人気ブログランキング | 話題のタグを見る
防衛省・山田洋行関連の雑感=リスク管理面での感想ですが…
 防衛省元次官と山田洋行の接待関係の報道、あまり関心はない(もちろん接待・癒着はいかんです)。強いて感想があるとすれば、①山田洋行という会社をこの事件で初めて知った②大蔵省(含む日銀)などが接待汚職事件で地検特捜からガシガシやられたのに、ゴルフ接待を受け続けた元次官のセンスのなさに驚いた③山田洋行から調達した装備はまともなものかどうか(使えない装備を高額で買わされたのなら税金の無駄使い→有事に使えないと困る)-であろうか。
 前置きはこの辺にして、この関連で気になった報道が一つある。
「GPS嫌なら防衛省去れ=石破防衛相怒る」という記事である。
 これは幹部の夜間・休日の行動を把握するためにGPS対応の携帯電話を支給する、というもの。一般的には「防衛省幹部は子供か」という失笑を買う記事なのだが、私はリスク管理の面で重要なセキュリティ情報を明かしていいのかな、という感想を持った。日本は人道的見地とは言え、イラクに自衛隊を派遣したりしており、テロの標的なる可能性はある。防衛省幹部がテロの標的(拉致とか)になる可能性はまあ高くはないが、「幹部にGPS携帯を今後配布する=今は配布されていない」という情報は、対外的には言わないほうがいいと思った。
 防衛省としては業者との癒着を防ぐために幹部の接待監視をきちんとやってますよ、というアピールかもしれないが、対テロの面では重要な治安情報を明かした気がする。防衛省幹部がどの程度の重要情報を持っているのか知らないが、例えばテロリストが米軍動向に詳しい幹部を拉致したら、GPS携帯を取り上げ、誰かに持たせて適当に移動させるかく乱工作を行うだろう(映画でそういう場面があったような)。
 それを見越して携帯電話に何らかの工夫がなされているならいいですが…。リスク管理という面では何だかお粗末な対応であると感じた。
 
 そういえば、リスク管理でお粗末な例は日銀でもあった。2千円札が発行されたとき、その普及を促すため、日銀職員の給料(当時は現金支給=今は振込み)の一部を2千円札にする、と発表したのだ。このとき、誰か知らないが、ある幹部が一部マスコミに給料日を漏らしてしまったのである。これは防犯上は非常に危険な行為であると私は思った。今時、給料を現金でもらう会社はないですから。毎月ある日、日銀職員は総裁も含めてまとまった現金を持っている可能性が高い、という情報はまずいでしょ。日銀の努力姿勢は分かるが、襲ってくれ、と言っているみたいで。改めて強調するが、数年前に振り込みに移行し、今は現金支給ではない。

 こうした治安・防犯に対する脇の甘い対応は、もしかしたら日本に対する警戒感を和らげる効果があるかもしれないが、まあ考えにくい。もしかして法相の変な発言も深遠な狙いがあったりして…。パスポートコントロールでテロ対策を強化すると言ってもなんだかなあ、である。
by bank.of.japan | 2007-11-20 21:47 | その他 | Comments(21)
Commented by 飛車 at 2007-11-20 23:28 x
山田洋行は専門商社であってメーカーではないので、装備の問題は無いでしょう。というか、仮に問題あったとしても、それは防衛庁の装備選定ミスという事になろうかと思います。9mm機関拳銃みたいなw
むしろ、防衛省の航空機エンジン調達みたいなところに商社が介在していたことが驚きです。メーカー直販じゃやりきらないのかなぁ。それとも、メーカーとの価格交渉主の選定という意味で商社を複数入れて競争入札しようとしていたのか。
Commented by 一国民 at 2007-11-20 23:47 x
防衛省幹部のGPS携帯の携帯については、佐藤優さんも同様の指摘をなされておられます。私も同様の懸念を抱いております。
肝要なのはやはり信頼感ではないかと。
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200711140006o.nwc
Commented by パットメセニー at 2007-11-21 00:19 x
すいません。最初は「内田洋行」と勘違いしていました・・・(汗) えーと、友人の友人がアルカイダの法相ですか・・・今年は年初から失言大臣が屍累々ですが、この方はスキージャンプで言うとK点越えですね。もはや論評不可能。この方の実兄が幹事長を勤める党も、「証券優遇税制は金持ち優遇」一点張りですが、株式関係者はご覧の通りただでさえストレス増加の毎日なので、こちらの支持者は誰か少し助言されたら如何かなと・・・余計なお世話ですかそうですか
Commented by bank.of.japan at 2007-11-21 01:03 x
飛車さん、どうもです。なるほど。あくまで防衛省の選定した装備を手配する役割ですね。昔話ですが、某商社(有名なところ)の方は、戦闘機に搭載するミサイルを調達していましたね。ところで、戦車とかまだ国産だと思うのですが、これは割高でもメリットがあるのでしょうか。よく分からないです。

一国民さん、どうもです。情報提供有難うございます。佐藤さんの方がもっとリアルな指摘ですね。近視眼的な対応(世論への気兼ね)でセキュリティ感度が鈍くなるのはちょっとどうかと思います。

