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「ガソリン税の暫定税率の期限切れ」についての考察
 既に市場関係者の間では広く知られている表題の件について、Teddyさんからもコメントを頂いたことでもあり、簡単に考察してみたい。まず、ブログ界で、この件をかなり早く取り上げたと思われるのは、限りなく私と同業の匂いがする「奇奇怪怪」さんだった。エントリーは「今のままならガソリン代は来春1リットル20円安くなる」です。
 奇奇怪怪さんによれば 「自民党は期限延長を狙っているが、民主党は反対している。このままでは期限延長の法案が参議院を通らないので、揮発油税は4月から昔の24.3円へ半減する」らしい。この場合、民主党がこれを早めに強くアピールすれば、かなりの支持を集めるように思われる。特に車が日常的な足として不可欠になった地方にとってはメリットを実感できるし、原油高の直撃を受けている中小・零細企業も歓迎であろう。国内販売が減少している自動車メーカーも賛成であろう。原油高の悪影響を盛んに報じているマスコミのウケもいいはず。
 ちなみにCPIへの影響はマイナス0.4%程度と推計されており、指数上はかなりの下方ショックとなる。日銀はどう受け止めるか。利上げができなくて悔しいとか思わず、「交易条件の改善である」として歓迎するはず…。でしょ?日銀の方々。税収上は2兆円のマイナスとなると試算されるが、これぐらいでは財政リスクプレミアムが懸念されることはない気がする。仮に財政放漫化への懸念があっても、CPIの落ち込みがもたらすデフレ感で相殺されるイメージだが。どうでしょうかね。機関投資家の方々、債券買い遅れているでしょうし。
 上限金利を引き下げてノンバンク業界を痛めつけ、建築法の改正で住宅投資を失速させ、金商法でリスクマネーを萎縮させ、これらはまあ日本特有の自業自得な側面もあるのだが、制度面のマイナス打撃を多少は相殺するため、ガソリン税の意図的な日切れぐらいはやってもいいと思うな。自民党が自らの政策としてアピールしてもいい。私は与党でも野党でもどっちでもいい。この件については、白い猫(与党)でも黒い猫(野党)でもネズミ(ガソリン税引き下げ)を取るのが良い猫である、と言えるのではなかろうか。

ps 念のため。もちろん石油を精製した商品の一つである「ガソリン」の価格が下がるだけで、石油価格には中立。ただし、石油高の象徴とされるガソリン価格が下がることへの心理的な効果は大きいように思う。

もう一つps 本日の日経夕刊(マーケット面)のコラムは「ウォールストリート日記」さんの感じがした。「SSG(スペシャル・シチュエーション・グループ)と呼ばれる部隊」という一文がありましたので。もしかしてコラムニストとしてデビュー?
by bank.of.japan | 2007-11-14 23:01 | 経済 | Comments(23)
Commented by 椿ライン at 2007-11-15 00:56 x
 毎度ご苦労様です~。
 文藝春秋12月号で、竹中さんがガソリン税について触れてますね。「もし暫定税率の期限を延長させる法改正が国会を通らなければ、四月以降、税収は半減することになり、予算案のもとになっている前提が崩れてしまう」と。予算関連法案が成立しないリスク要因としても注目です。

 余談ですが、総合取引所構想(笑)の関連法案も、通常国会に提出予定だそうですね。特別国会が年明けまで延長されれば、こちらの優先順位も低くなりそうですから、FSA担当者は気の毒ですね。
Commented by 山本 at 2007-11-15 01:27 x
二度目の書き込みです、、

道路はかなり裾野の広い分野です。道路を広げる時の用地買収、家屋ビルの新築、、これらが全て半分になってしまったら、地方を中心に中小のゼネコンが土木、建築を問わずかなり大手の所まで軒並み倒産してしまうと思います、またコンサルタント会社なども、、。

首都圏だって首都高速を日本橋の下に通す計画や、大和大橋の渋滞緩和計画も無くなるでしょうから、結構痛いと思います。

むしろ営業に使われている燃料である軽油に掛かっている軽油税(地方税ですが)を蔵出し税にして100%回収出切るようにした上で、減税したほうが効果は大きいと思います。
Commented by 山本 at 2007-11-15 01:34 x
ついでに、ガソリン代が高くなることは悪い事ばかりでも無いと思います。来年軽油の乗用車が出てくる予定です。新しい軽油車はCO2の排出量もガソリンより少なく、燃費もよく、スピードも出るし、音も静かでとても良い性能です。軽自動車にディーゼルエンジンが乗れば、その時には自動車の買い替えがどっと進むのではないかとも思います。
Commented by harry_g at 2007-11-15 09:43
違いますよ!日本でも業界用語が浸透して来ているようですね。
Commented by PK at 2007-11-15 15:11 x
日本の場合、ディーゼルよりもハイブリッドとEVを国策にした方が良いです。電気はエネルギーの雑食であり、代替する能力が高まる。それに街中ではハイブリッドの方が燃費がいい。ディーゼルはアメリカ向きです。
日本のような国の場合、食料もエネルギーも知識も雑食の方が良いです。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-15 17:18
椿ラインさん、どうもです。政治情勢はころころ変わりますので、まあどうなることやら、ですね。総合取引所構想というのがあるのは知らなかったです。取引所、全部まとめるんですかね。

