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予防的政策運営の心境=高層ビルからのジャンプかあ…「私の履歴書」
 フォワードルッキングの金融政策は、景気見通しが外れると悲惨だ。失敗の烙印を捺され、政策運営への信任は地に堕ちる。賢明なる日銀幹部によれば、「どんなに頭が良くても、半年後、一年後の経済・物価は予測はできても、そうなるかどうかは分らない」と言う。従って、フォワードルッキングの政策運営はドキドキ物であろう、と思う。でも、投機行動としては、うまくいって当たり前(あまりリターンがない)、失敗すると信任ガタ落ち(ロスがでかい)ので、すごいショートガンマ(オプションの売り)で、超ドキドキしながら割の合わない賭けをしているようなもの。
 「私の履歴書」(本日分)である。グリーンスパン元FRB議長は94年に入ってからのフォワードルッキングの利上げ路線について「成功する確信はなかった。むしろ『60階のビルから飛び降りて、無事に着陸できるか試してみよう』というぐらい不安な気持ちだった」と語っていた。幸いなことに、経済は軟着陸したわけだが、景気の先行きにかなり自信はあったにせよ、やっぱり神と言われながらも、グリーンスパンも人間であり、内心はドキドキであったわけだ。まあ、そんなもんでしょう。
 わが日本銀行である。量的緩和を解除するとき、かなり自信満々に見えた。景気回復が長く続けば下降する可能性は高くなるし、米国のバブルだっていつはじけるか分らない状況でもあった。はたから見ると、大丈夫なの、という感じであった。高層ビルからジャンプし、途中までは落下速度が緩くなってソフトランディングしそうな雰囲気も出たが…。このところ、なんだか落ち方が激しいすね。私たち、地面に激突(ハードランディング)するのかしらん。
 米国は、十分な浮揚力があるかどうかは不明だが、一応は利下げ&財政出動のパラシュートを身に着けているが、私たちには今のところ何もなさそう…。
by bank.of.japan | 2008-01-21 22:15 | 日銀 | Comments(20)
Commented by テキサスロングホーンズ at 2008-01-22 01:24 x
「景気回復が長く続けば下降する可能性は高くなるし、米国のバブルだっていつはじけるか分らない状況でもあった。」とのことですが、まず景気回復が長く続けば下降する可能性が高くなるという仮説の根拠が不明です。もしそう断言できるのであれば、その統計的な証拠を提示していただきたいものです。でなければ、この仮説は単なる貴兄の憶測に過ぎません。

次に米国のバブルがいつ弾けるか分からない状況だったとのことですが、サブプライム問題がマーケットで噂になり始めたのは2007年初頭です。2006年7月時点で日銀がサブプライム問題を予知するのは神業に過ぎるでしょう。

「はたから見ると、大丈夫なの、という感じであった。」そう思っていたのであれば、2006年時点で日本ならびに米国金融関連株をなぜショートしていなかったのですか。(もしショートされていたなら、おめでとうございます。現時点で貴兄はウハウハのことでしょう。もしショートされていないのであれば、おっしゃっていることに実行が伴っていませんよ。有言不実行では説得力がありません。)
Commented by PK at 2008-01-22 08:46 x
日本の官僚やマスメディアは、物事に否定的・抑制的(時には抑圧的)なので、彼らが何かをすればするほど経済は状況が悪くなる。
高度成長期のように日本に自然な拡大エネルギーがあれば、そういう性向もプラスに働いたが今はマイナスにしか働かない。
これからの日本は絶望的。永久不況の時代に入るだろうと思う。これから永久に不況が続くだろうことは、実は日本人の誰もが直感していると思う。
Commented by osome at 2008-01-22 11:29 x
景気に周期があることは過去を見れば明らかで、何も本石町さんが証拠をあげる必要はないでしょう。好況が数年も続いたころ、その数年のトレンドを延長する形で将来を予測している人がいれば、「おいおい、大丈夫か?」と思うのも至極当然だと思いますがね。

ましてや、ここに投稿されている方たちが、身近にいろいろ危ない信号を感じ取ってコメントされていた時も、日銀さんは「そんなものは揺らぎであって、全体には自分たちの予想通りきているから、利上げ路線は変えない!」と言い張ってきたわけでしょう。あの誤りを認めようとしない姿勢というのは、日本の指導層によく現れる現象です。

そのことを、グリーンスパンと対比して本石町さんが取り上げてくださっただけなのに、何をそんなに突っかかっているの???
Commented by 飛車 at 2008-01-22 12:07 x
>わが日本銀行である。量的緩和を解除するとき、かなり自信満々に見えた。

彼らに反対の立場とはいえ自分も含めての反省ですが、責任をとる必要が無い人は自信満々に黄色い声を張り上げる事が可能なんですよね。ここで言う「日銀」が誰なのかわかりませんが、少なくとも総裁をやっている人にとっては、それが僕には理解不可能な「金利正常化」であれ、自分たちのした決断に対しては上手く行くかどうか薄氷を生む思いをしているのだろうとは思います。同時に、後ろをついてくる人の手前、不感症に見せる努力もしていると思いますが。

