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「マクロ経済」と「森林」と「環境」
 田舎の山林ネタの続編です。
 あれ以降、森林関係に強い興味を持つようになり、ネットなどを検索してざっと以下のような状況であろうと理解した。調べる過程(まださわり程度ですが)で特に参考になったのは、森林ジャーナリスト田中淳夫さんのブログ「森林からのニッポン再生」でありました。興味ある方はどうぞ。

山林の歴史(戦後以降)

・戦後の建築ラッシュで木材価格がバブル化。乱伐が進む。
・バブル継続を期待して全国的に杉、檜などの植林ブームが起きる(この頃、我が家では祖父が山を買ったもよう)。
・規制緩和、新建材の普及で木材価格は暴落。現在に至る。
山林内の状況
・1ヘクタールの植林数は当初3000本。間伐を経て最終的には3分の1へ。
・間伐材も商品価値があったが、価格暴落によって間伐は赤字作業へ。山林放置進む。
・間伐されない山林は暗い密集林と化し、下草、中間樹木も育たず。この結果、土壌が流れやすく(保水力も低下)、災害のリスクが増大(温暖化に伴う集中豪雨に弱い?)。
エコロジーの誤解
・私がそうだったのだが、「木を切る=環境破壊」と単純に理解していた。→間伐は森林の多様化上も必要
・割り箸を使う=環境破壊とこれまた単純に理解。間伐材のニーズをさらに落とし、山林放置→森林荒廃の悪循環を強める

 行政も含めて林業の構造的な問題はもいろいろあるようだが、それはさておきマクロ経済の観点では、①世界的には木材需要は増加②円安傾向-によって、国産材と外材の価格は並びつつある。円安については「バブルだ、利上げしてつぶせ」とか言われるが、森林ビジネス面では追い風であるのは間違いない。木材市場の詳細はまだ良く分からないが、ビジネスとしてほのかな光明が見えてきた感じはある。この円安基調は少なくとも森林面では維持された方がいいとは思う(環境的にもプラスかもしれない)。
by bank.of.japan | 2007-06-18 00:38 | その他 | Comments(22)
Commented by kumakuma1967 at 2007-06-18 07:10 x
林業というよりも農業的な林についてのご参考です。
http://hitohaku.jp/news/docs/hm17-1.html
Commented by Eco at 2007-06-18 09:06 x
割り箸が環境破壊」という指摘については、「割り箸なんかよりペーパータオルの方がよっぽど問題(特に某大国で使われている分)」という反論を聞いたことがありますが、「間伐材の需要低下で森林破壊」というルートは勉強になりました。金融政策もそうですが、どの問題も様々な角度から見たり考えたりできる想像力が必要ですね。
Commented by 飛車 at 2007-06-18 17:20 x
日本の間伐材割り箸より安い価格で日本に持ってこれる海外品があったから海外品が主流になったのです。エコ問題の影響は皆無です。最大の問題は為替じゃないかと思います。
あと、向こうでは「生えている木は俺のもの」という感覚で伐採して再生産はまったく考えていません。それゆえの安価だと思います。というわけで、割り箸の安いお値段は他国の環境破壊にフリーライドしていた結果という面もあります。

僕は欧州のようにポジティブリスト型の輸入制限を検討すべきだと思います。またWTOで自由貿易を進めるばかりでなく、環境問題を考えた輸入関税を検討しても良いのかなと思う次第
海外品が再植林費用前提にしていれば、日本の間伐財で商売になるくらいの価格を山林業者に提示でき、その分だけ山林荒廃は進まなかっただろうと思います。そしてそういう価格で販売していればマイ箸運動なんてしなくても店舗側が割り箸を販売したりマイ箸割引をするようになったのかも知れません。半分当事者としては微妙な物言いにならざるを得ませんが、供給が減るので多分その方が利益がとれていたと思ったりなんかしてorz
Commented by bank.of.japan at 2007-06-18 19:31
kumakuma1967さん、どうもです。参考にします。ありがとうございます。山はただの山、という意識しかなかったですが、森林の機能という観点ではいかに無知であったかが思い知らされます。

