいらっしゃいますよね」と言ったら、その「日銀幹部」の方は「もしかして兄と勘違いしてませんか」と。えぇーーー、違うのーーーー、と激しく驚く。話しかけた相手は、某省にいらっしゃる「日銀幹部」の双子の弟さんであった(大変失礼致しました)。
 でも、最近、こんなに驚いたことはない。某省と日銀の立場をすり替わっても多分回りは気づかないのではないか、と思ってしまった。
by bank.of.japan | 2008-04-28 21:37 | その他 | Comments(7)
(一部の)農林業再生のチャンスはやっぱり低い?=穀物高騰など(追記あり)
 しばらく前、ある外資系証券界会社が、タイ米急騰が日本の米価を押し上げて物価を上昇させるかどうかを分析したリポートを出していた。もとより、国外のコメ価格が急騰したとは言え、日本の米価ははるかに高く、しかもほとんど自給自足なので、物価はびくともしないだろう、とみなさんお考えのように、このリポートもそういう結論であった。
 で、本当はここで終わってもいい話なのだが、最近の第一次産品の高騰で一部でもいいから農林業が再生するチャンスはないかを考えてみた。まず、米である。先週末の日経新聞だったと思うが、国際指標となるタイ米は1トン=1000ドル、つまり1キロ=1ドル、100円ちょっとですね。
 それで日本の米価格だが、まあ銘柄によっていろいろで、少しでも再生のチャンスを見つけようとおもってさっきネットでざっと安いのを探したら10キロ=2600円(キロ260円)というのがあった(もっと安いのがあればご指摘を)。
 無理筋な比較だが、日本産を強引に1キロ=260円との前提で、国際商品として再生するシナリオであるが、①為替が再び円安になる(120円台とか)②タイ米がもっと上がる(10-20%)という条件が重なれば、タイ米は円換算で130-140円ぐらいにはなる。うーん、まだ圧倒的な格差がある。生産性の上昇で値段を半分に下げるのはやはり絶望的か(詳しい方がいらっしゃればご指摘を)。タイ米1トン=2000ドル、為替130円で並ぶが…。この場合、世界各地で食糧暴動が起きて大変な状況になっていると思われる。

 この間の日銀支店長会議で、札幌支店長が最近の第一産品急騰に関連し、北海道では石炭や木材などの需要が増えている、と述べていた。米は無理でも、既に需要が発生している産品は再生のチャンスがあるのかもしれない。それでもなお、再生を確かなものにするには、かなりの間、①国際価格が高止まりする②為替もなるべく円安気味になる-といった条件が必要だ。
 個人的には、現在の第一次産品(含む原油)の高騰は、世界経済にはマイナスに作用し、いずれ需要の後退と共に沈静化するのではないかと見ている。再生を狙うにしても、相当に厳しい努力が必要ですね。

