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解除は3月か4月か…=よー分からんです
 個人的には、ここまでくればどっちでもいい。どっちでもいいなら早くやった方がいい。というか、早くやってもらいたい(笑)。いろいろ大変なので。以上、おしまい。
 という訳にはいかないので若干思うことを。
 まず、解除は4月までにはやる、という印象を強く受ける。解除方法のべき論としては私は植田前審議委員の超ビハインドを支持していたが、予想としては超早めの2月解除を見ていた。この点は外してしまった。すみません。では3月なのか、4月なのか。
 基本はCPI次第であるが、今度出る1月分も次の2月分も0.4-0.5%の上昇になると予想されている。世間常識として年度末は避けて4月に解除する、との見方が一般的であろう。ただ、福井総裁の発言を受けて金融市場では3月解除の観測も強まっている。
 発言が意図的かどうかは不明だが、意図的な発言なら3月に解除ということになる。4月に解除する腹づもりであったなら、この時期に解除に前向きは発言はしないと思われるからだ。発言が計算されたものでなかったなら…。計算ミスの発言であっても解除を織り込まれたら、市場の梯子は外せないので解除しないといけない、と考えられる。
 解除が見送られたら、これまでもたびたびあったお騒がせ発言であった、ということになろう。解除の間際までノイジーな対話が続くなら、解除後も思いやられる。短期・中期がビクビクと動いてベアフラット化が強まるのであろうかな。
by bank.of.japan | 2006-02-28 23:46 | 日銀 | Comments(19)
改めて「金利」の話=預金金利と国債利回りが同じなら
 しばらく前の夕刊紙のコラムに「金利」の話が出ていた。このところよく耳にする「金利が上がれば利子所得が増え、むしろ経済が良くなる」との例の主張の一つであった。このコラムでは加えて、金利上昇は利子課税&消費税(利子所得が消費に向かう)を増やし、財政健全化に役立つ、との理屈も唱えられていた。主張を裏付ける金利計算は以下の通りである。
 まず「預金金利」と「国債利回り」が3%と同じ水準に上昇する。
・政府純債務500兆円の平均調達金利1.5%が3%に上昇→7.5兆円の負担増
・家計純金融資産1000兆円の運用利回りは0%から3%へ→30兆円の利子所得
 うち20%が源泉課税され、6兆円の税収増
 残る24兆円の利子所得が消費に回れば1.2兆円の消費税収増
この結果、政府負担増の7.5兆円は7.2兆円の税収増でほぼ賄われ、24兆円の消費増加は法人税を増やすので、財政収支は改善する、のだそうだ。

 現実問題として『「預金金利」と「国債利回り」が3%と同じ水準に上昇する』ことはあり得ないのだが、強制的にそうした場合は何が起きるだろうか。上記のシナリオで見落とされているのは、利子所得30兆円を払う主体の存在である。家計金融資産が「預貯金」とあったので、主体は銀行&郵便貯金となる。このうち、後者は負債が預金、資産が国債なので利ザヤがゼロになり、経営は破たん。民間銀行は貸出が残るものの、負債側の金利が3%になるのを貸出金利に転嫁しないと逆ザヤになり、これまた破たんしてしまう。従って、コラムのシナリオは計算上は財政収支好転を描くものの、一方では金融システムがクラッシュする計算をしているわけだ。
 「金利」で経済を語る場合、忘れてならないのは、「金利」は経済活動に伴う資金循環の“結果”に過ぎないこと。金利が上がる、と言う場合、それは①経済活動が活発化し、インフレ期待が強まる、または②財政悪化に伴うリスクプレミアムが発生している-のいずれかを意味する。後者を望む向きはいないので、金利が上がるべきだとの話をするなら、「景気が拡大し、インフレ期待の台頭によって国債の平均利回りが3%になるべきだ」と主張する必要がある。

 ちなみに現在の債券市場を前提に語るべき金利の話は何かと言うと、日銀が量的緩和を解除してある程度利上げしてもイールドカーブはベアフラット化するだろう、とみられていること。想定される理由は、①インフレ期待が乏しいのに利上げしようとしている②債券市場はインフレ期待を軽視している③長期金利の低下(または上がりにくい)をもたらす経済構造上のナゾ(グリーンスパンが指摘していた件)がある-など。それぞれ複雑に絡み合っているかもしれないが、①が最大の要因でないことを祈りたい。