ところで、本日AMの株爆下げの原因が色々といわれていますが、これは日銀の政策決定会合で「現状維持」が予想されているからですよね?もちろん、アメリカの対策が足りないという失望からも連動しているとは思いますが。
Commented by パットメセニー at 2008-01-22 13:44 x
2006年の量的緩和解除から、ついこの前の昨年秋まで、日銀は景気と金利に関し強気のコメントを続けた。これを信じた多くの機関投資家は、株式投資の比重を高め、金利上昇に備えて長期債を売却し、変動債を増やした(CDOとはまさにこれ)。
皆さんプロだから泣き言は言わない。全て自己責任。耐えて現状に向き合うしかない。
以前からささやかれていた「日銀と某経済新聞に逆張り」が不幸にも的中してしまった・・・
そんな環境下で、「有限実行ならポジション取れ」・・・開いた口がふさがりませんね。市場参加者でそんな戯言をいう方は誰も言いませんよ。

Commented by ash at 2008-01-22 14:25 x
私はもう少し早めに上げて、今回の事態に備えて下げ余地を作っておくべきだったと思う。どうせ何したってマスコミは批判するし、日銀だって
どうせ何したって責任なんて取らないんだから。あなたは賢明な日銀幹部などと言って持ち上げるが、彼らがみているのは結果として表れた数字だけで、予測ができると言っても責任をとるわけでもない。
なにより日銀がほんとに有能なら失われた15年なんて起こらなかっただろうと思うのです。
Commented by EURO SELLER at 2008-01-22 15:58 x
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-29888320080122
喜美さんはよくやっているほうかな。かんべえさんの心配のとおり,ダボス会議について首相に助言もしていたようだし…
Commented by PK at 2008-01-22 17:25 x
日銀の政策なんて今の状況にはあまり関係が無いです。
日本経済は、もう日銀が手綱を握らないと突っ走ってしまうような元気な馬ではない。尻を叩いて、やっと小走りする程度の馬です。
13000円割れなんて認識の歪み無しにはありえないです。
認識の歪みの原因とは何か? 
東大京大を頂点とするマルクス経済学的世界観です。日本の官僚は市場を信じていないし、国民の不幸は、自分達が救世主になるための必要条件だと考えている。
自民党がまともな競争相手を持てないのも、対立する陣営が共産主義だからです。そのために政党の競争が不可能になっている。
1000兆円の負債を梃子にして、この寄生虫を駆除することはできなかった。戦前と同じ道を進んでいます。やがて、手の施しようがなくなる。
Commented by luke at 2008-01-22 18:49 x
クルーグマンが「米国の住宅バブルが、3年以内に弾けなければ驚きだ」と述べて大きな話題になったのは2005年8月ですね。
Commented by nhcjpn at 2008-01-22 18:52 x
日銀の利下げ、一貫して主張されてきた本石町日記さんの慧眼に感服です。
Commented by とおりすがり at 2008-01-22 19:04 x
このブログは、日銀のシナリオを前提にした日銀の代弁が強いと思います。
本石町日記さんは、その日銀シナリオどおりにいってくれという願望が強く、そのシナリオがくずれることを心配していた立場でしょう。
利下げを言い出したのは最近ですね。
思い返せば、2006年3月量的緩和解除を含めて間違いを3回もやれば、日本経済がダメになるのは当たり前でしょう。
Commented by osome at 2008-01-22 19:17 x
PKさんのように、滅茶苦茶に悲観を言い立てることもないとも思います。普通、どうしようもなく凋落していく国の通貨は売られて暴落すると思うのですが、キャリーの巻き戻しもあるとは言え円高ですからね。

財政赤字を、例えば日銀券を増発して埋めたとしたら、円が暴落するでしょうか? 例えば1ドル200円なんてときが来たら、やはりまだまだ強い輸出産業が大儲けになると思うのですが。そういう産業のポテンシャルがあるうちは、何とかなりそうな気も・・・。
Commented by 来年度の見通しは概ね想定通り at 2008-01-22 21:34 x
当たってほしいものです。ポジションとるとか、とらないとか笑える議論です。本石町さんは記者としてはポジションとってますよ。確率は51%とか平然と述べるエコノミストよりはよっぽど素晴らしいです。
Commented by RT at 2008-01-22 22:26 x
私だけがそう思っていたかもしれませんが、10~20年前のイギリスはドラック、失業率、格差・・・などの問題が山積みの国でした。イギリスほどではありませんが、フランスも似たようなもので、一度世界の覇権を取った国の没落と言うものは、こういうものかとイギリス・フランスを哀れんでいました。
その過去のイギリスの姿が、今の日本と重なります。

