そういえば、国会がないと静かで良いですね、本当に。日銀短観は、(業況判断DIが)予想したほど悪化しなかったので、JGBは売られてしまった。でもまあDIは着実に悪化しているので、いずれ買い戻されるでしょう。ということで、本日も一万田シリーズであります。かなり面白いやりとりを発見した。50年以上前の「世界通貨統合論」であります(質問の方)。とりあえず紹介します。昭和27年03月03日、参院予算委員会より。
○深川タマヱ君 今日おいでになつておるかたがたは少くとも日本における通貨の権威者のかたがたばかりでございます。それでありますのに、その席で高橋通産大臣はすでにポンド過剩には対策なしと告白されておいでになりますが、日本の国の産業、貿易政策の元締めをしていらつしやる大臣からそういう告白をせられますことは、誠に心細い次第でございまして、或る意味におきましては、自由党の政府のこの方面における政策の行き詰りを暴露することにさえなるのでありますけれども、それは別といたしまして大臣さえも方法がないとおつしやるのでございますから、私がどんなに自分の貧弱な知識を暴露しても決して恥にはならないと思いますので、丁度いい機会ですからお尋ねいたしますけれども、政府のほうではポンド過剩の原因を幾つかお挙げになりましたが、木村さんはそれに附加えまして、世界の軍拡、これが大きな一つの原因だとおつしやられましたが、私は軍拡よりはもつと強いところに原因があるのじやないかと思うのであります。なぜならば、時の移りと共に、こういうふうな種類のものがいろいろ変りましても、結局こういう似たり寄つたりの事情が出ると思うのでありますけれども、深い原因は世界各国が地理的とか経済的の立地條件、或いはそれに加えまして、政治的ないろいろな事情で常に需要と供給に変化を来たします。それでありますのに、一方におきましては世界が幾つかの通貨を使うブロツクに分れております。たくさん金を持つておりましても欲しい品物が買えなかつたり、或いはその反対であつたりいたしますので、非常に世界の文化の発達を阻害いたしておると思いますので、このドイツ統一の以前におきましてすでにこういう悩みが多うございまして、ドイツでは連邦がたくさんございましても、各連邦が異なつた慣習と、言葉を使いますので、人間の身体を緊縛いたしまして血液の循還を欠いておるような恰好になつておる、それがドイツ全体の文化の発達を阻害した。それがドイツ統一の一つの原因となつておつたと思います。リストなどもそれを主張されたものと存じますが、今は世界の交通が発達いたしまして、世界は縮小され、当時のドイツ連邦のような状態になつております。ドル不足だ、ポンド過剩だと悩み扱きますなら、もうここらで世界各国が申合せして、通貨の一元化をしなければならんと思います。一本の通貨にならなければならないのじやないか、何が故にそういうお話合いができないのか、できない原因がどういうところにあるのか、それができるように私は考えなければいけないと思いますけれども、学者がおいでになりますから、それをお尋ねするのでありますが、世界の通貨の一元化ということは可能性がないことなんでしようか、何が故にそれができないのでしようか、それだけ……。 ○委員長(和田博雄君) 一万田さんに対する御質問でございますか。 ○深川タマヱ君 一万田さんから御答弁下さつても結構なんです。 ○委員長(和田博雄君) 一万田さんは急がれておりますから、若し一万田さんに御質問があればそれを先にやつて頂いたほうがいいと思います。 ○深川タマヱ君 だから今のことを、一万田さんからお答えを頂けましたら……。 ○参考人(一萬田尚登君) これは大変なことで、併しまあ人類の到達する使命から見ると、やはり考え得られることではないかと私は思つておりますが、併しそれは非常な先と申しますか……、或いはそうなれば非常にいいと思います。 委員長も一萬田さんもちょっとたじたじとなった感がありますね(苦笑)。まあ当時の目先が大変な状況からすると、余りにも遠大なテーマで「おいおいちょっと待て」という感想だったのかもしれない。でも、深川議員の問題意識自体はグローバル化が進展していく将来の課題としては、今でも遠い課題ながらも、あり得べし発想ではある。特にドルを基軸とする管理通貨制度が揺らぎかねない現状の問題点は、野村証券の亡くなった田淵さんも「私の履歴書」で指摘していた。50年以上も前に(まあ思いつきかもしれないが)国会で指摘した深川議員。私は素直に評価したい。これに引き換え、「預金利息が少ないから利上げだ」とか抜かす国会議員の答弁を50年後に読んだら…。そのときの経済が悲惨な状況なら「やっぱり。ダメになるべくしてダメになったのね」と絶望が深まるのかもしれない。 本日、日経夕刊で気分の悪くなるコラムを見てしまった…。日銀即刻利上げすべし論である。原油高騰の対策として「利上げ→円高」なんだそうだ。なんでいきなり金融引き締めなんだろ。トンデモなんだが、トンデモはトンデモでもいいから、せめて筋を通して為替介入(円買い)と言えよな、と思った。この手の論調、なかなか絶滅しませんね。どうしてだろう。謎だ。