追記 このエントリーを書いた後に気がつき、既にコメントも頂いたのですが、上記の日本の米価は末端価格でありまして、比較対象すべき卸値はもっと安いと思われます。ただ、銘柄によって価格はまちまちで、平均的にどの程度かは検討がつきません。詳しい方がいらっしゃればご指摘頂くと助かります。また、これもまたコメント頂いたポイントですが、タイ米と日本の米は違う種類ですので、これも同列の比較はできない、ということを付け加えます。
by bank.of.japan | 2008-04-24 22:33 | 経済 | Comments(27)
LIBOR問題、これもデジャブーですね=ところでTIBORの意義だが…
 かなり旬の過ぎた話題で恐縮でありますが、一部で話題となったLIBOR問題(実勢よりも低いのはおかしいだろ)について。この件に関するBBA(British Bankers' Association=英銀行協会=日本の全銀協に相当)の問題意識は大いなる正論なので分らないでもないが、まあそんなにガチガチ言わんでもいいんじゃないか、という思いも多少はあるわけです。不良債権問題を経験した邦銀関係者にはデジャブーみたいなものですし…。
 LIBORとほとんど位置づけが似ているTIBORのベンチマークとしての存在意義も厳密に詰めると結構難しいものがあって、そういう原資産をベースにした先物(ユーロ円金利先物)を「金融政策の行方を占うんじゃー」とか言ってトレードされる意味は何か、とか、それを見て市場が織り込む金融政策の経路とか言う中央銀行(日銀です)もいたりして、架空の架空の架空みたいな積み重ねもあるような印象を受けたりもする(気のせいかもしれませんが・笑)。
 話を元に戻せば、LIBORは各種金融取引の世界的な基準となる指標金利であり、それであるがゆえに膨大な規模(派生商品の想定元本を含めると天文学的な金額)の金融取引の基礎となっている。LIBORという地面の上にいろんな高層ビルが立ち並んでいる感じであろうか。
 基本的な概念(多くの関係者の了解事項)として、メジャーバンクの出すレートを平均したLIBORは概ねファンダメンタルズの変化(景気循環&それに伴う政策金利の変動)に沿って変動する。クレジットリスクに関してはかなりフリーに近いレートであると言えよう。
 つまり、金融システム全体が不良債権問題を食らって主要な金融機関のクレジットリスクが増大してレートがジャンプすることは基本的には想定していない。立ち並んだ高層ビルはファンダメンタルズ要因の穏やかな変動(振動)はこなすが、クレジットリスク増大による急変(激震)はほとんど想定はしてない。安定岩盤と思っていた地面がいきなり脆弱化する感じだろうか。
 BBAは、理由はともかく地面が揺れたんだから、地面の揺れをそのままレートに出せ、という要求であろうか。まあ、これはこれで正論なのだけど、安定岩盤を想定してビル(ポジション)を作った人々(金融機関のクレジットとは無縁な主体)にとってははた迷惑な話でもあり、金融システムの動揺はいずれ落ち着く(クレジットリスク発生は一時的)と達観し、しばらく静観するというのもアリかなとは思った。
 ちなみにTIBORの決定要因は①市場実勢②あうんの呼吸③プライド-とか言われてもいた(今はどうかは良く分からない)。
 関係者はこれを機にリスクフリーの基準金利というものを考えても良いかもしれない。レポ金利ですかね。

昔話 都銀がもっとたくさんあった時代、住友銀行や三和銀行など関西系のTIBORはちょっと高めだった。そこで「OIBOR」(Osaka Interbak Offered Rate)とか言われたりした。

