新聞ヘッドラインでは「大騒ぎ」のファニーメイとフレディマック救済であるが、「暗黙」だった政府保証が「公式」化してきた、という構図でありましょう。両方の出している債券(エージェンシー債)のデフォルトはないでしょう、との見方であったので、政府支援はマーケット的には予想された動きではある。この辺の見方は既に害債さんが触れられているので、そちらをご参照いただきたい。まあ、ゴーイングコンサーンでいくしかないでしょう。
金融に限らないが、世の中は「信用」でもっており、どんな健全な金融機関(or企業or国家)であっても、何らの理由で「ダメなんじゃないか」と思われて、一気に預金が引き出されたり、取引が一斉停止されたり、発行債券がたたき売られたりしたら、それで終わってしまう。時価会計的にその瞬間は(計算上は)債務超過であっても、キャッシュフローが回っていればいきなり引き金を引く必要はない。キャッシュフローの持続性がうそ臭い、明らかにダメダメである、というなら別だが。 ファニーメイ&フレディマックの場合、資産側は時価会計的にはかなりヤラレている計算になるかもしれないが、負債側(エージェンシー債)は前述したように「暗黙の政府保証」が前提であるので、世界中の機関投資家が保有している。まあ、デフォルトしたらグローバルシステミックリスクが現実化するので、だから現実化させない策を講じている。 「海の色」は変わる恐れがあっても、本当に変わるかどうかは機関投資家(or人々)の行動であって、「懸念」だけでは色は変わらない。逆説的には、行動が始まり、それが連鎖すると実際はどうあったとしても、本当に色が変わってしまう。「海の色」が変わると世界中の誰も得はしないので、変わらないようにしましょう。 三洋証券の教訓ですね、これは。 ps FRBは必要に応じてファニーメイとフレディマックに貸し出しを行う方針だが、これはもちろん有担保。声明文では「Any lending would be at the primary credit rate and collateralized by U.S. government and federal agency securities.」となっている。 例えばファニーメイは自分が発行した債券を持ち込めるのか、それともフレディマックと差し合って持ち込んでもOKなのだろうか、といったことを考えた。ちょっと調べてみよう。この辺、ご存知の方がいればご指摘を。
by bank.of.japan
| 2008-07-14 20:57
| マーケット
|
Comments(8)
ご紹介ありがとうございます。じぶんとこの債券を持ち込めるかどうかですが、少なくともじぶんとこの保証したMBSはおつけーというのがなんとなく伝わってきています。
0
長期金利が意味不明の上昇をみせたり、ムーディーズが日本国債を突然格上げするなどしていて、
何か変な空気が漂ってますね。 ただ、「海の日」はシティの決算の後で東京市場の休場ですが、 バーナンキさんも久々にゆっくりとした週末を過ごせるのではないか、 とひそかに期待しております。
そもそも、ファニーメイ&フレディマックはなんで民営かつあんな特殊な制度の下でやらなきゃいけないのか、理由が曖昧な気がします(
歴史的な経緯ががあるのは分かりますが)。解体するにはインパクトが大きすぎるでしょうから、長期的な視野で見ると再び政府が出資する金融機関にする方向が無難なのではないかと思います。 最近、ファニーメイの求人が少し目につくのですが、ひょっとすると人材流出か何か進んでいるのでしょうかね?
>例えばファニーメイは自分が発行した債券を持ち込めるのか、それともフレディマックと差し合って持ち込んでもOKなのだろうか
勿論ダメです。 federal agency の主なところは次のとおりですが、 http://www.wachovia.com/corp_inst/page/0,,7_26_252_924_1118,00.html 一覧は、次にあります。 http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_United_States_federal_agencies
ジム・ロジャーズは救済を、日本・中国のベイルアウトになる、けしからんなんて言ってますが、彼のポジション・トークですね。デフォルトしたら、住宅ローン手段の途絶とモーゲージ金利急騰を招き、ドル暴落、金融ハルマゲドンです。
しかし、長期的な問題は、暗黙の政府保証で有利に資本調達をしてとんでもなレバレッジをしていき、民間金融機関を圧迫し、その利益で株主や経営陣がしこたま儲けたことです。「利益の私物化、リスクの社会化」の好例です。 ですから、Willyさんのいうのを越え、一旦国有化することに賛成で、その後は、もう公的使命を果たしたものとして「徐々に」解体していくのがよいのではないですか?なくてもモーゲージは供給されます。従来ほど低金利ではないですが。家を買いたい6割強の家計のために残り4割弱が血税を負担させられる理屈は本来ならないはずです。
infobunch様、federal agencyについて資料リンクをありがとうございます。Wachoviaのページを読むと、フレディ、ファニーはfederal agency扱いのような感じなんですが・・・。市場の慣行としては、agency securitiesと言えば、フレディ、ファニー債のことを指すわけで、FedやTreasuryのこれまでの公式言葉遣いでも、「agency」はフレディ、ファニーを意味していたはずです。ということで、私は「担保持ち込みOK」と解釈したんですが…。
害債さん、どうもです。持ち込み方の詳細はこれから詰めるのでしょうが、あまり厳しくはしない(というかまだ考えていない)のかもしれません。
ナイ・パチーノさん、どうもです。なるべく平和に時が過ぎて欲しい、と思います。可能な範囲で頑張って、時間かけてなんとかしのいでいく、しかないでしょう。 Willyさん、どうもです。存在が中途半端で、そのまま大きくなっちゃった、気が付いたらが典型的なTBTF(ツービッグツーフェイル)になった、ということでしょう。人材流出の可能性はあるかもしれません。
infobunchさん、どうもです。情報提供、多謝です。ただ、現状の適格担保体系で、あの声明だけだと、もちこみOKのように見えてしまいます。
Teddyさん、どうもです。国策機関が中途半端な形で巨大化した、という感じでしょうか。まあ、今後の有り様は、米国が決めることだろうと思います。 通りすがり@東銀座さん、どうもです。まあ、そんな感じで私も受け止めました。FRBの今後の対応を見守りたいと思います。
|
ライフログ
検索
最新のコメント
カテゴリ
全体 リンク 連絡先について メルマガ 日銀 経済 マーケット FRB&others 金融システム 替え歌 欧州便り ユーロ マスコミ ブログ紹介・お知らせなど ALM 大機小機 その他 議事録 一万田総裁 未分類 以前の記事
最新のトラックバック
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| ||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||