山本さん、どうもです。財政支出構造を見直して道路財源の急減を防ぐとは言っても簡単ではないのでしょう。ディーゼルは個人的には期待しております。欧州ではかなり普及しているようですし。ただ、日本では東京都知事のキャンペーンもあってイメージ悪いですね。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-15 17:24
harry_gさん、失礼いたしました(笑)。期待も込めていたのですが。メディアに登場していただき、投資の実情を解説して欲しいなあ、とかねがね思っていたものですから。ブログ、引き続き楽しみにしております。

PKさん、どうもです。雑食的であるのはいいかもしれません。ディーゼルも選択肢の一つとして、もう少し普及してもいいかなと思っております。
Commented by osome at 2007-11-15 19:18 x
昨日のニュースで、「道路財源は余りません!」と言っていた冬柴国交相の狸顔とか、地元新宮への利益誘導が生きがいの二階総務会長の「道路はまだまだ必要」発言なんかを見てしまうと、暫定税率の期日切れは大いに楽しみな気がしてしまいますが、今のガソリンへの高い税率は、実際のところ環境税的な働きもしているので、安くなって石油をバンバン消費してしまうのと、どっちを取るのか少し悩みます。

しかし、選挙に負けて、自民党は昔に戻ってしまいましたか。残念。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-15 21:23
osomeさん、どうもです。道路族の抵抗はかなり強いと思われますが、可能であるなら、道路財源の枠はそのままでも、一部を山林整備に回して欲しいというのが個人的な願いですね。山林整備で自然環境が好転し、保水能力が高まれば災害も減り、結果的に山間部の道路も保全される、という理屈ですが…。説得力ないですかね。
Commented by Teddy at 2007-11-17 10:45 x
bank.of.japanさん、わざわざ項目を立ててくださって恐悦です。なのに、つい本石町日記をあける機会に恵まれず、申し訳ありません。CPIの計算上の下押しは一年限りのものであれば、政府は反応しても日銀が反応するのか、よく分からないのです。みなさまが指摘してらっしゃるように、使途こそが問題で、目先的にはガソリンの需要を喚起するし、国策としてはどうなのかな、と。でも、道路族の牙を抜くために民主党にはがんばってほしいです。そういえば、イランの石油相が「消費国は燃料税を下げればいい、そうしたらインフレ圧力は弱まる」と金曜に発言してましたね。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-17 22:46
Teddyさん、どうもです。お気になさらず。日銀はいずれにせよ景気が良くならない限り反応できないので、まあほっておけばいいのではないでしょうか。
Commented by Rチャップリン at 2007-11-19 17:10 x
こんにちわ!

朝のニュースでやってたので、ブログのネタにしようと、
調べてたらココにきました。

ガソリン税って結局は道路系の汚いお金になってそうですね。

そこらへん、全部潰せば、2兆以上は確実に節約できますね。
Commented by bank.of.japan at 2007-11-20 18:53
Rチャップリンさん、どうもです。ニュースでやっていたのですか。知らなかったです。まあ、汚い金かどうかは別にして、原油高のマイナス影響を軽減する措置として税の日切れは検討して欲しい、とは思います。
Commented by 林檎挟。 at 2008-01-30 22:28 x
今年終わる予定の税金を当てにし続けている所も問題だが、
暫定税が終わったとしたら今度は、自動車だけでトラックやストーブの燃料が安くならないと騒ぐ人が出て来そう。
Commented by bank.of.japan at 2008-01-31 00:59
林檎挟。さん、どうもです。もちろんそういう要求は出てくるかもしれません。軽油や灯油の税金がどの程度かかっているのか、それ次第の面もあると思います。
Commented by bbb at 2008-02-15 00:57 x
暫定税率の問題は、「値下げ」の問題ではなく、
特別会計を圧縮できるかどうか?
つまり、役所の税金無駄遣い体質にメスを入れることができるかどうか?
と言う事です。

