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リフレ心理は「生臭い」!?
 経済的な「心理」に臭いがあるのか私には分からない、というか心理を臭いで表現するほどの豊かな発想力はない。それがあるのは福井総裁である。本日の講演(後の質疑)で、解除後の金融政策について「経済が最も呼吸しやすく、しかもリフレ心理という生臭い息使いが出ることを防ぎながら運転していく」と述べた通りだ。この発言が出たとき、私はちょっとボーっとしていたので、一瞬「リフレは臭い」と聞こえてしまった。
 中央銀行が本質的にインフレファイターであることを私は認める。もっとも、それは基本精神の話であり、それを打ち出すかどうかはやはりTPOが必要だと思う。現在、物価はまだマイナスであり、デフレ脱却が至上命題となっている。日銀としてもデフレを脱却しないと金融政策の正常化はできない。従って、今の時点から「リフレ心理は生臭い」と表現し、それを消臭する政策を運営するようなことを“予告”すると、日銀=ゼロインフレ嗜好と思われてしまう。
 仮に「それでいいのだ」と日銀が思っているとしても、物価がちょっと下ぶれするとマイナスに落ち込む状況は、金融政策を動かす余地がない。リフレ心理が生臭く感じられたとしても、ここは我慢をして、金利を自由に動かす余地のある経済情勢になるためにも、インフレリスクを多少許容するようなビハインドの政策運営をやっていった方がいいように思う。
 そもそも論として、現在において仮に「リフレ心理」がどういう臭いかを考えると、臭いというよりも良い香りと思う向きが多いのではないかと思う。以下は、ある日銀マンとのやり取り。
私 「リフレは臭いか」
日銀マン 「フライパンでガーリックを焼くと良い香りがするけど、焼け焦げると臭くなると総裁は言いたかったのではないか」
私 「だって今の経済に焦がすほど火力はない」
日銀マン 「ずーっと焼くと焦げんるだよ」
私 「そもそも火がついていなんじゃないの」
以下、ああでもない、こうでもない、と漫談みたいなやり取りが続く。

今回の講演ではインフレファイター的な姿勢をうかがわせる発言が他にもあった。なぜ、そうなのかは私としては一つの推測がある。それは別途エントリーで取り上げたい。それと量的緩和は「文鎮」と言っていた。別途、これもちょっと突っ込みたいと思う。

追記 量的緩和ってそもそも「リフレ政策」(日銀としては演技)だったはず。そうかあ、日銀が臭い政策やってたんだ。確かに滅茶苦茶臭い演技ではあったよな…。

追記の追記 味覚嗅覚は人それぞれなので、日銀の臭い感覚が遺伝子として埋め込まれたものなら仕方ない。だとしても、当面は鼻をつまんで我慢した方がいいと思う。そうだなあ、短期金利が2-3%になるぐらいまでかなあ。
by bank.of.japan | 2005-11-11 22:04 | 日銀 | Comments(9)
Commented by 通りすがり at 2005-11-12 01:01 x
文中、「物価はまだマイナスであり」との表現がありますが、これは物価上昇率がマイナスということですね。ジャーナリストの方々はよく「水準」と「変化(率)」の概念を取り違える人が多いのですが、数学的には全く別の概念ですので、正確に理解していただきたいところです。
Commented by 星の王子様 at 2005-11-12 04:14 x
短期金利2-3%だと逆イールドか長期金利が5%とかいう世界ですか
短資会社にとってはいい環境かもしれないですが、個人企業が耐えられるでしょうか。今後増税論議も高まりますから。株式が相当上がれば以前のように3%がメルクマークとなる局面が出てきるでしょうがいつくることか。
Commented by bank.of.japan at 2005-11-12 17:34 x
通りすがりさん、どうもです。消費者物価の前年比上昇率とすべきでした。失礼しました。
Commented by 横レス失礼 at 2005-11-12 22:29 x
>通りすがりさん
仰るのはその通りですけど、マーケットで普通に「CPIがプラス転換したら」って言い方をしていますんで、bank.of.japanさんはそれを踏まえて書いたのだと思います。「ジャーナリストの方々」に矛先が行くのはちょっと。
>星の王子様さん
このエントリーの追記は「短期金利が2-3%に上げられるくらいの経済物価情勢になるまで日銀はインフレファイター姿勢を鮮明にしない方が良いのではないか」と読めるのですが、その場合って短資会社には全然良い環境ではないと思いますけど。
Commented by bank.of.japan at 2005-11-12 22:48 x
横レス失礼さん、フォローありがとうございます。ブログ読者層も当初より広がっているようですので、なるべく気をつけるようにしたいと思います。
それから、星の王子様さん、私の書き方がちょっと舌足らずでした。仮にこれから経済成長が拡大し、物価がインフレ基調になるなら、ややビハインド・ザ・カーブで金利を上げていき、短期金利が2-3%程度になるまでインフレファイターぶりを露骨にしない方が良い、という意味で、横レス失礼さんのほぼご指摘された通りです。この場合は、経済成長が拡大していることが前提でありますので、企業活動は活性化しているはずで、その限りにおけるイールドカーブのスティープ化は経済成長の“結果”なので、個人・企業がカーブ形状に強い制約を受けることはないと思います。日本の場合、逆イールドになるなら利上げはすべきでないと考えます。
Commented by walrus at 2005-11-13 14:46 x
そもそも物価水準がマイナスという事態は生じ得るのでしょうか?
Commented by walrus at 2005-11-13 14:50 x
つまり、物価マイナスという表現はいわずもながなでインフレ率のことと理解できるのでは?
Commented at 2005-11-14 00:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bank.of.japan at 2005-11-14 12:24
walrusさん、確かにある年の指数を基準に物価水準(プライスレベル)ターゲティングを行う場合には、変化率は関係ないですね。
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