Ecoさん、どうもです。関心がないと世間でよく言われることを信じてしまいがちで、森林もなかなか奥が深いです。
Commented by 椿ライン at 2007-06-18 19:56 x
 続編ご苦労様です。
 山林も竹林も、やはり人の手入れが大事だと痛感した次第です。今回は環境との関係を書かないと怒られそうですので、個人的には電動チェーンソーの性能(バッテリー?)がカギを握るかなぁ~と思います。実家にはエンジンチェーンソーがあったのですが、環境に悪そうなことと、エンジン音がうるさすぎて庭仕事では使う気になれません(^^ゞ
 冗談はともかく、間伐が必要な一方で、日本の林業を再生させるには価格競争力のみならず、デザインとか付加価値も必要かなと思います。
○モナカ
http://www.monacca.com/shop_jp.html

 住宅でも、家具でも最終的に木材が国内で地産地消で消費されれば良いと思いますが、今後は内需が減るでしょうし。そうなると、やはり円安が続いた方が良いかも?
Commented by bank.of.japan at 2007-06-18 20:11
飛車さん、どうもです。やはり為替の影響は大きいのでしょうね。木材輸出国の環境悪化が行き着くところまでいく、または途中で環境規制がかかり、木材供給がひっ迫するのを待つしかないですか。
 日本は輸出立国ですので、WTOでの自由化を阻止するのは難しいかもしれません。その分、補助金で埋め合わせなのでしょうが、これも財政健全化の流れでは先細り。環境税の強化ですかね。
Commented by bank.of.japan at 2007-06-18 20:20
椿ラインさん、どうもです。チェーンソーまであるとは本格的ですね。地産地消は理想的ですが、木材の場合はある程度こだわりがある人に限定されそうですね。円安基調は大事にした方がいいと私は思います。
Commented by luke at 2007-06-18 21:21 x
ご参考:
http://cruel.org/economist/economisttrees.html
(比較的豊かな国では、切り倒されるよりずっと多くの木が生えてきている・ロシア、中国、ベトナム、韓国などでは木が増えている。)
Commented by 飛車 at 2007-06-18 22:33 x
はい。為替の影響でかいですね。円高になって、コンビニが増えて、それくらいから海外産割り箸が増加しました。1990年代後半は、まだカナダ産などもありましたが、今は聞きません。
とはいえ中国も既にかなり高くなっていまして。現在海外で割り箸を作っている某社はモンゴルに。別ネタでは、ロシアに行くぞという話もあります。ロシアは中国共産党員より厄介な経済マフィアがいるので、ちょっと厳しいかなぁというのがもっぱらの評判です。

ところで、輸出立国の立国ってどういう意味でしょう?
それと輸出依存は小国でしか成立しえないと思います。
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 03:22 x
間伐材に関しては、世界的な商品価格の上昇を背景に、価格が上昇していて、今までは赤字だった間伐作業も採算ラインに乗るようになっています。価格上昇は一時的なものですが、大手コンビニが間伐材割り箸の販売を開始するなど、グリーン調達の観点からも需要は高まっていることは確かです

ただ、問題は間伐材の引き合いよりも、営林の担い手の方がより問題でしょう。高齢化や過疎化により、山を守る担い手が不足しているという問題のほうが将来的には問題だと思います

飛車さんが仰っている中国産の割り箸の問題については、昨年割り箸に多く使われる白樺製の割り箸輸出価格を一気に上昇させたので、需要者である流通業を中心に調達の見直しを行っているところです。森林伐採による砂漠化が深刻であるという点と、黄砂被害の拡大が背景にあるようです。すでに、数年前から木炭の輸出統制が行われていて、価格がかなり上昇しています。外食産業ではかなり痛手でしたが、コスト吸収はかなり進んでいるようです
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 03:46 x
ロシア産の山林資源は微妙ですね。近年、樺太の天然ガス開発で、環境保護を理由に合弁事業の接収を行っていたりしますが、森林資源に関しても環境保護を理由に、連邦政府による輸出統制が強化されていると聞きます。最近の話題として、影響が大きいのが水産資源の輸出統制が強化されている話ですが(蛇足)

