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ギリシャ悲劇の影でラトビアの惨劇=クルーグマン教授より
 財政悪化の深刻なギリシャの悲劇が世界的な注目を浴びている中、クルーグマン教授が「Riga Mortis」という短いエントリーをアップしていた。世界的なバブル崩壊でバルト方面の打撃も大きかったのだが、Club Medの影に隠れてこのところ忘却されていた格好だ。教授のエントリーからは、ギリシャ以上の悲劇に見舞われていることがうかがえる。

 「Latvia isn’t in the eurozone. But its determination to keep a fixed exchange rate against the euro lies behind the catastrophe」
→ラトビアはユーロ圏ではないが、ユーロに対して自国通貨のペッグを堅持している(=切り下げしない)。しかし、実体経済は悲惨な状況にある。

 悲惨な状況は、エントリーにリンクされたリポートにうかがえる。
「The Latvian recession, which is now more than two years old, has seen a world-historical drop in GDP of more than 25 percent. The IMF projects another 4 percent drop this year, and predicts that the total loss of output from peak to bottom will reach 30 percent. This would make Latvia’s loss more than that of the U.S. Great Depression downturn of 1929-1933」
→ラトビアの不況は2年以上続き、GDPは25%以上も縮小した。IMFの見通しでは、今年はさらに4%減少し、GDPはピークから30%近くも落ちると予想される。ラトビアの経済的損失は米大恐慌を上回る可能性がある。

 本来、ユーロ圏ではないラトビアは通貨切り下げという選択肢がある(これもコストは大きいが)。切り下げないで不況をしのごうとすると、通貨調整の代わりに国内経済の大調整(=大不況=経済の切り下げ?)が起きてしまう格好だ。 リポートの題名(The Cost of Adjustment With An “Internal Devaluation”)はそんな意味ではないかと思った。
 
 独仏を枢軸とするユーロ戦線。あちらこちらが泥沼化し、ユーロを囲む全戦線の維持が難しい状態にある感じだ。バトル・オブ・ブリテンの赤い新聞(FT)、日本を語っている場合ではないような…
by bank.of.japan | 2010-02-11 15:15 | ユーロ | Comments(8)
Commented by くま at 2010-02-11 21:07 x
「英国はなんぼでもポンド刷ってお金返せるもんね〜」とか、、、
Commented by 害債 at 2010-02-11 23:57 x
さすがは外交の国、英国です。最近はギリシャのことを語る語る・・・。こういうやり方で、危機を先延ばしにしてやり過ごすつもりかな。ロンドン空襲にも屈しなかったくにだから、首をすくめて目をそらせていれば何とかなると思っているのかもしれません。ちょっと前は日本のことをさんざん言ってくれていましたが、実態は10年以内のCDSでは、もはや日本をはるかにしのぐスプレッド。市場は正直です
Commented by ロンドンより事情により匿名 at 2010-02-12 06:45 x
ご無沙汰しております。今更にもほどがありますが今年もよろしくお願いします。

私の隣の席に座っている同僚がリトアニア人なので話を聞いてみたのですが、「モーゲージやその他一般のローンが外貨建てになっているので、通貨切り下げは政治的にも経済的にも影響が大きすぎて難しい」とのことでした(加えて、国内消費の落ち込みで積年の課題だった貿易赤字が一挙に解消されたため、その点からも通貨切り下げの必要が無くなったとか)。

そう考えると、ギリシャの非商業債務もほぼ全てがユーロ建てになっており、これはギリシャがユーロ圏から離脱しても変わらないわけですから、ギリシャのユーロ離脱も同様の困難を伴うのかもしれませんね。そうなるといよいよ独仏の救済プランの中身が重要になってきますけれども。
Commented by 通行人 at 2010-02-12 15:02 x
金融危機でGDPが数十%減少ですか。かつてタイでもありましたが、なんか想像がつかないですよね。タイ人も別に普通に生活していたし、あっという間に回復しちゃいましたし。何がおきてGDPが30%も減少しちゃうんでしょうか。タイは通貨暴落だったのでドル表記での20%下落かなと思ってましたが、ラトビアって固定相場なんですよね。要因分析とかあるのでしょうか。それとも、統計上の異常値が発生しているような状態なのでしょうか。

日本は15年間ゼロ成長で青色吐息みたいな状態なんですが、その違いが知りたいと思いました。
Commented by bank.of.japan at 2010-02-13 00:50
害債さん、CDSのプライシングはなかなかですね。

ロンドンより事情により匿名さん、こちらこそよろしくです。借り入れが外貨建てで切り下げが難しいとの指摘はうなずけます。貿易赤字解消の件は参考になります。

通行人さん、対ユーロで固定なので、国内経済が急激な落ち込みをみせたのだと思います。CPIは3%下落、失業率は20%以上のようです。
Commented by トレーダー志望 at 2010-02-13 01:42 x
逆にドイツやフランス、ベネルスク3国がユーロから出ていくっていう手もありますけどね。この場合ユーロは大きく下落して問題は解決しそうです。経常赤字の国だけの通貨だと存在意義がない気もしますけど。

結局財政(独仏支援orデフォルトして独銀等が損失→政府が支援)か金融(ECBがかなりの金融緩和or上記の優良国のユーロ脱退)で直接金を渡すかインフレによって間接的に渡すかですね。
Commented by bank.of.japan at 2010-02-16 20:36
その可能性もなくはないですね。新ユーロ、旧ユーロ。または良いユーロ、悪いユーロとか言われるかもです。
Commented by かる at 2010-02-18 00:06 x
だから、中欧銀公は財政一帯で、それを覚悟の通貨統合かつ、脱退もありって常識でしょ。そんなこともわからないまま、議論していたことがおかしいんです。アラブ首長国連邦がまさにそれじゃないですか。
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