実はこの日を待っていた。この間、長かったような、あっという間であったような10年である。最初の決定会合の日、一体どんな話し合いがあったのか、知りたかった、滅茶苦茶詳細に知りたかった。議事要旨で「大方の議論がカバーされている」とは耳にタコが出来るほど聞かれたことだが、でもリアルなやり取りを知りたかった。そして今日である。夢がかなった。感想は…、スゲェーおもしれぇじゃないか。以下、雑感。
・既にいろいろ報道されているが、尾身経企庁長官(当時)の勇み足発言。気持ちは分かりますがね。「政府の機関である日銀が…」とか、「景気対策の足を引っ張るレポートは避けてもらいたい」とか、「月報は…というトーンで書いてもらいたい」とか。経済対策打ち出したばかりのあせりがあったのか知らないが、KY突撃でありました。 ・経企庁局長の長官フォローが見物であった。ヒートアップぶりにやや吹いてしまったな。「透明性の精神を踏みにじったかのような対比の書かれ方をして…」のところは声がひっくり返ったかのような感じであったのでしょうか。議事録の動画バージョンがあったらよいのに、と思った。 ・かなりフリーに近いディスカッションであった。これは意外であった。法改正直後だったのでみなさん気合いが入っていたのでしょう。 ・後藤委員はやっぱりイイ。ご健康であられたら、総裁の可能性は非常に高かったのではないかと改めて思った。非常に人望が高かったですから…。旧法時代の任命であったのが悔やまれる。 ・中原委員の各方面への突っ込みは鋭い。その一コマの要旨を紹介(98年6月12日分)。 まず武富委員が苦しい政策論を披露(イベントに備えて緩和を温存)。 中原委員 「イベントとは何を考えているのか」 武富委員 「色々ある」 中原委員 「説明してください」 武富委員 「マーケットの大混乱、その背景には…」 中原委員 「マーケットの大混乱とは何ですか。株価の暴落ですか」 武富委員 「最も端的には株価の大暴落、そこから来る金融システムの大不安、そして…(略)」 中原委員 「そのとき利下げするのか」 武富委員 「それもまだ決めていないが…」 中原委員 「カタストロフィー待ちか」 武富委員 「カタストロフィーが起きたら喜んでやるという話ではない」 中原委員 「(でもそれはつまり)後追いではないのか」 いやはや。トドメを刺しますね。刺された気持ちはたまらないだろうなあ。 ・月報表現部分の議論もまた興味深い。これだけの要望に応える事務方は大変でしょう。早川調査統計局課長(当時・現名古屋支店長)の以下の答弁は面白かった。 「私共は皆さんのお決め頂くものについて、あくまでも『案を出させて頂いた』ということですから」 この場面、目に浮かぶようである。 ・公表された半年分についてざっと目を通すつもりであったが、ダメですね。ざっと読めないです。必ず読みふけってしまいます。まだ二、三回分しか目が通せていない。 ・議事録はこれからがどんどん面白くなっていく。とりあえず2000年利上げから翌年の量的緩和への転換あたりが盛り上がりのピークでありましょう。金融政策一大叙事詩のプレイバックである。 ・でも、10年前の議論。全然古さがない。今の状況と違和感がないんですよね。景気悪化が内生的か外生的かの違いだけで。今の日銀と10年前の日銀のシンクロナイズが起きたかのようである。 ということで継続的なテーマになりそうなのでカテゴリーに「議事録」を追加しました。
by bank.of.japan
| 2008-07-31 19:35
| 議事録
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Comments(16)
当時、市場の片隅でのたうち回っていた身としては懐かしいやら、面白いやら。仕事場で読んでいたら時間を忘れそうになりました。でもこれが「面白い」と感じる人はやっぱり「中央銀行ウォッチングおたく」なんでしょうね(笑)
