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「日本国債がデフォルトした場合の危機管理について」という田村先生の質問について
 田村耕太郎先生は、その元気で前向きな姿勢は評価しており、頑張っていただきたいのだが、政権与党の先生としては、本日の日銀総裁らに対する以下の質問は状況設定が危険であり、マーケットの地合いによっては今後まずくなるリスクもあるので、簡単に解説したいと思う。

まず質問内容はブログから引用するが以下の通り。

「日本国債がデフォルトした場合の危機管理について。
 論点は幾つかあるでしょう。ただ、ここでも日銀は保有資産の多様化を要するのではないでしょうか。価値の保全と、対応手段の多様化の両面からです。
 また、国債のフォルトの際に、円が信任を失えば、日本企業は海外決済が出来なくなり、即死する恐れがあります。銀行等が保有している国債の残高も大きく、信用不安が急速に進行する恐れがあります。これは、数時間、あるいは数十分で進行するので、事前に充分な検討と、危機管理対策をマニュアル化しておかねばならないと考えます。日銀はそれをやっているのか?やっていないとしたならば、通貨の番人として猛省を求めたい」

 国債がデフォルトするのは、すなわち通貨価値も喪失した状態であり、通貨の番人である日銀はそうならないように番人役を務めている。従って、上記の問題設定は、国家が経済敗戦した際、中央銀行も同様に敗戦するが、それでも敗戦の犠牲者を最小化するリスク管理をせよ、という意味に捉えられる。ご指摘は、例えば民間企業・家計が政府が即死しても生き延びる算段をせよ、というのならまだ分かるが、政権与党(の一員である先生)が経済敗戦に備えたリスク管理を求めると、えっ! 日本経済は即死するの!、とまだ即死していない我々は驚くわけです。
 それから敗戦した中央銀行は、そもそも信用力もなくなっているので、民間金融機関の信用不安を抑えるにしても、供給するお金の価値がないので、どうにもこうにもならんと思われるわけです。言うまでもなく、重要なリスク管理は、敗戦回避のための財政規律(=通貨価値)の維持でありまして、日銀に猛省を求めるなら、敗戦そのものへの猛省であり、即死したときの対応としては、政府は緊急速やかにIMFの支援を求め、我々は預金封鎖・新円切り替えの猛烈なる緊縮に耐えて復興に尽力するのみでありましょう。
 個人的には、そのときは穀物輸入で支払う外貨が枯渇した状態にあると考えられ、企業やら銀行などほっておいて、とにかく国民から餓死者を出さないことを最重要とすべきではないか、と思います。ご指摘のように通貨価値は瞬時に消滅する可能性が高い一方、農業復興には時間がかかりますので、その間のつなぎの食糧確保が重要ではないかと。
 
by bank.of.japan | 2010-04-14 01:06 | 日銀 | Comments(0)
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