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国鉄と米ビッグスリーの相似性&五味氏の見解=「私の履歴書」
 日経新聞「私の履歴書」にJR東日本相談役の松田昌史氏が登場している。国鉄民営化が話題となったのは80年代。当時、私はご案内の通りに経済・政治に全く興味なく、国鉄動向はさしたる興味もなく傍観していた。干された国鉄労組員の姿とか、民営化に際して泣く泣く故郷を離れる職員とか同情的に報じられていたが、中小零細企業を転々しながら展望なき人生を送っていた私には、何の同情心も起きなかった。むしろ、特別扱いされた労働者らが羨ましかった。
 履歴書を読んで、改めて戦後の国鉄史を興味深く追ったのだが、安定職場で強力な労組に守られた職員はやっぱり労働貴族じゃないか、ということ。ふと、これはGMとか米ビッグスリーの抱える問題と同じだという感想を持った。強力な労組がレガシーコストとなった米ビッグスリー。ある意味、ビッグスリーはレガシーコストを切り捨てる「民営化」(=この場合はチャプターイレブン)が必要ということになる(それで売れる車を作れるかは別だが…)。
 偶然ながら、ある会合での講演で、前金融庁長官の五味さんも「GMなどの問題は国鉄と同じ。(労働関係の)レガシーコストをいかに切り離すが鍵だ」と言っていた。まあ、思うことは同じですね。参考までに、昨今の金融危機についての五味さんの見解を箇条書きにまとめると以下のような感じでありました。
・ベア・スターンズを処理したときに徹底的な問題解明と処理方針を策定すべきだったが、残念ながら目の前に浮上する問題を個別処理する形となった。
・リーマン破たんは大失敗であった。
・TARPのやり方も順番が違った(しかも順番を変えたために混乱が起きた)
→面白い比喩。重荷(不良資産)を背負って倒れそうな旅人がいる。この旅人は、重荷を肩代わりしても、もう歩く力がない。そういう旅人には、とにかくご飯を食べさせて(資本注入)歩く力をつけることが先決。そのうえで重荷をどう軽くするか考えるべき。
・オバマ政権は相当程度の力量があると期待しているが、政権が出来るまでの期間が政策対応の空白になると深刻な事態になる恐れがある。
・FRB資産が急膨張しており、基軸通貨としてのドルの信任が揺らぐリスクを抱えている。

 で、オバマ次期大統領の動向については、まいどお馴染みのEconomics, Technology & Mediaさんのこちらのエントリーが参考になりました。

忘れておりましたが、本日は金融政策決定会合。企業債務の適格担保&資金供給に関する検討結果を待ちましょう。CP買いきりはちょっとハードル高そうな印象であるが…。
by bank.of.japan | 2008-11-21 22:47 | 経済 | Comments(24)
Commented by PK at 2008-11-22 08:44 x
EUでは、小国がユーロに参加したがっているそうです。アジア危機以降にアジア諸国がドルの外貨準備を積み上げたのと同じですが、今度はドルでは無いです。
遅かれ速かれ、欧州ではドルの地位は下がると思います。
ロシアが、IMFに資金を出しているんですね。日本に追随している。
ロシアは、しばらくのあいだ日本のパートナーになりますね。
それからアジア地域での邦銀の存在を高めておくことですね。
ドルがうまく機能しなくなったときのBプランを立てて置かないといけない。
あと食料ですね。どこかにパートナー見つけないと。
消費はミシュラン現象を見ても分かるように、不確実性を高める方向に言論を持っていってはダメですね。教育の問題だから今騒いでも仕方ないですが。
マルクス系が黙ってれば、少しはマシになると思います。
米国は基本、踏み倒し文化です。それで若さと再生を保っている。
日本とは違う。米国債についても購買力の保つ間に債務の資本化を考えないといけない。
但し、そこでもドーバートンネルのように1回踏み倒しに来るから気をつけないといけない
Commented by ゴム3号 at 2008-11-22 09:01 x
国労などに問題はあったにせよ、国家的不当労働行為を行ってよいということにはならないと思いますが。これを許しておくことは、その他労働者の不利益にもつながります。国鉄の問題は労働コストが高すぎたよりも、それ以外のことが大きいと思います。確かに職員数は多かったですが、元々終戦後の引揚者に仕事を与えるために膨張した面があり、機関士以外は大した賃金は得ておりません。ところで最近、経済産業省が連合に「もっと賃上げを要求しろ」などと要望しているなど、労働問題に注目ですね。
Commented by Eco at 2008-11-22 19:28 x
こういう組織があるから「組合なんて時代遅れ」と言われるのでしょうね。昔の話ですが、と思ったら、航空会社には今でもこんな手合いがいるのかなぁと思ったり。
Commented by bank.of.japan at 2008-11-22 22:09
ゴム3号さん、どうもです。終戦後はそうだったかもしれません。不当労働行為はあってはならないことだと思います。田舎の発想では、賃金低くても安定職場というのは非常な魅力です。

