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「政治力学で武藤氏が犠牲になったのは大変残念だ」
 表題は、武藤総裁案を否決した12日午前の参院本会議の採決で棄権した民主党の川上義博議員の談話である。個人的に武藤氏と懇意であったことで棄権されたのだが、否決の実情が談話通りであるのは間違いない。まあ、日銀総裁人事が最悪の形で政局に翻弄されることになった、ということであろう。残念というか、脱力感を覚える。
 民主党の行動は、一部のコメンテーターには「日銀至上主義」を志向しているように見えるだろうが、①日銀がそもそも至上主義を志向していない②民主党にその主義があるなら、それにふさわしい人事案を出すはず-で、つまり反対のための反対(飛車さんの言う野党としてのお仕事を徹底してる)に過ぎない。実際、民主党の否決に衝撃を受けたのは日銀でもあるし。
 中央銀行の総裁として望ましい条件を100%満たす完璧な人は残念ながらいない。英語に堪能、経済学&金融市場に精通、国際的な知名度が高い、政財界に広い人脈を持ち、各界の信頼が厚い、清廉潔白である、マネジメント能力が高い、論理展開が首尾一貫しつつ、危機に際しては的確な判断を柔軟に下せる-。まあ、挙げるときりがない。
 私自身は総裁になって欲しい方はいるが、上記の条件を満たすには至らない。いずれも弱い点があり、各種条件を総合判断すれば、武藤氏に軍配が上がるのが現実だ。これはしばらく前にbewaadさんがお書きになっていたように「webmasterが知り合いの日銀関係者から聞く限りにおいて、武藤副総裁は日銀プロパー職員からも高い評価を受けていることが非常に大きい」からだ。ちなみにbewaad氏の知り合いの日銀マンはかなり筋が良いようで、「榊原先生におかれましてはその放言癖が、二代続けて放言癖のある総裁に悩まされ続けてきた日銀プロパーの神経を刺激する」の太字部分は実に言い得て妙である。
 ちなみにBaatarismの溜息通信さんがエントリーのタイトルに「昔陸軍、今民主党かな?」とお書きなっっているが、知り合いの日銀マンも民主党の対応について「昔もこうやってムードで戦争に突入していったんだろうなあ」と感想を漏らしていた。
 弱体化したリーダーシップの下、声のでかい一部のハードライナーが意味不明の理屈を掲げ、主戦論を展開。野合集団をまとめるには指導部は主戦論に乗るしかなく、敵対勢力との対決に流れていく。敵の差し出す案はいんじゃないかと思っていた向きは沈黙を余儀なくされる。
 ある外資系証券会社の英文レポートは以下のように海外に発信された。お借りします。
 「DPJ’s opposition reflects not only the party’s opposition to the ruling government, but also division within the DPJ itself. The anti-Ozawa faction within the party was strongly opposed to the government’s proposals for the BoJ positions, likely forcing Ozawa to back up the hard-liners in order to retain control of the party. That said, the various reasons offered by the DPJ for rejecting the nominations of Muto and Takatoshi Ito
(nominated for Deputy Governor) are rather flimsy at best, and investors are raising renewed questions about the DPJ’s ability to govern.」
 まあ、内向きの民主党には関係ないでしょうけど。

ブログ界隈より
役人日記さん
「民主党は、政策を実現したいのではなく、ただ政権が欲しいだけなんだと、最近やっと理解できた気がします」
 
昨日紹介した金子洋一さん
「私は痛飲しました。なぜかって?それは聞かないでください。ブログを読んでくださっているみなさまならお判りになるかも・・・人間酒に逃げたくなるときもあるもの。人生思い通りにならないことが本当に多いものだと痛感します。私はしばらく冬眠します。ではみなさまお休みなさい」
 ご同情いたします。ゆっくりお休みください。
 
