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預金金利を3%にすれば…=「経済教室」より
 消費回復のために家計の利子所得を復活させる、そのために預金金利を引き上げるにしても、3%という水準が例になっていたのには正直驚いた。「経済教室」と言うからには、教室的に何かを教えようという趣旨があるのだろうが、家計1千兆円の金融資産が3%で30兆円の利子所得を生み出し、それで「消費が増えて、企業の売り上げが増え、賃金を引き上げることが可能になる」となってしまうと、まさに利上げするほど景気が良くなるというシナリオが堂々と語られてしまった。書き手は結構名の知れた識者だが、これっていわゆるトンデモ系の経済学だと思うのだが…。
 私は経済学を学んだ人間ではないので、経済学的な反論というより実務的な反論を試みたい。預金金利が3%だとすると、コールレートはそれよりも上で、貸し出し金利はもっと上になる。ざっくりコールは4-5%、貸出金利は5-6%だろうか(この部分、銀行関係者のご指摘歓迎です)。ちなみに、私の家計は大幅な債務超過(住宅ローンは短期固定のロールオーバー)なので、倒れるリスクが大である。預金金利引き上げを図る利上げでメリットを受けるのは資産超過主体だけなので、中小・零細企業の大方は追い込まれるであろう。
 同教室ではまた、超低金利は大企業に有利に働き、中小・零細企業との格差という問題を深刻化させた、とあった。クレジットスプレッドの話だと思うが、この場合、利上げしてしまうと中小・零細向けのスプレッドはスライドして動くだけなので、もっと苦しくなると理解するのが普通であろう。冷静というか常識的に考えると、金利は経済活動の結果であるので、景気が良くなると上がり、悪くなると低くなるもの。従って、預金金利が3%になるぐらいに景気が良くならないといけない、そのためにはどうしたらいいか、を書くのが教室らしいのではなかろうか。
 この教室、全体として日銀応援弁論なのだが、本当に応援になっているのか疑問。トンデモ系でも嬉しいと思う日銀マンは少なくとも私が知る限りはいない(政策委メンバーは知らない。機会があれば聞いてみたい)。日銀の知り合い曰く、「無能なる味方は有能なる敵よりも害が大きい」のだそうだ。
by bank.of.japan | 2005-12-26 21:02 | 経済 | Comments(2)
Commented by すなふきん at 2005-12-26 21:23 x
ど素人の私でもわかる理屈なのに、日本を代表する経済紙にこんなこと書いていいのかと。しかし新聞ってのは明治以来トンデモにはまった前科を何犯も持ってるので、別段驚くまでもないです。(笑)
Commented by bank.of.japan at 2005-12-26 23:47 x
すなふきんさん、どうもです。日銀も「(解除によって)イールドカーブが自然に形成されると、経済の活性化を促す」(福井総裁)と言ったり、結構危ういものがあります。驚くまでもない、と見過ごしたいのですが、商売柄そうはいかない面もあり、難儀です(笑)。今後ともよろしくお願いいたします。
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