日銀政策委を模した野村総研の「金融市場パネル」から議論を簡単に紹介したい。リポート公表日(10月22日)から間が空いてしまったが、日銀の企業金融支援の異例措置解除に先立ち、特に学者メンバーの議論がマニアック化しているのが印象深い。参加者は以下の通り。
加藤 出(東短リサーチチーフエコノミスト) 高田 創(みずほ証券金融市場調査部長) 福田慎一(東京大学大学院経済学研究科教授) 宮尾龍蔵(神戸大学経済経営研究所長) 柳川範之(東京大学大学院経済学研究科准教授) 渡部敏明(一橋大学経済研究所教授)<欠席> 井上哲也(野村総合研究所金融市場研究室主席研究員<オーガナイザー>) 福田氏: ・日本の場合は、短期のオペ手段を中心に超過準備を供給したので、新規供給を減らすだけで、「量的緩和」の解除は短期間に一気に進んだ。しかし、MBS やエージェンシー債を抱えるFED や長期国債を抱えるBOE の「解除」は違う姿になろう。 →これはその通り。非伝統的金融緩和の巻き戻しに際し、B/Sの特に資産構成(各資産の残存期間など)が縮小に大きな影響を及ぼす。この点、英米中銀の今後の対応は注目。 高田氏: ・今回の金融危機前に最もレバレッジを取ったのは家計であった。不動産価格の下落でネガティブエクイティーになった以上、少々減税しても貯蓄率が上がるだけで個人消費は増えない。しかも、個人の金融資産の価値も大きく毀損している。日本の場合は、企業が不動産のバルクセールなどで償却すれば解決がついたし、倒産法制の整備などが効果を挙げた。しかし、個人の負債処理はそもそも難しいだけでなく、米国では来年は中間選挙を迎えるので、この問題を先送りする指向が強い。 宮尾氏: ・そうだとすると、米国のマネーサプライや貸出の低迷は長く続く。 福田氏: ・マネーサプライが減っても、ベースマネーを増やして対応すべきという発想は皆無。かつて、日本に対し、「マネーサプライを何とかして増加させるべき」と主張していたのは一体何だったのかと思う。 →昨今のリフレ論議に照らしても、福田先生の見解は参考になる。 福田氏: ・日銀による企業金融支援特別オペについては、今となっては、本当に企業金融を「支援」しているとは思えないし、金融機関にとっては、このオペがなくなっても、プレミアムを払えばロンバート貸出を利用できる。 →かなりマニアック。正直、福田先生からこの意見が聞かれるとは予想外であった。
by bank.of.japan
| 2009-11-17 22:15
| 日銀
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Comments(6)
そういえば数十年前(そんな前ではないが)×リポートというBOJご用達(うそです)なんて短期金融市場の神の一言みたいなレポートがあったような。まー証券業界におけるどこぞの神社のご神託見たい感じでしたね。
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旧法時代ですね。私も読んでいました。
このメンバーから審議委員が出るかなーと思っていたら、宮尾さんでしたね。
まあ、マーケット方面の候補者を主軸に見ていたので、ほう、と思いました。
政権が変わったので、今後は何とも言えないですが、市場関係者でも、水野氏はやや異例なケースであり、やはりエコノミストに近い方が就任する(通例と言ってもそんなに例は多くないが)と考えるのが妥当ですよね。
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