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中東マネーの打診買い?=ちょっと早い感じ(印象論ですが)
 アブダビ投資庁のシティグループへの出資。この報道、ちょうど昼時に飛び込み、株急落・債券急騰となっていた前場の動きを一気にひっくり返した。私も驚きました。ただ、周囲の感想は「ちょっと早いんじゃないの」であった。どうせ金出すなら、相手がもっとヘタってからの方が買い叩けるからである。投資庁に投資余力がどの程度あるのか分からないが、8000億円程度は小口に過ぎず、軽く打診買いしてみた、ということだろうか。それとも「何か裏にある」のですかね。この辺は良く分からない。
 金融取引がライアーズポーカーであるとした場合、欧米金融機関は持ち札なし、リッチな中東諸国はあらゆる持ち札あり、という構図で、まあ勝負もなにもあったものではない。全面降伏を待てばよいだけである。めちゃくちゃ安く経営権を握れるかもしれないしね。一方、リッチな中東諸国にとって、早めに金を入れるメリットは何かあるのだろうか。裏取引がない、とした場合、このままほっておくと金融危機が深刻化し、米国(ドル)の信任が揺らぎ、手持ち外貨資産(ドル建て)が目減りしてしまう、ということだろうか。
 ドルを大量に持つ国家は、そう簡単にはドルを他通貨にシフトできない。その動き自体が波紋を広げ、ドル売りを加速してしまい、自らもロスを蒙るリスクが高いため(典型的なのが日本の外為特会)。自ら流動性リスクにはまります。インタバンク&国債市場における「郵貯」みたいなもの。中東諸国は全体としてリッチだと思われており、実際にそうだろうから簡単にはドルを動かせないと思う。だとすると、米国が完全にヘタルのはよろしくない。恩を売りながら、静かに事態の進展を見守り、また恩を売る局面があれば金を入れる、という循環であろうか。お金持ちしかできないゲームですね。
 借金がある国、その借金を資産に持つ国、世界経済を循環するマネーは官民いずれも債権・債務関係でみんなつながっているので、この環が不用意に乱れると、全員が困る事態になる。どの国家も地球からの離脱は困難。資源国にとってせっかく消費国が資源に高い金払ってくれるのだから、適当に金を突っ込んでソフトランディングさせるのがいい。もっとも、そんなうまいぐあいにゲームが進むのかどうかは良く分からない。「神の見えざる手」がうまく機能すればいいが…、もしかして手などない? 最悪はドルを基軸とする世界的な管理通貨制度のリブートなのだが、これは考えたくないシナリオ。
 まあ、印象論ですが、ざっとこんなことを思ったまでです。
by bank.of.japan | 2007-11-27 22:55 | マーケット | Comments(8)
Commented by 椿ライン at 2007-11-27 23:52 x
 毎度ご苦労様です~。
 26日は中国投資公司、27日はアブダビで、二日続けて前場に日経をショートにした人は散々な展開ですね(^^; まぁ株もドルも下落トレンドに変わりはないのでしょうが・・・。
 本石町さんの言う、「世界経済を循環するマネーは官民いずれも債権・債務関係でみんなつながっている」は同感ですね。しかし日米の間については安保条約がありますので、普通の債権国・債務国の関係ではないことを留意する必要があります(^^
Commented by bank.of.japan at 2007-11-28 00:38 x
椿ラインさん、どうもです。安保条約があるのに、なぜ外準の積極運用論が簡単に浮上するのか謎です。知らずに言っているのか…。よく分からない。
Commented by EURO SELLER at 2007-11-28 01:06 x
お疲れ様です。今日のお昼の株価と為替にはびっくりでした。
>恩を売りながら、静かに事態の進展を見守り、また恩を売る局面があれば金を入れる
まさにこれは,糸山せんせいがJALの株を持っているようなもので,お金持ちにしかできませんねえ。(笑)一定以上のお金持ちになると,儲けることより恩を売ること自体に生きがいが感じられるようです。庶民には理解できるレベルではないですが…

Commented by PK at 2007-11-28 07:14 x
私は。外貨準備を減らすことが、日本の国際的な政治発言力を強めることになると思います。外貨準備を積み上げると、日本政府は弱いですから舐められます。しかし、民間の割合が高ければ、行動の予測がつきませんから、世界がもっと日本の動向に神経を使うようになると思います。120円を超えて円安になった時、減らしていくべきでした。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-28 17:45
EURO SELLERさん、どうもです。世界市場に与えるインパクトも大きいですので、アブダビ投資庁の担当者も、まあそれなりに出応えのあるディールだったのだろう、と推測されます。しばらく王様のゲームが続きそうですね。

PKさん、どうもです。外貨準備のある一定の割合を’(介入ではなく)商業ベース(運用)という名目に振り返るしかないでしょう。これはキャリー部分だけでもいいと思います。そうしないと、逆介入がない限り、FBが無限に増え続けますし。ダーティフロートとの批判をかわすのが難しいでしょうが。
Commented by 星の王子様 at 2007-11-28 20:43 x
たまたまこの間の土曜に銀座のマネックスラウンジに行くと内藤君のビデオが流れておりおいてある松本大氏の本などを見ましたが松本氏の本の中にもソロモン本社(今やソロモンの名はなくCITI)の連中がTOPクラスもライアーズポーカーに興じていた場面も描写されていました。いろいろな栄枯盛衰がありますね。
Commented by 市井の投資家 at 2007-11-28 21:10 x
虎年さまのLKからここ数カ月拝読しています。有益なブログ、日々の更新に一言お礼申し上げます。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-29 13:46
星の王子様さん、どうもです。あの本は今読んでも面白いと思います。まあ、ゲームの手法がちょっと変わった(複雑化した)だけで、根は一緒かもしれませんね。

市井の投資家さん、どうもです。訪問ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
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