確かに、ロシアの森林資源は豊富ですが、大半はタイガと呼ばれるシベリアに広がる針葉樹林帯です。シベリアは亜寒帯気候で、タイガの下にはポドゾルと呼ばれる、植物が低温で分解されずに堆積している酸性土壌で、その下には永久凍土が広がっています。この土壌には重大な問題があり、一度森林を伐採すると、日陰がなくなるので土壌温度が上昇して、地下の永久凍土が溶けて、沼のようになってしまいます。沼は、周りの伐採されていないタイガを巻き込んで、地盤沈下を繰り返し、巨大な沼地になります。一種の「砂漠化」です
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 03:47 x
しかも、ポドゾルや永久凍土には、大量のメタンガスが蓄えられています。メタンは二酸化炭素の21倍の温室効果があり、タイガの「砂漠化」は温室効果の強力な正のフィードバックの要因となります。最近、ロシア政府が森林開発に神経を尖らせているのは、隣国中国における建材需要の増加による、乱伐にあるという話もありますが・・・。
Commented by PK at 2007-06-19 08:26 x
長時間労働の上に円安では、日本叩きの口実になる。
長時間労働の解消と過度な円高への為替介入をセットにするのが一番いい。為替に不安を抱かなくなれば、企業が賃上げを許容するようになる。それでデフレからインフレへ転換できる。
Commented by EURO SELLER at 2007-06-19 11:08 x
この話題はいろいろ専門家の意見が伺えて興味が尽きませんね。私も中国の割り箸の値上げの際,業界はベトナムや他国に調達先を移行させると聞いたことがありましたが,間伐材とも採算が合うようになってきたのですか・・・林業の生産者側に株式会社がたくさん立ち上がると良いのではないですか。組合のような感覚ではもはやだめではないかしらん。
Commented by 飛車 at 2007-06-19 14:54 x
>>von_yosukeyanさん
補足ありがとうございます。

中国箸というか、現在割り箸は竹箸に相当シフトしてきています。竹箸は防カビ剤問題があり、消費者のヒステリックな反応が起きる可能性を考えると、まだ予断を許さない状況です。現に、環境おばちゃんに常にチェックされている某コンビニでは竹箸は予防的に禁止されています。たとえ冤罪でも、今は社会的制裁ルートで真贋不明のまま窮地に追い込まれたりしますので。

中国産規制については、3回目の禁輸措置でようやく本格的になりました。2回目までは輸出検査官の袖の下が通用していて、3回目は袖の下が北京にばれての禁輸措置でした。その結果、ああ今回は本当だとなったなんていう裏話があります。しかし、あの直前の価格は異常でした。正規の業務用ルートより100円ショップなどのブローカールートの方が安くなってしまって・・・今となってみると、品質的な問題はどうだったんでしょうね。
Commented by bank.of.japan at 2007-06-19 20:11
lukeさん、どうもです。検索中に森林増加の話も目にして「へぇー」と思ったりしました。世界的には森林減少・砂漠化のイメージが強かったもので。この辺は、ある種のヘッドラインリスクなんですかね。

EURO SELLERさん、どうもです。価格的に採算ラインに乗りそうなとき、問題は林業のビジネスとしての対応力なのでしょう。これもいろいろ構造問題がありそうです。
Commented by bank.of.japan at 2007-06-19 20:27
飛車さん、どうもです。なるほど、中国から他国へのシフトが起きているのですね。ところで、モンゴルは草原の国かと思ってましたが、森林もそれなりにあるのですね。なお、輸出立国は、輸出製造業が重視される、という程度の意味です。