by bank.of.japan | 2008-03-12 23:22 | 日銀 | Comments(18)
民主党、伊藤氏も拒否なの!!=福田首相じゃないが「理由が分からない」よ-追記・欧米中銀再び協調
 本日、国会で武藤副総裁、白川元理事、伊藤東大教授ら日銀正副総裁の所信表明&与野党からの質疑応答があった。そして結果は。人事の鍵を握る民主党は武藤氏に加えて伊藤教授までもが拒否でありました。福田首相も言っていたが、まさに「理由が分からない」。
 まあ、総裁空席でも事務方優秀なので、インタバンクの混乱ぐらいは難なくさばけるし、現実問題としては金融政策は当面は現状維持でいくしかないだろう。でも、国際金融資本市場はやばい。今日は小康状態だったが、「FRBはエージェンシー債の買い切りやるんじゃないのか」とのうわさが出ており、それだけ米クレジットマーケットは壊れていることを示唆する。と思ったら、案の定、ECBはまた緊急オペ打っているし。ちなみに、先週末のマーケットのぶっ壊れた状態はこちらの方のエントリー「終わりの始まり」が詳しいので、ご参照ください。各種クレジット物が相互にメルトダウンに陥る臨界ゾーンに突入したかもしれない。
 でですね、各国は少なくとも危機管理モードにあるので、日本の中央銀行の責任者は決めといたほうがいい。武藤氏に反対するのもいいが、だったらもっとふさわしい人を推薦するとか、財金分離とか意味不明の寝言じゃなくて、もっとましな理由を述べてもらわないと困る。
 でも、伊藤氏にはなぜ反対なんですか。情報がないので、推測するしかないが、①インフレターゲット論者だから②日銀を支配する財務省にいたことがあるから-ですかね。良く分からないな。
 民主党の金融政策論を探ろうと思ってネット検索したら、金子洋一さんという方の「エコノミスト・ブログ」を見つけた。リフレ派なので私と立場は異にするが、「同意拒否の根拠がただ単に『出身省庁だから』、『天下り人事だから』ということではまったく意味がありません。政府提案の日銀総裁・副総裁候補3名に反対するためにはまず理想とする金融政策のあり方を示すことが重要です」というのは正論である。ただ、民主党はリフレ派の伊藤教授を拒否したので、金子さん、自民党に鞍替えした方がいいのではなかろうか。山本幸三先生への師事を勧めたい。
 財金分離論に関して岡田克也議員のブログを見たが、「財政と金融の分離、財金分離というのは民主党にとって基本的な政策である。したがって、財政の事務当局のトップを務めた人が金融政策のトップを務めるということについて、私自身は違和感がある、ということです。この私自身の基本的スタンスは、何ら変わっていません」とあった。もしかして、「違和感」、つまり感覚論に過ぎない反対なんですか? そうじゃなくて、東大法学部卒として財務省・日銀の同期の方々から何か具体的な財務省による日銀支配の弊害を聞いているなら、教えてくれませんか。「違和感」だけで反対はちょっと勘弁です。
 民主党が野合状態の党内をまとめるために与党案拒否の強硬姿勢を取っているなら、今回の日銀総裁人事の紛糾は実につまらない話である、という印象を持った。

追記 欧米5中銀が再び資金供給で協調。先週来のクレジットマーケットの悪化が流動性ひっぱくにつながった模様。ポイントは、FRBが国債貸出の担保にエージェンシー債を受け入れたことであろうか。これでエージェンシー債持っててもファンディングできなかった向きはしのげるかもしれない(詳しい方はご指摘を)。
 ECBはドル供給止めると言っていたが、やっぱり見通しが甘かった。調達のロールオーバーをうまく見通せてない公算が大きい(ミクロプルーデンス機能が弱い・致命的かも)。
by bank.of.japan | 2008-03-11 20:34 | マーケット | Comments(43)
正副総裁の政府案提示、後は民主次第&マーケット(金利系)情勢が不穏(FRBがまた声明)
 日銀次期体制の政府案が提示された。既にご存知のように武藤副総裁、白川前理事、伊藤隆敏東大教授でした。武藤、白川の両氏は予想通りで、最後まで分らなかったのは「第三の男」。西村審議委員との報道もあったが、蓋を開けたら伊藤氏でありました。これは意外感あったのではないだろうか。私も「ほう」と思った。まだ、正式に決定されたわけではないので、御三方の論評は取りあえず見送ります。民主党が反対する恐れもあるので…。
 既に何度か書いているが、民主党の対応は情けない。特に「財金分離論」はお粗末であり、早く引っ込めた方がいい。まあ、マスコミ各社も社説や論説を掲げて民主党の対応を批判しており、私も日経新聞の岡部主幹に同調する(ただ日経さんには『十字路』にフィルタリングかけて欲しいです。影響力大きいですからね。真性分離論の炸裂を許してはいけない)。
 ドラめもんさんもお書きになっているように、日銀にとっての民主党は「無能なる味方は有能なる敵よりも害が大きい」を地でいく感が強い。よもや面子のために不同意とかしないよね。

 話は変わってマーケット情勢である。かなり不穏な動きである。株は急落したが、金利マーケットが奇妙な動きとなった。債券は買われたが、スワップレートが大きく上昇。買われた債券も、スーパーロングなどは売られ、物価連動もダメ。つまり、買われたのは流動性の高い現物債が中心で、流動性の乏しい現物、それとクレジット系やデリバティブ系は投げられた感じである。これは典型的な信用不安を背景とした「質への逃避」が起きた印象だ。
 2-3日前からこの兆候は強まっており、マーケットの話では、ヘッジファンドに対するマージンコールが急激に引き上げられ、激しいポジションクローズが行われているようである。その波が円債市場にも及んできたのだろうか(詳しい方はご指摘を)。悲観のステージが一段と悪化したかもしれない。内外市場、目先の動向にはかなり注意を要すると思うが…。

