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岩田・武藤両副総裁の講演、取りあえずの印象
 11月30日の岩田副総裁の講演。目新しい発言は以下のところ。
 「消費者物価の上昇率が1%まで低下したことによってデフレのリスクに直面したアメリカの連邦準備制度理事会は、2002年から2004年にかけて実質FF金利をマイナスにする政策を続けた。そして、デフレのリスク回避を確認した後に、初めて金利引き上げのプロセスに入ったことは示唆的である」
 日銀は現在、「量的緩和の圧縮→ゼロ金利(極めて低い金利)→中立金利への利上げ」というパッケージになった解除プロセスを想定しているが、岩田副総裁が示唆するアイデアは二段階解除論を想起させる。恐らくは持論だと思われるが、ちょっと興味深い。

 12月2日の武藤副総裁の講演。内容は、「物価の安定」をめぐる論点を丁寧に解説したもの。アドリブがほとんんど入らないので、逆説的に日銀マンのオーソドックスなスピーチに聞こえた。なお、「バブル期の経験で言えば、輸入物価の下落や電力料金の引き下げなど供給サイドから物価を押し下げる力が働いているケースでは、景気拡大に伴う物価上昇圧力を過小評価し、その後の物価の上昇テンポが予想以上に加速してしまうことがあり得る」との指摘はその通りだと思うが、問題は今のこの局面で、マクロ経済上好ましくないバブルが起きつつあるのかどうか。恣意性を感じるバブルの教訓論。このロジック、あまり強調すると「バブルになるぐらいなら不況の方がまだましだ」と思われてしまう。
 そして質疑では以下の部分。
 「(政策運営で)将来のことについて、ある程度見通しを述べるのは非常に重要なことだが、それは現時点で、どこまで言えるかという問題に対しても非常に注意深くなければならない。現在において言えること以上のことを申し上げるのが透明性向上になるのかと言えば、それはむしろノイズを発信してしまうことになってしまう
 “自分の尾を追う犬”になってしまった日銀。もはや手遅れの感もある。武藤副総裁、もう少し早い時期にノイズ防止の手立てを取って欲しかった。ところで「市場との対話」を理解しているのは武藤副総裁しかいないような気も。日銀内の潜在的シンパは増えそう…。
by bank.of.japan | 2005-12-02 21:45 | 日銀 | Comments(0)
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