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総裁自ら「長距離砲」=焦点は解除の方法へ
 福井日銀総裁。大阪での記者会見で、量的緩和の解除時期について「来年度入り前から入り後の数カ月」と発言。ウーン、自ら“長距離砲”を撃ってしまったかあ。新春から晩春と幅はあるが、いわゆる「春」に解除ということになった次第。随分と勝負に出るのが早い。今後の焦点は解除の仕方。幾つかパターンは考えられるが、それについては追ってまた。
 日銀内、解除機運は充満している感が強い。こうなると、もはや解除への流れは止まらないと思う。2000年春と同じような感じである。「デフレ懸念払しょくは展望できた」と国会でいきなり言い放った速水総裁。解除三条件の一番目も満たさぬうちから解除意図を鮮明にした福井総裁。状況的には似てきた。私は、日銀の運は悪いと思っているので、ビハインド・ザ・カーブの政策運営を取った方がよいとのスタンスである。幸運を祈るのみ。

なお、こういう重大な変化の局面でもあり、参考までに速水優総裁の講演より以下を紹介。
「変化を必要とする時に、日本銀行の総裁という重責を負い、たえず座右においている有名な神学者Reinhold Niebuhrの"Serenityの祈り"を御披露して私の話を終らせていただきます。
"God grant me the serenity to accept the things I cannot change, the courage to change the things I can; and the wisdom to know the difference." 」

邦訳= 「神よ、変えることのできるものについてはそれを変えるだけの勇気を、変えることのできないものについてはそれを受け入れるだけの冷静さを、そしてこの両者を識別することのできる知恵とを与え給え」
by bank.of.japan | 2005-09-29 20:34 | 日銀 | Comments(14)
あなたが日銀企画マンなら
日銀情報サービス局の論文コンテストに対抗するわけではないが、二つの命題を当ブログ読者に出してみたい。
まず「年末・年始の物価プラス転換、その後数ヶ月を経て解除条件が整った場合、あなたが企画局企画一課の日銀マンであった場合、政策委員会に対してどのような解除法を提案するか」というもの。下記から選択を(または代案があればどうぞ)

①インフレリスク台頭を解除第三条件の解釈とし、市場がそれを織り込むまで何もしないことを提案
②デフレ脱却によって異常な緩和策は不要になったとの位置付けで量的緩和は止め、ゼロ金利政策に戻す(金利引き上げは別判断)ことを提案
③2年後はインフレになるとの見通しを示し、利上げを提案

次の命題
「①or②を選び、福井総裁以下政策委メンバーの大半から利上げするんだと命じられたらどうするか」

イ すかさず③を選択
ロ 可能な限り反駁を試みたうえで、ダメなら③を選択
ハ 徹底抗戦する。左遷されても本望である



①-ハは、セントラルバンカー
利上げ意向を察して最初から③を選べば、“プロフェッショナル”な日銀マン
残る組み合わせは普通の日銀マン、かな…
by bank.of.japan | 2005-09-27 19:38 | 日銀 | Comments(2)
替え歌です=「キャンディ・キャンディ」
連休中にアップする予定でしたが、タイミング逸しました。もっとも、週明けの株価は高騰し、さすがに市場金利も上昇。このまま物価がプラスになると、日銀は…。
ということで、市場環境には合った替え歌ではないかと思う次第です。「…みたいな。」さん、いつもどうもです。



♪キンリィ・キンリィ♪(アニメ『キャンディ・キャンディ』より)

札割れなんて 気にしないわ
また書きだって だって だって お気に入り
株高 インフレ 大好き
吸収 引締め 大好き
わたしは わたしは わたしはキンリィ
資金ニーズが減ると ちょっぴりさみしい
そんなとき こう言うの 市場を見つめて
上がって 上がって 上がってキンリィ
緩和期なんて サヨナラ ね
キンリィ キンリィ