まあ、TIBORについてはいろいろあるので、また機会があれば書きたい。
by bank.of.japan | 2008-04-22 21:19 | マーケット | Comments(16)
スーパーな人材の流出で思ったこと=官僚機構の在り方(妄想です)
 最近聞いた話だが、霞ヶ関某省の将来を嘱望された(ウルトラ級の)スーパーな人材(若手)が辞めたらしい(伝聞なので未確認)。それからしばらくして、今度は日銀のスーパーな人材が辞めたという話を聞いた。この「二頭脳」流出で、普通のエリート数人分の偏差値が公的部門から失われたわけだが、この流出が妙に印象に残ったのは、二人の行き先がどうも同じであるらしいため(大手の法律事務所)。偶然でしょうけど…。
 「流出」は、官僚批判のせいというより、もっとやりがいのある仕事を見つけた、という個人的な理由に基づくものだと思う。ただ、最近の公的部門(含む日銀)からの人材流出のバックグランドとして「官僚批判」は無視できないのは確かで、まあいくらやりがいを感じた仕事でも、何事につけて批判されたら、普通はやる気しない。他の仕事にやりがいを見出せば、簡単に辞めてしまうであろう。続きを書く前にコメント頂いてしまいました。財政関係のご意見もありますが、ここでは官僚機構に絞って“妄想”的に思ったことをつらつら書いてみたい。
 官僚の方々のブログはよく拝見しているが、その中で最近関心を引いたのはさよなら絶望官僚さんの「厄日」というエントリーである。政治家先生に怒られた話ですね。これは私も見聞きしている。結構凄い現場もあり、日銀でも某案件で某幹部が政治家先生の集団からタコ殴り状態で罵倒され、壁耳していた私の同僚は、解放されて部屋から出てきた某幹部の様相が尋常でなかった(顔面蒼白、汗びっしょり、倒れそう)ので、思わず「大丈夫ですか」と声をかけたこともある。
 まあ、罵倒に慣れたベテラン官僚氏にはどうってことないのかもしれないが、私には「罵倒する」意味が良く分からない。一般的に罵倒を浴びせるのは、相手がひどいことをした場合で、「政策の説明」が罵倒を伴う必然性はない。疑問があれば普通に聞けばよいし、おかしなところがあれば、国会で質せばいいように思う。
 本来、官僚は国会で成立した法律を執行する立場に過ぎず、「ただの仕組み」であろう。でも、実際には政策立案に深く関与し、また深く関与できるほど政策立案能力が高く、政権政党の頭脳をかなりの部分担い、だからこそ政権がころころ変わっても、まあそれなりに混乱もなく国が回る、という感じであろうか。
 政治家先生の少数だと思うが、それでも罵倒を浴びせる向きがいるのは、ある意味官僚機構が優秀であり、恫喝によって政策立案に影響力を及ぼし得る、という期待があるからではなかろうか。(妄想的ながらも)この見立てに沿えば、優秀であるがゆえに罵倒されるわけで、逆説的だが、官僚機構はどんどん無能になればよいのかもしれない。
 現場が優秀だから経営がダメなのではないか、というエントリーを以前書いた。官僚機構が優秀だから政治がダメで、だから罵倒する輩が耐えないなら、罵倒しても仕方がないほど官僚機構は無能になり、それだけ無能になれば、もしかしたら政治がまともになるかもしれない。政策を聞いても要領を得ない、まともに政策が立案ができない、やたら間違いが多い、根気がなくて残業しない、いろんな陳情をさばけない、質問を通告しても質問の意味が分からない。
 ここまで落ちれば、政治家先生も「こりゃいかん」と思って、官僚機構がまともに機能する仕組みを作り、政策論争・罵倒合戦は基本的には政治家同士が行い、国会答弁にまず官僚が立つことはない、という方向にいくかもしれない。官僚機構が無能化する過程では国民生活も大変な不便を余儀なくされるが、まあそしたら官僚批判が官僚機構建て直し論に変わるんじゃなかろうか。レジデント初期研修用資料さんの「量産型はダテじゃない」にならえば、ガンダム型官僚氏はプロトタイプ型になり、多くの矛盾を調整したり、多くの要望をこなすような能力は持たず、比較的簡単なことしかできない官僚機構がいいのかもしれない。超優秀な人材の流出は、もしかしたらプロトタイプ型に移行する前兆だろうか。でも、みなさん、批判にめげずに頑張るのでしょう。ご苦労さんです。
by bank.of.japan | 2008-04-18 19:04 | 日銀 | Comments(39)
「債券はバブルだ」論への違和感=ちょっと古い「経済教室」について
 今回は、ちょっと古い「経済教室」(3月26日付け)がネタである。取り上げようと思いつつ、総裁人事の騒動で忘れておりました(コメント欄で言及されたかもしれません。そういえばドラめもんさんがサイトで取り上げたかも)。この教室では「財政のプライマリーバランスの悪化で『100年後の“破たん確率”は6割』に上昇。しかるにこの破たんの可能性を織り込まない債券市場はバブルである→急落の危険がある」としている。
 この手の主張は時々聞かれるけれども、マーケット的には「?」であり、確かに公的債務の規模は大きく、「このままで大丈夫なのか」という問題意識は分らないでもないが、破たん確率が上昇する試算(妥当かどうかは不明)を前提に「長期金利が低過ぎる→市場は間違えている→暴落するぞ」というロジックは強引に過ぎる。試算が間違えている可能性もあるでしょ、というか試算は試算に過ぎず、それを前提にマーケットを語るのは無理があるのではないか。
 この教室、突っ込みどころが多いのだが、以下の部分は明らかに事実誤認である。
①国債バブルが長期化した理由の一つは、日銀が買いオペを通じ、大量発行による値崩れを防ぐ「大口の買い手」として行動してきた側面が強い。
②いざとなったら日銀が引き受けるので国債は安心だという認識を投資家は明らかに共有している。
③割高感があれば、すぐに売りを仕掛ける外国人投資家が少ないという事実もバブルの存続を可能にしている。
 ①は、何度も説明しているが、日銀の国債買いオペは負債の銀行券に見合うためのオペレーション(通貨の安定供給)であり、国債需給は無関係である。②は、少なくとも私が知る市場関係者は共有していない、日銀も国債価格維持の引き受けを否定している。③は、市場関係者には自明だが、外国人は債券先物でガンガンやっている。
 まあ、何というか、日銀に聞けば(聞かなくても総裁会見など読めばいいのだが)買いオペの実像が分かるだろうし、市場関係者に聞けば、外国人の手口や投資家の長期金利観とか分かるのに、どうしてこんなこと書くのかな、という印象を持った。
 でもあれですね、100年後の破たん確率とか言われても、100年後なんて「みんな死んでいる」だろうし、試算は脅し?としても意味がないように見える。それとマーケットが破たんを織り込む場合、これは「破たんする」、「破たんしない」というデジタルな判断になるもので、「少し」とか、「ある程度」とか、「ほどよく」とか、破たんの可能性を緩やかに織り込むことはないのではないか、と私は思うが。どうなんでしょう。

