このところ財政赤字が債券マーケットでネタになっている。政権が民主党になり、バラマキ→財政悪化という構図が描かれやすいため、マスコミも長期金利の上昇はある意味、おいしいネタになっている。ただ、今回は国内よりも海外のマスコミが騒いでいる感じが強く、これに乗じて外資系ファンドもオプションとか使って債券ショート方向で仕掛けている様子がうかがえる。で、どうなるのか、の考察である。
私は、積極的な財政出動論者ではないが、結論的に言えば、まだ当分は財政リスクプレミアムが本格発生する状況ではなく、今回の金利上昇を深追いする向きは最終的には全滅を余儀なくされるのではないか、と思う。理由は、①金融機関はなお運用難のために国債を買わざるを得ない②そしてデュレーションを徐々に伸ばして行かざるを得ない③なんだかんだ言ってホームバイアスは強力な状態が続く-ため、過去と同様に金利上昇は長続きせず、再び低下基調に戻ると思われる。 予兆としては、先々週のスワップマーケットだったのかもしれない。突然、ベアスティープ化が強まり、フラット化のポジションを取っていた向きが一斉にロスカットと相成ったようだ。その後はしばらく落ち着いていたが、このところ現物債が軟調となり、この間、海外メディアが騒ぎ始めた、という展開であろうか。たまたま、しばらく前に債券を買い越した銀行勢が調整的に売りに回り、これに少し提灯が付いたのかもしれない。 バブル崩壊以降、財政は拡大し、何度かこれをネタに金利は上がったが、結果的には長続きせず、ショートで攻めすぎた外資系はやられる、という歴史があった。まあ、今回も同じでありましょう。これまで円などやったことのない新参者のようで、ショートポジションもあまり引っ張らない方がいいかもしれない。 ただ、GDP比の財政赤字がどこまでも膨らんでもOKというものでなく、いつかは臨界点突破する可能性はあり、そうなった場合の阿鼻叫喚の状況には直面したくはないので、財政赤字も結果的に増えるにしてもほどほどにして欲しいよなあ、と思う次第であります。 ところで、やっぱりトレーディング系の方々はショートで儲けるのが快感でありますか? 達観すると、長期金利は上がったと言っても1.4%台で、過去一年ぐらいのスパンで見れば、十分にレンジの中でありましょう。
by bank.of.japan
| 2009-11-06 20:47
| マーケット
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Comments(12)
預貯金をするのは高齢層だとは分かっていますが、地方なのか都市なのか?
どういう経路でお金が流れて、預貯金に溜まって行くのか? 鳩山内閣が結構いじって、構造が変わらないか心配。 麻生内閣のまま、年1%づつ消費税上げて欲しかった
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確かに、直ちに消化何に陥るという状況ではなさそうですね。ただ、海外のリアルマネーは債券から撤退している模様で、毎週のように中長期債を数千億ずつ売り越してます。このままではJGBマーケットはますますドメ化が進むかも。
①、②は違和感ありますよ。確かに預金の方が多い金融機関は最終的には国債を買うと思いますけど、デュレーションをとるとは限りません。今回は財政悪化に歯止めがかかる道筋がまったく見えないし、公的セクターが買う量が昔と違って増えませんから。いつの日か、外人達が買ったオプション(かなり高い金利がストライクのプット)がワークするような気がします。
その可能性は否定できないです。そうならないことを祈りたいです。
真剣に財政悪化シナリオで、JGB売るのなら、円も売ると思いますが、そこまででは、ありませんでした。夏ごろに出ていたHF勢が、再度、出てきた様子ですが、そもそも金利系のファンドでなかったりもしますからね。
どちらにしても、まだ、誕生したばかりとはいえ、民主党の戦略が不透明であることが背景だと感じます。特に、海外からは分かり難い、、、。
今回の長期金利上昇は外人のファンド筋による超OUTのSwaption Pay's買いがきっかけだという点ではそのとおりなのですが、実はこのシナリオメイクの黒幕は某米系投資銀行の日本人プロップトレーダーによるものでそれを派手に動く外人に持ち込んで暴れさせたという真相のようです。
「敵は本能寺にあり」 個人的にもここから先10年を見据えた場合日本のI/Sバランスがどの程度急速に悪化していくは想像がつきにくく、故に市場に極端なシナリオを織り込まれてしまう可能性は十分にあることは強調してもしすぎることはないでしょう。
まあ、いつもと一緒でしょう(笑)。気を付けるべきは、期待成長率の下方屈折に対し、さらに、それを押し下げる政策が垣間見られることですかね。こちらはななかなか数字で表すことができないので、見落とされがちです。しかし、長期金利の決定要素としては極めて需要です。
というか、既に色々な意味であきらめつつある。
前政権までなら、何か言えば反応してもらえそうな気がしていたものだが。
30兆円さん、財政悪化懸念が本物であればトリプル安の様相になると私も思います。
プロップトレーダーさんのご指摘はありがちかなと思いました。この件、本当ですかとの質問も頂いておりますが、まあ真相は藪の中ということで。 システム5.1さん、ご無沙汰です。私も同様の相場観です。 飛車さん、お気持ちは良くわかります。
今回は違うかもと思いきや、早くも「やっぱり今回も」の展開で金利は急低下です。今回興味深いのは、メガではなくギガバンクが3日間に渡って実弾で強烈に介入したことです。明らかにMOFから依頼を受けたとしか思えない、かつて見たことがない買いの量でした。ある意味で、この国の国債管理政策は恐ろしいです
非公開でコメントいただいております。ありがとうございます。
やっぱり今回もさんもご指摘のように「今回も」となりましたね。国債管理政策絡みというよりは、買わないといけないから買った、と受け止めております。
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