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そういえば福井副総裁が一回だけ発言していた件について
 金融政策決定会合の議事録をざっと読んだ限りだが、福井副総裁は一回だけ発言している。旧法下の最初に開かれた会合(98年1月16日)で、米澤理事の経済報告に対して一つだけ質問している(29ページです)。この部分、最初は読み流したんだが、そもそも副総裁は執行部側のメンバーで、政策決定の投票権はない。従って、執行部の人間が執行部の報告に質問するシーンにちょっと違和感を覚えたのである。そこで旧法下の議事録をチェックしてみたのだが、発言はここだけであった(違っていたらすいません)。
 推測するに、これは営業局汚職事件が間接的に影響している部分かもしれない。記憶は定かではないが、旧大蔵省のスキャンダルは1月時点では日銀にはまったく及んでおらず、福井副総裁は総裁昇格が確実視されていた。本人もやる気満々であったろうし、最初の会合で思わず質問をしてしまった(それだけ気合いが入っていた)のだろうと思う。ちなみに、質問自体は大したものではなく、資本ストックの余剰感に関連したもの。
 以降、発言がみられなくなったのは、やはり執行部側が聞いたら変だなと本人も思ったことに加え、大蔵の不祥事が徐々に日銀に飛び火し始め、行内も騒然としてきたからではないだろうか。こうなると目立つことはできない。かくして新法導入を目前にして、日銀を去ってしまったのである。なお、議事録には汚職事件の影はまったくみられない。強いて挙げれば、竹島営業局長が2月か3月の会合での市況報告で「大蔵スキャンダル等の影響が…」と言った部分だけであろうか。いずれにせよ、日銀自身の不祥事の話は皆無であった。
 福井さん、その後は見事に総裁に返り咲いたのだが、任期後半は村上ファンド問題に巻き込まれて大変な目に会った。波乱万丈である。最初の決定会合で質問した福井総裁はまさに人生の頂点を目前にしていたのでありましょう。質問部分、福井氏の人生航路を考えると、感慨深いものがあります。
by bank.of.japan | 2008-08-18 21:48 | 議事録 | Comments(0)
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