そもそも論 
・長期金利が低いのは、基本的には資金需要がない(景気が低迷している)からでしょう。
・財政再建の必要性を訴えるのに破たん論を振りかざす、債券暴落論を唱える、市場は間違えていると主張する、というのは、なんだか本末転倒している感が強い。
・財政は無駄をなくしましょと普通に言えばいいのではなかろうか。
by bank.of.japan | 2008-04-16 18:43 | マーケット | Comments(10)
白川総裁は日銀内では「Qちゃん」と呼ばれてます
 G7が終わり、対策期待が裏切られたのか、それともGEショックの要因が大きいのか、株が下落しているが、まあG7は対策打ち出すというより集まりことに意義があり、株も米国はバブルが崩壊中なのでこの手のショックはまだ何度かあるだろうと思うので、特にコメントはないです。
 前置きはこの辺にして、本日はG7初デビューとなった白川総裁の囲みネタを一つ。本業では既に紹介したのだが、白川さんの日銀内での愛称は「Qちゃん」であります。実は白川さんが「Qちゃん」と呼ばれているのは大分前から知っていたのだが、あまり気にはしていなかった。というか、聞いたことあるけど、あまり記憶に残らず、聞き流していた、という感じでしょうか。
 急に気になり始めたのは、週刊文春の見出し(白川総裁はのび太君みたい、というやつ)を見てからで、日銀のある幹部(中堅)がまた「Qちゃんが…」と口にしたのですね。このとき、「のび太君」が頭に浮かび、Qちゃんは「オバQ」とかマンガのキャラかと思ったのだが、聞くと違いました。マラソンの高橋尚子選手が由来でありました。
 そのこころは…。まず「Qちゃん」の愛称が付いたのは、2年前の量的緩和解除のころ。2001年春から始まった量的緩和は5年におよび、日銀にとっては長いマラソンのゴールのようなもの。それに白川さんはその前から企画審議役、企画担当理事となり、ずーっと金融政策の企画・立案を担当していて、普通なら量的緩和の解除でホッと一息つくようなもの。ところが、解除しても熱心に色々な案件を見つけ、まあ休むまもなく走り続けたわけです。
 その様子が、ゴールしても楽しそうに走る高橋選手のようであった、らしいです。セントラルバンキング道を楽しそうに走り続ける白川さん、というところでしょうか。解除当時は、理事退任が近く、残された任期でいろんなことやりたい、でも時間がない、ということで走りに拍車がかかったのかもしれない。そういえば例の各国の金融調節を比較したペーパーも白川さんのイニシアティブによるものであった。
 ところで、本人は「Qちゃん」と呼ばれていることを知っているのかどうかだが、「知っている」という説と「知らない」という説の両方がある。どっちでしょうね。

