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再び悲観の波動ですね=ベアマーケットの深さと期間は…
 マーケットは楽観と悲観の波動を繰り返しているが、先週後半から米国を起点に再び悲観の波動に入った。今回は株安に加えてドル安の進行がかなり目立ち、対円では一時1ドル=102年台に突入。今は103円前後ですか。週明けの米国株がさらに下がるとドルは連れ安になるかもしれないですね。
 何度か指摘しているが、私は(というかマーケットコンセンサスかもしれないが)、株高になっても基本的にはベアマーケットラリーに過ぎず、世界的な景気後退に向かいながら株安が強まっていくのではないかと懸念している。サブプライム発の信用収縮の影響は実体経済に波及。先進国の需要減少は新興国の経済に程度は不明ながら打撃を与える(デカップリング論には懐疑的)公算が大きい。
 もとより、世界にはまだ投機資金(運用に回される資金)が潤沢にあるので、悲観局面の押し目買いみたいな動きで一時的に楽観波動になるかもしれないが、まあ長続きしないでありましょう。株とドルは右下がりの波動を描いていくイメージですかね。もっともユーロ経済も脆弱なので、ドルの単独安となるかは不明。
 問題は、このベアマーケットの深さと期間である。さすがに日本の時間をかけた不良債権処理(10年以上)よりは米国の対応は迅速であろうが、一方で処理が速いと谷は深いんじゃないか、という気がする。このとき、金融セクターへの公的資金注入(or景気対策としての財政出動)があれば谷の深さはある程度埋められるのだが、そういうのがなければかなり谷は深そうである。
 ところで、こういう局面で日銀総裁人事が与野党の政治的な駆け引きに巻き込まれて混迷するのは何とも困ったもの。まさか19日までに決まらないということはないでしょうね。

PS 原油など商品高騰はインフレ期待(スタグフレーション的ですが)を高めているが、最後は景気後退に伴う実需の低迷で商品も下がるのではないか、と思っている。つまり、最終的にはデフレ圧力が強まるんじゃないかと…。
by bank.of.japan | 2008-03-03 23:07 | マーケット | Comments(13)
Commented by dell at 2008-03-03 23:33 x
アメリカの対応も金融緩和こそ迅速ですが、不良債権処理はまったく進んでいませんよね。サブプライム絡みのCDOなんて今は買い手がいませんから、このままでは決算のたびに評価損が膨らむことになるかもしれません。公的資金を入れた買取り機構を作って銀行のBSから不良資産を切り離せれば良いのですが、大統領選を控えて、今のところそういう流れにはなっていないようです。金融緩和が進めばこれら不良資産にも買い手が現れるものなのか、必ずしも楽観はできない気がします。
ただ、日本経済だけを考えれば、十分な金融緩和により少なくともこれらの悪影響を最小化することは可能だと思われます。
Commented by 飛車 at 2008-03-04 03:00 x
>一方で処理が速いと谷は深いんじゃないか、という気がする

直感的な話ですが、そんな事はまったく無いと思います。
Commented by leon at 2008-03-04 14:21 x
ポールソン長官は、金融組織への公的救済はないとの発言。深い谷が待っている。或は、十分深い谷である。

ところで、日銀総裁が確定したら、日本銀行として、現局面を打開する策はあるのでしょうか?

武藤氏に画期的な策があるのなら、総裁就任が急がれますが、策がなければ、新体制でも、暫定体制でも、同じではないでしょうか。

まあ、ニュース・エピソードとしては、長持ちしそうですが。
Commented by PK at 2008-03-04 16:07 x
相対的に円の価値は上がるし、日本企業の体力はあり、将来のテーマが見えているので設備投資は堅調、その結果、家計の所得が落ちず消費も堅調。
問題は、朝日と政治が、認識を歪め続けること。
Commented by bank.of.japan at 2008-03-04 20:28
dellさん、どうもです。ご指摘のように大統領選を控え、公的資金の注入はやりにくい状況です。選挙が終わるまでは、時間稼ぎの策でつなぐしかないのかもしれません。利下げ(金利コストの低下)で買い手が現われならよいですが、難しいでしょうね。日本の十分な金融緩和は、例えば量的緩和で十分でしょうか。

