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市場混乱のBehind the Scenes=ブログ紹介も兼ねて
 レンタルのDVD(映画)は、撮影の裏側(Behind the Scenes)が「特典」となっていることが多い。鑑賞後の感動の余韻に浸る中、シリアスな演技をした役者が笑って出てくると、やや興ざめなのだが、映画マニア(自称です)としては「特典」はうれしい。技術の進歩としてのDVDは有難い。
 同様のことは、マーケットをモニターする側としてはネット進化の一つであるブログの存在が挙げられる。最前線or最前線に近い方のブログはBehind the Scenes=pricesの趣があり、乱高下する価格の裏側(現場)の実態がうかがえる。先週末の混乱相場で、外資系の市場関係者(知り合い)から「うちのデリバティブ担当者が『今まで見たことのない凄まじいデレバレッジングだ』と叫んでいた」と聞いたのだが、後方にいる身としてはその凄さはイメージしにくい。
 週末になってちょっと落ち着いたので、巡回先のブログを中心にやや広めにチェックしたところ、現場の生々しい雰囲気や言い得て妙の指摘など色々と参考になった。ブロガーのみなさん、有難うございます。当ブログの読者の間ではチェック済みの方が多いかもしれないが、一部ブログ紹介も兼ねて取り上げたいと思う。
 まずは巡回先であるTori Boxさんの「Bad day」。クオンツ系の方だったのですね。一部引用させてもらいます。
「バリュー系ファクターが崩落、あっちこっちでクオンツファンドが”ぶちっ”とか”ぼきっ”とか音を発してぶち壊れていく様が目に浮かぶような様相」
「この日も統計的には5σの世界。もはや統計が意味を成さない事態となって、世界各国から悲鳴が聞こえてきそう(というか実際聞こえてきたσ(-_-;))でした。。。」
 私のつたないクオンツの知識として、「2σ」が異常とされているのに、「5σ」とはどんなに異常な世界なのだろう。日銀が週明け臨時会合を開いて当座預金30兆円に戻るのは何σ?
 なお、当該エントリーでは幾つかのブログが紹介(私も紹介済みのcapriさんやコメントもよく頂く害債さん)されており、「positive gamma」さんは参考になります。「中央銀行は市場参加者が知らないことを知っているのではないか?、、、流動性供給のニュースをきいて、そこまで深刻な何かがあるの?という猜疑心はだれの心にも芽生えたと思う」。私がECBオペで受けた印象と重なるところがあり、もしかして世代が近い方のような。
それからこの間コメントを頂いた「wha_man3」(こちらも参考になります)さん経由でも知ったのだが、「いちカイにヤリ」(有名な方ですね)さんの幾つかのエントリーは興味深い。
ちがう映画館が火事だった!」は、この手の混乱(不安が飛び火・連鎖で広がる)の比喩として的を突いていると思った。
 辺境のサブプライム映画館で火事かと思っていたら、各国中銀がインタバンク映画館というメーンのところでいきなり消火活動。人が集まったところで不安を沈静化させるのは、群集心理の抑制も考えないと混乱に拍車がかかる。映画を観ていて消防士が入ってきたら、驚くよね。
 最後にまとめ的なものとしては以下のところが参考になった。
「酔生夢死」さんのこちら。さすがですね。
by bank.of.japan | 2007-08-12 18:47 | マーケット | Comments(8)
Commented by いただけない今の状況 at 2007-08-13 07:04 x
私は、世の人々が「こっちだ」と言う時に、「いやそれは違う」と言う事ができる人こそ一流の専門家だと思っているのですが、個人的に、かなり危ない投資手法をとっているヘッジファンドがアメリカの一部にあると聞いていたので、本当にこれで延焼が終るのか、あるいは更に次に出てくるのか若干不安に思っています。
ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は今のヘッジファンドのあり方を以前からかなりヤバイと批判しておられ、記事の中でもファンドをめぐって、どれだけヤバいバブル的状況がアメリカで生じているか、象徴的な事例を引いて議論しておられましたが、「だから言わんこっちゃない」と今頃は思っておられるのでしょうね。
ケネス・ロゴフ教授の論説
http://www.toyokeizai.net/online/tk/column9/index.php?page=1&kiji_no=17
Commented by bank.of.japan at 2007-08-13 12:54
いただけない今の状況さん、どうもです。大勢の流れに逆らう動きは、投資的には「逆張り」でありますが、正しいときもあればそうでないこともあり、難しいです。相場の美人投票に勝つには、大勢の流れを先取りするか、流れに乗ったうえで流れが逆転する間際に降りるかが一般的であると思いますが、これまた難しいです。ヘッジファンドはリターン追求する過程において、基本的には順張りに則ってどうしてもやり過ぎる存在である、という理解をした方がいいかもしれません。「違う」と主張としても、その主張が外れると誰も耳は傾けてくれませんので、市場動向の制御は市場経済における永遠の課題であろうと思います。
Commented by 飛車 at 2007-08-13 15:20 x
僕には現在の状況がどれほどのものか評価はできませんが、各中央銀行にとっての最低限の仕事は金融システムの崩壊阻止であって、技巧の稚拙は二の次ではないかと思います。たまたま(それとも過去の痛い経験なのか)日銀(あるいは日本の金融機関)が慣れていて流動性供給額が少なくて済んだことをもって、技巧の稚拙の話をするのは枝葉の議論で、現在はビビったら負けな状況になっているのではないでしょうか。

ところで、この掲示板にこられる方は、マルチ取引(ねずみ講を含む)が何故長期的に成立しないのか、きちんと説明できる方が大半だと思います。僕には、バブル&バブル崩壊過程が、思考実験で行き着くところまで行ったマルチシステムの崩壊の過程とダブって見えます。リスク分散行為は個々の経済主体にとっては正しい行いですが、システム全体に影響を及ぼす規模にまで膨れると一転して手に負えない存在となります。合成の誤謬の一つの例だと思います。そこにはおのずと何らかの事前の規制が必要であると思う次第。今はそういう事を考える段階ではないでしょうが、この経験を乗り越えたところで歯止め論が起きる事を期待します。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-13 18:28
飛車さん、どうもです。基本的には流動性対応は、テクニック面の話ですので、ご指摘の通りかと思います。消火活動の際に、延焼を最小限に食い止める方法論とでもいいましょうか。マクロ的な対応はまた別かと。あと、東京インタバンクが落ち着いていたのは、慣れのほか、メガバンクが実質預金超過であることや、海外クレジット物への投融資が相対的にかなり低い、ことも挙げられるかもしれません。
 投機行動はいくら高度化・分散化されても、どこかで臨界点を超えたら崩壊過程を迎えるものかもしれません。マルチ取引と似ているところはあると思います。ただ、行き過ぎ(臨界点の突破orバブル)の認定、その抑制の仕方などは、かなり難しいとは思います。
Commented at 2007-08-14 20:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-14 22:40
↑さん、ご高名な方にコメント頂き恐縮です。私も妙な規制論が浮上しないで欲しいと願っております。今後ともよろしくお願いします。
Commented by ガブ at 2007-08-19 04:03 x
たくさんのブログを紹介してくださってありがとうございます。
債券市場には疎かったのでかなり参考になりました。
Commented by bank.of.japan at 2007-08-19 13:44
ガブさん、どうもです。どういたしまして。ご参考になったのであれば、ブロガー冥利(?)に尽きます。励みになりました。こちらこそコメント頂き、ありがとうございます。
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