注) オリジナルを知らないので面白さが分からない…。悔しい=本石町日記
by bank.of.japan | 2005-09-26 19:28 | 替え歌 | Comments(0)
「突破口を探せ! 私たちが考える日本の"金融力"向上作戦」
というテーマで日銀が論文コンテストを行うと発表した。
 しばらく前、本石町周辺のコンビニで、この件に関わっているとみられる日銀の顔見知りと会ったとき、次のようなやり取りをした。
私 「小難しい研究コンテストは避けた方がいい」
顔見知り 「海外中銀のコンテストでは高校生がテーラールールの研究などやった」
私 「…そんな。庶民的なものがいい。例えば、日銀に託したい夢、とか。総裁も『私達は、日々何か素晴らしいことを実現しようとして活動しています。つまり「夢」を追い求めています』とおっしゃっているではないか」
顔見知り 「夢かあ。それもいいねぇ」

テーマがモロ研究系にならなかったのは、顔見知りの努力の賜物かどうかは不明だが、日銀プルーデンスの金融高度化路線の香りが強く臭うのはちょっと残念。それはともかくとして、金融力向上で私が思うことを簡単に書いてみたい。

私は、大きく見て、個々の金融マンの能力や金融技術力にさほど問題があるとは思っていない。現に知り合いの多くをはじめ日系金融機関出身の金融マンが内外で活躍しているからだ。それよりも競争的な環境を整えることが先決だと思う。公的金融の縮小(なるべく廃止)、金融社会主義の色彩が強い金融行政(日銀含む)の転換、日銀が謳う金融高度化路線も逆説的には「銀行が劣っているから金融技術を教えてやる」かのような態度に見える。「突破口を探せ」と言うこと自体、現状の閉塞を暗示しているが、なぜ閉塞しているかは民間金融の努力不足というより市場原理が十分に通用しにくい制度的要因があるからではないかと思う。量的緩和が市場機能を封殺している(個人的にはそうは思わない)と言うなら、ただちに解除することが突破口を広げることになる。オーバーバンク状態では、いくら高度化だと頑張っても現場に皺寄せがいくだけではないかと思う。
by bank.of.japan | 2005-09-22 21:49 | 日銀 | Comments(0)
社のブログ(試験版)ができました
社のブログができました。
http://kinyu.blog-jiji.com/0001/
まだ、試験段階ですので、場所だけお知らせしておきます。そちらにいけば私のプロフィールは分かります。いろいろ思いはありますが、とりあえずよろしくお願いします。
by bank.of.japan | 2005-09-22 13:12 | ブログ紹介・お知らせなど | Comments(7)
「タカでもなく、ハトでもなく、チキンである」ことの重要性
 (問) マーケットは、藤原副総裁のことを、決定会合メンバーの中ではかなり「hawkish」、つまり引き締めに積極的であるとみているようだが、それについてはどうお考えか。
(答) 「hawkish」とは英語の「hawk」、タカ派ということ、引き締め派ということかと思う。「タカ」とか「ハト」とかと言うのは、欧米で金融政策を占うことから言われたものらしく、私も外国の人と話していたら「あなたは『hawkish』」と言われた。自分が鳥獣図鑑の中のどの鳥かということを自ら点検したことはないので、おやと思ったが、その時、その外国人の方に、「能ある鷹は爪を隠す」と説明してもわかるかな、と思いながら、「『タカ』とか『ハト』とかの分類でみると、自分で自分の姿を見たことがないからわからないが、私は強いて言えば『チキン』かな」と言ったことがある。「チキン」というのは鶏だが、英語ではご承知のとおり、「臆病者」、「小心者」という意味がある。