なお、「預貯金金利と国債利回りが同じ」という命題は、間接金融の存在意義を否定しているので、代替的な金融仲介のあり方を新たに提示しないと命題自体が成立しない、と思う。赤字を垂れ流す国営ナローバンキング、とか。
by bank.of.japan | 2006-02-26 15:51 | 経済 | Comments(9)
「道しるべ」の本質論
 量的緩和の解除に関連し、「道しるべ」が注目されている。政策運営の透明性向上の仕組みとして議論されており、選択肢は「インフレターゲット」、「言葉による説明」、そして「裁量的総合判断」まで幅が広い。職業上は重要なテーマの一つだが、「べき論」としてどうかと問われると、「どうでもいい」という思いが強い。なぜなら、信用されている中央銀行なら道しるべは不要、と言えるからだ。
 これは、人が人を信用する、のに似ている。誰かを信用するとき、それは「その人が行動基準を明確にしている」からではなく、「付き合った経験から信用できる行動を取った人である」からだろう。中央銀行に当てはめると、「成功のトラッキングレコードを重ねている」なら、何も言わなくても信用される。裏を返せば、成功のレコードが乏しいと、行動基準を明記しても信用されない、ことになる。
 日銀の場合、残念ながら新法以降、成功のトラッキングレコードは乏しい。「道しるべ」は恐らく“言葉による説明”になると思われるが、それがどの程度信頼されるものかは疑問が拭えない。「時間軸政策」を抜けた場合、本来は「総合判断」に戻るのが筋なのだが、「道しるべ」を出さざるを得ないこと自体、信任の乏しさを暗示しているように思われる。
 重要なことはまずは解除を成功させることである。すなわち、解除後も景気は持続的に回復し、物価の安定が確保される状態になっていくことである。これはマイナス予算から始まる市場・ALM部門に等しい(注)。数千億円のロスをまずプラスにする。これが容易ではないことは市場関係者ならよく分かると思う。年度ベースでいけば、一年後の金利を予想して有り金はたいてベットするようなもの。
 今から一年後、日銀が笑っていれば、信用してもいいかな、と人は思い、「道しるべ」は重みを増す。未来は神にしか知りえない。私が解除成功を神に祈願する所以である。

注) 過去は別にして現在の特定の銀行を想定したものではないです。念のため。微妙な突っ込みはちょっとご勘弁を。
by bank.of.japan | 2006-02-25 00:48 | 日銀 | Comments(6)
替え歌名人の「…みたいな。」さんがブログ開始
 アドレスはこちらです。「替え歌」は当ブログではもしかしたら一番人気のコーナーで、その中で最も多く投稿していて頂いた「…みたいな。」さんが“独立”されるのは、喜ばしいことです(ちょっと寂しい面もありますが)。なお、教科書的には味気ない金融市場&金融政策&日銀などが実は楽しめる側面もある、ということを広める点で替え歌は有用なのではないか、と思う次第です。

ps 「…みたいな。」さんの作、日銀マン&ウーマンに人気ありましたよ。それから、みなさん、ご投稿お待ちしております。
by bank.of.japan | 2006-02-24 14:32 | ブログ紹介・お知らせなど | Comments(2)
おっ!、rinbanが札割れ=純粋テクニカルながらも…
 本日、日銀がオファーした国債買い入れオペ(通称輪番、rinban)3000億円。応札は2302億円で、札割れとなった。rinbanは、買いきりなので札割れは一般的にはない、と思われていたので、私は聞いてびっくり。市場関係者もびっくり。日銀もびっくり、であった。
 昨年来の解除騒ぎでイールドカーブが「ぐちゃぐちゃ動く」(知り合いの都銀ディーラー)中、買い入れオファーに対する需給がうまく噛み合わないことによる技術的かつ偶発的な事象なのだが、うがった見方をする向きは政策的なインプリケーションを感じ取るかもしれない。

① rinban減額への布石ではないのか→昔のように日銀がオファーに際して銘柄を選定していれば、不人気銘柄を意図的にオファーすれば札割れの演出は可能。札割れを既成事実化してrinban減額に動き始めるわけだ。実際はどうかと言うと、冒頭のように日銀はびっくりしていたので札割れは作為的なものではないし、現在は全銘柄(直近発行除く)をオファーしているので、オペ結果の操作は不可能。

