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共同債権買取機構を思い出した=サブプライム支援基金
 報道ベースから受ける米サブプライム救済基金の印象なのだが、何かに似ている、と思った。公的資金は入らない、民間による創設、塩漬け資産の隔離。おぉ、「CCPC」(注)みたいじゃないか。つまり、「共同債権買取機構」のことを思い出してしまった。
 言わずもがなだが、金融システムを安定させつつ、不良債権を迅速処理する一番の方法は公的資金の投入だ。政府が不良債権を簿価で買えばいい。だが、公的資金=税金なので、選挙民(&マスコミ)は激怒し、政治的には超ハードルが高い(住専国会ですね)。多かれ少なかれ公的資金を投入するなら、金融機関をつぶす、経営者を牢屋にぶち込む(かつてのS&L)、といった儀式が必要だ。
 米国の場合、ただでさえ格差超拡大となる中、儲け過ぎ批判もあったファンド(&関係の金融金融機関)を下手に救うわけにはいかない。案の定、基金には公的資金は入らないようである。裏を返せば、①抜本処理ではない(時間がかかる)②救済スキームを作らないといけないほど事態は深刻、という印象を受けざるを得ない。
 また、害債さんも書いておられるように、問題は基金による債権の購入価格で、これが市場実勢を上回ると限りなく“飛ばし”のスキームに見えてしまう。不良債権問題を知る金融関係者はそう思われるのではなかろうか。
 まあ、どの国も市場原理を標榜しつつも、いざとなれば一時しのぎのスキームをひねり出すものなのだろう。わが国はかつて不良債権を早く処理しろ、と散々批判され、G7では長きにわたって問題視された。米国は批判の先鋒でしたね。庭先で住宅バブルが破裂し、サブプライムで金融システムが動揺したのを見てしまうと、米国ですらもあの手この手を使って不良債権処理に時間をかけた日本の手法がいいように見えるのかもしれない。
 いずれにせよ、サブプライム支援基金の今後の展開が注目されますね。公的資金の影がちらつき始めると、チトやばいかもしれん。

注 CCCP→CCPCでした(すいません)。
by bank.of.japan | 2007-10-17 21:25 | 金融システム | Comments(16)
Commented at 2007-10-17 23:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nhcjpn at 2007-10-17 23:19 x
まあ、お上からお墨付きを貰った「飛ばし」ですね。
基金(ファンド)の運営者=買い手と、売り手が同じというだけで、基本的には禁じ手だと思います。

日本でも、投資ファンド一般に、金融機関がファンドに影響力を及ぼして、自分の債権を交わせるのは、「時価」の定義の如何にかかわらず、ほぼ飛ばしに近く、自分の融資先の株を買わせる(ないし増資させて債権の保全を図る)のは、優越的地位の乱用であり、独禁法の5%ルールの精神に反する行為だと思います。
Commented by bank.of.japan at 2007-10-18 00:23
非公開さん、どうもです。ご指摘の通りかと思います。時価はあるけど、その価格で売ると大変なことになる、だから…。なのでしょう。それと、略称の間違いが分かりました。ありがとうございます。
Commented by bank.of.japan at 2007-10-18 00:27
安東さん、どうもです。構図としてモラルハザードになりやすい救済スキームです。米国も背に腹は替えられなくなったのか、それとも実効性はなくとも安心させる舞台装置を見せる必要があったのか。非公式な場でもいいので、日本の金融当局者には一言突っ込んで欲しいものです。
Commented by 害債 at 2007-10-18 08:54 x
CCCPってたしかロシア語表記でソビエト連邦(正式名称は、ロシア語で Сою́з Сове́тских Социалисти́ческих Респу́блик(Sojúz Sovétskikh Sotsyalistícheskikh Respúblik; サユース・サヴィェーツキフ・サツィアリスチーチェスキフ・リスプーブリク)。略称 СССР(SSSR; エス・エス・エス・エール)。通称、Сове́тский Сою́з(Sovétskij Sojúz; サヴィェーツキー・サユース)以上Wikipediaより借用)の略称になってしまうような・・・ブラックジョークかと思いました。
Commented by leonrosa at 2007-10-18 12:12 x
16日にポールソン長官がワシントンで講演を行なっているが、「シティ等の救済基金設立の検討の場を、財務省が用意した(用意しただけだ!)」とコメントしていた。(テレビ報道で流れた。)