von_yosukeyanさん、この問題でも詳細な解説ありがとうございます。「間伐材の引き合いよりも、営林の担い手の方がより問題」というのは実感します。小規模山林地主が放置状態にあり、仮に森林ビジネスを展開しようにもなかなか大規模化(生産性の上昇)が難しい、という構造問題があるかもしれません。個人的には、体が動くうちに、田舎の山の間伐作業を進め、商品になる程度までは頑張ろうかな、と思っておりますが。
 ところで、最近海外資本が日本の山林をもっぱら水源確保で買っている、という話を聞いたのですが。どうなんでしょうね。
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 21:20 x
WHOとFAOの関連組織に、CODEX Alimentarius Commissionという食品安全基準を策定する、国際的な政府間協議機関があります。ここで、ナチュラル・ミネラル・ウォーターの基準の改定が進められているのですが、現在のJAS規格だと、特定水源から取水し、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の加工を行わず、ミネラル分が自然(地下で)溶け込んでいること、と定義されています。しかし、CODEX基準案では、この定義を「無殺菌」「空気に触れない」「取水地でただちにボトリング」というものに変更しようとしており、農水省でも基準改定に乗り出しています

わが国のナチュラル・ミネラル・ウォーターは、運送コストの問題から、割と都市部に近い場所で取水してボトリングするか、取水地からボトリング工場までタンクローリーで輸送してボトリングしていますが、CODEX基準がJAS化されると、(水源地自体が限定され、輸送コストの高い)山奥の水源でボトリングする必要が出てきます。そうすると、価格競争力の高い取水地は限定されてしまうので、水源確保目的で山林を取得するというのは、ワリのいい投資になります
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 21:59 x
世界のナチュラル・ミネラル・ウォーター市場は、仏Grope Danon SAと、瑞Nestle SAの2社が60%のシェアを握っていますが、両社はCODEX基準案の策定を待つまでもなく、既存の製品のほとんどが「無殺菌」「空気に触れず現地でボトリング」されている商品なので、基準改定は非常に有利になります。また、両社は欧州以外の全世界で水源地を買い漁って、シェアの確保を図っており、購買力が高く成長市場である日本で水源を買うのは非常に合理的な行動なんじゃないかなぁ、と思います

似た話として、仏Suez SA(スエズ運河を運用してた会社ですが、現在は電力・ガス・水道事業を営む多国籍公益企業です。ちなみに、カリヨンの前身の一つIndosuezは、Suezの金融部門がインドシナ銀行が合併した金融機関です)が、第三世界の上下水道施設を民営化バルクセールで買い漁って、水資源を独占しているという話があります。ミネラルウォーター企業にしても、第三世界での水資源独占は激しいですねぇ・・・。

#SF好きとしてはNicola Griffithの「スローリバー」(早川文庫)は面白かったです>水資源
Commented by von_yosukeyan at 2007-06-19 22:35 x
>飛車さん

確かに、実際の毒性よりも、「中国製」「防腐剤」って言葉の響きからくる一種のヘッドラインリスクの方が外食・小売産業では危険ですねぇ・・・。抗菌剤の亜硝酸塩や、オルトフェニルフェノール・ナトリウム、漂白剤の二酸化硫黄などは、食品添加物として使用される量の方がよほど高いですし、現実的にそこまでリスクがあるのかなぁ? と思ったりしますが、環境おばちゃんには通じないでしょうねぇ
Commented by bank.of.japan at 2007-06-20 20:03
von_yosukeyanさん、ウォータービジネスの解説多謝です。なるほど。水源確保も合理的な判断が背景にあるのですね。日本人は水はタダという印象がなお強いですが、世界的には貴重な資源。田舎の山林、チョロチョロ程度ですが、確か湧き水が出ていたような。大事にしないといけないすね(笑)。スローリバー、今度読んでみます。ありがとうございます。
Commented by 飛車 at 2007-06-20 22:36 x
>>von_yosukeyanさん
その手のリスクは他にもゴロゴロ転がっていますので。個人的には社会的制裁という名の集団リンチの方に恐怖を覚える今日この頃です。レジ袋有料化なんてひどいものです。
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