by bank.of.japan
| 2008-07-01 21:47
| 一万田総裁
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Comments(11)
ポンと来たらチーというトンデモな手も、いまだに絶滅しないのは謎なのですが、その程度の発想なのでしょう。
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その程度で日経に原稿を載せることが出来たり、国民の代表たる国会議員になれたりするわけですから、日本はまだまだ平和で呑気、余裕たっぷりの国ということでしょうか。
大きい政党なんだから一人くらいまともな頭を持ってて、アホな質問を出そうとする議員を「恥ずかしいからヤメロ」と言って止める人はいないもんですかね?
日本人に恥が欠如してしまったのですかね。政治家もマスコミも通勤電車で化粧をする若い女性もみんな。
私も円高にするなら為替介入だと思う
円安の時期に、形式的でもいいから円買い介入すべきだったという考えは変わらない 前に利上げに賛成したのは、 利上げは、あくまでも協調というところに力点があって、無用な混乱を避ける予防的な形だけの利上げという意味で、利上げに賛成した
日銀病の人にトンデモといわれるとは。。。
とおりすがりさん、どうもです。まあ深く考えたものではない感じですね。
Ecoさん、どうもです。ある意味、余裕があるからでしょう。政党にこの手の問題で仕切り役が必要だと思います。 共感人さん、どうもです。内容はともかく目立つ主張が好まれるのでしょうか。よく分からないです。 PKさん、どうもです。為替と金融政策は切り離した方がロジカルではあると思います。 飛車さん、どうもです。まあ妄想と受け止めた感じもなくはないですね。 通りすがりさん、どうもです。CPIのコアコアの動きがポイントかもしれません。 通行人さん、どうもです。日銀病から見てもトンデモな主張はあります(苦笑)。
こんにちは。あえてその暴論(読んでません)を正当化するなら、実質金利という視点でしょうか。マイナスの実質金利や名目GDP比低すぎる金利を放置することは、<その他の条件が同じならば>金融的過剰と不適切投資を生み、経済のかく乱につながります。したがって、日本の短期金利は低すぎるといえなくもない。
しかし、それはやはり単純すぎる議論で、「その他の条件」は同じではないものです。(実績ベース)実質金利でみた場合、米国はクレジット仲介のメカニズムが壊れているから、マイナス2%でも低いかどうか(しかし、ドル・ペッグ国の過剰なクレジット拡大を生んでいる)、ユーロ圏はゼロ、金融セクター問題があるはずなのにマネーと貸出は顕著に伸びている、とすると一番引き締めが必要でしょう。日本は・・・金融庁が頑張って下さるので、金融的不均衡が非常に限定される。お上のおかげ(tough loveという良い言葉もあります)で、日本はニルバーナですね。ありがたやありがたや。
遅れ馳せながら、「十字路」読みました。なんとN前さんのコラムですね。どうしたんでしょうね、そんな奇天烈なことをいう人でしたか?
いずれにせよ、bank.of.japanさんのいうように、外貨準備の<有効活用>がフォーカスされていて、金融政策のような大味な(blunt)政策ツールよりかはいいですね!
Teddyさん、どうもです。供給ショックで物価が上がるとき、実質金利は計算上はマイナスになっても、物価高はある意味で(海外の資源国から)消費税を付加された形になるので、政策金利は低くても実は引き締められていると理解されます。ご指摘のように数値の見た目ほど事態は簡単ではないです。
N前さんは大分前からこの議論を展開されております。困りました。
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