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気になる記事=丸の内のオフィス賃料低下
 日経新聞に気になる記事があった。財務面の「会社研究・三菱地所」である。それによると、同社は東京一等地の地主でありながら、所有ビルの賃料低下で安定収益基盤が揺れているのだ、という。詳しくは記事を読んでもらうとして、その内容は“意外”であると同時に“納得”するものだった。私は、最近の都市部の不動産上昇には懐疑的だが、それはともかくとして、民間調査では空室率が低下し、賃料も上がっているとの報道もあることから、一等地に優良物件を持つ不動産会社は潤っているのだろうなあ、とみなしていた。その意味では、三菱地所がビル運用で苦慮しているかのようなこの記事は“意外”であった。
 一方、私の不動産市況に対する見方は、金余りの世の中、確かに不動産に向かう投機資金はかなりの規模にはなるだろうが、①優良不動産が人気を集めるとは言え、供給が増えれば優良物件間の顧客の奪いが起き、優良レベルですら賃料は上がりにくい②優良物件の供給が増えると、オフィス需要を吸い上げていき、結果的に非優良物件の空室率は高まるのではないか-というものだ。もちろん、不動産は立地条件によって価値は異なるため、すべてに私の見方が当てはまるものではないが、傾向としては言えるのではないかと思っていたわけだ。
 従って、今回の記事は、私の見方に照らすと納得のいく内容ではある。問題は、安定収益基盤の揺れていることが、三菱地所固有の事象であるのかないのかだ。固有の事象なら、私の見方にたまたま同社の事情が合ったというだけで、実際のオフィス市況はいいのかもしれない。ただ、どうであろう。記事では、三菱地所は「安値でテナントを埋めた弱気の経営」と評されているが、私はこれについてはやや懐疑的だ。
 なぜなら、基本的に、ある業界でプロとしてやっている人々は、それほど外したことはしない、と思うからだ。賃料設定において、駆け引きの在り方が相場を多少左右する面はあるだろうが、大きくは需要と供給が決定要因になるはず。従って、安値というより需給に照らせば妥当な価格圏内でテナントを埋め、弱気もなにもないのではないかと思う。最近の時価で考えると、「丸の内オアゾ」の利回りは3%台、と低さが強調される記述があったが、私には時価が高過ぎるにように見えるのだが、どうであろう。私の見方は懐疑的であるがゆえに、むしろ外れた方が安心なのだが。
 
by bank.of.japan | 2005-08-19 20:04 | 経済 | Comments(2)
Commented by ばぶるばすたー at 2005-08-24 09:42 x
どう考えても不動産価格は理性的に説明できる水準を一部では突き抜けているような気がしますね。いくら場所が良い不動産物件でも現行賃料ベースで無リスク資産であるJGBとのスプレッドが150~200BPでは投資のリスクアジャスティッドリターンとして合理化できないですよね。オフィス需要は2010年の団塊世代退職で激減するのですから。。。
Commented by bank.of.japan at 2005-08-24 10:57
バブルバスターさん、どうもです。日銀通り界隈でも中小ビルの建て替えがそこかしこで目立ちます。ビルを更新しないとテナントが集まらない→建て替えが進む→需要の食い合いが発生。一方、古いビルはますます衰退。不動産全体として今後低迷する状況が潜在化しているのではないか、と心配です。依然資金は流入しており、目先おかしくなることはないでしょうが、金融政策の変更が視野に入りつつある中、要注意かなあと。
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