パットメセニーさん、どうもです。私も最初は内田洋行かと思っちゃいましたよ(笑)。私のフィールドから見ると、民主党はもっと専門的な面で正論を唱えて欲しい、と思っておりますが…。まあ、気が付いたらこの場で色々書いていくつもりです。結構、党関係者に読まれているですので。コメントも歓迎です。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-21 01:17 x
飛車さん、続きです。「9mm機関拳銃」、何で拳銃なの?、と思って調べたのですが、PKO時の過剰武装感に対する(マスコミや世論の)批判をかわすために採用された小火器のようですね。操作が難しく、実戦に耐えないもの(しかも超高価)なら、それこそ税金の無駄遣い。一般的にサブマシンガンと称されるものだと思いますが、普及品を輸入した方が安上がりですね。
Commented by 飛車 at 2007-11-21 11:21 x
90式戦車は国産ですが、調達価格はリーズナブルだと思います。興味があれば調べてみてください。搭載のラインメタル製の主砲も、国産で同等レベルのものを開発した実績から、大変お安く調達できております。国産=高価という思い込みで、調べもせずに批判する人が多いところでして・・・ほとんどテンプレ化しています。
9mm機関拳銃は、もともと空自のパイロット用です。紛争地域で脱出したあと、救助が行くまでの間に身を守るための個人武装という事になっています。冷たい言い方をすると気休めの装備だと思います。というわけで、そのために専用の銃を開発する必要性はちょっと理解しがたいです。
PKO時は、野党との話し合いの中で「機関銃は何丁しか持っていかない」という言質をとられちゃった事が理由で、何も無いよりはマシみたいな扱いですね。
軍用の装備は海外品買う方が高いことも結構あります。むしろ同じコストをかけて調達するのに、優先順位とか、兵器としての目的にお金をかけるのか野党対策にお金をかけるのかみたいな、使い方の巧拙を問いたいなぁと。
Commented by 飛車 at 2007-11-21 11:37 x
そうだ。マスコミの方に用語を問いただすのは、ちと不遜ではありますが、「自動小銃」と「軽機関銃」と「機関短銃(サブマシンガン)」の違いって説明できますか?
Commented by bank.of.japan at 2007-11-21 19:24
飛車さん、どうもです。なるほど。参考になりました。自分でも調べてみたいと思います。防衛論議で、確かに支出の効率性を問うものはほとんど聞かれないですね。支出規模だけで防衛力を計るケースもありますが、あまり意味はないような。
 ご質問の用語の件ですが、マスコミとして定義はない(と思います。少なくともうちの社は)。私の理解は、自動小銃は一般に配備されているライフル、あと使用する弾が違うのでしたっけ?
Commented by 椿ライン at 2007-11-21 22:14 x
 毎度ご苦労様です~。
 国内で兵器を開発すると、輸出できないから当然コストアップになるため、効率性とコストと性能の問題は頭が痛いですね。なお個人的に、防衛絡みの調達時の為替の手当はどうなるのか?といったことを調べた覚えはありますが、「自動小銃」と「軽機関銃」と「サブマシンガン」の違いは全く分かりません(^^;
Commented by 北の書生もどき at 2007-11-22 01:46 x
皆様こんばんは。今、webで発見したのですが、防衛省オフィシャルマガジンというのがあるらしく、一度読んでみたくなりました。
雑誌名はその名も「マモル」。
目次を抜粋しますと、”目指せ1級!『自衛隊検定試験公式テキストブック』”、”連載 防人たちの女神 小池栄子”、”写真館 女性自衛官を訪ねて ~”などなど、興味津々?!のタイトルが並びます。
・・・来月あたり「大激論 賛成?反対?幹部職員のGPS携帯義務化!」なんて特集出たりしませんかね(苦笑)。
Commented by 飛車 at 2007-11-22 10:47 x
90戦車は確か1両8億円くらいで、たとえばアメリカのM1A2は12億円オーバーだったはず。国外販売するときは、モンキーモデルになって値段はアップするわけで、90戦車を持っている国からすると例えばM1A2はとてもお買い得とは言いがたい状況です。90戦車は実戦経験は無いですが、スペック的には世界3強の一角くらいの評価をされています。
まあ、国内に戦車が必要かというと・・・、戦車は仮想敵上陸部隊が1両50tの戦車を何十両と船で運ばないといけない状況を強いて、攻撃準備を監視しやすくするのがお仕事ですので、微妙な存在ではあります。

機関銃は支援火器で、脚付きで地面においたりどこかに固定して撃つ大きな奴です。口径が小さく折りたたみ脚で移動が容易な奴は軽機関銃と呼ばれます。弾帯で弾丸を補給し、射撃手と弾薬係りの2人で運用します。自動小銃は、連射できる小銃(ライフル銃)です。伏射用に折り畳み脚がついてる奴が多いで、戦場の主力です。サブマシンガンは連射機能がついた拳銃で、弾は拳銃弾。どちらかというと個人の護身用です。
というわけで、9mm機関拳銃はサブマシンガンで正解ですが、「機関銃」と訳すとヘンテコなことになります。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-23 01:32 x
椿ラインさん、どうもです。確かに国産にこだわっても物によっては量産効果があまり出ないケースも多いかもしれません。為替手当ては商社まかせですかね?