今でこそ、イギリスはサブプライムの波をもろに受けて苦しんでいますが、数ヶ月前は好景気で沸き立っていました。
日本の未来だって、10年後、どうなっているか分かりません。イギリスのように、覇権とは言わずとも、好景気で沸く事だってあるのではないでしょうか。
多分、今は日本人の多くが過剰に未来に対して悲観的になっている時期なのでは・・・・
そういう私自身も、今のままの日本に明るい未来を想像できませんが。
Commented by dell at 2008-01-22 22:35 x
わが日銀が「現状維持」などと市場の警告を無視しているあいだに、FRBは緊急利下げだそうです。
日米の金融当局の考え方の差、質の差がはっきり出ましたね。
Commented by bank.of.japan at 2008-01-22 22:52
みなさん、いろいろコメント多謝です。

テキサスロングホーンズさん、どうもです。このブログは私の考えで書いております。統計分析の知識はありません。従って、私見=憶測です。私は投資家ではない(&金もない)です。株は職業上、やりません。アナリスト・エコノミストも投機ポジションないと思いますが…。

PKさん、どうもです。「不況」の定義にもよりますが、まああまり明るい未来は期待できないですね。黄昏の経済をたどる、という気がします。

osomeさん、どうもです。フォローありがとうございます。まあ、オープンなブログですので、批判は批判として受け止めております。テキサスさんの見解もまた一つの意見として私は参考にしております。
Commented by bank.of.japan at 2008-01-22 23:12
飛車さん、どうもです。日銀も内心は冷や冷やだと思いますが、まだ政策運営を変えるには至らないですね。景気判断は足元下げたけど、まだ将来には期待している(そうするしかない)のかもしれません。株は現状維持予想だけでこんなに下げたわけでもないと思います。

パットメセニーさん、どうもです。確かに日銀との逆張りが不幸にも的中しそうな雲行きです。まだ、景気後退&利下げには至っておりませんが。願わくば、株がまもなく底入れし、景気が回復基調に戻ることを。その可能性、ゼロではないと思いたいです。

ashさん、どうもです。どうせ批判されるなら、どんどん利上げして糊代作る、という手はあったと思います。その観点では日銀は中途半端に日和ましたね。日銀(マン)は有能ですが、パフォーマンスはあまりさえないです。
Commented by bank.of.japan at 2008-01-22 23:27
EURO SELLERさん、どうもです。喜美さんはときどき一貫性が取れないこともあるのですが、勘の良い方だと思います。

PKさん、どうもです。そこまで悲観することもないと思いますが、「日本経済が尻を叩いて、やっと小走りする程度の馬」というのは説得的な比喩ですね。

lukeさん、どうもです。金利オンリーローンとか流行り始めた当たりから危ない感じはしましたね。投資銀行がB/Sを拡大させたりとか。もっとも、バブルが弾ける時期はよく分からないです。

nhcjpn・安東さん、どうもです。ありがとうございます。利下げ論は最近ですが、量的緩和の解除&利上げ路線には懐疑的でした。後退局面になっても短期&軽いものであって欲しいと思いますが…。甘いですかね。

とおりすがりさん、どうもです。日銀の解説はしますが、代弁しているつもりはなくて、日銀もそうは思っていないようです。日銀のシナリオも当たって欲しい(その方が国民的にもハッピー)とは思いますが、実際はそうはならない悪寒がしましたので。
Commented by bank.of.japan at 2008-01-23 01:22
osomeさん、どうもです。日銀の国債引受がどういう影響を及ぼすかは未知数です。まあ、ただちに円暴落とはならない気がしますが、それはそのときの投資家行動の総体がどうなるか次第です。ある程度の輸出競争力を保持する場合は円安はプラス効果があるでしょう。

来年度の見通しは概ね想定通りさん、どうもです。ありがとうございます。今後もポジション取ります。日銀の見通し、当たるとよいですね。

RTさん、どうもです。しばらく前のアングロサクソン諸国はダメダメでしたね。でも立ち直りました。日本もダメになれば、ある程度の自律的な立ち直りが期待できると思いたいです。

dellさん、どうもです。確かに今日利下げしていたら、日銀の評価は高かったかもしれません。そういう声は市場でも聞かれました。
Commented by 飛車 at 2008-01-23 14:59 x
>>RTさん
景気は気から。ケインズの言うアニマルスピリットも、最近の経済学で言う期待インフレ率も、このような将来に対する予想をどう捉えるのかからきていますね。期待インフレ率が経済政策によって操作可能か否かが結構重要なポイントになっています。グリーンスパンは期待の操作が上手であったといわれていて「緑爺に全部」みたいな信頼感はありました。その点、ベン爺は政策対応という点では優れていますが、まだ市場の信頼を勝ち得ていない感がありますね。

でも、アメリカ見てると「お前ら源氏物語はいいから、平家物語読め」といいたくなったりしてw
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