 ああ、FRBが声明出しましたね。TAF供給の増額とか、流動性懸念に対応するようだ。やっぱり、ファンディングに影響出てきたか。ドルも下げ足が速い。心配だ。
by bank.of.japan | 2008-03-07 22:47 | 日銀 | Comments(35)
東大法学部→日銀は取りあえず安定的
 昨日か一昨日だったか、日経新聞一面の特集に東大法学部の就職事情が紹介されていた。もっぱら官庁の不人気ぶりを強調したものであったが、その中に日銀への就職状況も触れられていた。手元に記事がないので、不正確かもしれないが、東大法学部から日銀に就職した人数は87年、97年、07年では7-8人と横ばいとなっていた。取りあえず安定的ですね。
 東大法学部を出た日銀マン(平成一ケタ代の入行)によると、昭和から平成初期には10人以上が入行していたようだ。まあ当時はバブル期とあって採用数も多かったので、東大法卒も多かったのだろう。もともと7-8人の採用がバブル期に増加し、その後も元に戻った格好なのだろう。これに対し、財務省への就職者数が顕著に減っているのは間違いなさそうだ。
 東大法学部生の日銀志望者がほぼ安定的なのに対し、財務省志望者がかなり落ち込んでいる実態は、法務系ブロガーの方々とのオフ会で聞いた話とも一致する。昔は、官庁と日銀の掛け持ちが多かったようだが、最近では外資系と日銀というパターンになっているそうだ。ただ、日銀を辞めて外資系にいくケースも増えているので、広い意味でも公的志向は凋落傾向であるのだろう。
 ところで、私は知らなかったのだが、法学部でトップクラスの学生さんは「助手」になるそうですね。法律を学問的に極めていくコースが確立しているのでしょうか。経済学部の場合はどうなのだろうか、とふと思った。詳しい方、ご教授を。
 ちなみに、これは以前触れたかもしれないが、法学部卒が日銀に安定的に入行していても、特に学部閥が形成されてはいない。支店長級以上の幹部クラスをみると、経済学部が多い感じですね。東大卒は多いですが、これは入行比率によるもの。私学で目立つのは慶応でしょうか。「閥」は強いて言えば、大学や学部ではなく、人のつながり(人脈閥)の要素が大きい気がするなあ。
 総裁候補として最も取りざたされている武藤さんと山口さんだが、「閥」との関係では、どちらが総裁になるかによって相当に大きな変化あるような気がしますね。詳しくは書けませんが、結構ボラは大きいように思われます。
by bank.of.japan | 2008-03-06 01:02 | 日銀 | Comments(23)
「結果的には、ブンデスバンクではダメダメなのである」=ブログ評論を試した
 久しぶりにエントリーがアップされたbewaadさんのところで「勝手にブログ評論」なるものを知り、試してみた。いきなり出てきたフレーズがこのエントリーのタイトルであり、ちょっと感動。ブログ評論の仕組みをよく知らずに試したので、ログとかとらなかったのだが、かなりの高得点(97点ぐらい)だったと思う。その後、何度か試したのだが、かなりクールで気にいった(論評パターンは何となく見えてくる)。
 例として以下を紹介したい。
総合得点 52点
嗜みとして、最低限の不健全部門は必要である。
何か忘れてはいないだろうか?・・・そう、バフェット氏だ。少年よ、スワップ取引を見よ。少女よ、サブプライムを愛せ。艶かしい事務処理能力には、男性として の本能を掻き立てられてしまう。泡が出ているうちはシャンパンとは呼べない。熟成されていないモノラインもまた然りである。バランスシートの真価を図るのは極めて難しい。
スワップ取極を中心とする考え方は、ファシズムである。
そしてついにスワップ取引を手に入れる。極上のやつを。ここで財金分離論を解説しようとはおこがましい。何様だというのだ。対政府取引がそんなに大事なら、 ヒュミドールにでも閉まっておけば良い。スペシャルの放つ鮮烈な香りに、貴方は我を忘れてしまうかもしれない。「政策委員会」主義を掲げる人々を、無謀なドン・キホーテと嗤う事は容易い。だが果たしてそれで良いのか?
この当時話題になったものといえば、マーケットと労働コスト、それと通貨当局間だ。これに後にサブプライムが加わることになる。
なぜバランスシートはバランスシートたりえるのか。
一度でも低金利政策の魅力に取り付かれた事のある者ならば、誰もがプロトタイプの気持ちを共感できる。スペシャルが絶対に必要だと思っているとしたら、それは大いなる幻想だ。本当に必要なのはスペシャルである。
マクドナルドをもっとよく観察するべきだ。
「艶かしい事務処理能力には、日銀マンとして の本能を掻き立てられてしまう」となっていれば最高でありますね(笑)。

