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口先介入の神通力が続くことを祈ります
 株を除いていろいろ取材した中で、外為市場は読むのが一番難しいという印象だ。参加者が世界中に多種多様かつ膨大に存在する。“回遊魚の超巨大な群れ”がイメージされる。そしてこの群れはいろいろな材料を次から次に消化し、ある種のコースを回遊しているかと思いきや、突然コースを変えたりする。昔はこの市場にどっぷりはまっていたが、金利市場に慣れた身としてはもはや付いていくのは大変である。
 というマーケットなので、当局がある種のメッセージを送る場合、その是非はともかくとして一番理想的なパターンは、一発のメッセージで相場のコースを変えてしまうこと。今のところ、米政府の通貨防衛の意向はドルを反転させ、原油相場を落ち着かせている。一連の口先介入がとりあえず効果を発揮したのは、長きに渡って為替に強く絡むことを避けていた米政府が意表を突いた形でスタンスを変えたためであろう。まあ、サプライズ効果のようなものであろうか。この神通力が持続していくことを祈りたい。
 持続せずにまたドル安(原油高)となってしまったら…。口先介入を繰り返す事態となれば、相場はそれに慣れてあまり反応しなくなる可能性がある。そして、実弾介入を余儀なくされる状況に追い込まれてしまう。では、実弾の備蓄はいかほどか。3月末の米外貨準備は757億6400万ドル。このうち、金やSDRなどを除いた「外貨」は約500億ドル。約5兆円強ですね。実弾は乏しい。介入の仕方次第だが、ドルが大量に売られて一日当たり兆円規模の介入を余儀なくされると数日しか持たない。
 もちろん、米国が実弾介入に追い込まれたときは、かなりヤバイ状態なので、各国は恐らくは通貨スワップをやったり、それぞれドル買い・自国通貨売りをやったりして協力するだろうとは思うが、やっぱりそこまで追い込まれないのが一番である。基軸通貨国の通貨防衛がやっかいなのは、基軸通貨であるだけに世界中でたくさんの組織・人が基軸通貨を持っちゃっていること。つまり、潜在的な売りの規模が超デカイことである。例えば、日本は(売らないけど)100兆円持ってる。
 神通力、続いて欲しい。

ps 日銀は調節技術も凄いが、介入技術も凄いようです。ここんとこ財務省から介入発注はないけど、いつ事務が発生してもきちんとこなせるように訓練はやっておるようです。ドル買い・円売り介入、お家芸はいつでも準備万端。前任S課長が当たり年かと思ったが、現I課長が当たり年なのだろうか。
 介入事務を簡単にするために「1行に100本とか、1000本とか打ち込めばいいんじゃないのか」とある人に聞いたら、「受けきれないと思うよ」とのことであった。5-10本とバラしてやるしかないのですかね。為替関係の方、どんなものでしょう。
by bank.of.japan | 2008-06-11 21:58 | マーケット | Comments(7)
Commented by 鷹鳩 at 2008-06-12 00:11
100mioは受けれますが、1000mioはしんどいでしょうね。最後の介入、もうかれこれ5,6年前? 一編に介入するのではなく、時間差だったり、小口を何回転もさせたり、わざわざボイスブローカー使わせたり。いろいろとあるみたいですよ…。
Commented by bank.of.japan at 2008-06-12 00:38
鷹鳩さん、どうもです。100mio(100本)はOKなんですね。バブル期は「ハ×ワコウギョウ、ドル買い1000本」とかボイスが流れて某都銀のディーリングルームがシーンとなった、とかいう話も聞いたことがあります。介入手法は色々あるようですね。私が気になるのは、オーダーを受けた銀行がその玉をすぐにマーケットに出す必要があるのかどうか。昔は抱えちゃダメだといわれましたが、最近はどうなんでしょう。
Commented by 通りすがり@東銀座 at 2008-06-12 17:09
ECB、SNBとスワップをやっているので、Fedは現時点で外準以外にかなりユーロ、CHFを持っているんじゃないでしょうか。ECB分だけで500億ドル出ているようですが。
Commented by 鷹鳩 at 2008-06-12 21:46
良くご存知でw ×ンワコウギョウさんはその後相場で大損こいて、今では2-3mioと可愛い取引をしているようです。とは言っても、事業会社でディーラーが存在して、相場を張っているということで既に普通じゃないですがw

 BOJから介入が入った場合はすぐに玉を捌きます。後で全件付け合わせをしますから、飲んだらばれます。また、介入玉を飲むインセンティブはゼロです。たいてい数行に分けて買い上げますから、のんびり構えていたら100-200mioのショートを持ったまま1円以上持ち上げられますから…。

では、介入時に儲けるチャンスが無いと言えば、当然そういうわけでもなくw おそらくBOJ・財務省の方もご覧になっていると思うので詳しいことは書けませんが。
Commented by 椿ライン at 2008-06-12 22:23
 毎度ご苦労様です。米国の当局者の足並みが揃っているのは不思議なばかりです。かんべえ先生がおっしゃるように、産油国への配慮なんでしょうか・・・。

 介入時に儲けるとして、介入を受けるインターバンクディーラーなら予めドルロングを作ることが可能でしょうけど、情報が入ってこない他行はどうするんでしょう? インターバンクディーラーも介入を受ける場合は守秘義務を負うでしょうから、行内のカスタマーディーラーは情報を知らされないため顧客企業が利益をあげるのは難しいでしょうね・・・。
Commented by bank.of.japan at 2008-06-12 22:27
通りすがり@東銀座さん、どうもです。そのスワップがありましたね。やろうと思えば介入にも転用できるのかもしれません。

鷹鳩さん、どうもです。まあ、私もこの業界ではかなり年寄りになってしまいましたので(苦笑)。当時のことはいろいろと聞き及んでおります。
 介入玉はやはり飲めないのですね。飲む・飲まないの判断は相手先に委ねた方が、場合によっては介入効果もあるような気もしますが。ちゃんとマーケットに出ないと介入した意味がないと思っているのでしょうか。今度、機会があれば関係筋に聞いて見ます。
Commented by bank.of.japan at 2008-06-12 22:31
椿ラインさん、どうもです。情報が入ってこない他行は、必ず介入で使われるようにいろいろ努力する、ということかもしれません。介入の守秘義務は厳しいようです。昔々、あるところはちょっとしゃべったために、厳しく叱責された、という話も聞きました。
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