G7に向けて、日銀と財務省が担当官を派遣しているはずだが、日本国内から、取材ニュースが流れていますか。誰か教えて下さい。

それとも、今回は、「欧米が一義的に責任を取れ」と距離を置いているのだろうか。
Commented by うーぱー at 2007-10-18 12:46 x
そうすると、野村さんは結果として抜け駆けしちゃったことになっちゃいましたね。
ポールソンさん、怒ってるなんてこと無いように祈ります?くわばらくわばら。
Commented by 壱万円札 at 2007-10-18 14:19 x
今は時価が評価できません。
Commented by bank.of.japan at 2007-10-18 21:21
害債さん、どうもです。時価を無視→市場経済の否定→社会主義とつながるなら、CCCPでもいいかも(笑)。

leonrosaさん、どうもです。政治的には何らかのパフォーマンスが必要だったのかもしれません。日本は今後の動向に「静観&注視」でしょう。

うーぱーさん、どうもです。と言うよりも一気に処理できる体力があったor一気に処理できるほどのポジションにとどまっていた、と思われます。まあ、個別の対応ですし、米国は気にしていないでしょう。

壱万円札さん、どうもです。時価が変に見えるときもありますが、まあ価格がすべての世界ですので。
Commented by カナリーワーフ at 2007-10-18 23:53 x
駒場の生協って、生協を意味するCOOPのOの一部が塗りつぶされていて、CCCPって読めるようになっていましたよね(笑)。
Commented by bank.of.japan at 2007-10-19 00:06 x
カナリーワーフさん、どうもです。なかなか面白いイタズラ(?)ですね。でも、見つかったらまずいですが。
Commented by 名無し at 2007-10-19 13:11 x
>leonrosaさん

時事メインで16日に「純粋に民間レベルの計画=米大手銀の
SIV救済基金で、財務長官」と題する記事が出てましたね。

財務長官の発言骨子は、

・純粋に民間のイニシアチブで行われる計画。
・政府は協議の場を提供しただけ。
・スキームが成功するかどうかについては「民間の考えた仕組
 みであり、その意味ではイエス」

 …という感じです。
Commented at 2007-10-19 13:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Teddy at 2007-10-22 11:44 x
市場経済は、<法>が万人を拘束するものでなくてはならないというHayekの議論が妥当するとすると、金融機関はother people's moneyを自分の利益のために流用する「横領と同じこと」(Rothbard)を、元はといえば君主が戦費の調達を銀行家に頼ったことに遡る事態が<法律>で認められている。経済や資源配分がが歪むことになります。
Commented by 通りすがり@USA at 2007-10-26 05:01 x
本石町さん、申し訳ありませんが、このコメント欄に質問を投げ込ませていただきます。

簿外のSIVを使って、ABCPで資金調達した資金で高利回り債を買うというビジネスモデルは、シティが1988年頃に始めたらしいのですが、「これはバーゼル規制の産物だった」という話を耳にしました。バーゼル規制回避のための仕組みなんでしょうか。

どなたかご教示いただければ幸いです。

それに関連して、「日本はバーゼルⅡを既に施行しているため、こういうことは起きない」という話も聞いたのですが、これの真偽はいかがでしょうか。

Commented by bank.of.japan at 2007-10-26 19:49 x
通りすがり@USAさん、どうもです。ご指摘の件に関する直接的な知識はあいにく持ち合わせておりません。どなたか詳しい方のコメントを待ちたいと思います。なお、日銀の知り合いにも聞いてみます。
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