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a-kunさん、どうもです。パソコン画面orA4サイズの紙束をニヤニヤして読んでいたら、どうみても変人ですね(苦笑)。日銀内&マーケットのあちこちで散見された光景だとは思いますが…。
まだ最初の方だけですが、面白いっすね。2000年利上げのあたり、早く見たいです。あと2年かかるのかなぁ。
各人のコメントの横に、感情を表す顔文字入れたりとか、心理面の注釈付きにしてみたりとか、ある政策変更の前後の経済指標の変化を見れるようにしたりとか、そういう工夫したコンテンツ作ったら、日銀が何をやっているのか、皆に理解してもらいやすくなるのではないかな。 こういう時こそ、ジャーナリストの出番だw
飛車さんの「顔文字入れる」案は、是非見てみたいです。
ご紹介の突っ込みシーンでは、中原さんの( ̄ヘ ̄)な顔と、竹富委員の(;´Д`)や(⌒_⌒;みたいな顔が並ぶのでしょうか。
8月1日 雀荘「本石町」にて
店主 「経済財政担当に与謝野氏内定だそうです」(´Д`) 中川君 「なんでやねん!」(`ヘ´#) まっち君 「財務相は伊吹君?」(。・_・)ノ 市場関係者 「10年国債また1.2%かもねえ」( ̄□ ̄;) 今年はもう終了しました (-_-;
飛車さん、どうもです。ご指摘のような工夫を凝らしたら面白さに拍車がかかって、それ自体が金融小説の名作となりそうです(笑)。うーん、大変な作業ですね。
osomeさん、どうもです。私は顔文字にいまいち詳しくないので、ちょっと勉強してみます。 パットメセニーさん、どうもです。いやあ、ご指摘のような展開にますますなりそうな感です。歴史は繰り返すのでしょうか。
これだけ資源が上ってるのに、上げ潮路線は無理かな。
学者の皆さんにも、待ちに待った議事録でしょうね。米国並に5年にしてしまうと、再任された審議委員にはちょっと辛いでしょうから、当分、10年後なんでしょうね。
>>osomeさん
それそれw >>本石町日記さん 実録 顔文字解説「日本銀行」 政策決定会合編とか。ウケると思うな。 あと、やる男が解説する日本銀行政策決定会合とか。 企画をあげてみませんか?w >>パットメセニーさん ( ノД`)シクシク…
もうこれは,NY連銀に出向中の日銀の中の人に英訳してもらうしかないですね。海の向こうの部署でもまわし読みかもしれません。あるいは,尾身大臣の私設秘書で英語が堪能な…(以下略)の方に翻訳料を払っても英訳を進めたいですね。
栗本センセー、質問のレベルが議員並み。ああ政務次官でしたか。失礼。
A-さん、どうもです。引き続き構造改革路線のようです。もっとも景気は逆風が強まる公算が大きいですが。
30兆円さん、どうもです。5年が望ましいですが、審議委員が再任を意識する可能性があるようです。 飛車さん、どうもです。ハードル高い企画ですが、まあ何とかやれるかどうか考えてみます。 EURO SELLERさん、どうもです。尾身さんの部分の英訳は国益の面ではまずいかもしれません(苦笑)。 通りすがりさん、どうもです。栗本氏、いろいろ質問してますね。聞くのはいいですが、あまり聞くとボートメンバーの質問時間が削られるんじゃないか、と思ったりします。
画像から文字を起こすツールをTBで紹介しておきますね。
EURO SELLERさん、どうもです。これは助かります。ありがとうございました。参考にします。
うーんいいですね、委員同士の乱闘がそのまま伝わる。「てめーは経済わかってねー」とか発言を期待してます。
まーBOJウオッチャーだのにとっては死活問題ですが。でも政策的な影響がなくなってというとことで、米国外交文書とように、あの時世界はみたいな乗りですかね。
かるパースさん、どうもです。かなり激しい論戦があった会合もあるやに聞いておりますので、今後の公開が楽しみです。
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