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大塚先生のメルマガで日銀法43条のお勉強
 下のエントリーに関連して政権交代に伴う国会論戦(金融政策関係)の見所を考察しようと思っているのだが、その前に面白いものを見つけたので紹介したい。民主党・大塚耕平議員の日銀法43条に関する見解である。メルマガにあったのだが、一部を紹介したい。日銀が株の買い取りで43条を初めて発動したときのものである。これはこれで日銀マンらしい考え方であるので、BOJウォッチャーの方々はご一読を。

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・不健全な中央銀行の独立性:「ルビコン川を渡った」より抜粋。

 日銀法第43条は「打出の小槌」ではありません。日本銀行が「認可さえ受ければ何をやってもいい」という認識でいるとすれば、この点は間違っています。日銀法はあくまで「平時」の法律であり、先進国共通の中央銀行制度の枠内の法律と言えます。日本経済が「非常事態」であり、先進国中央銀行制度に前例のない政策を行う以上、別途の立法によって法的根拠を確立すべきでしょう。それが「法治国家」というものです。

 速水総裁がこうした政策を選択する決断をしたことは理解できますが、日本銀行が立法府や行政府に何の説明もなく最終決定を行い、実務の詳細も内部で決めようとしていることは「法(のり)」を超えていると言わざるを得ません。速水総裁を支える幹部の皆さんは、法的根拠についてどのようなアドバイスをしたのでしょうか。

こうした短絡的な行動を取った結果、日本銀行は「失ったもの」と「負ったもの」があります。

 「失ったもの」は、総裁をはじめ、中央銀行幹部の発言に対する「信頼」です。過去に発言していたことを、ある日突然180度転換したのですから、残念ですが、やむを得ないことです。仮に、別途の立法によってこの決断が行われていれば、「中央銀行としての原則は変えていない。しかし、経済が非常事態の中、国権の最高機関である国会が決めたことであれば、例外的、緊急的な対応として日本銀行としても協力する」という抗弁が成り立ちます。後世の人たちも、どのような経緯と背景で、日本銀行がそうした行動を選択したかを正しく理解してくれたことでしょう。残念ながら、中央銀行幹部の発言の重みが、著しく軽くなったと言わざるを得ません。

 金融政策(例えば、公定歩合の変更)に関連する発言は、ある程度「前言を翻して良い」(=誤解を恐れずに言えば「嘘を言って良い」)というのは、内外の金融市場関係者の共通認識です。しかし、原理原則(例えば、株や不動産を保有しないこと)に関する発言は違います。この点の認識と判断が、やや間違っていたのではないでしょうか。

「負ったもの」はふたつあります。ひとつは、自主的な判断で第43条認可を申請した以上、株取得に伴うより明確な結果責任を負ったということです。もうひとつは、一般企業の株を取得することに伴う業務の公正性、透明性に関する立証責任です。例えば、取得する株の発行企業役員に元日銀幹部が在籍したり、後にその企業に幹部が再就職した場合、そうしたことが株取得と何ら関係がないことを立証する義務があります。

 株取得は平成16年9月末まで行われ、最長平成29年9月末まで保有される仕組みになっています。速水総裁をはじめ、今日銀に在籍している皆さんは「断腸の思い」で今回の決断(株取得の決断)をしたことと思います (そう願いたいです。一部で報道されているような「政治に一石を投じた」という認識でいるとすれば、自ら「政治からの中立性」を放棄したことになります。日本銀行はそういう組織ではないはずです。こうした認識が事実であるとすれば、これも「法(のり)」を超えた発言と言えるのではないでしょうか)。

 平成29年頃の幹部や職員の皆さんがどういうメンバーと状況になっているか分かりません。中央銀行に対する国民からの信頼を維持するためにも、「李下に冠を正さず」の精神で、将来的に問題の起きないルールを自主的に決めて頂くことが必要だと思います。

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若き青年将校の声といった感じですね。日銀金融機構局信用制策担当の諸君、感想はいかに。
by bank.of.japan | 2009-09-02 20:02 | 日銀 | Comments(5)
Commented by 星の王子様 at 2009-09-02 20:36 x
小生も大塚氏のメルマガ読んでいます。大塚氏今日のクローズアップ現代に登場してうまく話をしていました。
Commented by モンテカルロ・モナコ at 2009-09-03 01:08 x
>若き青年将校の声といった感じですね。日銀金融機構局信用制策担当の諸君、感想はいかに。

>とりあえずお手並み拝見でありましょう。 (これ下ねぇ)

共同通信の窪田さまですか。もっとマスコミは頑張らないと・・・
Commented by 39歳無職 at 2009-09-03 06:27 x
私もクローズアップ現代に出てる大塚氏を見ました。
断片的に見聞したことによって持ってたイメージより、
はるかにまともな人物に思えたので(大変失礼!)、
ちょっと安心しました。
Commented at 2009-09-03 19:22 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bank.of.japan at 2009-09-05 22:02
星の王子様さん、どうもです。大塚先生、話はうまいです。スポークマン役がぴったりですね。

モンテカルロ・モナコさん、どうもです。まあ、お手並み拝見です。

39歳無職さん、どうもです。国会での質問はなかなかうまいです。テレビ映りも良いですね。

非公開さん、どうもです。まだお若いので、党では将来が嘱望されていると思われます。コメントありがとうございます。
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