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上田清司の「外為特会」の攻め方=特別会計マニアには垂涎です
 さて、前回のエントリーに続き、民主党・上田清司議員(現埼玉県知事)の「外国為替特別会計」に関する質疑である。上田議員は、平成15年2月19日の予算委員会と、同年4月18日の財務金融委員会で、外為特会の経費について興味深い質問を行っている。マニアの方は両議事録のご一読を薦める。ここでは、財務金融委から引用したい。外為特会は、ご存知のように介入資金を管理する会計だが、詳細はなかなか知られていない。私も詳しくは知らなかった。そもそも経費なんてあるのかと思っていたのだが、当時、国会を取材していた私は、上田議員の細かい質問に深く聞き入ってしまった。早速、秀逸な質問を紹介しよう。
上田委員 「財務大臣、外為特会における外国旅費の問題で、予算委員会で若干指摘をさせていただきました。四十人の職員が担当して、この外為特会を運用というんでしょうか事務をつかさどっておられるわけですが、十五年度の予算で二億五百万予算が計上されておりますので、まさか四十人で使っているわけじゃないでしょうねという感じだったら、実は国際会議で使っておるというお話でございました」
 「十三年度の決算の資料だけ、私は今手元に持っております。そして、国際会議のそれぞれのコミュニケ等々を資料でいただきました。例えば、十三年度に、G7、サミット、ASEAN、APEC、ASEM、OECD、それぞれ、一般会計から八千万、外為特会から六千万の海外旅費を出しているわけでございます。十三年度ですが、大体同じようなパーセンテージで年度過ぎておりますので、十五年度の予算についても大差ありません。
 それで、問題なのは、通貨、為替の議論をしているのであえてこの外為特会のところから旅費を出しているんだという御説明でございました、二月十七日の予算委員会では」
 「 しかし、例えば、平成十三年度のOECDの閣僚理事会のコミュニケを読みました。文字数で一万六千六百四十文字、日本語訳ですけれども。この中で、『経済見通し』というところで若干経済のことを触れております。千八十文字、十六分の一、約六・五%。この中で、国内向けの、アメリカの金融政策、日本の金融政策、欧州の金融政策ということで、それぞれ一行ずつぐらいありまして、百十一文字、パーセンテージにすれば〇・六六%。全然OECDでは通貨や為替の議論をしていないんですね。
 にもかかわらず、なぜ外為特会から海外旅費の支出ができるのか、これはずぶずぶになっているんじゃないですかということを申し上げたんですけれども、いやいや、そうじゃないということでしたから、一々文字数も調べてみました、あるかないか。そうすると、全然ないんですよ。
 もともとOECDは、御承知のとおり社会開発関係です。しかも、事実、寺澤局長が二月十九日の答弁で、開発政策であれば一般会計で出しています、こういう答弁までなさっているんです、御丁寧に。だから、これは、好ましくないというよりも、目的外使用みたいな形になっているのではないかということを財務大臣にまずお伺いしたいと思います」
 「少なくとも、第四十回のOECDでは全然そういう議論がなされていないんです。確かに、コミュニケに関してはそういう代表的な意見をアピールする場合が多いということも私も承知しておりますが、ないんです。
 会計検査院長、来ておられますか。ああ、院長じゃないんですね。これをよく読んで、答えを出していただきたいと思います。全然通貨や為替のことをOECDではやらないんです、メーンテーマじゃないんです。社会開発問題がメーンテーマなんです。よく読んでいただいて、どういう御判断をされていますか」
 政府答弁(谷口副大臣)は、OECDはコミュニケには盛り込まれなかったが、為替の議論はあったというもの。確か、行天さん(元財務官)の「私の履歴書」でOECD部会のことが出てきたような記憶がある(G7D?)し、私も昔、部会で通貨マフィアがそろうと聞いたことがある気がする(不確かです)。ただ、上田議員の指摘はもっともであり、何で為替との関連が薄い国際会議の出張旅費を払わないといけないのか国民には分かりにくい。いろんなものが経費として支払われているのではないかと勘ぐりたくなる。そう思わせる秀逸な質問であった。特会担当職員は40人なんですね。多いのか少ないのか、これは相場観がないので不明。もっとも、日銀も事務をやっているので、関係する公的部門の職員はもっといるかもしれない。
それから上田委員、「地震再保険、六人で運用されていて、毎年二百万の外国旅費が計上されている。地震国も限られておりますし、毎年毎年制度の変更を諸外国に求めるために調査団を派遣されるという仕組みが、六人しか職員がいないのに毎年二百万の海外旅費を使うという、これはどう考えてもおかしいと私は思っております」と、これまた秀逸な突っ込み。
 それから、メールでチョンボした永田議員が、竹中大臣の日経新聞広告への登場について、かなり面白い追及をしているのも興味深い。みなさん、この議事録面白いですよ。
by bank.of.japan | 2006-11-05 17:35 | マーケット | Comments(4)
Commented by route138 at 2006-11-05 18:14
うーん、面白いですね。マニアにはたまりません(笑)。こんなやりとりが国会であったとは、不勉強で知りませんでした。OECDの部会は、WP3のことでしょう。各国財務省の為替政策担当の次官クラスが集まる会議で、一応は秘密会合(笑)。行天さんが一時議長やってました。まあ、G7Dと似たようなものですが、参加国はWP3の方が多いと聞きました。ですから、一応は為替の話しをやっているわけでしょうけど、その旅費が外為特会から出ていたとは! 某経済官庁が、所管するギャンブル興行のお金をプールして、対米ロビー活動に使っていたという話しもあったように記憶しますけど、とかく、政府の対外的な活動資金の出所は不透明ですね。外交が、外務省に一本化されずに、各省が独自の予算をひねり出して勝手なことをやっていることが背景にあるのかもしれません。もっとも、外交を外務省だけにまかせるのも不安という面もありますけど‥‥。
Commented by route138 at 2006-11-05 18:25
WP3について、もっと正確なことがわかりましたので、補足させてください。正式名称は、OECD経済政策委員会第3作業部会。G10+スイスの財務省と中央銀行幹部が出席して、4半期に1回開かれているそうです。行天さんのほか、かつては松川道哉元財務官(うーん、懐かしい)も議長をされたことがあるそうです。詳しくは、元駐米大使の村田良平さんが書かれた「OECD」(中公新書)という本の62ページに載ってます。ご参考まで。
Commented by bank.of.japan at 2006-11-05 18:30
route138さん、早速のコメント多謝です。部会はそうか、WP3でしたね。秘密会合ですから、政府も公式には認められないのでしょう。昔、MOF(国際系)の幹部が、「外為特会」を「my pocket money」と呼んでおり、日銀関係者が会計の不透明性を懸念していたことを思い出しました。その後はかなり透明になったはずで、今では無茶な経費の使い方はないと期待しておる次第です。
Commented by bank.of.japan at 2006-11-05 20:28
松川財務官ですかあ、恥ずかしながら存じ上げないです…。wp3の補足、参考になりました。多謝です。
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