民主の「ガソリン値下げ隊」は、あまりにも安っぽく、コミカルすぎて返って説得力を無くしています。

財政を考えると、一般会計化が出来れば良いのでしょうが、さすがに役所だけでなく、各方面からの抵抗も大きいでしょうから、少なくとも、暫定税率撤廃で、官僚のポケットマネーにしていた国民の血税を国民の懐に返していただくのが筋でしょう。
豪華宿舎や、カラオケセット、マッサージチェア等々、探せばもっと出てくると思います。
Commented by 庶民の無思慮に怒れる者 at 2008-02-15 11:38 x
「ガソリン税を下げれば今よりガソリンが安く買える」と思いこんでいる人が多すぎです。
現在、ガソリンの供給が不足しているから高止まりしているのではなく、
投資家達が買い占めて値を吊り上げているから高止まりしているんです。
仮にガソリン税を下げて一時的に値を下げたとしても、それによって需要が増加すると見込まれれば、
投資家達がさらなる買い占めに走るのは目に見えています。
一般人は150円→(税下げ)130円へと価格変動を見込んでいるのでしょうが、
実際は150円→(買い占め)170円→(税下げ)150円になるだけだろうと私は思います。
税金分が金持ちのポケットマネーへと変わるだけでしょう。
税金なら庶民に還元することも出来ましょうが、金持ちが庶民に還元するでしょうか?
Commented by 飛車 at 2008-02-15 13:49 x
道路特定財源などの特別会計は、検討されている解決策が逆方向に思えてなりません。

特別会計は分離して管理するのが目的なのに、すでに丼勘定になっているから、変な流用が起きるわけで。一般財源化しても、さらに大きな器に放り込まれてますます管理不能になると思います。

法的にどういう扱いなのか知らないのですが、管理部門的発想からすると、
・総務・事務局的経費は一般会計から出して、役所ごとの予算の枠の中で用途の効率性をしっかり検討させる。
・事業費は事業案件ごとに細分化して、その設立・廃止はすべて国会の
委員会で、個別案件ごとに議論をする
・道路建設については、別途現地調査チームを組んで、国・国会が座って陳情を待つのをやめて、提出された需要予測の裏をとり、優先順位を別途定める
この3点の改良をした上で、必要な財源を再見積もりすればよいと思う。
Commented by bank.of.japan at 2008-02-15 22:00 x
bbbさん、どうもです。会計の在り方も議論として重要だと思います。一方、エネルギー価格の上昇が中小・零細企業、家計に打撃を与えている場合、財政面での最も手っ取り早い手法の一つがガソリン税の引き下げだと思います。

庶民の無思慮に怒れる者さん、どうもです。ご指摘の可能性、全くないとは言い切れないですが、ガソリン税が下がったことで内外投資家の買占めが起きるほど需要は高まらないように思います。もともと内需は弱いですので、エネルギー需要はさほど高くなかったとのが実情と思います。

飛車さん、どうもです。会計の在り方として参考になりました。ありがとうございます。
Commented by pink at 2008-03-11 22:36 x
例えばガソリンスタンド暫定税率廃止と同時に消費者はガソリンが安く買えると・・・。
ガソリンスタンドはタンクに高い在庫を抱えています。
元々薄利な商売のガソリンスタンド。
その抱え込んだ高いガソリンを仕入れ価格より安く販売するタイミングが必ず来ます。
民主党は庶民の受けを意識しているだけ。その対策は?
そんな党に政権など任せられるわけがない。


Commented by 全国の知事も官僚の手先 at 2008-03-16 08:57 x
道路特定財源維持に反対した数少ない首長の意見を多くの首長はどう考えているのか?特定財源で作られる道路は作り方も無駄だし僻地の生活道路には適用されないと言う。高速も全国くまなく必要であるとは思わない。宮崎は高速があまりないから作るべきというのではなくむしろないからこそできる戦略を考えるべき。あれだけ観光資源の豊富な県を高速が出来たため通過するだけの存在に落とすべきではない。元々暫定である者で期限切れになることが分ってて予算に組むことがむしろ問題であると思う。
Commented by 飛車 at 2008-03-17 00:17 x
道路特定財源の話は、本来は「なぜこの道路が先につくられ、なぜこの道路が後回しなのか?果たしてこの道路はつくる必要があるのか?」に関する国政のアカウンタビリティーが不足しているのが問題。徹底的に各論の問題です。ところが、小泉内閣の構造改革も、彼を生ぬるいと評価した民主党も、一足飛びに「予算減らすことで全体を減らしましょう」っていう総論に逃げちゃう。
道路建設の優先順位付けが不明確なまま、予算だけ絞ったら、国政に有力なコネがある訳アリ道路しか作られなくなっちゃって、今よりずっと酷い状況になるかと思います。コネの価値がどんどん上昇して、仲を取り持つ政治屋さんの裏の懐がどんどん肥える事になろうかと。だから、「必要な道路」を抱えている地方の知事が反発しているのではないでしょうか。

初級ミクロ経済学の例題で、麻薬を撲滅しようと、供給側の取り締まりを強化したら、生き残った麻薬密売組織の利益が増えて武装化したり、法務面を充実させてグレー化したり、マネロンが増えたりして、かえってマズい状態になるというのがありますが、まさにそんな感じの事が目の前で行われているのだと思います。
Commented by 名もなき声 at 2008-05-01 00:49 x
暫定にも期限があるはず。
最初から期限決めとけ。
昔の政治家が陰でコソコソと悪さしてたツケが回ってきただけだろ。
自民党の金の動脈を断ち切れ。
どっち道、自民党は終わりだよ。
潔く政権かわれ。
頭禿げちゃうよ。
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