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議事要旨の「ある委員」が気になる件について=この方はやっぱり…
 4月30日と5月19、20日の金融政策決定会合の議事要旨を読んでいて、「ある委員」が何となく気になった。最初、斜め読みした感じではちょっと気になり、もう少し読み込んでみたらかなり気になった。いったん「気になる感」が強まると、ますます気になるもので、この「ある委員」の発言の前後関係、議論における登場の仕方など考察が深まってしまうのですね。で、思ったのは、この「ある委員」はやっぱり白川さんじゃないかと。気になった発言の幾つかは以下の通り。
4月分
・ある委員は、日本のバブル崩壊後の長期的な景気低迷の経験を踏まえれば、金融システムが安定しないと、金融緩和や減税の効果も限定的になる可能性があると付け加えた。
・ある委員は、物価の安定とは中長期的に考えるべき概念であり、物価が安定しているかどうかの判断では、短期的なインフレ率の変動というよりも、基調的な動きが重要と付け加えた。
・ある委員は「中長期的な物価安定の理解」に対するいくつかの批判について言及した。(以下略)
5月分
・ある委員は、現在生じている一次産品価格の上昇は、需要ショックと供給ショックの2 つの面で日本経済に影響を及ぼしており、これらのショックが持続的に続いていることに特徴があると述べた。この委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。
・ある委員は、一次産品価格の上昇は相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら金融政策運営を行う必要があると述べた。

 ほかにも気になる「委員」の発言はあるのだが、上記はどうも白川さんの感じがある(「一人の委員」と表現されている中にも白川さんらしき方がいる)。その理由を考えてみたのだが、①登場の仕方に新鮮味がある(新しい人が入ったときにありがち)②いつか聞いたことがあるような、ある種の懐かしい感じがして白川さんの顔が浮かぶ③マクロ的な観点で、問題を整理し、かつ政策論に言及している④物価の説明が非常にオーソドックスなBOJビューである-といったところか。
 物価に詳しい委員として西村副総裁が挙げられるが、西村さんはどちらかと言えば「物価統計」を精密機械的に捉え、それこそ「物価統計の神は細部に宿る」という哲学をお持ちであると私は見ており、それとあまり政策論にまで踏み込むタイプではない。典型的には以下の発言が西村副総裁ではないかと推測される。
「別の委員は、そうした中長期的な消費者物価のトレンドをみる上では、生鮮食品を除く消費者物価指数や刈り込み平均指数が有益であると述べた」(5月分)。

 白川総裁、会見はもとより、会合でも、そして恐らくはG7とかバーゼルとかの国際会議でも、語り口はある意味でゼミ的なのかもしれない。これは一つの特徴として分かりやすいです。
by bank.of.japan | 2008-06-19 21:26 | 日銀 | Comments(8)
Commented at 2008-06-19 23:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bank.of.japan at 2008-06-20 00:12
非公開さん、どうもです。ご連絡有難うございます。ご指摘の通りです。あの語り口をご存知であれば、顔が浮かぶのは容易です。いずれ取材でお会いする機会があろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
Commented by route138 at 2008-06-20 12:14 x
「一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが」という部分などは、総裁記者会見の言い方とそっくりであります。また、物価安定の理解に対する批判にあえて言及するのも、白川総裁以外には考えにくいと思われます。
Commented by bank.of.japan at 2008-06-20 20:30
route138さん、どうもです。特に「教科書的な回答である」という部分が、白川さんらしいです。物価安定のところは、企画審議役、担当理事のころの思いがこもっているような感じです。
Commented by IB at 2008-06-21 01:48 x
中身がある人達が政策委員に次第に増えてきていることは実に好ましいことです。なんだか「客寄せパンダ」になれるかばかりが取り沙汰されがちな世の中ですが、中身の無い人を選んでえらいことになるのは真っ平ごめんです
Commented by bank.of.japan at 2008-06-22 00:57 x
IBさん、どうもです。確かに金融政策の場合は、客寄せ役の方は必要とはされないです。中身ですね。
Commented by カナリーワーフ at 2008-06-23 19:33 x
こんにちは。BOJの国際局長代わりましたね。前局長によるBOJ外貨資産運用の講演をロンドンで聞きましたけど、内容は期待たがわぬ「基本の基本」運用というものながら、それがコンファームされたといういみで(BOJのサイトみればわかるでしょ!といわれれば確かにそうなんですが・・・)とても新鮮で「へー、ほー」と聞き入ってしまいました。本石町さんは、彼のことはご存知で?日本人のあの世代・あのクラスの人物にしては、毛唐とインド人相手に一歩も引かずにがんがん英語で(フラ語かスペイン語かも話していた感じだが・・・)議論を続ける姿勢は、「BOJにもこういうことができる人って、ちゃんといたんですね」と思いました(限られたサンプルの中での一般化、失礼!)。それにしても日経新聞にでている「総務人事局付」って、どういういみなんでしょうね。今度は総務とか人事の仕事をするということか?
Commented by bank.of.japan at 2008-06-24 20:33
カナリーワーフさん、どうもです。レス遅れてスイマセン。I局長はあいにく面識がないままになってしまいましたが、がんがん英語で議論する人は多いです(国際系だと理事がそんなキャラ)。ただ、公の場に出ることが少ないので、大人しい印象を与えるのだと思います。「総務人事局付」は一般的には「待機」という意味合いが強いです。色々な待機があります。
 話は変わりますが、カナリーワーフさんがロンドン在住という前提ですが、やや業務連絡に近いお願いがありますので、最新エントリーに紹介したメールアドレスにご連絡頂くと助かります。よろしくお願いします。
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