② これは技術的な話だが、月1兆2000億円の買い入れがオファーベースか、実績ベースなのか、という解釈論。市場の一部では後者を支持する声もあり、その場合は本日の未達分が次回オファーに上乗せされることになる。オファーベースか、実績ベースかの解釈論は、札割れが発生して表面化したこと。日銀も実はこの問題は考えていなかったが、昼過ぎにオファーベースでやっていくことを確認した。

 オファーベースの続行はまあ妥当かつ現実的な判断だが、ちょっと前に「資金の出前持ち」とか、「きめ細かい資金供給」とか盛んにアピールしていたことを思い起こせば、きっちり実績ベースで月1兆2000億円買っていくのが筋ではないの、と絡みたくもなる。調節部隊にとっては何の意味もない不毛な職人芸だが、30兆円を積むのも不毛なんだから、不毛な努力を徹底的にやってみせるのもありかもしれない。早く解除できるといいね、現場のみなさん。


ところでrinbanではなく、rimbanですかね。
 
by bank.of.japan | 2006-02-22 16:38 | 日銀 | Comments(10)
「貸出」、実勢はまだマイナス圏かも
 前回エントリーの続きで、「貸出」の話。bewaadさんがご指摘された「交付税特会借り入れ」だが、これで思い出した件があった。それは、貸出増強を経営目標にしていたある銀行が年度末に向けて交付税特会の借り入れに積極的な応札をした、と言われていたことだ。資産区分では、「貸出」になるので、相手が政府でも見かけ上は「貸出」が増えたように見えるのだろう。だが、この手の“国債的貸出”が多いのなら、純粋な民間向け貸出の実勢はまだマイナス圏である、と考えられる。メディアでは、貸出のプラス転換でデフレ脱却を謳う風潮が強いが、貸出動向とデフレ脱却を強く関連付けて考えないほうがいいのではなかろうか。
 日銀の「貸出・資金吸収動向」は、賢明にも金融機関向けと政府向けの融資は除外されている。だが、この政府向けは「中央政府」なので、下のエントリーで某自治体財務担当さんがご指摘された件は「貸出」にカウントされている公算が大きい。また、30兆円さんご指摘のSPC絡みの融資も考えると、かなり正確と思われる「資金吸収動向」ですらも実態はまだマイナス圏であると考えた方がいいかもしれない。
 貸出は今後、実勢ベースでプラスになっていく可能性はあるかもしれないが、私が銀行関係者から聞く限り、資金需給は借り手優位で、貸出を伸ばそうとすると金利を下げざるを得ない状況のように思える。従って、銀行ルートを通じたマネー動向からは、貸出増加→マネーサプライ増加→物価上昇というメカニズムが働くのは展望しにくい。
 この状況下で日銀が利上げまで含めた解除を行うと、二つの事象が起こり得る。一つは、銀行がスプレッド貸しなどで“利上げ”分を顧客に転嫁するケースで、資金需要が弱いのに金利が上がるので、軽度の悪い金利上昇となる。もう一つは、転嫁しない場合で、これだと預貸利鞘が圧迫される。いずれの場合でも、イールドカーブはベアフラット化しそうだ。
by bank.of.japan | 2006-02-18 15:32 | 経済 | Comments(9)
時価会計が歪める?リスクのとり方(追記あり)
 先般、ある地銀幹部と会う機会があった。そこで、私はかねて暖めていたアイデアを披露した。それはテクニカルには多少無理があるが、いくらでも貸し出しが増やせる方法で、しかもリスクフリー。さらには金融庁を満足させるオマケ付きである。
 私が会社を設立し、資金を融資してもらう。その金で私は長期国債を買い、買った国債は担保に差し入れる。アンダーJGBの超低利融資だが、実質的には国債担保で焦げ付きはない。しかも、中小企業向け融資に区分されるので、御当局もハッピーというわけだ。
 これを聞くと地銀幹部はニヤリと笑い、「それに近いスキームは2、3年前から出回っている」とし、その手の営業に熱心な証券会社を幾つか挙げていた。私のアイデアは原始的なものであり、実際のスキームは味付けがあるようだ。『ハコモノ』と言われているそうで、現物国債にデリバティブを組み合わせて見た目のクーポンを多少高めたりしているようだ。
 これは知り合いの証券マンが以前教えくれたスキームとほぼ一致する。オフショア法人の東京支社を設立し、そこに運用難の銀行に融資を実行させ、JGBや銀行の劣後債・ローンに金が向かう仕組みと同様であろう。
 国債を買えば簡単なのに、なぜ複雑な経路で融資の形態を取るのか。大手行の知り合いも含めてよく言うのは「融資なら時価会計が適用されない」ことだ(商業銀行のDNAとして貸出本業意識が強く、市場取引などをオマケ、バクチと見なしがちな風土もあるが)。薄利多売の融資をやるより、流動性を考えるとJGBを買った方がいいようなものだが、JGBは価格変動がはっきりし、時価会計にさらされる。貸出はそんなの気にする必要はない。
 知り合いの銀行員(市場・ALM部門)は行内会議で、融資の利ザヤが薄くなり、JGBに接近していることを踏まえ、「流動性リスクを考えるとJGBを購入した方が安全であろう。そのためにキャピタルを市場・ALM部門に振り分けて欲しい」と提案。そしたら猛烈な反発に見舞われ、貸出増強という国益に背く反逆児扱いされたらしい。「市場部門もリスクを取らないとリターンがない。キャピタルの振り分けを」と懇願したところ、「そこを何とかするのがお前らの仕事だろ」と切り捨てられたようだ。
 財務省への提案である。政府負債を「債券」の形態で発行するのを止めたらどうか。全部とは言わない。ある程度でいいので、「借り入れ」に切り替えたらどうか。非時価の政府向け融資。応募が殺到し、今よりも低いコストで資金が調達できるのは確実である。えっ、先進国らしくない?だって「長期債が発行できず、短期債でぐるぐる回さないといけないときに、スワップ(の10年)を払えば金利リスクはヘッジできる」と豪語したのは…。
 ところで、地銀幹部との話に戻るが、「リスクテークはシンプルイズベスト」で一致し、「うちではデュレーションリスクを取るのが基本」と言いつつ、顔を曇らせた。「あれが気になるんだよ」と言う。何かといえば、バーゼルⅡの「アウトライヤー規制」であった。資金需要が乏しく貸出が薄利化するなら国債を買うしかないが、時価会計やらアウトライヤーやらがネックになり、奇妙なハコモノに金が流れ、そこで証券会社が潤う、という全体の流れは何やら歪みが蓄積している気がしてならない。大丈夫だろうか。