 上記は、2000年6月22日の藤原副総裁記者会見でのやりとりの一部である。当時、日銀はゼロ金利解除の意欲にめらめら燃えていた。残念ながら、藤原副総裁は解除に突っ走った速水総裁を引き止めるほど本物の「チキン」派をまっとうできなかったが、「チキン」(臆病者)であることの重要性は今の局面に通用するのではないかと思っている。そう思ったからこそ、このやり取りを思い出した。このやりとり、半分ジョークのようなものだったのだろうが、今になって文面だけみると、まじめなやりとりにも見える。「まじめ」にチキンであることは、福井日銀には実は必要な気がする。積極果敢に解除するより、臆病者になって石橋を叩いて壊すぐらいに解除には慎重になるほうが、日銀にとってリスクはない。よく考えると、「チキンかな」という言葉、藤原副総裁が唯一?残した金融政策にまつわる名言かもしれない。
by bank.of.japan | 2005-09-20 19:30 | 日銀 | Comments(2)
替え歌です=仮面ライダーより
♪レッツゴー!! オペレーター♪(仮面ライダーより)

迫る解除 金利の上昇
ハト派を狙う黒い影
市場の平和を守るため
ゴー! ゴー! レッツゴー!! 調節担当
即日オペ! 国債買入!
オペレーター オペレーター オペ オペ


・連休中のネタに使わせてもらいました。「…みたいなさん。」、まいどです。
金融市場局は「市場の平和を守る」ために、特にオペレーター達は渾身のヒアリングを行うように。  by 本石町日記
by bank.of.japan | 2005-09-17 22:45 | 替え歌 | Comments(0)
技術派の優しい解除法
 私は、当座預金残高の技術的引き下げ論に組みしないが、敢えて“技術派”の立場になって市場に優しい解除法を考えてみたい。ここでは福間委員の会見要旨を参考にする。具体的には以下の部分。
 「3条件を達成してから残高目標を引下げるのは、私としては最も採りたくない政策であるということだ。本日の講演の図表でもお示ししたように、既に市場の景況感は変化し金利先高観が出始めている。キャッシュ・マーケットでもイールド・カーブが立ち始めている。このように市場は先取りしながら動くため、金融政策が後追いになると、結局は景気拡大が加速し、市場の景況感も急激に変化することで、市場金利とオペ金利の乖離はますます大きくなる」
 「残高目標を引き下げる前にあれこれと心配するよりも、現在のようにまだ余裕がある時期に引き下げ、それに対する市場の反応を見て行き過ぎがないかどうかを判断し、さらにその時の景気実体や市場動向を見極めながら次のアクションを考えていく、そういうアプローチが現実的ではないかと思う。3条件を達成してから一気に引き下げるというのは、色々な意味で市場に痛みをもたらすし、長期金利に与える影響も大きいと思う」
 ここで指摘しておきたいのは、キャッシュマーケットのカーブが立ち始めたのは、景況感の変化というより日銀の解除を懸念する面が大きいため。まあ、それはともかくとして、技術派として市場への影響を最小化する解除を行う場合、三条件達成後に「ゼロ金利政策」に切り替えて、当座預金残高は自然体で落とすのがいいように思える。なぜなら、残高にターゲットをおいて数兆円ずつ落とすより、供給オペの期落ちに委ねた方がスムーズな減額が可能になるからだ。また、ゼロ金利政策なら、一時的に資金需要が増大する事態でも対処ができる(金利をゼロに押えるために無限の資金を出せるのがゼロ金利政策)。
 それから、「金融政策が後追いになると、結局は景気拡大が加速し、市場の景況感も急激に変化することで、市場金利とオペ金利の乖離はますます大きくなる」との指摘は、想定場面が恣意的。そもそも景気拡大が加速するのは、超ハッピーな状態で、金融政策後追いが成功した証拠。デフレ脱却に大勝利した事態を恐れるのは良く分からない。そのときは市場が利上げを催促するのではないかと思う。市場が日銀を出口に連れていってくれる事態である。
 「3条件を達成してから一気に引き下げる」との部分も、なぜそうしないといけなiいのか疑問。ゆっくり落とせばいいと思う。それとも政策委は余裕をなくしてパニックになるのか。ところで、この部分、執行部が一気に落とす議論をしているから、それを意識して福間委員は言ったのではないか、とふと思った。考えすぎだろうか。
by bank.of.japan | 2005-09-15 20:37 | 日銀 | Comments(0)
替え歌です=♪解除しようよ♪
岩田副総裁や福間委員などの講演を受け、また解除論が台頭しかねない様相となってきたので、この歌をどうぞ。「…みたいなさん」、ありがとうございます。