Ecoさん、どうもです。某航空会社は確かにそうですね。GMと似ております。
Commented by PK at 2008-11-22 23:49 x
226事件を起こした皇道派の気持ちが本当に良く分かる
今の日本は本当に酷い あまりにも酷い
Commented by ham at 2008-11-23 00:51 x
ずいぶん前から米車の品質は上がっているのに経営は改善しなかったのは、
従業員から退職者にまで払う医療費や企業年金などがおもーく圧し掛かってたからだ、
というのは多少なりとも自動車業界に詳しい人間なら判ってた事なんですがね。
ただあの3者、ご飯を食べさせて歩けるようになっても方向音痴なので困るんですよねぇ。
Commented by まる at 2008-11-23 07:26 x
アメリカの」社会保険は国が持たないからいけない。
皆GMとか社会保険を切れという。でもおかしいだろう。
企業年金もいけないというがそもそもあの国はああいう国。
それを単にいじめてるだけ。日本がどうこうする問題じゃない。
そもそもバブルの頃から一体どれくらい日本から金とっていったよ。
とくにレーガンブッシュはキャッシュ、クリントンの頃は株と現金からして。もうそろそろいいだろう。
日本は自国を守るべき。
郵貯もまたアメリカの意のまま?
Commented by PK at 2008-11-23 10:24 x
資産価値の変動を思いのままにして、日本から上納金を吸い上げる米国に、日本は職さえあれば購買力は与えてもいい、安全保障の見返りと思えばいいと考え従ってきた。米国民主党はもう限度を超えてやるから、自殺者が毎年3万人4万人という規模にまで来た。
米国のアジア政策が分断して2国間関係で支配という基本は変わらないのは、台湾韓国や太平洋FTAなど、ありとあらゆる動きで明確に分かる。安部や麻生がネットで叩かれるのは、ヤフーが現代という左翼ジャーナルを表に引き出して非常に露骨な中傷を増幅させるようになってからだ。植民地支配の分断統治の技法というのはますます巧妙になっている
Commented by PK at 2008-11-23 10:33 x
資産価値の変動を操れる例は、2chで分かった。
ダウの2007年12月に至るチャートを5MA15MA25MA50MA200MAでみれば、年末に収束しているのが分かる。チャートの日々の変動は、こうした平均線を形成するために操作されている。平均線を弄れば、チャートで多くの投資家を誘導できる。羊飼いと羊の群れという構図だ
Commented by ななし at 2008-11-23 12:01 x
GMは従業員の給料が高すぎるんだよな。
トヨタの米国工場では日本の派遣社員の3倍の給与を払ってるらしいが、BIG3はもっと高いらしい。
米国はちっとは痛みを伴った改革をしないと駄目なんじゃねえのw
日本に押し付けるばかりじゃあなく。
Commented at 2008-11-24 00:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by PK at 2008-11-24 12:11 x
制度が重要。年々のフローからの蓄積で形成されたストックが、ほとんどを決める。国家開発の初期は、フローがストックに及ぼす影響が大きいからマクロも有効だが、時間が経つにつれて効果は小さくなる。
米国が発言力をなくした今は、フローを平等に持っていく所得政策が有効。消費の前倒しもいい(消費税だって使い方が良ければ有効な手段になる) 近隣窮乏化政策を取っている韓国を中国と一緒に罰する必要もある
Commented by 平家 at 2008-11-24 14:17 x
国鉄で組合の問題と対になっていたのが、経営への政治(家)の介入でしょうね。松田さんは、体系的には書いてられませんが、ところどころ出てきています。ビッグスリーに公的資金がはいったっ場合、経営への政治化の介入が始まるリスクがありますね。
Commented by まる at 2008-11-24 14:39 x
米政府の自動車支援、EUがWTO提訴を検討 追加融資けん制
www.nikkei.co.jp/news/main/20081116AT2M1500B15112008.html


EU、自動車産業へ4兆8000億円の支援を実施へ
mainichi.jp/select/today/news/20081120k0000e020064000c.html

欧州のとんでもないダブルスタンダード。
もう終わってるでしょう。自由市場という名の金融支配。
たとえドルが終わってもがんばってください。ユーロとしか。
Commented by 一国民 at 2008-11-24 18:00 x
国労は過剰な政治支援と利用者の存在を忘れた権利行使が問題でした。今日の労働運動の衰退のきっかけです。

ビッグスリーの問題は難しいですね。米国のように公的社会保障制度がほとんどないような国で、労働者が属する(あるいは属していた)企業により運営されている制度しかなければ相当混乱が起きると思います。
Commented by 通りすがり at 2008-11-24 22:36 x
労組の話ですが、屋山太郎が当時、国労の長の人に、「これじゃ国がおかしくなりますよ?それでいいんですか?」きいたら、その国労の長は「いいんだ。おかしくしなって破壊して革命をしたいからやってるんだ」って答えたそうです。その人はその当時ハワイに別荘もって豪勢に生活してたそうですよ。

