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続・BIS与信統計の考察=それぞれの国へのそれぞれの与信
 国際与信統計の続き。前回はオフショア・ケイマン諸島を取り上げたが、今回はその他の国々を見てみる。もちろん、対象はエキゾチック。まずは国際政治情勢を鑑みてまったく縁のなさそうなところ。近場として例えば北朝鮮はどうであろうか。与信残は概ねゼロで推移しているのだが、ときたま小額の数字が出る。直近では昨年末に200万ドル。どういう与信であろうか。ゼロが続く中でぽっこり生じているので、短期物。短期証券投資は考えにくいので、短期融資であろうか。恐らくは貿易に絡んだもので、数字が小さいので単独行によるものと推測される。
 アジア・太平洋方面に範囲を広げる。中国向けは2003年末から04年3月末に与信残が99億ドルから120億ドルにジャンプした後は漸増。足元145億ドルである。大半は現地進出の日系企業向けか。この方面、それぞれそれなりの数字で、まったく縁のないのがアルメニア、キルギス、タジキスタンであった。
 アフリカ・中東方面をみている。なお政情不安が続くイラクだが、ここの特徴は小額ながら一定残高が続いていること。規模は800-900万ドルで、足元では増加気味。プロジェクト絡みの長期融資かなあ。同方面での残高トップはリベリア。23億ドル以上が定常化しており、同国の特性を考えるとやはり船舶に関係したものか。似た特性があるのはパナマ(オフショア)で、ここなど150億ドル前後がしっかり定着した状態だ。なお、同方面でまったく残高なしでの推移はリビアとスワジランド、ザンビア。
 先進国を除く欧州方面。残高なしはアルバニア、ベラルーシ、ほとんどないのがモルドバ。同方面で興味深いのは残高上位の動き。2年前はトルコがトップ(10億ドル)だったが、ポーランドが急追して直近は21億ドルでトップ。トルコは17億ドルの2位。3位はロシア(15億ドル)だ。
 ラテン・アメリカ方面。直近で比較すると、やはりブラジル(28億ドル)、メキシコ(29億ドル)などお馴染みの国が上位。3位はぐっと下がってチリ(10億ドル)。縁のないのがボリビア、ニカラグアであった。
 金融をめぐる世界周遊は以上。それぞれの国のそれぞれの与信事情。みなさん、ご想像ください。なお、数字はしっかり見たつもりですが、もしかしたら間違いがあるかもしれません。その場合はご容赦を。詳しく知りたい方は日銀ホームページを参照下さい。
by bank.of.japan | 2005-07-29 18:42 | 日銀 | Comments(0)
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