注意 ここで言う歪みは制度要因によるもので、量的緩和の副作用論と混同せぬよう。

追記 bewaadさんからのご指摘もあり、政府債務に関して補足を。現状、交付税特会など部分的に「借り入れ」が行われております。私としてはもう少し広げていけばいいのではと思っております。政府調達の多様化(退化かも・笑)で、中長期債の部分的な借り入れへのシフトですね。なお、bewaadさんを始めとするみなさんの指摘を受け「貸出」の歪みについて思い出したことがあるので、次のエントリーで取り上げたいと思います。しばしお待ちを。
by bank.of.japan | 2006-02-16 21:12 | マーケット | Comments(11)
理事人事=「49ers」の時代、その傾向と対策
と書いてはみたが、説明はかなり難しい。色々論点はあるが、書き下していくと日銀内を歩けなくなるので、やめよう。そこで表面上、分かることを整理してみる。
 まず、武藤英二理事が退任した。これにより、三谷隆博(前理事)氏とのコンビだった46年組は去り、今夏の平野英治理事(48年)、白川方明理事(47年)、小林英三理事(同)らの退任で、理事クラスは49年が中心となる。人材豊富と言われた『49ers』の時代が到来するわけだ。
 この年次は確かに人材が多い。既に稲葉延雄氏が大阪支店長を務め、本日は山口広秀企画局長が理事に昇格(当面、企画局長を兼任)した。恐らくはもう一人が昇格し、49年組は理事3人を輩出することになろう。日銀内では堀井昭成国際局長、翁邦雄金融研究所所長らが控えているが、外に出た人材としては深尾光洋慶大教授、前原康宏一ツ橋大教授らがいる。
 なお、企画ラインには白川理事、山口理事と二人が並ぶが、これは一時的な変則体制なので、いずれ他理事の昇格に伴って担当の再編成が行われる見通し。その際に先のエントリーで紹介した惑星直列が形成されるかは、蓋を開けてのお楽しみである。私は依然としてマーキュリーの存在に興味を引かれる。
 日銀は今回の人事で非常に異例のことだが、山口理事が企画局長を続投する趣旨を公式に説明した。要は、年度末を控えて後任幹部らが忙しく、年度明けには一連の人事異動があるとの予告と、理事が企画局長を兼任するのは「金融政策との関係は一切ない」との説明だった。
私はこれを受けて、本業にて「日銀人事政策の透明性向上?=一連の人事異動で『道しるべ』」との記事を書いた。
 書いた内容以外で思ったのは、①「忙しいので一連の異動を先送りする」というのは、霞ヶ関の官庁から見た場合には妥当な理由と映るのだろうか②白川理事が局長を兼任するのが自然に見える③プルーデンス担当理事が軽くなったように見える④やっぱり金融政策に関係した人事のように見えてしまう⑤企画局長よりも、その後任の人がやっている仕事の方が重要なのだろうか-といったこと。考えすぎると、妄想が膨らむのでこの辺で。
by bank.of.japan | 2006-02-15 20:11 | 日銀 | Comments(4)
信託の「利下げ」、日銀の「利上げ」
 先週末、新聞の折り込み広告にある信託銀行のチラシがあった。「この金利を見逃さないでください」というキャッチコピーで、住宅ローンを売り込んでいた。驚いたのは金利の低さである。固定2年物が「0.6%」であった。以下、固定物を並べると、3年物は「0.95%」、10年は「2.10%」、20年は「2.68%」、30年は「2.73%」となっていた。借り換えもOKなので、私は真剣にメーンバンクを変えようかと思っている(もちろん、仁義を切るために、このチラシを見せて競争可能かどうかを聞くつもりではあるが…)。

