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長期金利の上昇に対して日銀は何もしない
と思い込んではいけないのではないか、と逆バリ的に考えることがある。具体的にはシグナルオペ(注)を打って金利上昇をけん制したり、国債買い切り(輪番オペorRIMBAN)を増額して長期金利の上昇を抑制しようとする行為である。常識的にはあり得ないのだが、「福井日銀」に限っては、可能性を完全に解除しない方がいいのではないか、という感じがする。
 「福井日銀」の政策運営の軌跡を追うと、論理の一貫性はない。「三〇兆円高地」の攻防戦でも記したように、大儀はころころ変わった。時間軸政策に手足を縛られる中で、量的緩和政策をパフォーマンス的に使っただけで、あくまでも異常な政策下での演技だった、金利政策に復帰すればオーソドックスな政策運営になる、これからは突拍子もないことはしない、というのがコンセンサスであろう。私も一応はそう思っているが、一抹の不安がないわけではない。
 福井日銀は量的緩和の解除に際し、インフレターゲットと受け止められかねない「物価安定の理解」を数値として出した。普通の日銀マンでは出てこない発想だ。長期金利の上昇に対しても、日銀マンの一般的な反応は「景気は回復している。金利が上がるのは自然だ。上昇ピッチ速過ぎるなら調整が入ってブレーキがかかるだろう」というもので、様子見を決め込む。だが、「福井日銀」の場合、世論(主に政財界)に敏感であり、金利上昇に世論が不安を抱き始めたら、平気で論理を超越して予期せぬ行動を取る可能性があると思う。
 シグナルオペや輪番の増額。場合によっては、意外に平気でやっちゃうのではないか。こんなこと日銀マンは「あり得ない」と一笑に付すのだが、本当にそうなの、と私は思う。だって、量を増やすたびに、「マジっすか!」と日銀マンは驚いていたのである。解除後は驚きはないと思うのは、お人好しの気がする。「福井日銀」、何するか分からないと多少は警戒した方がいいように思う。意表を突かれたくない私としては、無警戒でいるわけにはいかないのだ。それが、これまでの「福井日銀」の政策運営の教訓だと思うのだが…。気にし過ぎですかね。

注) 想定外の長めの期間の資金供給オペを行い、金利上昇をけん制する意図を送る行為。政策委員会が情報発信する仕組みにおいて、事務方がオペで何らかのメッセージを送るのは禁じ手とされる。新法下では、2003年に市場金利が上昇した際に一回だけシグナルオペをやったことがある。内部でもいろいろ軋轢のあったオペであり、もう二度とやらないだろうと思われている。
by bank.of.japan | 2006-04-19 00:59 | 日銀 | Comments(3)
Commented by Baatarism at 2006-04-19 09:51 x
リフレ派の一人としては、それをやってくれれば大歓迎なんですけどね。
ただ、石油価格の上昇でインフレ懸念が強まっているときに、そこまでやるかなという気もします。
Commented by EURO SELLER at 2006-04-19 11:38 x
金融政策のためにポーカーフェースで、市場に任せるポーズが出来るかどうか・・・。それが真の市場との対話というもので、逆に内心のあたふたが出やすいというのでは、市場をコントロールするというよりされている側になってしまう。
Commented by bank.of.japan at 2006-04-19 11:48
Baatarismさん、どうもです。利上げ正当化のロジック(将来のバブル懸念) も、無理筋なところがあり、常識論で日銀行動を予想するのは難しいです。虚心坦懐に見ていこうと思います。
EURO SELLERさん、どうもです。ご指摘の件、正論です。「内心のあたふたが出やすい」からイールドカーブが揺らぎやすい。それにまた対応するから、余計に混乱するわけです。ポーカーフェースができる政策委メンバーは、武藤副総裁でしょうかね。福井総裁はサービス精神の方が勝っている感じかな。
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