オリンピックに一喜一憂であります。北島選手の二個目の金は立派でした。柔道は残念な結果になり、がっくりでありました…。まあ、引き続き観戦しましょう。それはさておき、久々に経済ネタとして、本日の「大機小機」といきます。見出しはそのまま使わせてもらいました。
筆者は与次郎氏。主張を超簡単にまとめると、2011年度までプライマリーバランスの赤字を解消する目標について、深刻な不況下での財政再建については06年の「骨太方針」でも柔軟に対応することになっているのだから、PBの目標も柔軟に設定すればよいのではないか、ただし政府は今後の景気動向についてどのような展望を持っているのか説明責任を果たすべし、というもの。 この主張に概ね違和感はないが、政府は説明責任を果たしたとしても、今後の景気動向がどうなるかは誰にもよく分からない、ということだ。政府は基本的には財政再建路線を維持したい(orそういう姿勢を見せる)けれども、一方では選挙も控えて多少は景気対策もちらつかせたいだろう。そういう心理状態におかれた政府にとって説明しやすい景気展望は「後退は比較的浅く、その期間も短い」という内容である。 景気後退が「比較的浅く短い」は今のところはマーケットコンセンサスであり、政府が同じようなことを言ってもあまり市場からは反論も出ないだろう。一般的に政府は人々が必要以上に不安になるほどの暗い見通しを示すことはない。景気は後退するけど、谷は浅く、期間もそう長くならない、という見通しがマーケットコンセンサスであるなら、その範囲内に収まる展望を示すんのだろう。実際に政府もそう思っているかもしれないし。 日銀も「先行きは当面減速が続くものの、その後次第に緩やかな成長経路に復していくと予想される」としておりますしね(苦笑)。 問題は、谷が意外に深く、期間も長くなる可能性がやっぱりある、ということである。米国がコケて、ユーロもコケる、中国もオリンピック熱狂の反動が加わって大きくヘコんで、新興国に連鎖していく。この可能性はそれなりにあるでしょう。 で、財政政策である。まあ、政府には信ぴょう性をもって景気動向を語って欲しいものだが、実際はどうなるか分からんのだし、苦しくなればいずれにせよ財政出動は必要となり、それを国民も求めるであろうし、結局は自然体で財政運営するしかない。これは再建論者には耐え難いかもしれないが、苦しみに耐えて財政を健全化する、というのは現実にはなかなかとり得ない選択肢である。 ありがちなのは財政破たんの声が上がることだが、破たんするかどうかはとりあえずホームバイアス次第である。国民の苦境に応じて政府が財政を出し、そういう政府(国)を信じるか信じないかは別にして、国民の貯蓄選好が強い状態が続けば、不況になるほど金融機関を通じて国債に向かう資金の流れは強固になるので、長期金利は簡単には上がらない。 まあ、財政再建を放棄せよ、と言うつもりはないが、みんなが仕方がないよね、という程度の景気対策はやってもいいんじゃないですか。景気見通しに関する政府の説明責任は、きちんと果たしても、その通りになることを約束するものではないですから…。 ps 篠原氏の柔道解説は率直で良い。かなり気にいっております。鈴木選手が一本負けしたとき、アナウンサーは「場外なんですが」とフォロー。篠原氏は「いや、場内です」とあっさり。いい味出してます。
by bank.of.japan
| 2008-08-14 22:36
| 大機小機
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Comments(6)
今般の景気後退は海外経済の失速と所得流出によるもので、国内要因はほとんど影響していないだけに、アメリカが来年元気になり、資源価格が落ち着けば、元の安定成長軌道に戻っていけるのですが…
バーナンキがアメリカを何とかしてくれることを期待したいと思います。
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「山低ければ、谷浅し」は理解できますが、「回復期間が長かったのに、後退期間が短い」とは限らないですよね。」今回の後退が浅く短い」は市場コンセンサスとまでは言えないのではないでしょうか。回復の鍵を握るのが外需と原油価格など一次産品、原材料費の行方だけに、なかなか不透明感が強いかと存じます。
毎度ご苦労様です~。石井が男子100キロ超級で金メダル、凄いですね(^^
「PBの黒字化を柔軟に」という意見ですが、本来は柔軟だったはずで・・・。当時の財務省内では「2010年代初頭の主計局長が誰になっているか分からないし~」との声が漏れていました。 余談はともかく、政府に信ぴょう性をもって景気動向を語ってもらうのは自らの失政を認めることに加え、与党からの財政出動の勢いを煽ってしまうので政策転換がない限り無理でしょうね。こうなったら小泉さんにもう一度、総理になっていただいて、財政均衡論者として消費税引き上げのために汚れ役を勤めていただきましょう(ボウリングをやっている場合ではありません)。
とりあえずアメリカはドル安で輸出増ぶばって、石油価格の記録的高騰分をオフセットしつつあるそうです。よかったですね。
ただ対中輸出額が$2億減少した後、アメリカの6月の対中貿易赤字は5月の$210億から$214億に拡大したらしいので、その巻上げに中国がのるかどうかでしょうね。
アナリストさん、どうもです。今後の景気動向の鍵はやはり米国でしょう。どうなるか分かりませんが、浅く短い後退で終わって欲しいものです。バーナンキ議長の手腕に期待です。
システム5.1さん、どうもです。浅いけどかなり長い後退局面というのが循環的には描きやすいイメージです。これだと金利はあまり動きませんかね。 椿ラインさん、どうもです。石井選手の金はお見事でありました。これで私のオリンピック観戦はピークアウトです(苦笑)。消費税上げは当面はちょっと無理でしょうね。 PKさん、どうもです。スポーツは娯楽的なところが芸能的でありますが…。まあ、今回のオリンピックはまずまずなところだと思います。 tokuさん、どうもです。ちょっとドル安になり、原油高騰が収まるのが、米国とひいては世界経済にとって望ましいシナリオです。中国も苦しいですからね。対米貿易黒字を減らすのは難しいような…。
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