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マニア向けですが、本日の日銀論文はお勧め
 日銀企画局が「主要国の中央銀行における金融調節の枠組み」という論文を出した。これだけで政策的なインプリケーションを読み取るのはかなり難しいので、それは割愛。ただし、金政政策にマニアックな関心を持つ方にはお勧めである。各国の金融調節体系は市場金利の上限、下限を設定し、その間で政策金利を動かす金利コリドー(回廊)にそろいつつあるが、インタバンクの事情は銀行券・財政等要因などそれぞれ異なる。その異なった資金需給の中で、コリドー調節の違いが把握しやすい論文となっている。
 金融政策に興味を持ち、マニアへの道を歩み始めたとき、理論方向にいくケース、調節体系に向かうケースがある。もちろん両刀もOK。私は最初は前者であったが、あいにく経済学の素養がないため、「ああ言えば、こう言う」政策理論系の議論がだんだん机上の空論のように思え、「まあ、好きにやれば」という境地に陥りやすくなった。一方で、調節体系はかなり面白い世界であり、未だに興味が尽きない。課制はなくなったが、企画局の区割りでいけば、一課(金融政策)よりも二課(調節企画)が面白いわけである。
 共通担保は最高だ、とか、CPオペは邪道じゃねえか、とかワーワー盛り上がって議論するのは日銀の中ですらかなりオタッキーな部族であり、あんまりいない。そんなオタク向けの論文である。なお、こういうマニア向けの論文が出たということは、幹部にオタクがいる、ということを意味する。何を隠そう、白川方明理事である。間もなく退任し、京都大学公共政策大学院の教授に転進する。「趣味、セントラルバンキング」と言われる白川理事は、私など足元にも及ばないスーパーオタクであり、退任は非常に寂しい。もっとも、これからは政策とのしがらみ抜きで議論できるので、それはうれしい。
 今回の論文は、白川理事の置き土産でもある。白川さん、ありがとう御座います。
by bank.of.japan | 2006-06-30 23:23 | 日銀 | Comments(4)
Commented by OB at 2006-07-01 00:31 x
1課は「金融政策」担当なんでしたっけw。政策調査ってなんなんでしょうね。
Commented by bank.of.japan at 2006-07-01 18:09 x
OBさん、どうもです。旧法時代は調整課という部署もありました。新法下は、一課、二課、政策調査課となりました。そして課制の廃止とありなった次第で。政策調査はマネーサプライや銀行券動向などの分析だったと思います。それだけではないと思いますが。
Commented by 決済システムSE at 2006-07-01 20:46 x
いつも拝読していますが、初めてのコメントです。
当方はネット参加者側RTGSシステムの開発をしているもので、今回の論文は興味深く読ませていただきました(ちなみに現在、手形オペのペーパレス化対応中です)。
本来、システム屋としては一つ一つの政策とかその手段について細かい意義まで理解する必要はあまりないのですが、個人的に興味を持って関連文書をけっこう読むようになりました。これはマニアへの道をまっしぐらということなんですね(笑
Commented by bank.of.japan at 2006-07-02 01:04 x
決済システムSEさん、どうもです。システム関係の方からみた調節手段像というのは非常に興味深いですね。私らには気づかない側面が見えたりするのではないかと羨ましく思います。なお、「決済部族」は日銀でも有数な勢力となりつつあり、私も勉強させてもらっています。難しいですが…。
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