日銀の負債(銀行券)側に関する下のエントリーは多くの方からご意見頂き多謝です。それに若干関連するのだが、今度は反対側の日銀資産について。具体的には、保有長期国債の償還ルールを変えたことの資産とオペへの影響である。償還ルールの件は何度か触れているが、まとめて説明する機会がなかったので、ここで取り上げたい。短期市場や債券関係の方はご存知だと思うので、スルーして下さい。
まず昔の償還ルール(1998年度まで)である。以前は、オペで買い切った国債は、償還が到来すると新発国債(10年物)に乗り換えていた。当時、長期国債買い切りオペは発行から一年経過した長国が対象(いわゆる“一年ルール”、後に撤廃)だった。この段階で、対象は残存9年以下で、さらに残存の短い長国がオペに入ってくるため、オペ自体の平均償還期間は10年よりかなり短い。 仮にオペ(例えば規模2000億円)の平均償還期間を5年としてみよう。この2000億円は満期が到来すると10年物に乗り換えられる。オペで買った償還期間の短い長国が、償還で10年物になるということは、時間経過とともに保有国債資産が長期固定化していく。しかも、乗り換えた10年物は10年物に乗り換える(この部分不確かなので後で確認します)ので、10年物の根雪部分が増えていく。これは銀行券(負債)が少しずつ増えていく(成長通貨)のに合わせた資産構成としてはまあ合理的であり、市場から買うオペも少なくて済む(価格への影響が小さい)。 日銀は99年度以降、今度は満期到来の国債が償還したら原則として短期国債に乗り換え、最後は現金償還するルールに切り替えた。ここで起きたことは前のルールと逆であり、保有長期国債資産の短期化が進んだわけである。10年物の根雪部分も満期で短国となり、次に現金になるので、どんどん長国資産が消えるので、オペでどんどん買わなくてはいけなくなった。日銀は量的緩和下で札割れ対策として長期国債買い入れオペを増やしていったが、これは札割れ対策ではなくても資産構成上、必要な措置であったわけである。 現状、月1兆2千億円買っているが、保有長期債の残高があまり増えないのは、償還と買い入れがほぼ見合っているためである。オペを「食事」、国債資産を「腹」だとすると、昔は小食だったけど、腹に入ったあとは長期滞留(消化に時間がかかる=腹持ちが良かった)した状態。今はどうかと言えば、たくさん食って、消化が早く、たくさん出ている(快食・快便)わけです。つまり腹持ちが悪いのですね。 私は、日銀負債(銀行券)は下で書いた内容もあって容易に減らない、しかも部分的に永久負債の可能性もあると思っているので、資産側はもう少し腹持ちを良くした方がいいんじゃないの、と考える次第だ。財務省さん、40年物は意外にも日銀向けの「食事」として良いのではないか、と思ったりするのですが…。
by bank.of.japan
| 2007-04-21 22:20
| 日銀
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Comments(8)
「私たちがみんなで、小さな礼儀作法に気をつけたら、この人生はもっと暮らしやすくなる。」
チャップリン(イギリスの映画俳優)
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コメント欄さん、どうもです。なかなか味わい深い一言集ですね。実践に応用するよう努力したいと思います。ありがとうございます。
ご無沙汰しております。
正直よく分からないテーマなのですが、国債資産については、「快食・快便」の方がカラダに良さそうに思います。40年物国債・・・日銀券の実質的な残存期間は40年くらいあるのかもしれませんが・・・やはりB/S上で「消化不良」になりそうな予感。 あと、コメント欄さまのコメント。管理職に毎朝唱和させたい内容ですね(笑)
最近読んだ日銀論文
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/research/ron0304a.htm マネタリーなくしてデフレが論じられるのか。円高によって構造改革をいっそう進めたいのか。利上げをけん制する政府も全てぐるではないのか。リフレ派ならほっておくが反リフレ派なら利上げによるデフレをてこにして日本を変えようするのもわかる気がする。
北の書生もどきさん、どうもです。仮に銀行券の急減という事態が想定される場合、資産は流動性(or柔軟性)があった方が健全である、という考え方では、ご指摘の通り、今の状態はカラダにいいです。もっとも、現状では、消化の良い国債の食い方が足りず、短期オペの規模が相当に多いため、日銀のレストランであるインタバンク市場は日銀がやたら出入りするので、迷惑といった感じでしょう。それこそ日銀の唱える市場機能重視からすると、短期オペ減らせよ、と言いたい市場関係者もおります。
EURO SELLERさん、どうもです。デフレが貨幣的現象との見方に日銀は同調しないですが、利上げで日本を変えよう、円高で構造改革という発想は日銀にはないと思います。そういう風に見えますかね。
レストランで食べてるというよりは、勝手口で他のお客さんの食べ残しをせっせと食べてる感じじゃないでしょうか。メニューから食べたい物選べませんし。
デフレ下で買い入れ債券のデュレーションを短期化してるんですから、全くふざけた政策ですね。政府はこの際、日銀向けにコンソル債でも発行したらいいかもしれない。
ラスト何マイル?さん、どうもです。確かにゴミ箱的な側面ありますので、勝手口で残飯食う、との指摘は言い得て妙です(笑)。もちろん選べませんね…。
dellさん、どうもです。デュレーションのあり方自体は金融政策とは直結しないのですが、超長期、長期、中期という風にゾーンニングしていけばいいのではないか、という風にも思います。
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