PS 週間文春の「のび太君」は、この辛口のメディアにしてはやさしい表現で、私はむしろ好評価と受け止めたな。辛口系のメディアは、白川総裁の真面目な部分を何とかネガティブなイメージにしようと頑張っているが、「真面目さ」はどう料理しようとも「真面目さ」がクローズアップされるだけで、しかも一般的には「真面目なことは良い事」なので、結果的に白川さんのイメージを良くしている、という印象である。
by bank.of.japan | 2008-04-14 20:24 | 日銀 | Comments(15)
福井総裁と白川総裁の違い=簡単なまとめ
 白川新総裁、副総裁になってから何度か会見、国会答弁を行っているので、マーケット関係者にはすでに自明かもしれませんが、福井前総裁との違いを簡単にまとめたい。
まず福井さんの特徴
1 アドリブが多い
2 意図的でないかもしれないが、目立ちたがりに見える(突飛な英語を使う)
3 理論と実践の整合性はさほど気にしない(「机上のエコノミスト」とか言ったり)
4 (政財界の)空気を読む(多分)
ついで白川さん
1 アドリブは少ない(想定問答に概ね沿う)
2 もともと黒子的なキャラ
3 理論と実践の整合性を重視
4 (政財界の)空気はあまり読まない
 補足すると、白川さんは福井さんのようにプリンス育ちというわけでもなく、ご本人も縁の下の力持ちという役回りが性にあっていると推測される。
 ということで、上記の特徴比較は、あくまでもこれまでの白川さんの役割をベースにしたもので、総裁になればなったで、4の比重が重くなり、3がやや軽くなる(柔軟になる?)という変化はあろう。ただ、アドリブを駆使した比喩とかを言うキャラではないので、会見・答弁などマーケットのノイズになるような発言はない、と思う。

 ところで、就任会見ではバブル対応においてFED型かBIS型かについて「中間である」と答えていたが、かなりBISに寄っているはず。これは「第二の柱」にかなりクリアに出ていると思う。BISのビル・ホワイト局長(もう辞めたのかな?)とはかなり近しい関係にあると言われるので。
by bank.of.japan | 2008-04-10 22:37 | 日銀 | Comments(25)
“当惑”の総裁登板=白川体制が発足しました…
 タイムマシンで2-3カ月前にさかのぼり、日銀幹部らに「白川総裁の可能性は?」と問いかけたら「お前、何言ってんだ」と一笑に付したに違いなく、もっとも笑い飛ばす一人が白川さんであったはずだ。就任会見で、白川総裁はこの一ヶ月あまりの人事急変に「戸惑うばかりであった」との感想を述べていたが、まさにそうなのだろうと思う。
 まあ、個人的によく知っているので、今後(ご本人と日銀マン&ウーマンの両方が)どういう局面でどんな苦労に直面するのか容易に想像されるのだが、私としては「幸運をお祈りしたい」と申し上げたい。とりあえずのエントリー、短くてすいません。おいおい書いていきます。
by bank.of.japan | 2008-04-09 22:52 | 日銀 | Comments(20)
正副総裁人事、これで決まるかと思いきや…=何だかもう疲れましたね
 もう何だか疲れてしまってあまり書く気もしない、というか民主党に付き合うのもバカらしくなってきたのだが、正副総裁人事はどうなるんでしょうか。白川総裁は決まるとしても、渡辺副総裁に不同意とはよく分かりません。ちらちらニュースを見ていたのだが、民主党議員らの物言いは、雰囲気的には渡辺さんでいいみたいな感じだったのだが、さきほど「不同意」との決定で、激しく脱力でありました。
 民主党、中央銀行の独立性を尊重する、とか言っているが、これだけ人事に(不同意で)介入するのは立派な独立性の侵害だと思うが。たまには誰がいいのか、名前を挙げてみたらどうか。政権を担える力量を見せて欲しい。
 私は、政府が最初に提示した案が今でもバランスが良いと思っている。これは日銀マン&ウーマンらもそうであろう。
 その他の雑感。
・ネジレ国会によって漂流した総裁人事の着地に一番当惑したのは白川さん本人であろう(まあ、ご本人としては頑張るしかない、と覚悟されていると思うが)。
・巷間いろいろと伝えられる日銀OBらの動きはろくでもないと思った。雑音にしかなっていない。
・民主党、総裁の若返りを狙っていたなら、最初からそう言えばいいのに。
・民主党、「理由はない。とにかく財務省はダメだ」ということなら、最初からはっきりと「宣言」という形で出すべきではないか。
・日銀、これから民主党と付き合うのは大変ですね。同情します。
・やっぱり無能なる味方は有能なる敵よりも害が大きい。

追記 bewaadさんのこちらのエントリーに大きくうなずいているのは当の日銀マン&ウーマンではないかと思いました。

追記の追記 一部報道によると、民主党幹部の一人は「小沢代表は(容認していた武藤案が仙石氏らの反対で否決されたことで)意固地になっているだけだ」と述べた。→これには笑ったなあ…、とういうか唖然もするんですが。
by bank.of.japan | 2008-04-08 22:22 | 日銀 | Comments(28)


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