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岐阜県『裏金』と銀行券と国債の見えざる関係の考察
 岐阜県庁の『裏金』問題はあってはならない不祥事なのだが、私は日銀バランスシートの観点からこの問題がやや気になっていた。最初に興味を引いたのは「裏金の一部が燃やされた」との報道であった(偽証との報道もある)。仮に燃やしたのが本当だとすると、大分前のエントリーでも触れたように、灰になった現金は日銀の永久負債となってしまう。洒落ではないが、シニョリッジを永遠に生み続ける“焼却”原資といったところか。
 ところで、裏金の大半は現金であったのだろう。後ろめたいお金の究極の保蔵手段は匿名性に優れた現金となる。当然、この手のお金に金利感応度はない。利上げで銀行預金金利が上がったからといって、運用するとなると誰かの名義を使わざるを得ず、裏金は露見しやくなる。従って、金利が上がり続けても、裏金はどこかにひっそりと隠されたままとなる。
 日銀は利上げによって銀行券残高は徐々に減っていくと予想している。金融システム不安を受けてタンス預金となった現金は、金融不安の解消、預金金利の上昇を受けて金融システムに戻ってくる、というシナリオだ。私はそうはならないのではないかと見ている。多少は戻ってくるだろうが、銀行券残高はかなり高い水準が維持されるのではなかろうか。お金がタンス預金化したのは多かれ少なかれ「匿名性」が好まれた側面があり、『裏金』や『脱税資金』ほど真っ黒なアングラマネーではないにせよ、ややグレーなタンス預金が多いのではないかと想像する。
 バブル崩壊以降、銀行券残高は伸び続けた。金融不安も影響したかもしれないが、この間、金融システムは全般に透明性が向上し、最近でもマネーロンダリングの防止強化、預金口座の名寄せなど監視体制も強化され、グレー&ブラック系のマネーは表経済においては居場所がなくなりつつある。行き着く先は「現金」しかないわけだ。当然、金利感応度はない。
 8月31日時点の「営業毎旬報告」では、銀行券残高が伸びた。日銀マンは「おかしいなあ」と首を傾げたが、私はやっぱりなあと思った。

銀行券がアングラであるほど日銀保有国債は安定的であり、債券相場にはプラスである

銀行券に関してはvon_yosukeyanさんが電子決済に絡んで触れており、それについては別途エントリーで取り上げたい。
by bank.of.japan | 2006-09-04 22:53 | 経済 | Comments(0)
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