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複数の「ハト」派?=日銀政策委の分布図
 先週、今週と金融政策決定会合の議事要旨が公表された。9月18-19日分、10月10-11分です。ざっと読んだ印象だが、「複数の委員」(複数=2人との理解です)の幾つかの発言が日銀の公式見解よりも悲観的であったのが目に付いた。金融政策の投票行動で政策委員会を色分けすると、「1人のホーク(タカ)、8人のチキンホーク」となるが、経済情勢の判断でいけば「1人のホーク、6人のチキンホーク、2人のダブ(ハト)」といったところか。
 チキンホークスは『自信のない(臆病になった)タカ派』(こちらのエントリー&コメント欄を参照)という意味で、私は決して悪いことではないと思う(ただし、言行一致させるために景気判断の下方修正、金融政策運営の書き直しが必要)。
 「複数の委員」の見解を両要旨から拾ってみたい(詳しくはホームページを参照)。
・米住宅市場の調整が長引くリスクが高まっている。過去の調整と異なり、今般は消費者物価で実質化した住宅価格の下落が全米で広範にみられる(複数のうち一人)。
・住宅価格の低下幅次第では、家計の保有資産が減少するルートや、金融機関のバランスシートが悪化し、与信基準が厳格化するルートなどを通じて、経済全体に対する影響が大きくなる恐れがある。
・(日本の)首都圏の新築マンション契約率が低下していることや、不動産ファンドからの資金流入が減少している。
・中小企業の設備投資を反映している代理店経由の機械受注が減少しているなど、中小企業の設備投資が弱めとなっており、中小企業の収益や景況感とあわせて、今後の動きには注意する必要がある(一人の発言)。最近の原油高が、価格転嫁が困難な中小企業の収益を圧迫する可能性がある(別の一人)。
・短期的には市場における過大なポジションは一旦調整されており、金融緩和の行き過ぎというアップサイドリスクは、この面では減少する方向にある(この後に正常化論を述べているが、強いものはない印象)。
 まとめると、サブプライム問題が深刻化することへの懸念が強い一方で、アップサイドリスクの後退を認めている。「複数の委員」の金融政策スタンスは積極的な現状維持、ないしは気分的には利下げしたいのかもしれない。利下げ提案に臆病ならチキンダブ、かな。複数の委員が誰なのか念頭には浮かぶが、自信がないので敢えては書きません。
by bank.of.japan | 2007-11-16 22:21 | 日銀 | Comments(5)
Commented by 害債 at 2007-11-17 08:06 x
本題からは多少それますが、「複数の委員」という表現と「何人かの委員」という表現が正確にどの程度の人数をイメージすればよいのか前から悩んでました。複数は二人、という理解でいいんでしょうか?それともそのつど文脈や情勢から読み取るべきということでしょうかね。すんません、幼稚な疑問でして。
Commented by PK at 2007-11-17 08:21 x
今のように資産取引で資金需要が拡大する経済では、日銀理論とタカ派の日銀は矛盾する。両立したのは、所得拡大が主要であった時代だけで、タカ派を気取るのはノスタルジーだという気がする。
新しい市場が生まれる時、市場と市場が初めて結合する時、など資産取引が急拡大する場合を見つけて、どう対処するか手段を模索することがタカ派を演じるより大事だと思う。
Commented by 30兆円 at 2007-11-17 13:34 x
政策委員のコメントを読むと、見通しなどにバラつきが見られますが、これが展望レポートの2年先までのGDP、CPI見通しとなると修練してしてしまっているのはどういうことですかねー?私は展望レポートの「謎」と感じています。
Commented by EURO SELLER at 2007-11-17 20:16 x
個人的にはもうデフレに戻っていると思います。無理やり原油のせいにしていろいろ値上げしても,消費が伸びない状況には変化がないと思います。内需が伸びない中で片肺でGDPを上げるのは無理があり,利上げの根拠など皆無と思いますが…
Commented by bank.of.japan at 2007-11-17 22:32
害債さん、どうもです。議事要旨によく出てくる人数表現は「複数」、「何人」、「多く」、「大方」などです。それぞれ「2人」、「3-4人」、「5-7人」、「8人」と私は理解しております。人によって微妙に理解は違うかもしれません。文脈などから読み取った方がいいケースもあると思います。

PKさん、どうもです。簡単には見通しを修正できないので、「タカ派を演じざるを得ない側面が強まった」のかもしれません。ご指摘のようにバブルへの対処は重要なポイントですが、これはなかなか難しいです。

30兆円さん、どうもです。もう少し見通しがバラついてもいいとは思いますが、数値で見せてしまうと政策的な思惑を招きかねない、と警戒しているのか、または執行部がうまく収斂させているのか。「心の動揺」がコメントに出ているだけ、とも考えられます。

EURO SELLERさん、どうもです。コアコアCPIはややマイナス圏で、驚くほど上がらない→デフレ的でして、原油要因は明らかに国内経済には供給ショックなので、全般はややスタグフレーション的であると考えられます。
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