バブル崩壊で窮地に陥った米投資銀行に邦銀が出資する事態となった。今後も同様の動きが予想される。出資を受ける側にとってはやや居心地が悪いかもしれない。まあ何というか、邦銀は投資銀行とは超対極のカルチャーにありますのでね。たまたまアントニー・ビーヴァーの「ベルリン陥落」を読んでいるところなのだが、赤軍に解放されるワルシャワ市民(&ポーランド国内軍)を思い出した。
邦銀の出資が純投(と私は思うが)にとどまるか、もっと関与するかは、米金融システムの今後のやられ具合いにも依存し、(邦銀が)純投にとどめようと思っても、相手がもっと資本を必要とする事態になってそれに応じたら経営に深く関与することになる。いったんそれなりに多額の出資を行い、途中で増資に応じずに相手が倒れたら全損ですので、突っ込むなら突っ込むなりの覚悟が必要でありましょう。 邦銀出資がうまくいくかどうかは80年代後半の失敗例も含めて別途論じたいが、マクロ的な観点からは、率直に言って歓迎すべき事態である。バブルが崩壊し、金融システムが打撃を受け、世界市場で信用収縮が起きているとき、これを癒すのは「お金」である。去年から色々なお金が入った。原油で潤った中東のお金、中国のお金、そして日本のお金。金が入る時期の早い遅いはあるが、入ること自体は安定化に寄与する意味では良いことである。 金がなければ倒れるだけである。倒れると、さらに事態は悪化し、経済は広範囲に打撃を受ける。金融システムと実体経済の負の連鎖が強まっていく。金を出す方、受ける方、いろいろな思いはあるだろう。それはそれとして、黒い金でも赤い金でも黄色い金でも、助ける金が良い金である。 今は米民間に金を出す局面で、この段階で底打ちして欲しい。そうならないと、最悪は米政府に金を出す事態にもなるかもしれない。まあ日本は円高(ドル安)を恐れるので、機械的に外為特会を通じて金が出る(つまり介入)のでありましょう。出ないと日本も大変なことになるので、この金も良い金である。
by bank.of.japan
| 2008-09-25 22:27
| 金融システム
|
Comments(11)
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
> 去年から色々なお金が入った。原油で潤った中東のお金、中国のお金、そして日本のお金。
さいごの「日本のお金」というのに、なぜかえらく感銘のようなものを受けてしまった。 思い返すと本当に色んな様々な事があったような気もするし、その間金融や 経済が他国と比較されるということも、結構しばしばではなかったかと思います。 本当にお金に 色など無いのだし、また、仮にもしあったとしても、お金はお金。世界中で役に 立つのですよね。(純投資か否か等も含め、)まだこの先どの様な経緯を経るか などよく、わかりませんが、このような時期にこうしたかたちで、 欧米でも 中東でも中国ロシア等々BRICsでも、新興国でもなく日本の「 民間の 」お金がもしか したら、 役立つ、 ・・・かもしれない、というのも、何か、とても印象深いものが、感じられて、 ならないです。 > バブルが崩壊し、金融システムが打撃を受け、世界市場で信用収縮が起きているとき、これを癒すのは「お金」である。
0
(金融に関する)「合理性」や、「優劣」など私はそうした事に深く立ち入って
理解などしているわけでは(全く、)ありませんが、そうした事ではなく、 なんというか、仏教で言う「縁(えん)」という言葉等が、ふと思い浮んで しまったという感じです。
お金に色なんてないので、民間のお金は儲かるところに集まっていくというだけの事じゃないでしょうか。それをハゲタカだとか救済だとか変に色眼鏡で見ない方が良いかと。国の機関だとそうはいきませんが。
外野視点だと、せっかく日本の金融システムがデカップリングできていたので、多少不安は覚えます。まあ、その辺はプロな方がそろそろ大丈夫と判断されたんだと思いますが。 ところで、中東のお金は溶けていたりしませんか?
非公開さん、どうもです。ご無沙汰です。共通の知り合いがいるとは世界は狭いです。投資銀行は終えんではなく、冬篭りに入ったに過ぎないでしょう。春が来ればまた違った形で復活すると思います。
小野さん、どうもです。金が回ることは重要です。流動性がある程度保たれれば調整の深さも和らぎます。 PKさん、どうもです。まあ油断せずにやることにこしたことはないです。 飛車さん、どうもです。リターンを求めるお金の流れを不自然にゆがめないようにすることが重要であろうと思います。その行為自体に偏見を抱くことは避けるべきでしょう。 中東の金は早い時期に入ったので、やられてる可能性はありますが、最終的にどうなるかはまだ分からないです。時価会計にとらわれた金ではないように思えるので、あまり気にしていないかもしれません。 ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
(1)投資銀行が行ったのは主に流通市場での証券化商品の売買だけ
で、 ではじゃあどうして投資銀行(ばかり?)が糾弾されてるのかと いうと、 (2)投資銀行トップのいわば「納税者の神経を決定的に逆なでしてしまう様な出来事」 等もみられた為、 などと言った指摘もみられるようです。もう御存知の方も多いかもしれませんが、 もしよろしかったら「URL」の方もどうぞ御覧下さい。 本当に投資銀行、さらにはその業態そのものまで永遠に地上から消失してしまうん でしょうかね。前述(URL)の(1)(=実は売買だけ)などからあくまで個人的にはですが、 勝手に微かに(復活再生の)期待も抱いてしまってるんですが。 「混乱はもっぱら短期金融市場だけで、なおかつ、”黒字倒産”、だけである」 ( そのうえしかも、根源のサブプライムの焦付きそれ自体も意外と低水準? ) と いった御見解のかた(=ドイツ証券副会長、武者氏)等もいらっしゃる様ですが。 当面推移を見守る位しかやはり無いって事でしょうかね。
ドイツ証券副会長武者氏の御見解はともかくとして、まだ随分と根が深い当面は
絶対油断ならない状態だと言う事にはやはり変わりは無いと思います。(私個人だけでなく!)
最初の非公開さん、どうもです。かなり分厚い本ですので、読むのは難儀ですが、内容は興味深いです。
次の非公開さん、どうもです。個人的にはいいアイデアと思いますが、日本から説教されるような形は嫌われるかもしれません。 小野さん、どうもです。儲け過ぎ批判は世の常です。だから金融は嫌われる面があるのですが。
|
ライフログ
検索
最新のコメント
カテゴリ
全体 リンク 連絡先について メルマガ 日銀 経済 マーケット FRB&others 金融システム 替え歌 欧州便り ユーロ マスコミ ブログ紹介・お知らせなど ALM 大機小機 その他 議事録 一万田総裁 未分類 以前の記事
最新のトラックバック
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| ||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||