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FRB、公定歩合下げ=利下げ局面に入るか否か
 前日に続いて飲み会(夜の会合ですね。念のため)あり、エントリーの予定なかったのですが、FRBが公定歩合を下げたと聞き、また幾つかコメントも頂いておりますので、簡単ながら感想を。やや朦朧気味ですので、乱文お許しください。
 FRBのステートメントを見てみたが、明らかに経済のダウンサイドリスクを警戒する方向にスタンスを変更。従来のインフレを懸念する文言はなかった。既にコメント欄で指摘されているように、経済のダウンサイドを懸念するにしては、公定歩合下げでとどめたのは中途半端な感がある。
 FRBの公定歩合は日銀のロンバートと同じであり、その引き下げは「利下げ」ではない。市場金利の上限の引き下げで、まあ市場不安を抑制するスタンスを明確にしたに過ぎない。FRBとしては、足元の混乱が経済に打撃をもたらすリスクを意識しながらも、まずは市場不安の沈静化に努める姿勢を鮮明にし、一方で市場の混乱が沈静化して利下げせずに済む可能性にも期待している、ということであろうか。取りあえずは、利下げする必要があるかどうかを見極めるため、公定歩合引き下げで時間稼ぎしているように見える。これが中途半端な印象を与えるのだろう。
 私自身は、もともと景気動向に悲観的でもあり、また心配していた欧米バブルの崩壊がついに始まったのではないかとの不安もあるため、一気に利下げしていった方がいいのではないかとは思うが、そうする必要もないかもしれない。FRBの時間稼ぎがうまくいく可能性もあるわけだ。
 いずれにせよ、焦点は、利下げ局面に入るか否かであろう。ただ、利下げする姿勢は見せながらも、公定歩合の下げで様子を見ようとしたFRBの行動は、金融緩和の出し惜しみという感がぬぐえない。あのバーナンキ先生にしてはやや慎重な姿勢で、景気悪化に対してビハインドしそうな不安がある。
 日銀としては利上げの目はかなり(orほぼ)なくなり、利下げせずに済めば御の字ということであろうか。決定会合の前に混乱が起きて本当に良かった。
by bank.of.japan | 2007-08-18 01:50 | 日銀 | Comments(11)
Commented by 炎上するなヘッジファンド at 2007-08-18 02:06 x
「欧米」に関してはここいらで私は一段落すると思っています。ただし、心配なのは、急速な円高のせいで(つまり今までと異なる要因で)炎上するヘッジファンドが出てこないかということです。今までのところ、ケネス・ロゴフ教授が以前から懸念を示してきたとおりのリスクシナリオが実現してきているだけに、炎上するなヘッジファンドとの願いで一杯です。
<現時点における、最大のリスクは、円のキャリートレードである。ヘッジファンドは超低金利で膨大な円資金を借りて、高金利のブラジルやトルコに投資している。円相場が弱いかぎり、この投資戦略は金の卵を産む。しかし、もし円相場が急騰したら、ヘッジファンドは巨額の資本損失を被ることになるだろう。>
http://www.toyokeizai.net/online/tk/column9/index.php?page=2&kiji_no=17
※「だから利上げしておけばよかったのに」という趣旨では全くありません(私は金融緩和論者)
Commented by bank.of.japan at 2007-08-18 02:14
炎上するなヘッジファンドさん、どうもです。世界的なポジション解消の余波がどの程度で収束するかはまだ読みきれません。そろそろ終わって欲しいとは思いますが、不安もなお大きいです。ご指摘のヘッジファンドの円キャリートレードですが、これはどれぐらいの規模かはノーアイデアです。それほど巨大ではないだろうとは思うのですが、どうなんでしょう。
Commented by 市場参加者 at 2007-08-18 07:41 x
投機に対する救済的な金融緩和は行わないという趣旨が今回のFRBの公定歩合引き下げかつFFレートの据え置きなのでしょう。行き過ぎたファンドビジネスの軌道修正という意識が背景にあり、その元凶が円の低金利であるとすれば金融政策は単に利下げという方向は見出しづらいということになります。
ヘッジファンドの円キャリートレードの規模はわからないというのが本当のところでしょう。外銀の在日支店自体がヘッジファンド化しているようでもあり、そこここに様々な運用主体があり、ヘッジファンドの定義も難しいように思えます。それだけに今回のサブプライム問題を超える投資ビジネスへの影響が懸念されるのだと思えるのですが、、、
金融政策という点では日本銀行はあくまでも金利の正常化を視野に上げ方向なのでしょう。アメリカは慎重に利下げの時期を見定めるということなのでしょうか。個人的にはもっとスピーディに断固たる政策、つまり緊急利下げが得策だと考えます(日銀は利下げできないのなら声明とかで説明したほうがよい)。