参考までに以下はある方のブログの論評
「世の中はそれほどコモディティ市況を中心にまわっているわけではない。残念ながら。誰もが憧れるバーナンキに対し、誰からもさげすまれるコモディティ市況の 二者は対照的だ。不動産業向には特別ヒアリング的なところがある。大手予備校の裏側に隠された世界史担当者があってもおかしくない。そこにはもちろん不動 産業向の在処が示されている。コモディティ市況がそんなに好きなのか。まあ良い。大手予備校は時にタカ派+1を引き立たせる。大切なことなのだ。休日のト ラファルガー広場に出かけると、たくさんのコモディティ市況があることに驚く。スペインでは、男性が女性に情熱を示すため、自らの大手予備校を差し出すのだと言う。
そういうわけで同センターは大切なのだ。
いくらかのハゲタカエンジニア、それと大田経済財政相があれば上等 だ。不自由はない。嗜みとして、最低限の特別ヒアリングは必要である。およそ貴族と呼ばれる人間であれば、食料自給率を知らぬなどとは恥ずかしくて言えな いだろう。そもそも人はいかにして「土田正顕君」依存から脱却したのか。
xxxxxxxxxを一言でいうとすれば、大手予備校である
xxxxxxxxxはブログ名。

これは別の方のブログの論評
黄金の新銀行東京は、深淵に眠る。
腐った新銀行東京がひとつあると、全体がダメになってしまう。それは新銀行東京なのだと言える。紳士淑女は刮目してブルンバーグを見よ。
左手に、胸には愛を抱いて、男は闘うもの。女性の洞察力を侮ってはいけない。あなたがこっそり休日モードを愛好していることなどお見通しだ。愛しているわけ だ。デフォルトを。しかしエコニュートラルとは到底無謀なことではないだろうか。ブルンバーグを手に入れるためなら、セーヌ川に飛び込むという若者があと を立たない。嘆かわしい。そういうとき、損失可能性は悪名高きウォルマートのバイヤーですら手を出さないだろう。
優雅さとは、早期デフォルトのようなことを言う

文章は脈絡はないですが、なんとなく雰囲気は伝わるものがあります。ちょっとはまってしまいそうな論評システムですね。興味あればいろいろなブログを解析してみたらいかがでしょうか。
by bank.of.japan | 2008-03-04 19:41 | ブログ紹介・お知らせなど | Comments(9)
再び悲観の波動ですね=ベアマーケットの深さと期間は…
 マーケットは楽観と悲観の波動を繰り返しているが、先週後半から米国を起点に再び悲観の波動に入った。今回は株安に加えてドル安の進行がかなり目立ち、対円では一時1ドル=102年台に突入。今は103円前後ですか。週明けの米国株がさらに下がるとドルは連れ安になるかもしれないですね。
 何度か指摘しているが、私は(というかマーケットコンセンサスかもしれないが)、株高になっても基本的にはベアマーケットラリーに過ぎず、世界的な景気後退に向かいながら株安が強まっていくのではないかと懸念している。サブプライム発の信用収縮の影響は実体経済に波及。先進国の需要減少は新興国の経済に程度は不明ながら打撃を与える(デカップリング論には懐疑的)公算が大きい。
 もとより、世界にはまだ投機資金(運用に回される資金)が潤沢にあるので、悲観局面の押し目買いみたいな動きで一時的に楽観波動になるかもしれないが、まあ長続きしないでありましょう。株とドルは右下がりの波動を描いていくイメージですかね。もっともユーロ経済も脆弱なので、ドルの単独安となるかは不明。
 問題は、このベアマーケットの深さと期間である。さすがに日本の時間をかけた不良債権処理(10年以上)よりは米国の対応は迅速であろうが、一方で処理が速いと谷は深いんじゃないか、という気がする。このとき、金融セクターへの公的資金注入(or景気対策としての財政出動)があれば谷の深さはある程度埋められるのだが、そういうのがなければかなり谷は深そうである。
 ところで、こういう局面で日銀総裁人事が与野党の政治的な駆け引きに巻き込まれて混迷するのは何とも困ったもの。まさか19日までに決まらないということはないでしょうね。

PS 原油など商品高騰はインフレ期待(スタグフレーション的ですが)を高めているが、最後は景気後退に伴う実需の低迷で商品も下がるのではないか、と思っている。つまり、最終的にはデフレ圧力が強まるんじゃないかと…。
by bank.of.japan | 2008-03-03 23:07 | マーケット | Comments(13)


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