♪解除しようよ♪(吉田拓郎)

CPIが プラスに伸びて
安定的に なったら
約束どおり 量的緩和を
解除しようよ MMM

長いオペを 短くしよう
緩和の出口が 見えたら
当預を下げて 金利を上げよう
解除しようよ MMM

もうすぐ株が 右肩上がり
踊り場の中を 脱けて買われてくるよ
そしたら委員は 諸手を挙げて
タカ派に回る 僕のために
僕は金利を 上げてみせるよ
解除しようよ MMM
by bank.of.japan | 2005-09-14 17:56 | 替え歌 | Comments(17)
「複眼」氏の論点
 「大機小機」で量的緩和が論じられていた。ペンネーム(複眼)氏によるものだが、その論点は混乱しているように思える。まず「理論なき量的緩和の危険」とのタイトルになっているが、どんな危険があるのかはっきりとは書かれていない。文面から解釈すると、以下のようなものか。
  後段部分に、銀行・企業のバランスシート調整が終えたことで、膨大なベースマネーがマネーサプライ増加につながりやすい、との趣旨が述べられていた。従って、インフレの危険を訴えているとみられる。「それでもなお量的緩和を続けるべきかどうかを議論している」と警戒気味に書いてもおり、インフレの危険があるからはやく解除しろ、との主張と受け止められる。
 ベースマネーを増やすと貸出・マネーサプライが増加する、という波及ルートを信じているようなので、複眼氏はマネタリストだと推測される。ところが、前段部分では、量的緩和の理論的根拠として「内外学者が唱えたのは、ベースマネーを増やし続ければやがてインフレ期待が生まれ、景気は良くなるとの考えだった」としたうえで、銀行が不良債権処理に追われ、企業が債務の返済に迫われているときは、貸出やマネーサプライは増えないことを挙げ、「どうしてインフレ期待が生じるのか、あいまいだった」と批判している。
 私は最初、自己批判かと思ったが、匿名で自己批判するのも変。従って、早期解除を訴えるためのロジックが怪しくなったといったところか。恐らくは、マネタリストのあいまいさを「理論なき」とやり玉に挙げようとして、早期解除を正当化する理屈がマネタリストになってしまった、という複雑骨折を起こしている感じだ。これではマネタリストに笑われる。私がマネタリストであるなら、「やっとインフレ効果が表れるようになったからこそ、量的緩和を続ける必要があるじゃないか」と反論する。
 それから、複眼氏。「04年度以降、厄介なことが起きた」とし、何かと思えば「ベースマネー増加率が下がりゼロ%になった。理由は、日銀当座預金残高が増えなくなったからだ」そうだ。「なぜか。」と複眼氏は問うのである。「えっ?、それって疑問なの」と私。氏は言う、「銀行が大量の当座預金を保有する必要がなくなった」と。日銀がその残高をターゲットにしている事実は忘れ去られている…。ベースマネーには銀行券も含まれており、その伸び率を考察することはしないの…。

教訓 量的緩和を論じるときは、日銀の建前、本音、巧妙な言い訳、針小棒大かつ勘違いの副作用論などを整理しつつ、自らのスタンスを固めないと、墓穴を掘る。

ちなみに私の主張。 あんまり効果がなかったと本音をぶちまけ、総括したうえでさっさと解除する。それができなければ、建前のロジックを守ってインフレ期待が十分に熟成されるまで量的緩和を断固続けろ、である。

補足 日銀関係者の想定反応。「誰?、これ書いたの」、「断片的事実のつまみ食いで論理が滅裂だな」、「もしかして我々の応援団」、「ありがた迷惑」などと続き、最後に若手が「もしかしてうちの幹部だったりして」-。となれば、最高に面白い。
by bank.of.japan | 2005-09-13 14:38 | 日銀 | Comments(7)


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