香西泰氏の「経済教室」(日経新聞)は、歴史的な教訓として、デービッド・ヒュームの「公債は便利だから乱用される」、「最終的には公債が国家を破壊するか、国家が公債を破滅するしかない」などを引用。最終的な解決方法は、ヒュームが治療的な処理と評価した「国民が資産に応じて公平に資金を拠出し公債を償却する」との案だ、としている。実行は容易ではない案だが、香西先生は、状況が十分認識されれば、大胆な提案が驚きではなくなり、実行される可能性もあるはずだ、と訴えている。
問題はやはり「十分に認識される」ことで、「公平な資金拠出」が実現するかどうかであろう。方法としては、常識的には大幅な増税となるが、現実的には景気重視の財政運営が続き、公債残高は増えていく公算が大きい。国家または公債のいずれかの破滅しかないように思う。もっとも、強力なホームバイアスとデフレ的な状況を考えると、破滅の時期も当分はありそうもない。結論としては、財政事情の厳しいことは十分に認識しながらも、何とかなるだろうと日々過ごすしかない。そもそも「破滅」を織り込んで行動できるものではない。みなさんの対処法は?
by bank.of.japan
| 2005-04-04 21:06
| 経済
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Comments(3)
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バブラー
at 2005-04-04 23:47
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いいですね。香西先生は「逃げ切れる」世代ですから。所詮は他人事で済まされるのでしょうね。「逃げ切れない」世代としては羨ましい限りです。
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bagehot
at 2005-04-05 11:00
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50歳以上の高年を「逃げ切れる」世代だとすると、公債改革の最終列車はとっくに発車。乗り逃げされたわれわれ中年に出来る手段は①公債または経済を今破滅させ、出発した列車を破壊。われわれはなお残る体力を武器に焦土を生き延びる②公債購入運動を展開し、国内資金循環の膨張を支援。破滅時期を次世代に先送りし、われわれは最終列車に乗ってしまう。問題点、①の場合、われわれは貧乏なので公債を叩き売れない ②の場合、若年はニート化して、われわれを破滅させるかもしれない、あぁ…。
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bagehot
at 2005-04-05 11:07
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問題点の追加。たとえお金があっても公債を叩き売るような勇気は、たぶんない。
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