決定会合があった。この間、臨時会合をやったばかりなので、本当はいらないとは思うが、本日の会合がそもそもオリジナルで設定されていたもので、スキップはできない。総裁がジャクソンホールに行く前は、今日緩和が決定されたのではないかと思うが、まあ、こういうわけであります。以下、簡単に雑感。
・景気判断 「景気は緩やかに回復しつつある」となった。改善方向での判断がシンプル化するのは、一般的には景気判断の前進となるのだが、今回の日銀文学はトリッキーで、声明全体では下方の修正となっている。そもそも「海外経済の改善を起点として」が取れたのは、日本の自律回復への動きが強まったのかのような印象を与えるが、そうではない。 景気判断はシンプル化ながらも、各論やリスク判断は弱くなっており、全体として下向きと読め、ということらしい。文学的に解釈すると、景気判断を汚したくないため、各論やリスク判断の方に汚れを押しやった、と解釈される。本来のあるべき文学的表現は「景気は、海外経済の改善は一頃より弱まっているが、そこを起点として、緩やかに回復しつつある」と冗長(汚い)なものであるはず。 結論的には、声明の(2)は、ストーリーの展開がおかしい感じ。ところで、「つつある」は何ヶ月連続? ・総裁会見 「必要と判断される場合には、適時・適切に政策対応を行っていく」の説明が苦しい。これは、FRBを意識した市場との対話の一環なのだが、根がマジメなので、それが緩和であるとは言いにくい。市場期待を操るには、ある意味、悪人でないと務まらないので、今後も苦しい局面が続くように思う。 下のエントリーで、内田さんがFRBの機動的対応を指摘されていたが、市場関係者の立場では、「適当にうまく言えばいいのに」と私も思うのだけれど、日銀はこの適当というのが苦手。例外は、言語的な才能があった福井さんなのだが、あれは個人芸なので、真似はできない。また、下手なのに真似すると、ろくな事にもならないであろう。 明日に続くかも。
by bank.of.japan
| 2010-09-07 22:34
| 日銀
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