Commented by んん。。。 at 2007-08-18 08:02 x
市場参加者さんのご意見に賛成です!一つだけ加えると日銀の利上げは8月会合を逃す(逃した、、、過去形が正しい!?)と9月も難しいように思えます。9月会合はFOMC(利下げ、もしくは利下げが完了している?)の直後であり郵貯の民営化とも重なり、10月まで難しい可能性が高いと思われます。そして今回FEDの利下げが見通しのみで実際先送りされたことで、市場が中央銀行に利下げを要求する方向性は変わらないでしょう。となると9月も8月同様状況的にも苦しくなる可能性が高いと思われます。そうならないためにはFEDが直ぐに利下げして市場の不安と期待を満足させるか、(まあないが)強引に8月やって同時に大量に資金供給して株式の売却も延期するか。まあ無理でしょうね、、、
Commented by ドラめもん at 2007-08-18 08:35 x
FEDのマル公下げに対する市場のファーストアクションが10年30年の米国トレジャリー売りだった(米国株式市場はまだ開いてなかった)ので最初「利下げ期待を外されたので下がったのか」とか勘違いしてしまいましたが(苦笑)、米国株式が上っていたので効果あって良かったですねという感じです。
マル公下げだけだと実際の経済効果は「見せ金」にかなり近い世界。まあとにかく、アナウンスメント効果が効いているうちにプルーデンス的方策(信用収縮とか流動性問題が本当に爆発している時は市場メカニズム経由で何やっても効かないというのは日本で散々経験済みですから)を打っていくしかないと思います。時間稼ぐのならさっさと利下げするも手だったと思うのですが・・・・
Commented by bank.of.japan at 2007-08-18 12:38 x
市場参加者さん、どうもです。投機筋に対するプール総裁(理事)の天誅的な発言を踏まえると、FFの下げには動きにくい面もあります。もっとも、状況次第であり、まあ当面は事態の推移を注視、でしょうか。日銀はさほど正常化にはこだわっていない、というのが私の印象です。

んん。。。 さん、どうもです。日銀はこれ以上利上げできなくてもいいんじゃないか、と思っております。経済の安定成長が改めて確信持てれば別ですが。米国がダウンサイド方向のケアに舵切ったので、日銀は判断の修正迫られる可能性もあります。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-18 12:43 x
ドラめもんさん、どうもです。取りあえずアナウンスメント効果はあったようですね。ただ、海外メディアのリポートの中には、公定歩合借り入れへの抵抗感が強いようで、これは日銀ロンバートが敬遠されたのと似てますな。日銀は量的緩和解除前に熱心に借りよう運動したので、ロンバート機能しましたが、FEDはどうか。この辺はセントラルバンキングの技術論として非常に興味深いです。この件でエントリーあげるかもしれません。
Commented by 米国景気の下振れリスク at 2007-08-19 10:13 x
が、増したという声明がFEDから出た事実は重いですね。これまでも、日銀はFEDの景気認識を参照してきたので、今後の月報や展望リポートは重要な転換を迫られることになるのでは。とりあえず福井さんの任期中に、量的緩和を解除して50bpまで正常化?出来て良かったという感じでしょうか。今朝も竹中氏がこれまでのデフレ下の利上げを批判してましたが。。。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-19 13:42
米国景気の下振れリスクさん、どうもです。私も、50bpまでの正常化が出来てよかった、と思います。後は、現状維持がどこまで続けられるか、が焦点かもしれません。どうなるかは神のみぞ知る、ですね。
Commented by Teddy at 2007-08-20 15:31 x
畏友のコメントです:「9 月に利上げを見送ると、10 月中の利上げも困難となる。これは、10 月1 日公表の次回短観ヘッドラインが低下の公算大、かつ10 月末の展望レポートでは海外経済の見通し悪化を理由にシナリオ下方修正の可能性があるため。この場合、従来の正常化路線は少なくとも11 月まで一旦凍結を余儀なくされよう。」
本石町さん、いかがですか?
Commented by bank.of.japan at 2007-08-20 20:45
Teddyさん、こちらにもコメント多謝です。リポート、拝見しました。マーケットのコンセンサスに近いと思います。私個人は、正常化路線は終了し、利下げする羽目にならなければ御の字とやや(かなり?)悲観的に見ております。心配症ですので(笑)。
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