飛車さん、どうもです。多くの金融機関が短期間に不良債権を処理すると、例えば住宅価格の下落に拍車がかかり、マクロ的なダメージが大きいのではないかと想像したのですが…。杞憂であればよいです。

leonさん、どうもです。恐らくは、金融政策は当面は現状維持であろうと予想されます。政策が変わらないなら、体制交替しても同じというのはその通りですね。

PKさん、どうもです。円高が進行していく局面で、設備投資が堅調を維持し、家計所得も底堅いかどうかについては、懐疑的になります。
Commented by PK at 2008-03-05 12:24 x
円安を望む気持ちと弱気な心理は両立しない。そんな経済の状態は無い。小泉時代の最も良い点は、強気の心理と通貨安(対外投資)が結びついた点だ。
今の日本は旧来の朝日岩波東大田中派のダメダメダメダメダメグループが率いているので、どんどん状況が悪くなっていくだろう。
こんな状況になると、また馬鹿なインタゲ論が息を吹き返す。ケインズの多くのアイデアは、合成の誤謬論も含めて、キャッシュを選好する弱気の状態を発見したことに拠っている。(小野善康「不況のメカニズム」)
Commented by 飛車 at 2008-03-05 16:18 x
>>本石町日記さん
あ、たぶん想定している対処方法が違うんですね。
法人救済・責任者処罰と、責任者放免・法人処罰の違いかなぁ。
Commented by dell at 2008-03-05 20:42 x
>日本の十分な金融緩和は、例えば量的緩和で十分でしょうか。

コアコアCPIで2-4%程度のインフレターゲットを設定することも同時に行うのがベストだと思いますが、量的緩和だけでもそれを徹底して行うなら有効だと思います。日本国債を全て買い切っても本当にインフレにならないなら、わが国は無税国家でよいことになりますから(「バーナンキの背理法」)。
Commented by bank.of.japan at 2008-03-06 00:19 x
PKさん、どうもです。田中=田中角栄でしょうか。ところで、強気の心理状況では、対外投資に伴うリスクテークも活発化するので、円安になりやすい傾向があると思います。国内が低迷すると、円高になりやすい面もあるのではないかと。

飛車さん、どうもです。公的サポートなしでの不良債権処理は、いずれにせよ民間部門(貸し手か借り手は問わず)でロスを負担するので、民需の落ち込みが厳しいと単純に考えた次第です。

dellさん、どうもです。国債を買いきる際に、やっぱり財政出動が拡大する必要があるとは思うのですが…。
Commented by dell at 2008-03-06 20:45 x
財政出動すればよりインフレ誘導しやすいとは思いますが、財政出動が必要不可欠な必要条件ではないはずです。bank.of.japan さんは日銀が既発日本国債全てを買い切っても本当にインフレにならないと思いますか?
Commented by bank.of.japan at 2008-03-06 22:06 x
dellさん、どうもです。この命題はかつてマーケットの馬車馬さんとbewaadさんがやられた議論に通じますね。本当に既発債を全部買いきれるかはともかく、買い切りをどんどん進めるとゼロ金利のゾーンが長期化し、ポートフォリオリバランス効果が強まるルートでインフレが起きる可能性は否定はできないですが…。財政出動を同時に強めた方がインフレにするには手っ取り早いと思います。
Commented by 通行人 at 2008-03-07 20:11 x
本石町日記さん

>本当に既発債を全部買いきれるかはともかく

資産の国債が増えて、負債の当座預金が増えるだけ。
もしできないと思うなら、「日銀病」に感染しています。

>財政出動
マンデル・フレミング理論をご存じでしょうか。
FACTA3月号、中川秀直氏のインタビューにでています。
「マンデル=フレミング理論によれば、通貨の変動相場制下では財政政策は効かず、金融 ………」http://facta.co.jp/article/200803034.html
Commented by bank.of.japan at 2008-03-07 21:01
通行人さん、どうもです。国債買い切りを進めると、日銀B/S上は「資産の国債が増えて、負債の当座預金が増える」という変化が起きると思います。当座預金を持つ銀行が、利息ゼロを嫌って投融資を強める可能性はあります。個人的には、デフレ脱却策としては円安誘導を企図した外債買い切り(中原伸之元審議委員が提案したと記憶します)の方がいいように思います。
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