野村証券元会長の田淵節也氏の語録。連載が終わってから前回の続きをやってもいいのだが、印象に残った一文を忘れるかもしれないので、刻んでいきます。
まずは「第13回」(11月14日)より。ここでは「岸信介首相時代にできた資本主義計画経済の金融は…」のくだりが興味深い。金融カーストの下層に甘んじた田淵氏の屈辱感が強くにじむが、つい最近まで続いた護送船団行政(今は処分行政?)によって「金融が市場原理の世界に至る道のりは遠かった」のはその通り(まだ遠いです)。でも、あれですね。興銀と山一は本当に好きじゃなかったのですね(笑)。以下、数回分より思いつつままに。 ・「英語使いの国際派は国内営業とは関係なしに動いており、別会社のようだった」 →だから田淵氏は国際本部を廃止し、内外一体営業を図ったのだが、私自身はこれをひっくり返して国際営業を主軸として国内本部(営業)を廃止したらどうだったのか、と思考実験的に思う。個人的には90年代前半のどこかで野村証券がグローバルインベストメントバンクに脱皮するチャンスはあったのではないか、と思うのだが。 ・「何でも米国だと思えば間違いない」 →これは正しい。SAMA訪問記は面白い。同様にボルカー訪問記も。金融のグローバルスタンダードがアングロアメリカンスタンダードでありましたし。その米国は金融が揺らいでいるが、やっぱり餅は餅屋で、金融業はリードし続けるように思う。 ・「日本人には外国人を使いこなせない」 →恐らく連載全体の結論的な一言かも。金融界の重鎮でこれを率直に言える人はあまりいない。もちろん個人ベースで外人を使いこなせる人はいるが、組織体としては無理のような気がする。 その他の感想。 ・ボツワナ(中銀)までJGBを売りに行ったのはすごい。 ・本人の口(筆)から「ヘトヘト証券、ノルマ証券」を聞ける(読める)とは予想外 ・「狩猟民」(フロー商売=恐らく投資銀行業務含む)と「農耕民」(ストック商売=銀行)の収益比率見直し(前者の拡大)は考え方の一つだが、異民族商売を同一組織で行うのは限界があるように思う。これは文化・風土にも関わる広いテーマなので、別途エントリーで取り上げるかもしれない。 相場については以下のくだりが言い得て妙。 「デイトレと言って一日中部屋にこもって売ったり買ったりは勝手だが、続くわけがない。相場には魔物が住むと言うように、いつの時代にもある熱病のようなものだ」 こうした知見は残念ながら広く共有はされない。わが国の場合、特にマスコミ(地検特捜も?)がそうだが、投機取り締まり型の論調が増える(ほっておけないのですね=市場を信じていないのでしょう=統制したがる)。困ったものだ。
by bank.of.japan
| 2007-11-19 22:35
| マーケット
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Comments(6)
自分のところでエントリーをたてようかとも思ったのですが、ワタクシが一番印象に残っているというか当時から野村の強さを痛感したのは情報収集でして、ボンドMISシステムを通じて顧客の債券保有情報をきちんと収集していたことでしょう。ほかの会社も似たようなシステムを作りましたが、まったくかないませんでしたね。顧客は自分のポーロフォリオのなかみを野村に送ってそれを分析してもらうというこのシステムは、私が入社当時インプット担当だったので、非常に感慨深いです。
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「日本人には外国人を使いこなせない」とは言いつつも、あのガイハンズを抱えていられる懐の深さは日本の金融機関では野村でしかあり得なかったのではと思います(最後はさすがに価値観が違いすぎて彼は野村を離れて自分のファームを立ち上げてしまいましたが)。
害債さん、どうもです。なるほど。参考になるお話、ありがとうございました。野村は債券が好きだ、ということもこの履歴書を読むまで知らなかったです。株営業が主力だとばかり思っておりましたので。
linateさん、どうもです。確かにそうかもしれません。ときどき日系金融機関で懐の深さを期待させる動きがあるのですが、たまたまなのかもしれません。サブプライムで欧米金融機関が傾くとき、日系金融機関にはチャンスだと思うのですが、どうですかね。 ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
なるほど、非公開さん、参考になります。
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