社保庁問題・年金の一連の問題も社保庁にいる官公労がおこした問題ですし、左翼のたまり場になってる労組はどこの国でも癌ですね。
そう意味では、日教組・官公労といったレガシーコストを切り捨てないと日本は良くならないと言えるかもしれません(笑。
労組を支持母体にして党員として使ってる民主党は大丈夫かいな?・・・
Commented by bank.of.japan at 2008-11-24 22:58
hamさん、どうもです。部品は良い物作っていたのですね。売れる車、作れると良いですが。原油が安くなったのはアメ車には多少はプラスかもしれませんが…。

まるさん、どうもです。確かに米国に構う余裕は日本はあまりないですが、基軸通貨国が揺らぐのはそれはそれで影響も大きいので、困ったものです。

ななしさん、どうもです。調整過程の必然的な痛みは耐えた方が良いですが、オバマ大統領はどうも八方美人的な気がして、痛みを強いることができるのか難しいようにも思います。

非公開さん、どうもです。この次の機会にぜひ。
Commented by bank.of.japan at 2008-11-24 23:04
平家さん、どうもです。公的資金を入れると、多かれ少なかれ経営介入(or監視)を受けるのは仕方がないかもしれません。税金ですので、入れっぱなし、というわけにはいかないでしょう。

一国民さん、どうもです。国鉄が民営化されたのも労組の過大な力が大きかったように思います。時代の流れに取り残されたのでしょう。

通りすがりさん、どうもです。まさに労働貴族ですね。私は民主党は左派を切るべきだと思います。
Commented by osome at 2008-11-25 20:09 x
不況<恐慌 なんて恐ろしげな文字ですが、生産力が過剰になって物が売れない状態のことですので、これを解消する方法は2つ。手段はいろいろですが、各国あるいは特定の国々が生産力の伸びに見合った消費力・購買力を育てるか、しばらく徹底的に産業を痛めつけて生産力を殺ぐかですよね。

この10数年、アメリカが手を代え品を代えて次々にバブルを膨らませることで富裕層を増やし、世界の生産力向上を引き受けるほどの消費をしてきた。結果、資源や工業製品を供給する新興国にも消費できる人たちが急増して好景気になったが、「この調子では早晩地球が保たないのでは?」と感じられるようになった。ちょうどアメリカの住宅バブルも限界にきていたので崩壊して、世界中の消費に急ブレーキが掛かった(掛けた?)。

再びの好景気を迎えるには、人口・資源・食糧・気候などの問題に目処がつかないと無理ってことですよね。生産力を殺ぐために、戦争が手段にならないことを祈ります。
Commented by モノポリー at 2008-11-25 22:48 x
国営企業と独占資本主義って行動パターンは一緒です、で問題は中に巣くってる反体制分子と市場独占の弊害がな。AFLCIOと総評、分割と競争ということです。圧倒的な資産を持つ国営企業を民営化した後の弊害まで考えないといけないのです。で基本的に今問題となっている問題の焦点は全てこれにつきます。今独占的に国家系のitインフラを独占している企業体がやってきた弊害が、年金問題其の他もろもろ出ています。
で彼らはもともとが国営企業なので、その復活が問題ですね。もともとのもくあみ。でこいつらの片棒かついでいたのが、革命なんてやる気もねー組織です。
Commented by ham at 2008-11-26 15:45 x
いつもありがとうございます。
多分、通常の(目先的な)モデルチェンジは出来ても、
R&Dにまで資金が回らなかったのではないかと。
労組の塊だったはずのソビエト経済の顛末を見れば、
自分達の所業が会社をどうしているか、自ずと判りそうなものですが。
Commented by bank.of.japan at 2008-11-26 21:23
osomeさん、どうもです。生産力殺ぐ方策は結果的に失業増大につながる公算が大きいです。バブルは自ずと破裂するメカニズムが内包されており、必然的に破裂したと思います。まあ、温暖化対策上はプラスなのは間違いないです。

モノポリーさん、どうもです。まあ、独占力のある組織は官民とも権益確保にまい進するインセンティブは強いです。国営企業体は、労働者が組織化されて妙なイデオロギーに染まるのが困り者。結果、労働者の階級制社会になりがちですね。

hamさん、どうもです。広い国ですから、今のアメ車があるのでしょうけど、これが世界的に受け入れられるかどうか別かもしれません。労組も目先的な利権確保に走るだけだったのでしょう。
Commented by Kuro at 2008-12-01 11:48 x
アメリカに住んでいるものです。税金も米国に払っている身としては、Big3ひいてはUAWの連中を支援するのはとても嫌です。アメ車は出張の際レンタカーで興味本位で良く運転しますが、それなりに味わいがあり嫌いではありません。ただ、勤続20年のラインワーカーが年収1,000万円と業界人から聞いて愕然としました。子息は大学に行かないでもこんな給料もらえるからとモラルハザードを起こしているとか。田舎で1,000万円ということは、都会でその2倍くらいの価値ですよね。自助努力が無いなら、潰れて結構です・・・。消費が冷え込むと、うちの会社に影響はありますが、あまりにアンフェアです。
Commented by bank.of.japan at 2008-12-01 22:45
Kuroさん、どうもです。在米の方の率直なご意見、ありがとうございます。確かに一般納税者としての感情はそうなのでしょう。問題が長引き、オバマとして決断しないといけない場合は、かなり波紋ありそうですね。
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