「コモフレーション」下の長期金利は…
 日経新聞(27日付)に景気討論会の模様が出ており、その中で門間日銀調査統計局長の物価動向に関する発言が印象に残った。具体的には「『アグフレーション』、『コモフレーション』と表現されるように値上がりが目立つのは第一次産品。その中に本当のインフレが紛れ込まないか注視する必要がある」というところ。『アグフレーション』、『コモフレーション』と言われているのですね、初めて知りました。
 このところ長期金利が上がっており(今日はちょっと低下)、ヘッドライン的には「インフレ」がテーマになっているようだ。もちろん、「インフレ」とは言っても景気過熱を伴った「本当のインフレ」ではなく、国内経済的には典型的な供給ショックで交易条件は悪化しつつある。で、長期金利が「インフレ」をテーマに上昇する、というのはどうもしっくりこない感じで、改めて「コモフレーション」下の長期金利の動向を考えてみた。
 まず資金需給の観点では、企業収益&家計所得はコモフレーションに圧迫されて資金需要は低迷する方向となり、国内金融機関は運用難が強まる構図となる。この場合、一般的には債券運用に傾斜するはずで、長期金利は低下するのが自然な流れであろう。
 次に長期金利の国際的な連動性だが、連動がファンダメンタルズで正当化されるのは、世界経済が概ね同じ循環を形成するとき。「コモフレーション」のときは、第一次産品を消費する国から生産する国に所得が移転しており、生産国は潤った資金で景気が過熱化する一方、消費国は貧しくなるので景気は低迷。少なくとも産消国間では金利動向は異なると考えられる。
 長期金利の1.7%台は、まあ達観するとレンジ内の動きで「上がっている」と言えるほどの動きではないかもしれないが、個人的にはここからさらに上昇傾向を強めていくとは思いにくい。機関投資家が資産運用の大半を「円建て」で行う限りにおいてはいずれ買い戻しが強まるのではないか、というのが個人的な相場観です。
 外れたらすいません。

ps ここもとの長期金利の上昇について、テクニカルにはドラめもんさんが先週末に解説されていたように先物のシステム変更とか、流動性の低下とか、ボラが上がってリスク管理上あまりポジションを取れないといったことなどが影響しているようだ。
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by bank.of.japan | 2008-05-28 23:10 | マーケット | Comments(4)
Commented by 鷹鳩 at 2008-05-29 01:26 x
『アグフレーション』、『コモフレーション』 初めて聞きました。
ご指摘の通り、インフレ懸念だけでここまで金利がボラタイルに動くのは納得できないですね。ほとんど、先物主導の動きなので、外人の巻き戻しや、中期ゾーンは銀行のいわゆるVarショックでテクニカルに売らなければならない人の売りに押されたイメージです。
非常に不安定な相場付きの中、金融機関はあえて長期の金利のリスクをとりにいくことをやめ、できるだけ短期で、目標の利回りがでるものを購入しています(相場が下がっているので短期債でも目標利回り達成できる)
そんなこんなでめぐりめぐって円債にも動脈硬化gあ起きているようで。
Commented by 星の王子様 at 2008-05-29 05:06 x
もともと特に長期債需給が悪いといわれていたところに内外で社債発行が増え米国金利が上昇したこと、そして外人動向で日本株円債ともに売られる日があると感じています。
Commented by システム5.1 at 2008-05-29 08:10 x
詳細解説をしようと思ったのでやめておきます(笑)。一時的なインフレ・リスク・プレミアムの拡大が期待インフレ率の持続的上昇につながると考える人が多いようです。また、投資家や業者のリスク許容度の低下も大きいでしょう。なお、リスク・リミットをあまりに小さく設定すると、今後の運用、経営にとって足枷になるでしょうね。一方、先物のシステム変更などは主因とまでは言えないと思います。特に直近は現物主導の需給悪化の側面が強いですから。もっとも、5、10年の入札が不調なのはリスク許容度の低下に加え、先物でのヘッジの難しさが作用しています。とりあえず、概要だけ。>本石町さん
Commented by bank.of.japan at 2008-05-29 20:18
鷹鳩さん、どうもです。テクニカルな要因が金利を上昇させやすい地合いにしている感じが強いです。流動性も乏しいので、上下動が激しいです。リスク管理上もこういう地合いではあまりリスクテークしにくいですね。

星の王子様さん、どうもです。外人動向、特にCTAとか相場の動きを加速させやすくしている印象を受けます。

システム5.1さん、どうもです。概要だけでも解説頂き、ありがとうございます。リスクテークを抑えて経営上の足枷となると、いずれ一気に買いが強まる可能性もあるかもしれません。引き続きよろしくお願いします。
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