一時期やたらと言われた「円キャリーバブル」論はあまり聞かれない。欧州側も静かであり、円安批判はほとんどなくなった。一体どうしたことか、と思う。円安が円キャリーによるものではないから? しかし、それは変であろう。円キャリーが問題だったのは円安をもたらすからであり、だから円キャリー抑止の利上げを行い、円安を修正する、ということだったはず。ユーロが160円という高値更新する事態に円安懸念があまり浮上してこないのはやや解せない。
では、しばらく前の「円キャリーバブル論」とそれを抑止する「利上げが必要だ論」はどこに消えたのか。武藤副総裁が「(利上げは)円キャリートレードを直接のターゲットとしたものという見解も耳にしますが、そうしたことはない」と否定したからであろうか。 それとも、話題として飽きられたから? 武藤副総裁が否定するまでもなく、日銀内で円キャリーを深刻視する声は少なくとも私は聞いたことがない。取り敢えずは飽きられた、というこですかね、やっぱり。 もっとも、海外で改めて円安懸念が強まったら、国内も同調するムードになるかもしれない。欧州がまた騒いだら…。「文句があるなら利上げ続けるECBに言えよ」と誰かわが国の偉い人が言ってくれないものか。これはかなりスカッとする発言なんだが、期待薄ですね。 金融政策は時として意味の分かりにくい論陣に包まれるときがある。預金の利息が少ないから消費が冴えない、利上げしろ、というのが典型だ。これは松下総裁末期に国会を中心に吹き荒れ、連合に至っては直接日銀に利上げを陳情(当時の福井副総裁の『ジャストタイミング』という例のアレ)。今でもこの論陣は根強い。円キャリーバブル論が下火になったのは静かでいいなあ、と思うのだが、この静けさがいつまでも続くと思うのは甘いのかもしれない。
by bank.of.japan
| 2007-04-11 21:16
| マーケット
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Comments(15)
さすがに参院選までは利上げなしというのがマーケットの通説ではないでしょうか。元々今の景気は、景気循環による一時調整の色合いが濃いわけで、資産市場に対する牽制という意味合いから一度利上げする意味が全くなかったとは言いにくいと思いますが、再度の利上げは、万一景気が後退した場合に、日銀戦犯説⇒日銀法改正という悪夢のシナリオが実現しかねない訳で、“政治上手”で知られる福井さんが選挙前に利上げというのは考えにくいのではないかと。結果として、景気の動向を見極めた後で利上げするか否かを決める事ができるわけで日本経済にとっても参院選があったのは良かったと思います。
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円安はむしろ円の超低金利がもたらす結果、ということでしょうし、為替レートをターゲットとして金融政策を行うことはナンセンスです。だから検討すべきは円安の是非ではなく円の超低金利の是非。どうやら今回のG7ではその点はもう議論する積もりもなさそうですね。ドイツの財務大臣は家族との休暇で欠席(代理出席)だそうですし。でもプラザ合意のときのように意外にカムフラージュだったりして・・・。
ファンさん、どうもです。私はもう少しハト的な見方でして、福井総裁の任期中に後一回できるかどうか。できたら御の字かもしれません。いずれにせよ物価は夏ごろまでマイナス推移する公算が大きく、景気加速感があればまだしも、ないなら様子見のような気がします。
害債さん、どうもです。地方自治体のデリバティブ調達のエントリーを先般紹介させてもらいました。この場を借りて御礼申し上げます。ドイツの財務大臣が家族旅行で欠席というのは拍子抜けでした(笑)。カムフラージュだと相当に高度な眼くらましですね。
円安論議は、利上げしたい日銀によるマッチポンプだったんじゃないですか?年末までの決定会合では為替が問題視されることはほとんどなかったわけだし、なんでも良かったんですよ、利上げの環境が整えば。
それと、参議院選があったのが日本経済にとって良いとの説ですが、それなら、福井の任期をあと3年延ばしてやるだけで、金融政策のスケジュールはもっと余裕が出てくるかもしれませんw
マッチポンプ説に1票です。
こちらこそ、御礼がおそくなりました。地公体のエントリーのリンク恐れ入ります。私の立場で実はえらそうなことがいえないので、あれでしたが。トピ違い失礼しました。
独財務省欠席→何もない、をたかをくくっている筆者の属する為替市場ですが、欧州の政治家が何も言わなさ過ぎるのは、なにか不自然で不気味です。みなさんのいうとおり、カムフラージュなのかもしれませんね。で、やることやっといて、「だからリスクは双方向だと言ったろう?」と・・・
奈々氏さん、どうもです。利上げに追い風の材料なら敢えて否定しない、という意味ではマッチポンプすかね。
システム5.1さん、どうもです。なるほど…。 害債さん、どうもうです。引き続くよろしくお願いします。 Teddyさん、どうもです。欧州人にとって休暇は大変大事なイベントなので、ある意味では財務相の行動はやっぱりかな、と思う次第です。休まない、休んでも数日、という日本人の行動が彼らには謎なんでしょう。
円安は、CPIが回復してきて実質金利が下がったから起きた現象で、そもそも金利の非負制約で実質金利が高とまっていたがゆえに円は過大評価され続けていたんじゃないかと。せっかく実質金利が下がったのに金利をあげろってのは、欧州が円高を既得権益と捉えているという事に等しいと思います。というか、貿易が僅少で影響皆無ゆえに無責任に責任をかぶせやすかっただけなんじゃないかと思ったりして。
非負制約から脱出するところは、屈曲点になるので、CPIプラス安定の人たちには理解できないようなことが起きてるかも。
話が全然関係ないのですが、展望レポートの内容ってもう出るもんなんですね。確か4月下旬だったと思っていたのですが。
飛車さん、どうもです。欧州のユーロ高は基本的には域内要因(ECBの利上げ)なのに、貿易上の関係も薄い日本に八つ当たりするようなものでしょう。デフレ完全脱却しなきゃいけないときに、日本側で円安懸念が浮上する意味が私には良くわからないですね。
GSさん、どうもです。27日に発表される予定です。
毎度お疲れさまです。クロス円での円安は、ドル安&円安の結果でありますから、日本がどうこう言われる筋合いはないでしょう。米国がドル実効相場(Broadよりは本来的にはMajor currency?)を上昇方向にコントロールできるなら別ですが。
私もマッチポンプ説に1票です。 それと、展望レポートの内容が出てしまうマッチポンプ説(?)にも1票です。
なぜ円キャリーバブル論はがあまり聞かれなくなったか、それは世界同時株安の責任を押し付けられたくない日銀の思惑が大きく影響していると思われます。そもそも円キャリーバブル論そのものが、利上げをしたい日銀シンパ筋発だったと思われますが、世界同時株安と円高が同時発生するに至り、円キャリーバブル論は世界同時株安を促進する議論になってしまうため、このままでは世界中から日銀が集中砲火を浴びる危険が生じるため言われなくなったのだと思われます。
椿ラインさん、どうもです。米国がドルを引き上げるのは無理そうですね。FRBは身動きとれないし、だとすると財政引き締めですが…、これもねえ。マッチポンプ論には私自身は懐疑的ですが、かなりそういう見方多いすね。
dellさん、どうもです。日銀にそこまで世論誘導する腹があるのか、ちょっと疑わしいですが…。勝手シンパの気紛れな動きではないかと思っております。
為替市場では、その後、トリシェの発言もあり、「なにか出る」のでは、とか、いや、CHF安が問題視されるとかになってます。真剣になにかやると、世界のリスクアセット市場にはねかえる危険があるので、まぁ、火遊びはしないのでしょうが。
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