北の書生もどきさん、どうもです。そのマガジン、マニアックに面白いところが多いかも。防人たちの女神は興味深いですね(笑)。ところで、日銀幹部にGPSは…、まあ不要かもしれません。

飛車さん、どうもです。結構詳しいですね。日本の戦車は性能がいい、という話は聞いたことがあります。現状、実戦で使用される場面は想像しがたいですが。重機関銃、軽機関銃、自動小銃、サブマシンガン(これはマシンピストルとも言うやつですかね)という順番でしょうか。実は、昔米国にいたとき、知り合いに連れられて拳銃の実射をやったことがあります。標的まで10mもないのに全然当たらない、音が凄い、意外に重い、との印象が残っております。シューティングセンス、ゼロでした(笑)。

Commented by K at 2007-11-23 19:26 x
英国防省の調達部門は、約3万人の職員を抱えるそうです。日本は約600人。
日本は民営化して、商社に任せているという事ですね。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-23 21:21
Kさん、どうもです。外注される戦争。日本は少なくとも調達部門はPMCが存在した、というわけでしょうか。
Commented by 飛車 at 2007-11-26 18:05 x
大きさ的にはその順番ですが、サブマシンガンは個人の護身用です。ここが大きな違いですね。

色々書きましたが、僕のはただのヲタクです。拳銃はハワイで競技用の反動が小さい奴を10年くらい前に撃った事がありますが止まっている的なら意外とあたると思いました。競技用なので当たりやすくなかったら困るのですがw。台湾人(徴兵あり)の友人は訓練で小銃を撃つわけですが、人間の頭のサイズくらいなら300mくらいなら当たるけど、相手が動くとか1発必中とかの心理的制約つけられたら厳しいなぁと申してました。ちと格好つけすぎではないかと思いましたが参考までw。そういえば、中国でAK-47を撃った友人は、反動が大きすぎて弾が全部空に飛んでいったと笑っておりました。というわけで照準が狂っていたのではないでしょうか<当たらなかった

ところでPMCは言い過ぎでしょうw。流通などでありがちな調達専門会社だとすると、色々裏が出てくる可能性はありますね。民営化は良い事ばかりではないので。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-26 21:40
飛車さん、どうもです。色々教えていただきありがとうございました。世界的には軍事関係の民営化は強まる一方ですが、日本の場合は当面は限定的にならざるを得ないのでしょう。
Commented by 飛車 at 2007-11-27 01:30 x
なんか、裏がボロボロ出てきちゃいましたね。調達専門商社はリベートだらけになっちゃうんですよね。しかも当然の事ながら国とは資本関係ないから、窓口の地位確保のためには・・・。

軍事の民営化は、使い捨てしやすいからでしょうね。パープルハート勲章も遺族年金も、それどころかジュネーヴ条約やハーグ陸戦条約も関係ないですから。けどやっぱりルール違反だと思う。最近、国内法の規制を逃れる国際企業が多くて・・・。そろそろ国連の次の組織がいるんじゃないかと心配しています。
Commented by 国防軍 at 2007-11-29 01:17 x
イラク派遣のアメ公の治安関係は全て民間警備会社という名のプロの傭兵部隊ですよ、日本人の馬鹿どもは民営化というと善みたいなこと考えたますが。実態は金で買われた戦争屋でしょう。
かわいそうなのは、こいつらの下で捨て駒に使われてる、だまされて(志願すれば大学は入れるとかグリーンカードとれるよといわれて)はいった州兵君足しでしょうな。多分米兵戦死者の大半は彼らでしょうね。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-29 13:43
飛車さん、どうもです。調達関係の在り方が今後どうなるのか。結果として効率化すればいいのですが…。PMCの存在は軍費の固定化を防げるのですが、法的グレーゾーンとして大きくなると、何らかの縛りは必要になると思いますが、難しいでしょうね。

国防軍さん、どうもです。PMCの業務は広範に及び、その存在抜きでは軍を動かせないようですね。どのような形態(軍orPMC)であれ、まず犠牲になるのは最下層の兵隊(社員)であろうと思います。
Commented by 飛車 at 2007-12-02 12:47 x
やっぱり、調達会社に丸投げ体質がいかんという話になってきましたね。Kさん指摘の方向になるのでしょう。

僕も今回の件は勉強になりました。随意契約しかできないものを外だししてはいけない。外だしするなら、管理機能を確保して競争入札できる形にしてからという事でしょう。それに対して、売る側は随意契約になるように、表裏色々使って仕掛けるのでしょう。安易な民営化論への警鐘です。
Commented by bank.of.japan at 2007-12-03 18:47 x
飛車さん、どうもです。いい意味で調達の透明性強化となればいいですが、防衛利権がより見えない形で巧妙な仕組みなるようだと本末転倒なんですが…。
<< 「フレディマックがドシン…時間... 「私の履歴書」の続き=田淵語録です >>


無料アクセス解析