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中央銀行への注文の付け方=資金の供給・吸収にこだわる場合 オマケ・東京金先さんへ一言
 私はあまり気が付かなかったのだが、日銀が先週前半に資金吸収したことに批判的な意見が出ていたらしい。為替関係者の知り合いに聞いてみたら、「(吸収は)マーケット心理を分かっていない」と不満げであった。一方、各社報道によると、米民主党大統領選候補者の討論会では、資金供給の拡大を訴える声もあった、という。
 「吸収はいけない」、「供給を増やせ」といった主張は、一般的には共感を呼びやすい面があるが、中央銀行への注文としては完結しない。というか、そもそも中央銀行にとっては注文の「意味が分かりかねる」ということになるだろう。これは現在のようにインタバンクの流動性がひっ迫した状態でも同じであり、意外と注文通りにやっていることが多いと言える。
 まず、分かりやすい例として、「資金供給の拡大論」で考えてみたい。最近の混乱で各国の中央銀行が資金供給を拡大したのは、資金需要が増大したため。これを政策金利(誘導対象の市場金利)で説明すると、資金需要が増大して政策金利が上昇しそうだったので、これを抑えるために資金を大量に供給した、となる。
 このとき、「もっと供給を増やせ」という注文を、中央銀行の立場で翻訳すると、①政策金利を安定するにはもっと資金供給が必要である②政策金利が下がってもいいからもっと資金を出せ-のいずれかとなる。①は、資金需給上の技術的な注文であり、「俺たちはプロとして供給量を判断したつもりだったが…。ダメって言われたぜ」という反応であろうか(多分)。②は政策金利の引き下げであり、「だったら利下げしろって言ってくれよ」となる。
 吸収も同じのような理屈となる。日銀が吸収したのは、その前の大量供給の余韻で金利が急低下する事態となったため。本当は「外銀の円投ニーズが強い」と思って積み最終日が近いのにも関わらずターム物を打ち込んだのだが、空振ってしまったのですよ。吸収しないと翌日物金利(政策金利)が加重平均でもゼロに向かって急降下する事態となったので、必死こいて吸収オペしたのである。残念ながら翌日物金利は一時ほぼゼロ%になっちゃいました。
 「吸収するな」という要求は、日銀にからみれば金利がゼロになってもほっとけ、という意味になる。もちろん、調節を担当する金融市場局は政策委員会から「0.5%前後で推移させろ」という命令を受けているので、金利が下がるときに吸収しないと命令違反となる。局長以下のラインは政策委員会から凄く怒られるわけです。
 では、どうやったら正式(or意味のある)な要求となるのか。一言で済ますなら「0%に利下げしろ」である。ただ、吸収を批判する向きはその日の地合いで判断しているから急いでいるのでしょう。次の決定会合の日程を待てないはずなので、「今すぐ臨時決定会合を開き、金利をゼロにしろ」と求めるのが正しい。
まとめ 資金供給・吸収で注文付ける場合、技術論なのか政策論なのか、これをはっきりさせないと中央銀行は恐らくは要求の中味がよく分からない、となる。

東京金融先物取引所が新商品を上場する。無担保コール翌日物とレポ金利の両方でありました。特に前者の上場、ありがとうございます。一言ですいません。改めてエントリーで取り上げたいと思います。
by bank.of.japan | 2007-08-20 22:38 | マーケット | Comments(4)
Commented by ラスト何マイル? at 2007-08-20 23:37 x
金利ターゲット下での非不胎化の議論に通じるものがありますね。
Commented by うさこ at 2007-08-21 00:07 x
この積み期間も、日銀は大変そうですね。

ごたごたが一段落着く頃はいつでしょうか?10月OR11月に利上げが出来るといいですね。
(本石町さんには反対されそうですが・・・)
ECBが利下げ(してくれないような気がするが)してくれれば日銀は利上げしなくても、日欧の金利が小さくなるのでそれでもいいか・・・・。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-21 00:31 x
ラスト何マイル?さん、どうもです。確かにそうですが、説明は難しいです。金利ターゲット下で、超過準備需要があるとき、その部分を財政要因の中から外為特会だけを抜き出して充当する(このとき外為特会以外の財政要因は中立)のが果たして可能か、でしょうか(笑)。
Commented by EURO SELLER at 2007-08-22 02:26 x
無担保コール翌日物は良いですね。願わくはCBOEのように簡単にネットでリアルタイムに見させてほしいものです。
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