 さて、問題はこの銀行の対応を金融政策との関係でどう解釈するかである。日銀が「利上げ」を前提に量的緩和を解除しようとしているときに、民間銀行が「利下げ」するのは矛盾しているように見える。どちらかが間違えている可能性があるのではないか。もちろん、民間の「利下げ」が顧客基盤の拡大を狙った期間限定の販促に過ぎず、取り込んだ顧客に様々な金融サービスを提供して手数料など稼いでいくつもりかもしれない。ただ、足元貸し出しを通じて顧客と獲得するためには金利ダンピングせざるを得ず、それだけ資金需要が弱いことを示唆していると受け止められる。

 金融政策は中央銀行の想定するバーチャルな経済観で運営されるのに対し、民間銀行はリアルビジネスとして金利を設定している。貸し出しは下げ止まったが、明確にプラスに転じるほどの勢いはなく、新規約定平均金利の動向を見るに、金利を下げてかろうじて貸し出しがプラスになっているように思われる。貸し出しを増やそうとするとスプレッドが縮小する現実に対し、日銀の利上げは正しいのだろうか。日銀のバーチャルな判断が正しくて、利上げに見合うほどの資金需要がこれから発生するのかもしれないが、個人的には信託の利下げがしっくりくる。

追記 信託の利下げが正しい場合、日銀の利上げは何なのか。日銀の、日銀による、日銀のための利上げにならないことを祈りたい。 
by bank.of.japan | 2006-02-14 21:58 | 日銀 | Comments(8)
株急落&超ベアフラット=解除失敗のような反応…
 本日の株・金利の動きだけをみれば、表題のような感じである。引き続き解除がテーマになっていたようだが、短期債がかなり売られ、株もかなり売られ、それをみて長期債が買われたのは、まるで引き締めで景気が失速していくイメージであった。実際にそれが起きる場合には、解除で失速するのではなく、景気が失速していくタイミングで日銀が解除しちゃう、という間の悪い判断がアダになるわけで、これは5年前と同じ。
 そういえば「投資銀行家の道」さんが「4年周期?~W杯Yearに何かが起こる!?~」という興味深いエントリーを書いておられ、私もついコメントしてしまったのだが、心配性の私は日銀がまた不運に見舞われるのではないか、と危惧している。
 解除が成功とみなされるには、解除してから1年ぐらいは景気がしっかりし、その後減速してもソフトパッチにとどまること。そうなるかはまさに運頼みなので、日々真剣に幸運の女神に祈るしかないだろう。そういえば日銀の中には神棚があるのかな…。今度聞いてみよう。

それにしても短期債は売られ過ぎであろう。ユーロ円金利先物をみると、来年にかけて25bpの利上げ2回を織り込むような動き。日銀にしても、利上げはしたいが、本当にそうできるかどうかは確信はないはず。取り合えずは買い戻しではないか、と思うが。
by bank.of.japan | 2006-02-13 21:07 | マーケット | Comments(9)


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