やや古いネタで雑感。FRBが公定歩合引き上げによる正常化を始めた直後、米財務省が「Supplementary Financing Program」(意訳・補完吸収プログラム=SFP)の再開を発表した。過剰流動性の吸収を財務省がお手伝いする、という構図で、最初は「そうなのか」と軽く受け止めたが、若干違和感もないではなかった。FRBはそれなりに吸収手段を整えてきており、吸収作業もそうは急ぐ必要はないため。つまり、逆説的には、財務省の手助けを必要とするほど何か切迫しているのかな、と思ったのである。
海外ブログを見渡すと、あまりこの件は話題になっていない。かなりテクニカルな話なので、スルーされてしまったのかもしれない。唯一目に付いたのは、Econbrowserで、「Treasury Supplementary Financing Program (SFP)」をアップしていた。疑問はやはり財務省が唐突に手伝う理由で、「But why? If the goal were indeed to drain reserves, the Fed could do this by selling some T-bills out of its own holdings…」→、つまりFRB自身がリバースレポやらマッチドセールやらターム預金ファシリティなどを駆使すれば、そう急ぐ必要もない限りは回収は可能のように思える。 特にターム預金ファシリティは、「長めの売手」のようなもので、FRBとしては初めての負債発行型の吸収のはず。これはそれなりに機動性は高く、負債発行→国債のようなもので、財務省のSFPと重複してしまうイメージがある。まあ、この手の話は裏があるように見えてしまうが、基本的に裏のある話はバレてしまうので、財務省は吸収する必要があるからSFPを再開させたと素直に受け止めるしかない。 で、マーケットインパクトである。もとより、FRBの吸収は市場から見れば「運用」である。財務省のSFPも「運用」である。運用ニーズがあれば運用金利は上がらない。ニーズがなければ、金利が上がる。つまり、FRBの吸収する際の金利、またはSFPで発行する国債(のようなもの)の金利が上がるのである。 一般的にバブル崩壊した経済の金融システムは、①景気が悪いので資金需要がない②(金融機関側に)信用リスクを取るインセンティブが薄れる-などが特徴。端的には、バブル崩壊後の邦銀のように短期債ニーズが強まる傾向となる。なので、FRB吸収&財務省SFPはある程度こなされるとは思うが、それ以上に吸収&SFPが多いと、多分ターム物金利が上がってしまう可能性が高い。 それと、財務省がSFPで調達した資金は政府預金(FRBの負債側)に回り、この預金には多分金利は付かないはずなので、SFPの発行金利が高くなると、財務省は逆ザヤで損をしていく。そこまでしてやるのか、という気がしなくもない。
by bank.of.japan
| 2010-03-01 22:10
| FRB&others
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Comments(5)
Bernanke-sousai とは呼ばなかったのですね。
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こんにちは。
この件については私も2/24エントリで書きましたが、ハミルトンが紹介する(吸収のお手伝いという見方のほかの)もう一つの見方は、MBS買い入れのための資金提供だったと思います。もしそうだとすると、政府預金に金利が付かなくても、FRBの国庫納入金である意味十分過ぎるほど元が取れるという皮算用もできるのかな、という気がします。
どうもです。参考にさせてもらいます。またコメントします。
昨日(一昨日夕方から)の短期金利の急低下は完全にインサイダーですね、日銀追加緩和と。これはSECがしっかり調査した方がよいと思われます。
ツィッター風には「ほう」という反応。
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